河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

畑――性

2023年06月23日 | 菜園日誌

中学生のころ、新聞のテレビ欄を見ていて「男と女の性」というのを見つけた。
親に内緒でこっそりとテレビを視た。
しかし、男とは、女とはこういうときにこんな行動をとるものなのだという話ばかりで、お目当ての「性」の話はまったくない。
最後にアナウンサーが「今日は男と女の性(さが)についてのお話でした」。
その言葉で逆に赤面した。
タイトルに「性」とつけたが、そんな子どもだましの話ではない。
れっきとした、雄と雌が子孫を残すための めでたい性の話である。

多くの植物は一つの花に雄しべと雌しべがあって実をつける(両性花)。
しかし、スイカやカボチャなどのウリ類は一つの株に雄花と雌花を咲かす(雌雄同株)。
雄花の花粉を昆虫の媒介によって雌花が受粉して実をつける。
ところがである。
植物は、あまりにも低いところに雌花がついて実を成らすと獣に食べられる恐れがあるために、背の高いところに雌花を咲かそうとする(頂芽優勢)。
農家にとっては、それでは日にちがかかるし多くの収穫は見込めない。

そこで農家は考えた。「ならば最初の芽の蔓(つる=親つる)の葉が五、六枚になった時に、親つるの先っぽを切ってしまえ(摘芯)」。
すると植物も考えた。「何をするのや! そしたら脇芽(わきめ=子つる)を出して、早いうちに雌花を咲かせてやろう!」
これによって、植物は多くの実をつけるようになり、農家は多くの実を収穫できるようになった。
芽出たし芽出たし!
※日本カボチャは摘芯するが、西洋カボチャは摘芯しないが通説です。各自の判断でお願いします。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 畑――蔓 | トップ | 畑――青春 »

コメントを投稿

菜園日誌」カテゴリの最新記事