河内国喜志村覚え書き帖

大坂の東南、南河内は富田林市喜志村の歴史と文化の紹介です。
加えて、日々の思いをブログに移入しています。

ちょっといっぷく6

2022年02月18日 | よもやま話

 学生時代、四国へ一人旅をしたときのことである。

 宇和島から松山へ行くとき、国鉄の予讃線で行く方が早かったのだが、バスの旅もいいだろうと思ってバスに乗った。

 最初は十数人乗っていたが、一人降り、二人降り、乗ってくる人もなく、とうとう私一人になった。そんな折、山の中の寂しい停留所にバスがとまり、一人の男性が乗ってきた。夏だというのに、白のスーツに黒のシャツ、真っ赤なネクタイをした、いかにもヤバそうな人だった。私の三つほど前の席に座った。

 いくつかのバス停を過ぎたとき、その男は「次、降ります」ボタンを押した。

 しかし、音が鳴らない。二度三度押しても鳴らない。後ろで見ていても、男のこめかみがヒクヒクしているのがわかった。

 頭にきたのか、男は立ち上がり、運転手の方へ向かって行き、大きな声で、

 ピーンポーン!

 人は見かけによらないという話である。同じようなことがあった。

 

 吉野家に入った時、ヤバそうな男が三人、牛丼を食べていた。私は、最も遠い席に座った。やがて食べ終わった三人がレジへ行き、お金を払うと、大きな声で、

 「ごちそうさまでしたー」と声をそろえて言った。 

 そのすぐ後に、八十歳は超えているだろうと思われる腰の曲がった老夫婦が、私の向かいの席に座った。けっこう歳なのに牛丼を食べるのだ・・・と思っていると、おじいさんが店員に、

 「牛丼の大盛!」と言った。

 ゲッ! と驚いていると、おばあさんが、

 「私は、特盛!」

 人は見かけで判断してはならない。

 さて、下の絵は日本の有名な画家の絵です。はて、誰が画いた絵か?

 答えは次の絵の作者です。

 竹久夢二

 


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