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錯誤による所有権抹消登記(民法改正)

2021-02-02 11:50:13 | 不動産登記

先日、相続登記のやり直しをしたいという登記手続きの依頼があり登記が完了した件について、備忘録として記録しておきたいと思います。

相続登記のやり直しは、錯誤または合意解除で所有権抹消し、改めて遺産分割協議をして相続登記による所有権移転する手続きになると思います。

相続登記のやり直しが、税務上は贈与とみなされ贈与税が課税される可能性があるという問題は置いておきます。

今回は、諸事情により「錯誤」を登記原因として手続きをしたいということでした。

そこで問題となるのが、民法改正です。

旧法は錯誤の効果を「無効」としていたのに対し、改正法は「取消し」に改められました。したがって、新民法第95条第1項に基づき意思表示が取り消されたことにより登記の抹消の申請をするときは、その登記原因を「取消」とすることとされました。またその登記原因の日付は、取消しの意思表示が相手方に到達した日になりると思われます(登記研究872号より)。

そのため今まで錯誤で所有権抹消登記が出来ていたのもが、取消という扱いになるので注意が必要です。

なお、「新民法第95条第1項により意思表示が取り消されることになるのは、施行日以後にされた意思表示に限られる(改正法附則第6項第1項)。」とあるので、施行日以前の2020年4月1日以前の意思表示であれば、錯誤を使って所有権抹消登記が可能なので、今回はこの方法で処理しました。

民法改正により登記実務に影響があるところが色々あるので、注意が必要だと思いました。

 

 



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