妻の終活とは・・
仕事一筋で煩わしい家庭の事や近所づきあいは妻に任せきり、
男尊女卑で亭主関白で仕事を盾に妻に甘え切っていた夫。
その妻が末期癌で余命1年の宣告を受け、うろたえる夫。
一人でやっていけるように家事を教えたり自治会の清掃に一緒に参加させたりする妻。
何も出来なかった夫は、なんとか家事を覚え、近所に知り合いも出来た。
丹精込めて育てた薔薇の世話も教えて、自分が亡くなった後の夫の仕事も出来た。
終末期を在宅でケアするために、娘たちの協力もあり、
それまで険悪だった父娘の関係も徐々に融和していく。
以前、夫は妻を裏切っていたことがあった。妻は気づいてはいたが、
それをおくびにも出さず、しかし、決して許してはいなかった。
最後に夫は娘からそんな妻の心情を知らされる。
恨み言ひとつ言わないまま、自分を気遣ってくれた妻の愛情に
夫は初めて後悔の涙を流すのだった。。。
ただワンマンな夫を恐れ、従っていただけではないだろう、
ただ夫への愛情というのとも違う、
このどうしようもない夫のこれからを
最後まで気遣うのは、この女の人の性分だと思う。
立つ鳥跡を濁さず、
実に、お見事だった。
面白かった。
突然明日が来ないかもしれない、
そんな時のために、エンディングノートを書いてと、何度言っても
全然気にしない我が夫。
残された私のことなど、心配もしてくれないんだなぁ。