昨年12月に図書館予約、やっと順番がきました。
聞き慣れない難読漢字と武家言葉に挫けそうになりながら
何とか読了。
麻痺を抱え廃嫡を噂されていた若君は、いかにして将軍になったのか。
生まれつき障がいのある長福丸(家重幼名)は、言葉が不明瞭で誰もそれを聞きとれず、
思いが通じずによく癇癪を起していた。
麻痺で筆談も出来ない。
時には失禁してその歩いたあとが「まいまい」(かたつむり)のようであったと。
「まいまいつぶろ」とは、九代将軍徳川家重を蔑んだ表現、暗愚と疎まれた。
そこに、ただ一人彼の言葉を聞き取れる小姓が現れる。
我が口となる大岡忠光という唯一無二の友を得る。
周囲からは忠光の代弁する言葉が本当に家重の言葉であるのか疑われたが
忠光は家重の口になる事のみに徹して、自分が家重の目や耳に入れることは決してしなかった。
父である吉宗は将軍の座を優秀な弟に継がせるべきか悩んだが、
家重の子の家治がこれまた聡明で、吉宗は家治を大変可愛がり期待していたので
いずれは家治を将軍につかせるために、それまでの繋ぎに家重を九代将軍に据えることに決めた。
皆に務まらぬと見下されている家重が実は聡明で権勢をふるうことになるのは小気味良かった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます