山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『テンペスト』(上下)=池上永一著

2012-07-27 07:36:34 | 読書
 『テンペスト』は以前NHKでドラマ化されたのを再放送でしかも部分的に視たので記憶にはあったが、原作を読む機会はなかった。大野図書館で本を物色していると、今年2月の購入図書として本棚にあったので借り出して読んだ。
 作者の池上永一は1970年沖縄那覇市の生まれで、石垣島在住らしい。小説の題名の「テンペスト」=Tempesuto=は、あらし、暴風のことだ。すなわち、江戸時代末期、清朝と薩摩との間に難しい関係にあった琉球王朝が、列強の東洋進出と日本の維新開国などによって、王朝崩壊し沖縄県として日本の一部に併合されていく過程を、王朝に仕えた孫寧温(宦官)と真鶴の1人2役の心の葛藤を通じて描く物語だ。もちろん、すべてが史実でないことははっきりしているが、沖縄が過去どんな歴史をたどってきたかうかがい知ることのできる小説になっている。
 『テンペスト』に先立って読んだ『琉球の風』では、徳川初期に薩摩が琉球に攻め入り、王朝を支配を及ぼす過程が描かれたが、この2作を関連付けて読むと、沖縄というものが少しは理解できると思う。
 現代の沖縄は第2次世界大戦終戦以後、アメリカ軍の膨大な基地を押し付けられ、今またオスプレイという欠陥機を持ち込まれようとしているが、沖縄の人々が「非暴力」で様々な問題に立ち向かい、自らの尊厳を守ってきた歴史に立って、今また全県民的たたかいをおこうそうとしていることに強い共感を覚える。

オオウバユリが咲く

2012-07-27 07:26:39 | 日記
 わが町をふくむ東北北部も「梅雨明け」となった。昨日は、強い日差しが照りつけ田んぼでの作業はまたたくまに汗みどろの状態となり、したたる汗でパンツまでびしょぬれ状態。今朝は朝の4時ころからヒグラシが鳴き、「夏が来たよ」といっているようだ。それでも今朝は、雲が出てお日様は顔を出していない。
 夏の訪れを告げるように、山林の中などでオオウバユリの花が咲きはじめた。オオウバユリは北海道と本州の中部以北にユリ科の植物で、花が咲いた時に下部の葉(歯)が欠けているのを「姥」に例えたともいわれる。それにしても「オオウバ」は少し気の毒な気がする。色合いも地味で、ユリの仲間では目立たない存在である。
 写真は、わが家の庭に咲いたものである。