『テンペスト』は以前NHKでドラマ化されたのを再放送でしかも部分的に視たので記憶にはあったが、原作を読む機会はなかった。大野図書館で本を物色していると、今年2月の購入図書として本棚にあったので借り出して読んだ。
作者の池上永一は1970年沖縄那覇市の生まれで、石垣島在住らしい。小説の題名の「テンペスト」=Tempesuto=は、あらし、暴風のことだ。すなわち、江戸時代末期、清朝と薩摩との間に難しい関係にあった琉球王朝が、列強の東洋進出と日本の維新開国などによって、王朝崩壊し沖縄県として日本の一部に併合されていく過程を、王朝に仕えた孫寧温(宦官)と真鶴の1人2役の心の葛藤を通じて描く物語だ。もちろん、すべてが史実でないことははっきりしているが、沖縄が過去どんな歴史をたどってきたかうかがい知ることのできる小説になっている。
『テンペスト』に先立って読んだ『琉球の風』では、徳川初期に薩摩が琉球に攻め入り、王朝を支配を及ぼす過程が描かれたが、この2作を関連付けて読むと、沖縄というものが少しは理解できると思う。
現代の沖縄は第2次世界大戦終戦以後、アメリカ軍の膨大な基地を押し付けられ、今またオスプレイという欠陥機を持ち込まれようとしているが、沖縄の人々が「非暴力」で様々な問題に立ち向かい、自らの尊厳を守ってきた歴史に立って、今また全県民的たたかいをおこうそうとしていることに強い共感を覚える。
作者の池上永一は1970年沖縄那覇市の生まれで、石垣島在住らしい。小説の題名の「テンペスト」=Tempesuto=は、あらし、暴風のことだ。すなわち、江戸時代末期、清朝と薩摩との間に難しい関係にあった琉球王朝が、列強の東洋進出と日本の維新開国などによって、王朝崩壊し沖縄県として日本の一部に併合されていく過程を、王朝に仕えた孫寧温(宦官)と真鶴の1人2役の心の葛藤を通じて描く物語だ。もちろん、すべてが史実でないことははっきりしているが、沖縄が過去どんな歴史をたどってきたかうかがい知ることのできる小説になっている。
『テンペスト』に先立って読んだ『琉球の風』では、徳川初期に薩摩が琉球に攻め入り、王朝を支配を及ぼす過程が描かれたが、この2作を関連付けて読むと、沖縄というものが少しは理解できると思う。
現代の沖縄は第2次世界大戦終戦以後、アメリカ軍の膨大な基地を押し付けられ、今またオスプレイという欠陥機を持ち込まれようとしているが、沖縄の人々が「非暴力」で様々な問題に立ち向かい、自らの尊厳を守ってきた歴史に立って、今また全県民的たたかいをおこうそうとしていることに強い共感を覚える。