アジア開発銀行
民主党は日本を抜いて世界第二位になる中国にいまでも返済不要の無償援助というODAを続けている。これはすべて日本国民の税金であることは言うまでもない。
そればかりか、日本が最大の出資国であるアジア開発銀行(ADB)はいまでも単年度でODAとほぼ同額にも上る援助を行っている。驚くのは、円借款で、『中国の軍事拡大に利用される可能性がある』との理由からすでに中止されている道路、鉄道、空港などプロジェクトに対して、いまも大々的な支援が行われていることである。こうした諸設備を人民解放軍が優先的に使っている事実は言うまでもない。
アジア開発銀行はウイグルから中央アジアにニュー・シルクロードという名前の高速道路を建設する大事業に2兆円の援助を決めている。
アジア開発銀行の総裁は誕生以来、これまですべて日本人で占められていて、いずれも財務省の高官出身の財務官僚達である。前述の交通インフラへの融資も黒田東彦・現総裁の了解を経て、いまも堂々と実行されているのである。この黒田は「中国は覇権国家ではない」と言い放っている。日本の所管の財務省もOKを出していることは言うまでもない。
不思議なのは、これほどの援助をしているのに、中国人ばかりか、納税者たる日本国民もこうした事実を知らないこと。しかしその理由は単純なのだ。新聞もテレビもこうした事実を報道しないから。唯一の例外はサンケイ新聞の古森義久氏のレポートだけであり、後はほとんどノータッチ。
『正義のペン』は中国政府と財務省当局の顔色伺いに余念がない。
アジア開発銀行の融資する高速道路はチベットに、新疆にと、少数民族の住む地域に拡大中なのだ。チベット支援団体はこの件で、開発銀行に抗議したのだが、一切無視。取材に対しても「アジア開発銀行はそうした政治的なことは知りません」という木で鼻をくくったような回答が帰ってくるだけである。
これが私たち日本人の税金が一番投与されているADBの姿なのだ。
恐らく日本国民はアジア開発銀行の存在すら知らないのではないだろうか。
ODAの迂回ルートとして、国際的な援助機関である世界銀行からこの3年で5000億円、
アジア開発銀行からは2000億円融資されている。これらは全部出資している日本が了承している。
アジア開発銀行から中国に流れた金は1986年~2009年までで230億ドル。
日本からの中国への融資は6兆円。ODA3兆円超、資源開発ローン3兆円弱。
援助機関を通しての間接支援。アジア開発銀行1兆8600億円、世界銀行3兆7000億円。
他、迂回融資も加えると間接支援は7兆円。
外務省のODAのホームページには中国語での説明がない。
日本がどれだけ中国に援助しているか発信していない!
ODAの受注企業名も書いてない!
アジア開発銀行(ADB)は、アジア地域の経済開発を支援促進するために、1966年に設置された地域開発銀行。
フィリピンの首都マニラ(マンダルーヨン)に本部がある。そのほか世界26か所に事務所を設置している。
2007年時点で55の国家から、合計職員数は2,443 人(経営幹部は5人、 専門職員847人、日本人は118人、一般職員は1,591人)が派遣されて来ている。(天下りが約120人?)
最高政策決定機関は総務会(Board of Governors)で、各加盟国1人の総務で構成される。日本からの総務として財務大臣が任命される。総裁は総務会で選出される。また、融資の承認等日常業務の意志決定がなされる理事会(Board of Directors)は、マニラ駐在の12人の理事(域内国から8名、域外国4名)で構成される。理事は隔年選出される。日本のADB 総務は2010年6月8日以降野田佳彦、日本のADB 理事は大村雅基(元財務省近畿財務局長)。
融資対象国は、インド・中国・パキスタンが、第1位~第3位となっている。
ADBは、日本が最大(約16%)の出資国。世界銀行が米国(その背後の国際金融資本等)の強い支配下にあるように、ADBは、日本の財務省の強力な影響下にある。
歴代の総裁は、全て日本人(旧大蔵・現財務の高官OB)。
1、渡辺 武 (1966年11月―1972年11月)
2、井上 四郎 (1972年11月―1976年11月)
3、吉田 太郎 (1976年11月―1981年11月)
4、藤岡 眞左夫 (1981年11月―1989年11月)
5、垂水 公正 (1989年11月―1993年11月)
6、佐藤 光夫 (1993年11月―1999年1月)
7、千野 忠男 (1999年1月―2005年2月)
8、黒田 東彦 (2005年2月―現在)
黒田は、財務省国際金融官僚で、米国からの自立志向があり、論者、構想の持ち主である。
北京共産党政権は、日本が主導する「共同体や通貨」構想に賛成する筈がない。ADB(アジア開発銀行)から如何に多くの資金を引き出し、如何に国益に加担させるかにある。日本の財務官僚達の考えは、完全に甘いと言わざるを得ない。
ADBは、最新の融資関連の資料をHPで公開しておらず、追求されたくない質問には回答していない。
世界銀行
世界銀行は、腐敗への取り組みを行い、自らが支援する開発プログラムの透明性を確保するとはっきりと述べている。果たして、その実態はいかなるものなのか。
インドで行われている世界銀行のプログラム
虚飾をまとった
世界銀行のプログラム
豊かな森と自然に恵まれた北インドのゴミア。ここにすさまじい貧困とさまざまな病気で苦しめられている人々がいるようには見えない。しかしここでは、マラリアも人々を苦しめている病気の一つである。
ここに住む人々は、廃鉱となった炭鉱から石炭を拾ったり、日雇い労働者としてれんがを焼いたり採石場で働いたり、または農業労働者として働いて日々の糧を得ている。ほとんどの人々が泥を塗り固めた家に住み、中には家畜と一緒に暮らす人々もいる。
ゴミアの病院には、1カ月に20~30人のマラリア感染者が訪れる。しかしそこでは定期的な検査は行われておらず、血液検査の結果が出るまで1カ月も待たされる。これでは適切な治療を受けるには遅すぎる。この地域ではマラリアの感染が増加傾向にあり、特に危険な熱帯熱マラリアが増えている。
世界保健機関(WHO)の推定では、毎年7,000万人のインド人がマラリアに感染している。何十万もの人々が、単独の疾病としては結核よりも深刻で、インド最大の問題とも言えるマラリアが原因となって死亡している。
しかしインド政府の公式統計では、感染者数は「たったの」200万人で、死亡者数は1,000人となっている。そして世界銀行は、自ら資金援助を行ったマラリア対策プログラムの「成功」により、感染者数が45%減少したと自画自賛する。
これは一体どういうことなのだろうか?
中には、世銀が虚偽のデータを使って偽りの成功を叫んでいると言う人もいるかもしれない。
それでは、「Enhanced Malaria Control Project(マラリア対策強化プロジェクト)」という世銀の花形プログラムを細かく見てみよう。このプログラムは、1997年から2005年にかけてインドの8つの州で実施されたものだが、その重要事項には透明性は含まれていないようである。それどころか、世銀の融資額については8,600万ドル、1億1,900万ドル、1億6,500万ドルと異なる報告がなされている。
世銀は、このプログラムの結果としてマハラシュトラ州、グジャラート州、ラジャスターン州において、1997年から2002年の間にそれぞれ93%、80%、40%マラリアが減少したと主張する。
そしてまた、マラリア対策の手法を根本的に変えたことがこのプログラムの成功の理由だと述べている。
しかし、公衆衛生の専門家グループが行った調査が示すのは、世銀の主張がうそで塗り固められているということである。アミール・アッターランと彼の同僚たちは、英国の医学専門誌『ランセット』2006年7月15日号の中で、プログラムが実施された州でのマラリア減少率が実際はずっと小さいことを政府の文書を参照しながら指摘している。彼らは、いくつかの州の感染率が実際には増加していることも指摘している。マハラシュトラ州、グジャラート州、ラジャスターン州に関する世銀の統計データは、インド政府の1997年から2002年のデータとは一致しない。そして2004年にいたっては、グジャラート州での感染者数は1997年よりも増加した。
さらには、このプログラムが成功したという主張を検証するために必要なデータの提出を、世銀は拒んでいる。
マラリア流行地域で働く医療専門家は、この成功話について特に何とも感じていない。13年以上にわたりビシャムクタックで働いている医師、ジョニー・オーメンは、「世銀のプログラムはオリッサ州に何の変化ももたらしていない」と述べる。「政府のデータには、多くの感染者の一部しか含まれていない。実際の状況はずっと深刻だ。マラリアは公衆衛生の疾病としては最大の問題だ」
医療従事者向けにマラリアと結核の治療法をトレーニングしているラヴィ・ドゥソウザは次のように報告する。「触診してみると、村人の4人に3人の脾臓(ひぞう)が腫れていたという村もあった。脾臓の肥大は、何度もマラリアに感染して何の治療も受けていない場合に起こるものだ」
マラリアに感染して死亡しなかったとしても、治療を受けていなければ赤血球が破壊されて深刻な貧血状態に陥る。子どもの発育も阻害される。ドゥソウザは、「部族(トライブ)の人々が住む地域で最もよく見られる状況で、乳児や妊婦が死亡する最も大きな原因の一つである」と述べた。
公式な統計上では感染者数は増えていない一方で、危険な熱帯熱マラリア原虫による感染が増えている。以前は、全感染者数に占める熱帯熱マラリアの割合は3分の1弱だったが、今日ではおよそ半数に増加している。
「マラリアは貧乏人の病気だから、本当に心配している人など実際にはいないよ」。こう語るのは、インド中部のチャティスガール州で保健プログラムを実施するNGO、Jan Swasthya Sahyogのヨーゲシュ・ジェインである。
マラリア感染率の高い地域は、この国の貧しい地域とぴたりと重なる。部族や先住民族が住む深い森に覆われた地域は蚊が多く、最も危険度が高い。妊婦は薬の影響を受けやすいため、治療を受ける女性は全体的に見れば多くはないだろう。また、都会で仮住まいの建物に住む建設労働者たちは、周囲にがれきや水たまりがあるために蚊が多く発生するので影響を受けやすい。マラリアの流行の多くは、世銀が融資したインディラ・ガンジー運河のような「開発プロジェクト」による環境破壊が直接関係している。
公式統計にあるマラリア感染者の数字は氷山の一角にすぎない、とインド医療評議会でさえ認めている状況で、世銀がいかにして自分たちの主張をまじめに考えることが可能なのか、ジェインのような保健専門家たちも首をかしげている。
「治療を受けた人の95%以上が診断を受けていないのだから、公的な記録は何の意味も持たない」とジェインは説明する。感染者のデータを収集しているのは政府のセンターだけだが、そこへ行く人の数はわずかで、しかも血液検査を受けてその結果が陽性となった人だけが感染者として記録される。このプロセスでは、検査をせずにマラリア治療を受けた人、民間の診療所で検査を受けた人、そして何百万人にも上る診療を受ける余裕のない人々については記録されない。
インドのマラリア感染者数の信頼できるデータを誰も把握していないとすれば、世銀はいかにして感染者数が45%減少したと主張することができるのだろうか?
しかしまた、マラリア削減に貢献したという偽りの主張は、世銀が行うインドの公的保健医療サービスの意図的な破壊行為に組み込まれている。つまり世銀は、包括的な保健医療サービスの代わりとしてこのマラリア対策強化プロジェクトのような「targeted intervention(対象を絞った介入)」を用意させるため、政府への圧力として行っている部分もある。
GDP(国内総生産)に占めるインドの公衆衛生分野への支出は、これまでも世界で最も低いレベルにあった。1991年、インドはIMF(国際通貨基金)の資金援助とともに構造調整を受け入れ、それ以来この割合はGDPの1.3%から0.95%へとさらに減少した。村落部への影響は大きかった。現在のコミュニティー・ヘルスセンターの数は、政府が発表している必要数の半分にも満たず、そのヘルスセンターもスタッフ、機材、医薬品の深刻な不足に苦しんでいる。ヘルスセンターには顕微鏡は無く、あったとしても使えるスタッフがいないというのが現状である。かつては住民1万人に対して1人のマラリア検査担当者が置かれていたが、現在は4万人に1人となっている。
機材を備えた保健システムが整っていれば、マラリアの血液検査をきちんと行うことは可能である。しかし、世銀の政策に破壊された保健医療システムの下ではそれは無理な話だ。
世銀は、なぜ偽りのデータと成功話をふれ回っているのだろうか? インドを「成功例」としている理由の一つには、「リスクの高い」地域に対する「targeted intervention」の導入を促す目的がある。
世銀は、「成功」を主張することによって、公的な保健医療システムの意図的な破壊行為から目をそらそうとしているのではないだろうか? このようなうがった見方も可能である。
文:Sandhya Srinivasan
ムンバイ在住で、医療倫理に関する専門誌の編集者。
http://www.ni-japan.com/report/onlineRep/topic396.htm
「エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ」(著)ジョン パーキンス
表の顔は一流コンサルティング会社のチーフエコノミスト
裏の顔はアメリカの工作員
途上国を負債の罠にはめた著者が命がけで告発!
本書は、世界経済の裏面で暗躍しつつ良心の呵責に苦しんだ、ひとりの男の告白の書だ。
男の名前はジョン・パーキンス。彼は一九七一年から一九八〇年までアメリカの国際的なコンサルティング会社で有能なエコノミストとして働いたが、実際には、エコノミック・ヒットマン(EHM)と呼ばれる秘密の仕事に携わっていたのだ。
「エコノミック・ヒットマンとは、世界中の国々を騙して莫大な金をかすめとる、きわめて高収入の職業だ」と彼はいう。
その手口はじつに巧妙だ。
典型的な方法として、彼らはまず、石油をはじめ豊富な資源を持つ途上国の指導者に対して、世界銀行の融資を受けて国家を近代化すれば飛躍的な経済成長を達成できると言葉巧みにもちかけ、その国に巨額の債務を負わせる。
じつのところ、融資された金は巨大なインフラ建設を受注するベクテルやハリバートンなどの米企業と、現地の利権を握っているほんの一部の富裕なエリート層の懐へと流れる。
庶民の暮らしはまったく良くならない。それどころか、債務はとうてい返済できず、貧しい者はさらに貧しくなる。
さらに、債務国の政府は負債の罠に絡めとられて、天然資源や国連の議決権を奪われたり、米軍基地の設置を強いられたりすることになる。
グローバル化が進む現代では、エコノミック・ヒットマンの活動は質量ともに驚くべき次元に到達しているという。まったく恐ろしいからくりだ。
西側の報道ばかり見ている人の多くは、IMFのことを、まるで弱い国を救う赤十字のような機関だと錯覚している。
IMFと世界銀行、WTO(世界貿易機関)の目的は、地球規模の自由貿易推進で、ゲームのルールはアメリカ中心の西側にだけ有利なようにできているのだ。
国際復興開発銀行
国際開発協会
国際金融公社
多国間投資保証機関
国際投資紛争解決センター
世界銀行グループを形成する機関は以上の5機関である。
総務会は、国際復興開発銀行と国際開発協会、それに国際金融公社をまとめたものがひとつと、多国間投資保証機関のみを統括するものがひとつある。なお、各機構への出資額が違うため、同じ総務会でも機構ごとに各国の所持する票数は異なる。
各国が拠出する金は、もちろん国民の税金である。
各国からこの世界銀行に出向している全職員は、帰省や会議の移動は家族も含めて、すべてファーストクラスと規定されている。
オバマが指名するキムは公衆衛生の経験は豊富だが、開発支援が主の世界銀行にはもっと適任がいる。そこにはアメリカのエゴがもろにかいま見える。
オバマ大統領は、ダートマス大学総長のジム・ヨン・キムを総裁候補に指名した。悪くない選択だ。キムにはWHO(世界保健機関)のエイズ・結核対策担当部長を務めた国際的な経験もある。
だが問題は、もちろん政治。アメリカとヨーロッパが世界銀行の票の大部分を握っていて、両者は手を組んでいる。アメリカは長年、世界銀行総裁の指名権を維持し、今回のキムのようにアメリカ人を総裁ポストに据えてきた。一方ヨーロッパは、IMF総裁の指名権を持ち、大抵はヨーロッパから人材を選んできた(現専務理事のラガルドもそうだ)。
インドやロシア、ブラジル、中国といった主要な新興国はもちろん、ナイジェリアやコロンビアといった国々も、この慣例からは排除されている。
世界銀行の懸案事項は多い。発展途上国では20億人近い人々が貧困状態にある。世界銀行だけでこの問題は解決できないが、主導的な役割は担っている。名前は世界銀行だが、この機関の主たるな活動は世界の開発だ。
キムの専門である公衆衛生部門は重要で、世界銀行もこの分野の革新を支援してきた。しかし公衆衛生は世界銀行の「職務」の小さな一部でしかない。通常この分野では、世界銀行の開発経済の専門家が、医療の専門家と共に業務を進めている。
もしアメリカが世界銀行総裁のポストを牛耳ることにこだわり続けるなら、苦しむのは世界銀行自身だ。世界銀行が西側政府と金融・産業部門の代理人と見なされているおかげで、世界銀行は影響力を発揮できずにきた。
しかし、支那に対し、ODAの迂回ルートとして、国際的な援助機関である世界銀行からこの3年で5000億円の援助、過去に援助機関を通しての間接支援、迂回支援を3兆7000億円も行ってきた。これはどういうことなのか。
過去にこのブログで述べたとおり、同じワシントンD.C.に本部を置くIMFとは一心同体で後進国に援助と称して食い物にしてきた経緯がある。農業支援と称し、モンサント社の遺伝子組み替え作物と農薬で、その国の農業政策を壊滅状態に導いた。
結局はアメリカの暴利を誘導してきた暴力装置に他ならない。
その世界銀行が、中華人民共和国の共産党独裁を助長し、共産党の私兵「人民解放軍」をして世界に冠たる覇権主義国家へと導いて来た。