◆中国のラオス侵略進行中
中国の積極進出に「粗悪な製品と中国人がなだれ込む」の声
NEWSポストセブン
http://news.livedoor.com/article/detail/5693214/
2011年07月08日07時00分
中国の領土的野心に対しては、最大限に用心する必要がある。南シナ海、東シナ海に目を奪われがちだが、内陸部では既に中国の領土拡大が進んでいる。ノンフィクション作家の河添恵子氏が報告する。
* * *
間接的に中国支配が進行している国がある。中国南部の雲南省に隣接する、ラオス人民民主共和国。中国が狡猾に仕掛ける“援助交際”による変貌は著しい。ラオス北部の中国国境の町ボーテンの経済特区は、人民元で賭けるカジノ、ホテル、ビル、マンション群などの乱開発が進む“中国人による中国人のため”の地域と化し、「ボーテン・ゴールデン・シティ(磨丁黄金城)」と呼ばれる。
同地を訪れた日本人は、「街は中国語ばかり、歩いている人たちも99%が中国人。ラオス人は国境管理員や警官、中国人経営のホテルやカジノの従業員、小売店の経営者くらい」と語るが、中国人観光客の主な目的は商談とカジノ、そして売春(中国系女性)なのだ。
アジアの最貧国ラオス政府は“中国共産党のビジネスモデル(経済特区+外資導入+賃借権)”を、国境のみならず全土で推進している。隣国のベトナム、タイ、そして韓国もラオス進出に積極的だが、「中国企業と、ラオス政府プロジェクトの入札を競っても、なかなか勝てない」という。雲南省昆明から国境町のボーテン経由、首都ビエンチャンまで延びる421kmの高速鉄道建設プロジェクトも、昨年末に中国が受注している。
総工費70億ドルを見積もるラオスの国家的プロジェクトだが、中国70%、ラオス30%の合弁でファイナンスはもちろん、技術供与、機器、そして5万人の労働者の提供などを中国側が担う。が、ラオスを知る識者は少なからず、「大多数のラオス人に現状、高速鉄道は無用の長物」「粗悪な中国製品と中国人が今以上になだれ込んでくるだけ」と同プロジェクトに否定的だ。
ラオスへ大規模な投資や融資を行なうと同時に、中国人労働者らを大量に現地へ投入し、インフラをラオスへ献上。その見返りとして、数十年の賃借権を得ることで“自治区”を拡大し続ける中国政府の最大の狙いは、「ラオスの地下資源」だ。メコン川地域にはボーキサイトやカリウムが豊富で、スズ鉱床の埋蔵量は100億tと見積もられ、金、鉄、銅、鉛、マグネシウムなどの鉱床も発見されている。
「高速鉄道建設のための地質調査と称して、中国はボーリングをあちこちで行なっている。地下資源を探っているのではと、噂されている」とラオス事情に詳しい日本人のビジネスマンが眉をひそめる。
貧国とはいえ自然豊かなラオスは、人口約650万人の80%前後が農業従事者で、飢えとは無縁。が、住民の意思や利益とは無関係の開発により環境破壊が急激に進み、都市部は格差社会が生まれている。
2003年の時点でラオスに5万人ほどとされた中国人は、「ビエンチャンの中心地で見かけるのは、エリアによっては中国人ばかり」となり、30万人以上に膨れ上がったといわれる。人間だけではない。街はバイクをはじめ、日用品も中国製品で溢れている。
「ラオス政府はお金に弱い」「中国政府に取り込まれている」と内外の批判がある中、政府が国民目線の政治へと舵を切らない限り“中国ラオス自治区”への悲劇は免れない。
※SAPIO 2011年7月20日号
共産党政権は次々と周辺諸国を侵略し、覇権を得た後にどんどん国民と人民解放軍を送り込み民族浄化を計っていく。それがチベットやウイグルの例を引くまでもなく常道である。
◆米国は尖閣諸島の潜在主権を認めていない。
【佐藤優の地球を斬る】尖閣主権 米国に承認させる努力を
1月18日(日本時間19日)に、ワシントンで岸田文雄外相とヒラリー・クリントン米国務長官が会談した。19日のMSN産経ニュースは、<クリントン長官は沖縄県・尖閣諸島をめぐって、中国が公船や軍用機による領海侵犯など挑発行為を活発化させていることについて、「日本の安全を脅かすいかなる一方的な行為にも反対する」との考えを表明し、岸田外相は米国の姿勢を評価した。
(中略)クリントン長官は、「日本の施政権下にある尖閣諸島が、米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約の適用対象である」と重ねて強調。米政府として、中国の挑発行為に反対する姿勢を初めて明確に示した>と報じた。
外務省は、クリントン長官発言を最大限に活用して、尖閣問題に関し、米国が一歩踏み込んで日本寄りの姿勢を示したという印象を世論に焼き付けようと腐心している。しかし、「尖閣諸島に対する日本の施政権を維持する」という内容が、「レッドライン」になることは日本にとって不利だ。日本にとって重要なのは、尖閣諸島の主権が日本に帰属することを国際社会に承認させることだ。
■中立的立場を取る現状
復帰前の沖縄は米国施政権下に置かれていた。沖縄では米ドルが流通し、裁判権も米軍政府が握っていた。しかし、沖縄が米国領になったわけではない。潜在主権は日本に属していた。
図式的に整理すると完全な主権は、潜在主権と施政権によって構成される。米国が尖閣諸島に対する日本の施政権をどれだけ強く支持しても、肝心の主権(もしくは潜在主権)について中立的立場を取っているという現状は、今回の日米外相会談によっても小指の先程も変化していない。
外務省が日米同盟を本気で深化させようと考えているならば「尖閣諸島の主権は日本に属する」というわが国の立場を米国に明示的に認めさせる外交努力をするべきだ。
日本の施政権に手をつけないことが米国の「レッドライン」であるとの認識を中国が抱くと、今後、面倒なことが起きる。
尖閣諸島の帰属に関し、米国が日本の施政権しか明示的に承認していない現状では、中国の宣伝に付け入る隙を与えてしまう。
中国は尖閣諸島をめぐる歴史解釈を装った宣伝攻勢を一層強める。そして、「『釣魚島及其附属島嶼』(尖閣諸島に対する中国側の呼称)は、日本の施政権下に置かれているが、潜在主権は中国にある。米国も中国の立場に十分配慮している」という論理で、国際世論を説得しようとする。
■強まる中国の宣伝攻勢
どうも河相周夫外務事務次官の指導下にある外務省は、尖閣諸島に対する日本の立場を米国に認めさせることを初めからあきらめてしまっているようだ。
外務省は極めて政治的な役所だ。民主党政権時代に、当時の権力者にすり寄ることで登用された一部の外務省幹部が、自公政権になって日米同盟が深化しているという「政策広報」、よりはっきり言うならば「情報操作」を行うことで、自らの生き残りを画策している。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/625606/
◆中国が執拗に歴史問題を持ち出してくる理由
中国が歴史問題を持ち出すのは日米同盟を解消させ、東アジアの国際秩序を変更させるためでもある。
日本は言うまでもなく、1951年、サンフランシスコ講和条約を締結して戦後の国際社会に復帰した。西側の自由主義陣営の一員となったのだ。同時に日米安保条約を締結し、米国の同盟国ともなった。この「サンフランシスコ体制」の下で日本は、戦後70年近く、外国と一度も戦戈(せんか)を交えることなく今日に至っており、軍国主義とは無縁の国家となっている。
しかし、サンフランシスコ体制が維持される限り、日本は米国の同盟国であり、中国はそれと対立する存在でしかない。そうであれば、米国をこの体制から転換させ、日本との同盟関係を解消させることが必要になる。むしろ中国に親近感を持たせ、日本を米中共通の敵と認識させることが必要だ。ここから中国は「ポツダム体制」への回帰を強調する。
第2次世界大戦は連合国と枢軸国の戦いだった。連合国の勝利に終わり、彼らが主導する国際秩序が戦後打ち立てられた。「ポツダム体制」だ。その下では中華民国の継承を自称する現在の共産中国も連合国の一員となる。米国とは戦勝国同士だ。
しかし、ポツダム体制は、国連の安保理に機能を残しながらも東西冷戦とともに崩壊し、サンフランシスコ体制に取って代わられた。中国はその打破のため日本に関わる歴史問題を執拗に持ち出しているのだ。
第1次安倍政権時の2007年7月、米国連邦議会下院で、いわゆる従軍慰安婦について「日本政府に謝罪を求める決議」が採択された。背景には慰安婦問題と直接関係ない中国系の政治団体の存在やロビー活動があったことが指摘されている。
10年9月にはロシアと戦後65周年という中途半端な区切りで共同声明を出し、「第2次大戦の歴史の歪曲、ナチスや軍国主義分子とその共犯者の美化、解放者を矮小化するたくらみを断固として非難する」と述べた。米露を戦勝国同士として取り込み、日本を軍国主義を反省しないとして孤立させるためだ。
安倍首相は28日、所信表明演説で「自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった、基本的価値に立脚し、戦略的な外交を展開していく」と述べた。価値を共有する国々と「サンフランシスコ体制」を維持していくことを宣言したものだ。
歴史問題は今日の国際秩序に深く関わっている。安倍首相はそのことを分かっている。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130131/plt1301310709000-n1.htm
◆中国、安倍首相「孤立化」画策 親中派を取り込み世論分断
中国を訪問している村山富市元首相(88)と加藤紘一元自民党幹事長(73)らへの応対をめぐり、習近平共産党総書記(59)ら指導部による親中派元要人への巧みな心理戦が鮮明になってきた。安倍晋三内閣を「隣国に不安に与える政権」と批判する一方、村山氏らを「勇気ある政治家」と持ち上げて、「安倍氏は日本でも孤立している」と中国国内に印象付けている。
■村山、加藤氏ら称賛
1月15日から18日まで鳩山由紀夫元首相(65)が訪中したのに続き、村山、加藤両氏は現職衆院議員の中谷元・自民党副幹事長(55)、富田茂之公明党幹事長代理(59)らとともに28日から31日までの日程で中国を訪れている。
1月30日付の「光明日報」「解放軍報」など複数の中国紙は「過去の植民地支配と侵略」への「心からのおわびの気持ち」を表明した1995(平成7)年の村山首相談話を高く評価する記事を掲載した。記事には、訪中した村山氏を意識し「あなたの業績を忘れない」とのメッセージも込められており、日本ではほとんど影響力のない元要人らを主要メディアを使って褒めたたえている。
一方、中国メディアは防衛予算を増額する方針を固めた安倍政権への批判を続けており、習政権は対日強硬政策を崩していない。“アメとムチ”を使い分けることで、日本側の世論の分断を狙ったものといえる。
同時に「日中関係の悪化の責任は安倍氏とその周辺だけにあり、日本人の中にも中国の主張を支持する要人はたくさんいる」(関係筋)と中国国内にアピールして、安倍氏の“孤立化”を印象付けたい思惑もあるとみられる。
■巧妙な心理戦
中国側の心理作戦は巧妙だ。まず、訪中した日本の政治家らが共産党の序列上位の指導者と面会したい心理をうまく利用し、会談に応じる相手と時間をぎりぎりまで知らせないで、日本側をじらす。その上で、会談内容も日本側の政治家に応じて受け入れやすい話題を設定して、交渉を自らのペースに乗せている。
中国側は、鳩山氏との会談で「尖閣諸島は係争地」との言質を引き出した。自民党と連立を組む公明党の山口那津男代表(60)と会ったときには、支持母体の創価学会と中国共産党の友好的な歴史などを強調。村山氏には、もっぱら村山談話を話題にして、歴史認識問題で安倍政権を牽制(けんせい)した。
こうした中国の外交術は一定の成果を挙げたようだ。加藤氏は29日、中国要人との会談後の会見で「中国側から『民をもって官を促す』という言葉を言われた。われわれはこれから民間の日中友好活動を積極的に展開することで日本政府に影響力を及ぼしていきたい」と述べた。
(北京 矢板明夫/SANKEI EXPRESS)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/626414/
◆ 2013.01.31
北や中国に重要情報ダダ漏れ… 背景にゆるい“身体検査”
北朝鮮の指示で諜報活動をしていた工作員が、外務省や公安調査庁の採用試験を受け、潜入を画策していたことが分かった。いずれも書類選考で落選し、潜入工作は成功しなかったが、元公安調査庁第2部長の菅沼光弘氏は「氷山の一角だ。日本では、閣僚や官僚などの身元調査が徹底していない。『首相官邸での閣議の内容などが1時間後には中国に伝わっている』との情報もある」と語った。
潜入を画策していたのは、軍事リポートを無断複製した著作権法違反容疑で大阪府警に再逮捕され、大阪区検に30日、同法違反の罪で略式起訴された兵庫県尼崎市の運送会社社長(42)。
捜査関係者によると、この工作員は日本国籍取得後の2008年10月、在ソウル日本大使館の専門調査員や公安調査官の採用試験に応募していたという。
ただ、潜入工作を仕掛けているのは北朝鮮だけではない。沖縄県・尖閣諸島の強奪を狙う中国など、他の国々も当然実行している。
他国の諜報活動に詳しい菅沼氏は「日本に帰化した外国人が、公務員試験を受けに来ている。警察官や自衛官などを目指す人も多いようだ。以前は、密かに『他国や問題組織と特殊な関係にないか』など身元調査をしていたが、冷戦終結や人権圧力の強まりから、ほぼ何もできなくなっている。公務員だけではない。日本は閣僚候補の身体検査も甘い」という。
他国はどうなのか。
菅沼氏は「米国では、FBIが閣僚候補の経歴(犯罪歴含む)から背後関係まで徹底的に調べて、『この人物は安全だ』という結果が出ないと任命しない。日本では形式的な調査だけ。だからか、永田町や霞が関の重要情報が簡単に漏れている。『閣議や事務次官会議の内容まで、中国にすぐ伝わっている』という情報もある」
安倍晋三首相は、この改革にも着手すべきだ。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130131/plt1301311133003-n1.htm
◆中国海軍の経験値 日露戦争以前の旧帝国海軍レベルとの指摘
威勢良く覇権主義を唱える中国を動かす権力者たちは本音では戦争を望んでいない。人民解放軍には実戦経験に乏しいという“アキレス腱”があるからだという。ジャーナリストの富坂聰氏が解説する。
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このところ人民解放軍は遠洋で大規模な艦隊を運用するなど、派手な動きを見せるため、軍幹部の強硬発言と相まって、猛者、百戦錬磨といった印象を抱く日本人も多いのではないだろうか。
だが、歴史を見ればわかる通り、中国の戦争の基本は広大な国土の奥深くまで引き込んでゲリラ戦を仕掛け、長期戦に持ち込むというものだ。 「外」に出ての戦いは苦手とする。アメリカが背後に控えているとはいえ、台湾を攻め落とすことができない。中国本土に至近の金門島は台湾の重要な軍事拠点だが、1958年に人民解放軍が侵攻すべく激しく砲撃したが、陥落させられなかった。
海戦ともなれば、経験は皆無だ。1927年8月1日の「南昌蜂起」以来、人民解放軍はその誕生から陸軍が主体であり、海軍が創設されたのは1949年のことだ。過去、台湾や南ベトナムを相手に小規模な海戦はあったが、第二次世界大戦でミッドウェー海戦を戦った日本とは比べものにならないほど小さな経験だ。
経験値という点で人民解放軍は、日露戦争で日本海海戦を経験する以前の旧帝国海軍レベルだと考えていい。
尖閣諸島を巡り、日中がもし熱い戦争に突入した場合、自衛隊の装備の充実や練度もさることながら、そのような経験値の違いから緒戦は日本が勝利する可能性が高い。確かに、日中戦争のときのように対中戦には「終わらない怖さ」があるが、現在は緒戦の勝敗が重大な意味を持つ。
というのも、緒戦で日本に負けたとなれば、いかに情報統制しようともインターネットなどを通じて敗戦は瞬く間に中国国民の知るところとなる。その時、果たして共産党政権は持ちこたえられるだろうか。戦争は継続するかもしれないが、「よりによって日本に負けた」責任を追及される共産党政権は崩壊する可能性が高い。
※SAPIO2013年2月号
http://www.news-postseven.com/archives/20130130_165508.html
◆世界に蔓延する中国マフィア
イタリアとスペインで猖獗を極めた中国人マフィアがEUの不景気で北アフリカへ移動。一部は東欧と中国帰国組も
イタリアで有名ブランドの服飾品、革製品、アクセサリーのニセモノを大量に生産し、東欧から黒海をわたって密輸に励んだのは中国人マフィアだ。
多くは密輸と売春に手を染め、とくにベニスは大量の不法労働者に加えて、中国から売春婦を運び、盛業をきわめた。
かれらがイタリア一国だけで稼ぎだしたカネは3億ドルとも言われ、地元のイタリア・マフィア顔負け。しかも中国人マフィアは地元マフィアとの抗争、軋轢を好まずむしろ共同戦線を敷いて、共存共栄の道を選んだという(アジアタイムズ、1月24日付け)。
典型は製薬や玩具製造で中国人マフィアとイタリア人マフィアとのジョイント・ベンチャーも存在した。
また中国からの密輸品は、UAEと北アフリカ諸国を経由して税関検査の緩いEUの港湾に陸揚げされた。EUがこれらの地域との交易を奨励し、特別措置を講じたが、その隙間を衝いたのである。利用するモノはなんでも利用する。その狡知と、情報の速さよ!
12年12月、イタリア当局はおっとり刀で中国人の犯罪集団の根城といわれたファッション・ビルなどを一斉に手入れし、80名を逮捕した。
表看板で不動産業を経営していた中国人移民もなかには含まれた。脱税取り締まりが目的で、帳簿を応酬したところ、2億ドルの脱税が判明したという。
同時期にアフリカ開発銀行がだしたレポートは中国系貿易企業が、雨後の竹の子のように北アフリカに登記され、それも急増していると警告を出している。
儲けたお金のうち、すでに35億ドルが中国に送金されたものの、EU不況、とりわけユーロ危機が表面化して以来、EU域内での中国人マフィアの「活動」は目立たなくなり、多くが北アフリカからアンゴラへと移動した。
◆大陸 農村の悲哀
改革開放の30年、村全体で最も顕著な変化を見せたのは道路だ。道路は絶え間なく巾を広げ、本数を増す。四通八達した道路はムラとムラ、ムラとマチの間の距離を縮める」。続々と建設される高速道路を猛スピードで車が走り去るが、それらは「村人とは何らの関係もないばかりか、反対に彼らが近代化された社会の“除け者”でしかないことをハッキリと告げている」。
経済発展に必要不可欠な近代化された道路網こそが村人にとっての生活圏を分断し破壊し、それまでの慎ましやかな生活を根底から変貌させてしまったのだ。
手っ取り早く高い現金収入を求める農民を安い労働力として都市に送り込むには最適の経路である道路は、農民を農民工(都市労働者)へと駆り立てた。
働ける者は誰でも農村を捨てる。働き手のいなくなった農地は荒廃する。都市生活を覚えた農民は村に戻る気は失せ、やがて農地を手放してしまう。
その時こそ、都市に生きる農民が帰るべき故郷を喪失する瞬間なのだ。「元農民」になってしまった彼らが都市に住み着き、その数を増す。
都市では一家を養えるほどの収入は得られない。年老いた両親に子供を預け養育を任せ、夫婦2人で都市へ向かう。子供は甘やかされ放題で親にもなつかない。行き着く先に待っているのは家庭崩壊。
夫だけが都市で働く場合、やがて夫婦関係は破綻する。農業の担い手が減れば、次は農地の荒廃となる。
農村・農地・農民の「三農」は消滅を待つのみ、か。
子供が少なくなれば学校も維持できなくなり、統廃合を進めざるをえない。
校門に掛けられた「『梁荘小学 教書育人』の看板の『小学』が消され『猪場』に換えられていた」。
小学校は養豚場に。皮肉ではない。であればこそ「中国在梁荘(中国は梁荘に在る)」となるのだろう。ならば梁荘は現代中国の象徴なのか。
大きな夢を胸に村を離れ働く場所を求め転々とし、都市生活に疲れ果てて村に戻ってきた幼馴染が呟く。 「理想・・・この世の中でいちばん悪いのがソイツだよ」