本3月議会に、町過疎地域自立促進市町村計画の策定についての提案があります。
来年度から5箇年の同計画を定めるべく、議会の議決を求める議案です。同計画は、過疎地域自立促進特別措置法にもとづいています。そこでまず、全般的な確認をし、町の事業計画に関しては、改めて別の記事を起こすことにします。
同法 第1条で、
この法律は、人口の著しい減少に伴って地域社会における活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施するために必要な特別措置を講ずることにより、これらの地域の自立促進を図り、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成に寄与することを目的とする。
とし、同 第2条で 過疎地域の人口要件や財政力要件を規定しています。
また、同 第3条で、
過疎地域の自立促進のための対策は、第一条の目的を達成するため、地域における創意工夫を尊重し、次に掲げる目標に従って推進されなければならない。
としています。
また、同 第12条において、過疎地域の市町村は、過疎地域自立促進市町村計画に基づいて行う事業の財源として、過疎地域自立促進のための地方債、いわゆる 過疎対策事業債を発行することができ、過疎対策事業債の元利償還金の70%相当額は普通交付税の基準財政需要額に算入されることになっています。
対象事業を図表にまとめると、下記の表に分類できます。
ちなみに、過疎対策事業債の起債充当率は100%で、手元に現金がなくても事業を行うことが可能です。
起債充当率とは、地方公共団体が事業を行う際の総事業費から特定財源充当分を差し引いた地方負担額に対する、地方債の起債によって財源をまかなう額の割合の上限のことです。充当率は事業によって異なり、一般公共事業等では90%、一般単独事業は75%が基準です。充当率が100%である事業は、過疎債にかかる事業のほか、公営住宅建設事業や災害復旧事業などがあります。
いわゆる頭金を必要とせず、全額借金で事業ができることは、過疎対策事業債のメリットでもあり、デメリットでもあります。当然、事業規模が大きくなればなるほど、後年の財政に与える影響は甚大になります。安易な事業計画に堕することなく、事業効果を個々に見極めていくことが極めて重要と評価しています。