総合診療医からの健康アドバイス

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大腸がん検診

2017-09-22 10:52:12 | 医療情報
 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
 台風18号が過ぎ去って少し涼しくなったと思いきや、昨日の那覇の最高気温は32.4℃。沖縄はまだまだ真夏ですね。北海道の札幌は21℃だったそうです。夜はストーブの地域もあるとか。ここはクーラーです。縦に長いですね。では、本題へ。
 
 
 
 
表:大腸がん検診の真価(50才男性1000人が2年おきに大腸がん検診を10年間受診)
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
(有益性)
 
 
大腸がんによる死亡数:3/非検診群1000人に対して2/検診群1000
 
 
全がんによる死亡数:15/非検診群1000人に対して15/検診群1000
 
 
あらゆる原因による死亡数:52/非検診群1000人に対して52/検診群1000
 
 
 
(有害性)
 
 
偽陽性数(がん無し・しかし検査陽性):非検診群では「なし」、検診群では100150
 
 
悪性度の低いがんへの治療数:非検診群では「なし」、検診群では「不明」
 
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 偽陽性というのは、スクリーニング検査で「異常」であったのにもかかわらず、その後の精密検査で「異常なし=結局がんはありませんでした」であったという場合です。  
 
 
 
 
 最終的に異常がないといわれてほっとしますが、精密検査の結果が出るまでは不安を感じる人々が多いと思います。
 
 
 そして、そのような偽陽性となる人がかなり多いことがわかりますね。
 



 寿命を延ばすことを証明するための臨床試験を行うためには、莫大な予算と、検診による過剰診断による合併症患者が一定数かならず出てきます。


 むしろ、がん検診の「真価」について、自然数でのデータをみて、一人一人自らが選択することが望ましいでしょう。

 

 

さとうきび畑

 

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