皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
台風18号が過ぎ去って少し涼しくなったと思いきや、昨日の那覇の最高気温は32.4℃。沖縄はまだまだ真夏ですね。北海道の札幌は21℃だったそうです。夜はストーブの地域もあるとか。ここはクーラーです。縦に長いですね。では、本題へ。
表:大腸がん検診の真価(50才男性1000人が2年おきに大腸がん検診を10年間受診)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(有益性)
大腸がんによる死亡数:3人/非検診群1000人に対して2人/検診群1000人
全がんによる死亡数:15人/非検診群1000人に対して15人/検診群1000人
あらゆる原因による死亡数:52人/非検診群1000人に対して52人/検診群1000人
(有害性)
偽陽性数(がん無し・しかし検査陽性):非検診群では「なし」、検診群では100~150人
悪性度の低いがんへの治療数:非検診群では「なし」、検診群では「不明」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
偽陽性というのは、スクリーニング検査で「異常」であったのにもかかわらず、その後の精密検査で「異常なし=結局がんはありませんでした」であったという場合です。
最終的に異常がないといわれてほっとしますが、精密検査の結果が出るまでは不安を感じる人々が多いと思います。
そして、そのような偽陽性となる人がかなり多いことがわかりますね。
寿命を延ばすことを証明するための臨床試験を行うためには、莫大な予算と、検診による過剰診断による合併症患者が一定数かならず出てきます。
むしろ、がん検診の「真価」について、自然数でのデータをみて、一人一人自らが選択することが望ましいでしょう。
さとうきび畑
好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2017パート2」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。
科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。2016年のメルマガまぐまぐ大賞「健康」部門5位に選ばれました。
迅速・的確なトリアージができる!ナースのための臨床推論 [単行本] [2016] 徳田安春、こちらナースの皆様はもちろん、これからナースを目指す方、看護の情報を知りたい方にもどうぞ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます