皆様、こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。
今日の沖縄は曇り、風が強いです。予想最高気温は31度です。それでは、先日放送されました、ラジオの中身です。
アーサー 次に、医療体制についてです。
まず医療に関して。
特に若い方の声として多かったのが、日本の医療体制は本来、海外よりも手厚いというイメージをお持ちの方が多いのですが、今回のコロナウイルスに関しては医療崩壊が叫ばれる。
それはなぜなのか、このあたりいかがでしょう。
徳田 これは医療従事者が少なすぎるということなんです。
ベッド数は多い。
人口当たりの病院の数、ベッド数は多い。
ただ中小病院が多いのですが。
その割に医療従事者数が少ない。
医師も少ない。
ということで、もともとぎりぎりなんですよ。
もともと医療崩壊ぎりぎりでずっとやっていたのです。
どうしてそうなったのか、それは、政府の医療費抑制政策、医療者抑制政策、この二つによって医療崩壊ぎりぎりで抑え込まれていたわけです。
医師不足というのはもともとありましたからね。
これがずっと解消されないまま、働き方改革とか言っているんですが、医療者を増やすという抜本的政策は今まで一度もとられていません。
アーサー 医療者数を減らすというのは、その改革の意図というのは?
徳田 医療者数は増やしてはいるんです。
しかしニーズに対して増やしていない。
というのは人口は減っていますけれど、高齢化率が高くなっていて、すると病気の方も増える。
そして医療の中身は高度化している。
薬の種類も増えているし、治療できる病気も増えた。
行なわれる手術の種類も増えた。
そうしたらその分、医療者が増えなければいけない。
ところが医療者は少しは増やしているけれども抜本的には増やしていないんです。
例えば医学部の入学定員というのがありますけれど、<その定員は1982年の医師の過剰を招かないように配慮するという閣議決定以来、ほんの少しづつしか増えていません。>
それで、一つの大学の定員は100人とか120人とかだけれども、<2023年からは地域枠は増やして、全体としては減らそうという方針が出ています。>
地域枠というのは、9年間とか、一定期間、地域で医療に従事する義務を付けて、6年間の学費を無料にするなどの制度です。
しかし、この地域枠がそんなに多いかというと、20人とか、多い地域でも30人とかなんです。
抜本的に増やしているわけではない。
医療の地域偏在、医師不足、地域医療の医療崩壊とかいろいろ言われて増やしたのがその程度ということですね。
これだけのわずかな増加ですから、こういうパンデミックには対応できない。常にぎりぎりでやっていますから。
もともと医療崩壊すれすれでやってきたのに、こういうレジリエンスを強化することをやっていなかった。
そうした政策の問題があるわけです。
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