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突然ではありますが、昨日をもって10年携わってきた現場を離れることになりました。大人の都合でのことです。今後どうなるか分かりません。また戻るかもしれませんし、長期に渡り離れるかもしれません。ただ己にとっては人生の分岐点になろうこの事態。青天の霹靂とは正にこのこと。開いた口が塞がりません。
ただ捨てる神あれば拾う神有り。今月から別の地域でお世話になることになりました。人生どうなるか本当に分からないですね。
10年前、当時の担当であった谷氏から引継ぎこれまでやってきました。引き継ぐ時はものの数十分で決断しなければならず非常に困惑したことを覚えています。その時に仰っていただいた「教えることもあれば学ぶこともある」の共学共教の精神でこの道に入ることに。その後あれよあれよと初回の時間に。当時の子達にしてみれば突然わけの分からぬ小僧が現れ大変戸惑ったことと思います。ただただ申し訳ない。
当時はどうすればいいか本当に分からず暫くは谷氏と同じ方針で展開していきました。が、数年経ってからはなんとなくではありますが己の味を足すことが出来るようになり、自身が現場に立つことの意義を少しずつ見出せるようになりました。経験を重ねることの重要さ。10年という月日は人に少しの自信を与えてくれます。
その後計150人程の子達とともに歩んできました。谷氏の時もそうでしたがこの時間の目的はヒューマンスキルなわけですね。直接人生の役に立つものではないかもしれないですが、それでも彼、彼女たちの今後の展望に少しでも寄与することが出来たのであるならばこれ以上に嬉しいことはありません。
それぞれの期にそれぞれの思い出があります。引継ぎであっぷあっぷの9期、初のオール受け持ちで緊張しっぱなしの10期、わたしを泣かせにかかった11期…
そのように時間が流れ、その中でいつかは「この日」が来るなと思っていました。しかしいざ実際に来てみるとこの感情をどうしてよいか分かりません。表現の仕様もないです。あまりにも急であり、また理不尽であったゆえに。
ふと思ったのですが、これまで取り扱ってきたインプロやエチュードはこの「理不尽さ」に対抗するためのものかもしれません。否が応でも訪れる「理不尽さ」には爆発的な瞬発力による臨機応変さで対抗する他ありません。ユーモラスとウィットさで「理不尽さ」を打破するのです。
10年分の片付け、所要時時間2時間、ダンボール3箱で終了しました。歴史を積み重ねていくことの難しさとそれを片付けることの易しさと。そのダンボールは今我が家の納屋に積み上げられています。暫くは開けられない。色んなものが溢れ出てきそうで怖い。
今回のことで惜しむらくは今の子達とあと一年、同じ時を過ごすことが出来ないこと。そして今見ぬ新たな出会いの機会を失ってしまったことです。これらは本当に悔しい。わたしは君たちのことを本当に思っています。なにかあればすぐに教えてください。力になります。
これまで携わってくれた多くの方々、誠にありがとうございました。そしてこれからも何卒宜しくお願い致します。
春にして子離れをし 渡辺
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