三寒四温のころとなり、徐々にではあるが暖かい日が増えてきたような気がする。
あいにく昨日は「寒い」一日になった。
そんな日には冷たくキュッとしまったお蕎麦が、またいいものである。
最近、時々出掛ける「蕎麦ダイニング俊」さんへ。
「そば前」は日本酒を2合。
以前、軽井沢の有名なあるお蕎麦屋さんのことを、なにかで読んだことがある。
そのお店では、どんなエライ方が現れても「そばの味が分からなくなる」と言って、お銚子2本までしか出さなかったそうだ。
今でもそうなのかは知らないのだが、私も、蕎麦の前にはそれにならって2合まで・・・。
おつまみは、鴨の生ハム、鯛とカニのすり身の握り揚げ、もつ煮込みを注文し、酔鯨(高知)の純米酒をチビチビやる。
お目当ての蕎麦は、ざる蕎麦に、この季節らしく「ふきのとう」の天ぷらがあったのでそれを付けてもらう。
蕎麦をすする合間に口に運ぶふきのとうのもつ苦味が、さらに食欲を増すようである。
このお店にはユニークな特徴がある。
その一つに、辛い「そばつゆ」が好みの人のために、テーブルには「返し」の入った容器が置いてある。
そばつゆに、その返しを注して調整することが出来るのだ。
蕎麦を食べ終わるころ、もう一つの特徴である「そば湯」が出てくる。
ゆで汁ではなく、その都度、そば粉をお湯に溶いて作ってくれるのである。
だから、トロッとして蕎麦の香りをたっぷりと楽しむことが出来る「そば湯」なのである。
酒の強くない私は、酔っぱらってしまっては蕎麦の味が分からなくなる。
すこ~し飲んだ後の蕎麦が美味しいと感じる。
「そば前」として飲むお酒は、蕎麦をおいしくする「おクスリ(薬味)」なのかもしれない。
だから私は、ネギなどの薬味は使わない。