幸隆の国から

歴史の跡、自然、いい湯などを訪ねて出掛けたときの記録。
また、四季折々、日々の雑感です。

日本百名城探訪・沖縄編「復元工事の進む首里城跡」

2023-12-10 | お城

首里城の火災(2019年)のことは、まだ記憶に新しい。

しかも、焼けたのは「正殿」をはじめとする、城の中枢にあたるところであったのでショックも大きかった。

現在、復元工事が進む首里城に行ってみた。

多くの再建や修復の工事現場では足場が組まれ幕で覆われ、工事の様子が見えないものである。

ところが首里城の工事は違い、積極的にその現場を来場者に見せてくれている。

それは、「工事中の今だからこそ見られる」ものがあるということでもある。

首里城跡は三回目になるが、今回はそんなわけで一味違った見学となった。

 

入城はこの「守礼門」から。

焼失した「正殿」に至るまでにいくつかの門をくぐるが、それらは無事だったようである。

 

入場券の発売所となっている広福門から有料エリアになる。

小さな建物が建っており、そこには、火災に耐えて残った大きな龍の像「大龍柱」が展示されていて、ガラス越しに見ることができる。

 

さらに奉神門をくぐると正殿前の「御庭」に出るが、身分の高い人だけが通ったとされる真ん中の入口から入る。

目の前に正殿が現れた・・・!

よく見ると、工事現場を覆う大きな建物の外壁に、そこに正殿があるように絵が描かれているのだった。

 

復元現場の入り口の方向に進むと、火災で焼け落ちた瓦や、龍の顎鬚、歯などの破片が展示されている。

龍(口髭)の無残な姿に、火の勢いが強かったことを想像させる。

 

工事現場の建物に入ると、ガラス越しに内部で行われている仕事の様子を見られる。

たまたま目の前では、数人の方が床に広げた大きな図面を前に、額を寄せて難しい顔をして議論していた。

また、ところどころにサンプルも置いてあるので、使われている材料のほか、どんな技術が使われているのかなども垣間見ることができる。

県内外から腕っこきの宮大工さんが集まっているのだろうと想像しながら見てあるいた。

 

工事現場の建物の横、見学エリアから守礼門方向を眺める。

パンフレットの解説を読むと、火災前とは異なる角度で眺めを楽しむことができるという。

なんと、見られるのは工事中の「今」だけのようである。

 

さらに一段と高いこのお城の物見台に昇ると、周囲一帯を見渡すことができる。

振り返るといくつかの屋根越しに、今見てきた工事現場の建物が見える。

こちらは正殿の裏側となるが、工事現場を覆う建物の壁には、正面同様に絵が描かれている。

 

首里城正殿は、焼失後、復元に向って力強く進んでいる。

工事の現場を見て歩いた後は、完成後の姿を見てみたい気持ちになっている。

あの太い丸い柱、張り出した軒など、その一部分をきっとどこかで見つけることができるであろう。



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