ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

由紀ちゃん通信 No3 

2001年02月08日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

1999年8月1日発行

ゆきちゃん通信No3



※暑中お見舞い申し上げます。

皆さんいかがお過ごしですか?

由紀子は初めての夏休みを、
自閉症親の会の療育キャンプでスタートしました。

7月23日から25日まで行われたこのキャンプは
野母崎の国民宿舎「亜熱帯」を借り切って行われ、

28名の自閉症児を60名近い専門のスタッフが
支えてくださいました。

家族を含め総勢160名です

事前に提出したアンケートをもとに
担当のボランティアの方が決められていて、

寝るとき以外は親とは別行動で参加します。

アクシデントがあって残念ながら、
夕食からの参加になってしまった由紀子は、
現地についた途端パニックを起こしてしまい大泣きでした。

でも、担当のボランティアの方が落着いて
対応してくださったおかげですぐに立ち直って
いつものニコニコを取り戻す事が出来ました。

ホッ!

翌日からは山登り、海水浴、キャンプの集い、プールと
ハードなスケジュールが組まれていましたが、

親の心配をよそに、お姉さんと楽しい思い出を
たくさん作ってきたようです。



ちょっとズルして片目を出したスイカ割りも見事に命中です。

今回はじめて参加したのですが、
去年の私にはこのキャンプに参加する勇気がありませんでした。

スケジュールを聞いただけで由紀子には無理だと決めつけていたのです。

でも今思えば、

問題は由紀子ではなく私自身でした。

キャンプ中、朝になると生き生きとして
お姉さんの所に飛んで行く姿がすべてを教えてくれました。

由紀子のまた新しい顔に出会う事が出来て
参加して本当によかったと思っています。

これは由紀子の年中行事になりそうです。

私にとっても、久々にのんびりとおしゃべりを楽しんだ
キャンプでもありました。


※キャンプに行くまでが大変でした。

その1「飛行機初体験の巻」

出発の日、福江はあいにくの天気でした。

11:00 頃、
予定していたジェットフォイルが欠航との連絡が入って、
急きょ11:55 の飛行機で行く事にしました。

20 分でバタバタと用意して空港に行ったのですが、
この変更はとても勇気がいりました。

実は由紀子は飛行機が初めてなのです。

《泣くかもしれない、泣いたら担いで機内に運び込
もう、みんなの冷たい視線にも耐えよう》

…母は決心していました。

ところが・・あっさり乗り込んだ由紀子さん!

本に読みふけって、離陸も着陸もへいき!!

心配げな私に、ニコニコ顔で
「飛行機たのしかったねェ!」ですって。

また私の取り越し苦労だったかと
苦笑いでうなずく母でした。



その2「諫早の集中豪雨の巻」


キャンプの集合時間に間に合うようにと、
前日から一緒にキャンプに参加する
お友達のお宅に泊めていただきました。

そこが諫早でした。

予定通り8時30 分にタクシーで出発したものの、
すごい渋滞で、いつもならば5.6分の所まで
なんと1時間もかかってしまいました。
(土地かんのない私は、どこにいるのかわからないままでしたが・…。)

すごい雨で前は見えないし、
道路はまるで川のようでした。

友人の判断で引き返してみると、
諫早市内には非難勧告が出ているではないですか・…。

もうビックリです。

降り続く雨とカミナリにどうなるのかと思いました。

幸い被害は何もありませんでしたが、
交通規制のため動きがとれず、
キャンプ参加は夕方からとなってしまいました。

それにしても、友人のお宅には予定以上に
お世話になってしまい申し訳なく、
キャンプ場からもわざわざ迎えに来ていただいたり、
皆さんにとても迷惑をかけてしまいました。

みなさん!ありがとうございました。

そして、雨やカミナリの中、
一時間も車に閉じ込められたのに、
じっと我慢してパニックにもならなかった
2人の子ども達に大拍手です。


※初めての通知表

当然ですが由紀子も1学期の通知表をもらってきました。

開いた時、私は驚きと感激で一瞬、
内容を読むことすら忘れてしまいました。

そこには小さな字でびっしりと
教科ごとに今の由紀子の状況が書かれてあったのです。

上の2人の娘達の通知表とはまったく違う物です。
(みんなに見せてあげたい)

人と比べるような評価は全くなくて、
その子が今何が出来、何が出来ないのか
きちんと書いてあるのです。

先生はさぞかし大変だっただろうと思いますが、
親には最高の通知表でした。

いつも思うのですが,
由紀子は自閉症というハンディを抱えていますが、
小学校生活に関して言えば、
由紀子の成長のペースに合わせた教育を受けられ、
配慮もしてもらえる。

それにこの通知表です。

これって最高に幸せではないでしょうか?

楽天家の発言でしょうか?(笑)




=END=
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ゆきちゃん通信 No2 その2

2001年02月08日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

1999年5月30日発行

ゆきちゃん通信No2


その2

※ハウステンボスの旅

五島に転勤してから、
家族そろって旅行した事のない我が家ですが、
来年はネーネ―が、大学生(?)として家を出ていく予定なので
最後の家族旅行としゃれてみました。

由紀子にとってはちょっと退屈な場所だったかもしれないけれど、
今回はお姉ちゃんたちが主役です。
がまん!がまん!

それでも、お父さんとお母さんと3人で乗った船や、
パレードには目を輝かせていました。

そして、揺れる物が大嫌いな由紀子が
メリーゴーランドに乗れた事は思わぬ出来事でした。

まーまーがパスポートを落としたり、
高所恐怖症のお父さんが一大決心をして
高い塔に登ったものの外がのぞけなかったり、
やっぱり我が家らしい珍道中でした。




※編集後記

由紀子を育てていると、人との出会いの大切さを感じます。

そして、由紀子には素晴らしい人を呼び寄せる
力があるのではないかと思う事がよくあります。

今回の出会いの相手はY田先生。

叱るときの恐さは天下一品ですが、
そのすぐ後でも、
子どもが何かをやり遂げたときには、
誰よりも嬉しそうに誉めてくれます。

子ども達は敏感にこの先生のすごさを見ぬくのでしょう。
すぐに先生の事が大好きになります。

そして叱られると、次ぎは誉めてもらおうと
がんばるようです。

運動会の予行練習の日のできごとです。

普段の練習の時には、
上手に踊れるダンスを踊らなかった由紀子を
先生は厳しく叱っていました。

その時、由紀子が先生の方を向いて
「大嫌い!」と言い放ったのです。

我子にこんな気の強い所があったなんて、
ビックリしました。

家では何か気に入らないと
すぐにパニックを起こして泣き叫ぶ子なのに、
学校ではどんなに叱っても泣かないといいます。

そして、運動会の当日にはそのダンスを
立派に踊って見せてくれました。

その直後、テントの中には
ニコニコの由紀子にキスをするY田先生の姿がありました。

当然ですが、由紀子はY田先生が大すきです。

=END=
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