ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

ゆきちゃん通信 No4

2001年02月09日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

1999年9月10日発行

ゆきちゃん通信No4


※反省だらけの夏休み

長かった夏休みが終わりました。

休みの最初に行った療育キャンプで
由紀子の新しい面を見つけて、

この夏は由紀子とがんばるぞ!と、
はりきった私でしたが

終わってみれば何も出来ないまま
過ぎてしまった夏休みでした。


我が家には受験生が二人もいるから・・…。

雨が多くてどこにも行けなかったから……。

いいわけはいっぱいあるけれど、
私の怠慢が全てです。

《来年はきっと楽しい夏休みにするぞ~!》

反省と決心は得意な母です!

ちなみに母は現在ダイエット挑戦中です。

これも後々反省の材料になりそうな予感。




※たいせつなお友達


小学校に入って由紀子にも
新しいお友達がたくさん出来ました。

歩いているとあちらこちらから
「ゆきちゃん!」と声をかけてくれます。

中でも、由紀子が一番頼りにしているのが
『スミカちゃん』です。

小学校に入って初めて出会ったお友達なのですが、

最初からなぜかスミちゃんには
由紀子の気持ちが通じるようなのです。

スミカちゃんに対する由紀子の信頼は絶大です。

特殊学級を選択した時に、
心配したのはお友達ができるだろうか、
という事でした。

協力学級の中でお友達に囲まれている由紀子の姿に
私までも幸せな気分になっています。



※O上先生との再会。

保育園でのお母さんだったO上先生と
お別れして4ヶ月が過ぎました。

先生への思いを断ち切るのに長い時間がかかった由紀子でしたが、

最近やっと先生の名前を口にする事も多くなっていました。

そろそろ心の整理がついたのかなと思った8月のある日、
研修で福江にいらしゃった先生に会えることになりました。

場所は懐かしい保育園の教室・……のはずが、

由紀子は保育園の門を入る時からパニックで、
教室に入っても大泣きでした。

そこへO上先生の到着です。

遠くから聞こえた先生の声にパッと反応した由紀子。

先生の顔を見た途端に最高のパニック状態になってしまいました。

そしてとうとう最後まで先生に笑顔を見せる事が出来ませんでした。


正直言って後悔しました。

先生に申し訳なくて……。
由紀子がかわいそうで・…。

ところが、その日の夜です。
ふとんに入った由紀子が自分からニコニコして言ったのです。

『保育園楽しかったね!O上先生いたね!』

ビックリしました。

あんなに泣いた由紀子でしたが
本当はO上先生との再会を喜んでいたのです。

由紀子は人との別れをどのように理解し処理しているのでしょうか

きっとどこかにしまい込んで鍵でもかけているのかもしれません。

そして、再会した時に湧きあがってくる懐かしいという感情を
どう処理し、どう表現したら良いのかわからなくて、
あんなパニックを起こしたのかもしれません。

その後、卒園アルバムを眺めながら楽しそうにしている
由紀子の姿には懐かしさがいっぱいのように見えました。

今回は残念でしたが、由紀子が大人になって
感情のコントロールができるようになった時、
先生にまた笑顔をお見せできるのではないでしょうか。

それまで待って頂いただけたらと思います。

これも、自閉症ゆえにおきること、
久しぶりに由紀子の障害がかわいそうだと思った出来事でした。




※編集後記

二学期が始まりました。
毎日、由紀子は元気に学校へ行っています。

Y田先生とのラジオ体操や
バランスボードを使ったダンスが楽しいと
帰宅してから伝えてくれます。

5組の学級園では
春に由紀子達が植えた綿にピンクと白い花が咲き、
とても綺麗です。

もうじき、実がはじけて綿が飛出してくるのだそうです。

5組には作業学習というのがあって畑仕事などをやります。

いつもみんなにお世話をしてもらうばかりの由紀子が
花や野菜たちの世話をやくことに喜びを感じているようです。

畑仕事で思い出すのが
療育センターの先生が言われたこの言葉です。

『療育とは子どもの心の畑を耕す事。何かの種が植えられ
た時にキレイな花を咲かせられるように今はじゅうぶん畑を
耕しておきましょう。』

私はまだ由紀子の心をじゅうぶん耕したとはいえないと思います。

今からでも、まだ間に合うでしょうか?

綿の花に負けないようなキレイな花が由紀子の心に咲くように、
Y田先生に助けてもらいながら

二学期もがんばってみようと思います。



=END=

コメント
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