これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。
2001年9月17日発行
ゆきちゃん通信No13
暑かった夏が過ぎ、
まだ青いススキが原っぱで揺れるようになりました。
秋の気配がすぐそこに感じられます。
今年の夏休みは去年とは少し違う夏休みでした。
できるようになった事や楽しかった思い出がいっぱいです。
なつやすみ 楽しかったぁ!
キャンプにいきました。うみではじめてかおを
みずにつけられるようになりました。
やまのぼりもプールもとてもたのしかったです。 ゆきこ
いつも由紀子の夏休みは自閉症協会の療育キャンプから始まります。
毎回天気に泣かされていましたが、
今年は3日間お日様ガンガンの中でキャンプを満喫してきました。
今年のボランティアさんは「さちこ先生」。
由紀子はすぐに名前を覚えて部屋に戻ってくるたびに
「さちこ先生と○○した」と楽しそうに報告してくれました。
キャンプは由紀子の成長の場なのですが,
今回は海水浴の時にそのチャンスはやってきました。
今年の夏の目標はプールで水に顔をつけられるようになること。
私は少し荒療治をしてでも
この目標をクリアさせようと決心していたのですが、
思いがけずこの海水浴であっけなくクリアできたのです。
それは由紀子が腰ほどの深さの所でさちこ先生と遊んでいた時のことです。
とても楽しそうにしていた由紀子が足を滑らせて
あっという間に頭まで水に浸かってしまったのです。
海岸で見ていて「これはきっと泣く!」そう思った私は、
わざとオーバーに手を叩いて
「すごい!お顔がつけられたね!」
と喜んで見せました。
はじめは泣きそうな顔をして立ち上がったゆきこでしたが、
のりやすい性格は私の思惑通り…、
気持を立て直してまた遊び始めたのです。
そして、その後には自分から顔を水につけて見せてくれました。
スタッフの方達にも誉められて得意満面の由紀子でした。
海水浴だけではありません、山登りもがんばってきました。
毎年、権現山に登るのですが
行動がゆっくりで歩くのに時間がかかる由紀子は
今年も一番最後にゴールしたようです。
でも、途中一度も弱音を吐かず
自分のペースで歩いた事を誉めていただきました。
先にゴールしたみんなに拍手で迎えてもらった事で
達成感をいっぱい感じたのでしょう、
キャンプの話をすると
「海で泳いだの!山に登ったの!」
と楽しかった事として話してくれます。
楽しい事がいっぱいのキャンプでしたが、
実は最終日のプールで由紀子は足を捻挫して、
みなさんに大きなご迷惑をおかけしてしまいました。
特に担当してくださったさちこ先生やリーダーの先生には
本当に心配をおかけして申し訳なかったと思っています。
帰宅して1週間ですっかり直りました。
皆さん本当にゴメンナサイ!
こげパンゆきこ
キャンプで水に顔がつけられるようになった由紀子は
福江に戻ってからプール通いが日課になりました。
プールに行く事を楽しみにして
毎日のラジオ体操やお勉強も意欲的にがんばりました。
苦手だったゴーグルもつけられるようになって、
プールでの遊びもどんどん広がっていきます。
浅いプールで浮けるようになった数日後には
バタ足で進めるようになり、
輪くぐりや水中ジャンケンもできるようになりました。
夏休みの後半では深いプールを自由に動き回っていました。
みんなと同じ事ができるようになった自信からでしょうか、
誰かと一緒に遊びたいという気持も
このプールで少し育ったような気もします。
この写真の笑顔が出ているときの由紀子は
心が成長している時なのです。
毎日通ったプールの勲章は、
この真っ黒になった由紀子の肌です。
登校日に交流学級のT中先生に
「こげパン」という新しいニックネームをつけていただきました。
ぴったりでしょう?
でも、この黒さ、若い由紀子はいいのですが、
毎日付き添って通った母は
取り返しのつかない事になってしまったような・・・。
どうしよう!
ねーねーと一緒
ねーねーが夏休みで帰ってきました。
たった4 日間でしたが、
カラオケに行ったり花火大会をしたり
楽しい思い出を由紀子に残していってくれました。
再会が苦手な由紀子も、
ねーねーに関しては迎える時の表情が
ずいぶんやわらかくなりました。
カラオケはみんなで
由紀子の知っている曲を中心に歌ったので、
マイクを握りノリノリの由紀ちゃんでした。
名探偵コナンの曲「謎」では、
運動会でのダンスまで披露して大うけでした。
最後の夜にやった花火大会も
姉妹3人で大騒ぎをしながら本当に楽しそうでした。
この3人、歳が離れているせいか
私から見てもあまり
「姉妹(きょうだい)」を感じることがなかったのですが、
この夜は「やはり姉妹なんだなぁ…」と
改めて感じることができました。
それだけ由紀子が大きくなったという事なのでしょうか?
私にとっても穏やかで幸せな夜でした。
そうそう!ねーねーのおみやげは
偶然にも「こげパン」の縫いぐるみだったのです。
なんとタイムリーな!
そして、大好きなねーねーが帰る日、
由紀子が言ったお別れの言葉は
「はやく帰って来てねぇ」
でした。
編集後記
お友達と遊ぶことにあまり関心をしめさない由紀子とは
ついつい家の中にいる事が多くなります。
本やビデオそしてパズル、
それがあれば由紀子は機嫌よく一日を暮らせるのです。
去年まではそんな日が続いてしまう夏休みでした。
それは楽であると同時に
長い休みなのに何もさせていないという焦りと不安がつのります。
だから私は夏休みが嫌いでした。
でも、今年はちがいました。
母子分離が進んで私の指示が
由紀子に入るようになったからでしょうか、
いろいろな事に親子で取り組めるようになったのです。
毎日のプールはもちろん、
自由研究の為にスーパーへ洗剤の値段を調べに行ったり、
昼食を一緒に作ったり、
毎日忙しいほどでした。
体力的にはとても大変な四十四日間でした、
充実感のある夏休みになりました。
由紀子がパソコンで書いた絵です。
=END=
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。
2001年9月17日発行
ゆきちゃん通信No13
暑かった夏が過ぎ、
まだ青いススキが原っぱで揺れるようになりました。
秋の気配がすぐそこに感じられます。
今年の夏休みは去年とは少し違う夏休みでした。
できるようになった事や楽しかった思い出がいっぱいです。
なつやすみ 楽しかったぁ!
キャンプにいきました。うみではじめてかおを
みずにつけられるようになりました。
やまのぼりもプールもとてもたのしかったです。 ゆきこ
いつも由紀子の夏休みは自閉症協会の療育キャンプから始まります。
毎回天気に泣かされていましたが、
今年は3日間お日様ガンガンの中でキャンプを満喫してきました。
今年のボランティアさんは「さちこ先生」。
由紀子はすぐに名前を覚えて部屋に戻ってくるたびに
「さちこ先生と○○した」と楽しそうに報告してくれました。
キャンプは由紀子の成長の場なのですが,
今回は海水浴の時にそのチャンスはやってきました。
今年の夏の目標はプールで水に顔をつけられるようになること。
私は少し荒療治をしてでも
この目標をクリアさせようと決心していたのですが、
思いがけずこの海水浴であっけなくクリアできたのです。
それは由紀子が腰ほどの深さの所でさちこ先生と遊んでいた時のことです。
とても楽しそうにしていた由紀子が足を滑らせて
あっという間に頭まで水に浸かってしまったのです。
海岸で見ていて「これはきっと泣く!」そう思った私は、
わざとオーバーに手を叩いて
「すごい!お顔がつけられたね!」
と喜んで見せました。
はじめは泣きそうな顔をして立ち上がったゆきこでしたが、
のりやすい性格は私の思惑通り…、
気持を立て直してまた遊び始めたのです。
そして、その後には自分から顔を水につけて見せてくれました。
スタッフの方達にも誉められて得意満面の由紀子でした。
海水浴だけではありません、山登りもがんばってきました。
毎年、権現山に登るのですが
行動がゆっくりで歩くのに時間がかかる由紀子は
今年も一番最後にゴールしたようです。
でも、途中一度も弱音を吐かず
自分のペースで歩いた事を誉めていただきました。
先にゴールしたみんなに拍手で迎えてもらった事で
達成感をいっぱい感じたのでしょう、
キャンプの話をすると
「海で泳いだの!山に登ったの!」
と楽しかった事として話してくれます。
楽しい事がいっぱいのキャンプでしたが、
実は最終日のプールで由紀子は足を捻挫して、
みなさんに大きなご迷惑をおかけしてしまいました。
特に担当してくださったさちこ先生やリーダーの先生には
本当に心配をおかけして申し訳なかったと思っています。
帰宅して1週間ですっかり直りました。
皆さん本当にゴメンナサイ!
こげパンゆきこ
キャンプで水に顔がつけられるようになった由紀子は
福江に戻ってからプール通いが日課になりました。
プールに行く事を楽しみにして
毎日のラジオ体操やお勉強も意欲的にがんばりました。
苦手だったゴーグルもつけられるようになって、
プールでの遊びもどんどん広がっていきます。
浅いプールで浮けるようになった数日後には
バタ足で進めるようになり、
輪くぐりや水中ジャンケンもできるようになりました。
夏休みの後半では深いプールを自由に動き回っていました。
みんなと同じ事ができるようになった自信からでしょうか、
誰かと一緒に遊びたいという気持も
このプールで少し育ったような気もします。
この写真の笑顔が出ているときの由紀子は
心が成長している時なのです。
毎日通ったプールの勲章は、
この真っ黒になった由紀子の肌です。
登校日に交流学級のT中先生に
「こげパン」という新しいニックネームをつけていただきました。
ぴったりでしょう?
でも、この黒さ、若い由紀子はいいのですが、
毎日付き添って通った母は
取り返しのつかない事になってしまったような・・・。
どうしよう!
ねーねーと一緒
ねーねーが夏休みで帰ってきました。
たった4 日間でしたが、
カラオケに行ったり花火大会をしたり
楽しい思い出を由紀子に残していってくれました。
再会が苦手な由紀子も、
ねーねーに関しては迎える時の表情が
ずいぶんやわらかくなりました。
カラオケはみんなで
由紀子の知っている曲を中心に歌ったので、
マイクを握りノリノリの由紀ちゃんでした。
名探偵コナンの曲「謎」では、
運動会でのダンスまで披露して大うけでした。
最後の夜にやった花火大会も
姉妹3人で大騒ぎをしながら本当に楽しそうでした。
この3人、歳が離れているせいか
私から見てもあまり
「姉妹(きょうだい)」を感じることがなかったのですが、
この夜は「やはり姉妹なんだなぁ…」と
改めて感じることができました。
それだけ由紀子が大きくなったという事なのでしょうか?
私にとっても穏やかで幸せな夜でした。
そうそう!ねーねーのおみやげは
偶然にも「こげパン」の縫いぐるみだったのです。
なんとタイムリーな!
そして、大好きなねーねーが帰る日、
由紀子が言ったお別れの言葉は
「はやく帰って来てねぇ」
でした。
編集後記
お友達と遊ぶことにあまり関心をしめさない由紀子とは
ついつい家の中にいる事が多くなります。
本やビデオそしてパズル、
それがあれば由紀子は機嫌よく一日を暮らせるのです。
去年まではそんな日が続いてしまう夏休みでした。
それは楽であると同時に
長い休みなのに何もさせていないという焦りと不安がつのります。
だから私は夏休みが嫌いでした。
でも、今年はちがいました。
母子分離が進んで私の指示が
由紀子に入るようになったからでしょうか、
いろいろな事に親子で取り組めるようになったのです。
毎日のプールはもちろん、
自由研究の為にスーパーへ洗剤の値段を調べに行ったり、
昼食を一緒に作ったり、
毎日忙しいほどでした。
体力的にはとても大変な四十四日間でした、
充実感のある夏休みになりました。
由紀子がパソコンで書いた絵です。
=END=