快食快眠の至って快調な日が続いているのに、ひと眠りのあとぱっちり目が覚めて眠れなくなってしまった。
暖かい布団の中で三転四転しながら考えている。
大切な大切な時間と日ごろ口にするなら、深夜といえどもこうして無為に費やしていいものか?
思い切って冷え切った洋間に電灯をともし、暖房のスイッチを強めてついでに着替えも一揃え運び込んで温めた。
真冬でも素肌に着替える長年の習慣は、この時期健康に甚だ悪いからあっさり宗旨替えをすることに。
それから再び布団にもぐりこんで、部屋がすっかり温まるまで30分。おまけでもうあと30分。
節電節約の必要は分かるけど、これくらいのゆとりはあっていいでしょ
何しろ今まで暮らしぶりはストイックに過ぎたんだから(?)
ここへきて大甘に変貌する自分の姿に苦笑がでるけど、そろそろとし相応にゆきましょう
明るく照らし出された部屋に描きかけのパネルと、昨日調合しておいた絵具の皿が10枚余り。
窓際の定位置に、鉛筆やらメモ紙やら雑多な書類にカタログなど散らばった机があり、
一隅に赤や緑の小さな光の点滅するパソコンとテレビ。
モカの香りに包まれながら絵具の色合いを確かめているうち
ひとりでに体がゆらゆら揺れて、盛り上がって、なんだか踊り出したい衝動にかられた
白い壁の中からオーケストラの音楽まで聞こえてくるみたい~
心がぽっとふくらんで弾ける
凄くいい気持! ♪!☆!♪!☆!♪!
誰にも言えない真夜中のリラックスタイム
あ、これがきっと有効な時間の使い方なんだ!?
明ければ25日。 過ぎたこの夜は聖夜と呼ばれる日だった
白み始めた戸外に、新雪の上あしあとひとつない純白の道が伸びていて
無信心な自分でさえも、一転心引き締まる清浄の夜明けが訪れている。