知人から招待券をいただいて暫くぶりで美術館へと、重い腰をあげました。
ひとまわりのあと、ショウウィンドーのとりどり華やかなスィーツやドリンクを横目に見ていたら、
ふっと2歳の太郎といっしょにパーラーへ入ったときの光景が浮かんできました。
幼児を連れて、美術館へ行ったのはその時が初めてでした
成り立てほやほやの新米ばぁばでも、安心して連れて行けるおとなしい素直な太郎でした。
注文のフルーツポンチがくるまで椅子に座ってただ行儀よく
瑪瑙のような瞳がとろりと濡れてどこやら遠くを眺めていましたっけ
白い襟のついた黒ビロードの服が可愛くて、人間の子って最高ね!頭から食べてしまいたい…
小学校入学時にT市に移り住んでからは、
来るたび「ボクおばぁちゃんと一緒に暮らした~い」とウルウルさせて、
成長につれだんだん足が遠のく仕儀となっても、会えば眼と眼で一瞬に通じる嬉しい関係。
それがあっという間に過ぎ去って来春は社会人です。
「犬のようにすばしっこくダイヤモンドを駆け巡り、犬のように人懐っこくキャンパスを駆け巡る、仕草がかわいい」
とは報道関係に就職するチームメイトが、得意の人物評太郎の巻。
歩き始めのころも、散歩の子犬のように自宅の見える四辻まで来るときまって回れ右してたっけ。
シャツを脱いだら、腕も太腿も鉄板みたいなムキムキ筋肉マンなのに、
女の子の衣装をつけたらそれらしく見える不思議な太郎
皮膚の一部みたいだったユニフォームを脱いでしまったら−−−さてどんな素顔がのぞくかしら
ただ環境はどう変化しても、すんなり溶け込んでへこたれないイメージが湧いてきます。
春になればきっとフレッシュに羽ばたいてゆくことでしょう
ばぁばの念力は衰えたけど…(◡‿◡*)★☆★☆
美術館から帰りの車中、もう少しで乗り過ごすところでした。