自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

雪の夜

2013年12月29日 | カット画


今年も残るところあとわずか、明日の、いえもう今日の日程をあれこれ考えているうち、すっかり目がさえて
未練たらしく寝床で転々としているよりも、いっそのこと時間を有効にと蒲団をたたんで起きる事にしました。

 
物好きに深夜起きだして、冷えから風邪などひいたら大損と
もこもこのボアの上下でいつもの倍は着こみ、足元はソックスにカバーに長靴型のルームシューズと三段重ね
足首カバーも毛糸の膝サポーターもとあるだけ試着していたら、不意に浮き浮きしてきました。

今まで何度か同じことがあって、困ったものだといつも当惑気分でいたのだから不思議です。
パジャマを脱いで着替える毎朝の新鮮な感覚とはまるきり異なった別世界を覗いたような
だるまさんみたいに着ぶくれた姿に笑えるのは当然として、こんなことで幸せめいた思いがするなんてね♪

三年前の夏、そして今年の夏と、グループ展のあと先体調を崩したことで
きっと人並みトシ相応の健康志向が育ったのでしょう
でも夜型人間の傾向はますます進み、ベッドに入るのが夜中二時三時になって
それでも差しさわりの起きない健康と自由は、いつまで保てることやら?

寝静まったよる夜中、あかあかと電灯をつけて、一体何をしたいのでしょ?
したいことはいっぱいあるのに、どれ一つ差し迫ったものでないところが最高の楽しい理由みたい
しかもたんすの引き出しを掻きまわしながら鼻歌歌ってステップ踏んで
何やらひとり笑いしている光景にちっとも不安を覚えないなんて、すごい幸せではないかしらね♪
あまりひとには言えないけど ✿(◡‿◡*)


午前三時。
まずブログを書くことにしました。
今冬初めての本格的な雪になって、除雪車も先ほど初出動したようです。

林檎の季節

2013年12月20日 | カット画


今年も林檎の季節が巡ってきました。
店頭に溢れる艶やかな色と芳香はひとを不思議な魅力で捕らえます。
そして見ると必ず反射的に浮かぶ島崎藤村の詩があります。

戦後のひび割れた人心を暖かく潤してくれた「リンゴの唄」も有名ですが
初恋の心情を詠いあげたこの詩は、リンゴではなく林檎です。

   まだあげそめし前髪の 林檎のもとに見えしとき
   前に挿したる花櫛の 花ある君と思いけり

   優しく白き手をのべて 林檎を我に与えしは 
   薄くれないの秋の実に 人恋いそめし始めなり

古き良き時代、この境界に身を置いた少年が見た「花ある君」
そのときの心の震えと驚き、初恋の心情を歌ってこれ以上のものを知りませんが
はて、現代の若者には通じるかしら?



案外次郎なら、うん、わかる!と輝いた目で反応してくるかもしれません。
でも太郎は…ちよっと当惑気味の笑いを浮かべて首をかしげそうな気がします。
へっ、と笑い飛ばすに違いない息子だったら
あとでこっそり書棚の奥の詩集など探している姿がくっきりと。((^┰^))ゞ




知人から一箱林檎を頂きました。

   わが心なき溜息の その髪の毛にかかるとき  
   たのしき恋の盃を 君が情に酌みしかな

   林檎畠の樹の下に 自ずからなる細道は  
   誰が踏みそめしかたみぞと 問いたもうこそ恋しけれ

芳醇な果実を含みながら、四連の詩がすらすらと滞りなく口を衝いて出てきます。
光景までもが絵を見るように鮮やかに浮かびます。
私のシナプスはいまだ健在で、初恋の情感を繋いでくれていたのでした。 (*^^)vイエイ♪

カムバック

2013年12月04日 | 絵と文


寒い朝、お目覚めと同時に冷たい空気をちょっとでも感じたら最後、続けさまのくしゃみ連発です。
どんなに寒くても素肌に着替えをしないとすっきりしない習慣がこの際恨めしい
胸がひりひり、頭くらくら、ティッシュが山のようになる頃に午前中が終わります。

昔環境が変化した20歳代に、突然旅先で激しい喘息を起したのを皮切りに
それからの30年、手を変え品を変え来襲したアレルギー攻撃は、凄い早さで体質を一変させてしまいました
“アレルギー性鼻炎”という病名さえまだ無い当時、私は先駆者だったの。自慢じゃないけど★

喘息のときはインターンの格好の研究材料にされました…
蕁麻疹では長時間点滴に自由を奪われたので、次回から自宅でガブ飲みの水攻めに変えました
海老フライと蟹の酢もの匂いを嗅いだだけで出る激しい症状を抑えきれず、料理横目に会場を後にしたのは残念無念
わずかな空気の動きで触発するくしゃみ、鼻水、頭痛、胸痛、涙目などが、どれだけ日常を暗くしていたことやら
あ~もう、思い出したくもありません。

そして30年、月日は流れ再び環境が変化してひとり暮らしとなりました。
健康により細かく気を配るようになってから、驚いたことにうそみたい体質改善ができちゃった。
「今は周り中が風邪ひいてるときも、バカみたいに丈夫なんですよ。
連日のあの激しい症状は何だったんでしょう?」とあるとき医者の前で述懐したら、
「アレルギーは、若さとともに去ったんです」 ニヤリとして先生は答えたのです。

(◣д◢)ァァン?    
ややあって立ち直りました
「へ~ぇ。先生は冗談がお上手で」
「いや、ボクは冗談はド下手で」 と先生再びにやりとして。 
この問答はカルチャーショックだったらしく、よく覚えているんです。癪だけど★



二度目の環境の変化で、きっちりおさらばできてバカの如く健康を満喫していたのに。 それなのに
近頃の天変地異に歩調を合わせるごとく、アレルギーのお化けが再びあらわれたらしい。
・・・けど、 それにしては?あの問答が引っかかる・・・
今頃になってアレルギーがぶり返したということは~今頃になって消え去った若さも戻ってきたということで~

くしゃみで百面相になりながら、思いはめぐりました。
たしかに、今日の状態今更ながら辛いけど
以前のあのド華手な威勢に比べれば、今は子供みたいにゆるやかな症状には違いありません。

「順調にトシ取っていますね。そろそろ小学生か、それとも幼稚園あたりまで?」
あの先生だったら、そう言って再び三たびニヤリとするのが容易に想像できるのでした! 悔しいけど★★★