自然はともだち ひともすき

おもいつくままきのむくままの 絵&文

休診日始末

2009年12月16日 | ひとりごと
 先週のこと。

 季節インフルエンザの予防注射を済ませようやく肩の荷を下してホッとなった。
 今夜のお風呂かまいませんよと言うことで、ぬるめの泡ぶろに20分ばかり浸かる。極楽の味というのはこれなんだろう。
 したいことをし終えて、これ以上ないリラックス気分の最中、左の眼が異物でも挟んだようにしつこくコロコロしてくる。
 ゴミでもついたかな、何度パチパチしても涙もこぼれずかえって痛みが増してきた。
 鏡に映してびっくり。ドラキュラ真っ青の、真っ赤っけ。
 使い過ぎた罰だ。
 就寝前の読書もそこそこに、おとなしくスタンドを消して眠ることにした。

 夜中、今度は喉の奥にズキン、ズキンと波状攻撃で目が覚めた。
 左耳に中耳炎の前触れのような痛みが時たまある
 寝返りするたび膝の関節が外れそうにがくがくする
 目の中に住みついた異物はさっきより成長しているらしい
 こりゃ風邪のバイキンにでもとりつかれた?
 この調子じゃぁ、明日は病院行きかぁ  また貴重な半日が潰れてしまぅ~ もったいないぃ…
 ウトウトの合間にどうにか観念して明日の覚悟だけは決めたみたいだったけど。

 朝、目の色は凄味を増して、胸に圧痛もある。体温だけが37度と微妙なところ。
 とりあえず眼科だろうか
 のろのろ準備を整えつつ、ふと予感がして電話で確かめてみた。
 「今日は土曜日ですので、外来診療はお休みです。月曜に来てください」・・・ほら、ね。
 なにが? ほらね、ケ

 こういうときって大概休日にぶち当たるのが不思議。
 しかし。もしかしたらこれは自然治癒力とやらを最大限行使せよ、あったかい部屋にこもったまま、との天のお告げかも。


 そうだ、まずは抵抗力をつけて。
 なんだか元気が出てきて、まず室温を少し上げ、部屋のすみっこに洗濯ものを広げた。
 カニ缶をドバッとあけて、椎茸と卵とネギを入れた雑炊を作ってお腹にためこむ。
 秘蔵の午黄の丸薬の厳重な包装を開け、お猿さんよろしく固い殻を砕いてセロハンを剥き、金紙に包んだのをようやくお湯で流し込む。
 薬箱の奥底から貴重品だよともったいつけられて忘れたままのドリンク剤も思い出して飲み、ついでに市販の風邪薬もおまけした。
 (目玉に住みついたエイリアンだけは、最新の化学兵器でなくちゃぁ…) それは、まぁそのとき。
 あとは毛布にくるまって、描きかけの30号を目の届く場所に立てかけちらちら眺めてるだけでいい。
 あちらをもっと明るくしたら、こちらはいっそ消したほうが、などとぼんやり頭に考えついたらもうけもの。
 保険の利かない午黄とドリンク剤は痛かったけど、貴重な時間と引き換えと思えばおつりがくる。
 それに国の医療費節約にちょっぴりの貢献はできるかな。

 気のせいかホウレンソウを食べたポパイの気分になってきた。(古いの)
 余裕が出てきたところでパソコンを開きながらとりとめもなくぶつぶつ頭の中がしゃべっている。
 二日間もほっとけなんて、最悪命を落とす病気だってまったく無いとはいえないんじゃないの。
 弱きを助け強きをくじく。  あ、これはマンガのキャラクター、じゃない、日本の侠客のことばだ
 そうそう、命あるうちに何かとびきり美味しいものでもネットで探そう。送料無料の。  
 時間はたっぷりあるし。 
 鼻歌が出てきてニヤリと口許が緩んだ。

 土曜休診も悪くはないね。



    ・・・・・・・・・・・・・・・


 それから数日。
 雨からみぞれに、外は寒そう。
 眼科でもらってきた数種類の点眼薬を時計とにらめっこで点しながら、片目で文字キーを打ち込んでいる。
 半日以上費やして視力検査から始まり、眼圧測定に採血検査その他もろもろ。
 孫のような先生とおばさん看護師が数人、動きまわって医療費は増大の、30号のパネルは遂に裏向きの、
 さておあとがどんな状態になるのやら、それまでの天下泰平。
 
 注文した美味しいものは、まだ届かない。    

野球小僧

2009年12月10日 | 絵と文
                    

 太郎が髪染めてみようかな、なんてこっそりママに打診したそうです。
 ヘェ~~
   頭髪は野球人らしくさっぱりとした髪型をすること
   また染めることも禁止する
 ちゃんと部のルールで決まってるじゃないですか。
 もちろん学校が休みの期間だけのことだし、なんでも一度体験してみれば納得するんだよ、と親は割と柔軟な対応ぶりでしたが、ちょっとほのめかして反応を見る程度だったのか、あっさり取り止めたと聞いて安心しました。
 それでなくても毎年議論の花を咲かす部員の長髪。
 そもそも高校野球に限って髪型がなぜ坊主なのでしょう?



 『ときは明治44年、東京朝日新聞社が野球害毒論と言うキャンペーンを行ないました。
 当時熱狂的な人気が出て来た野球が青少年の教育に「害毒」を及ぼしていると、当時一高の校長だったあの五千円札の新渡戸稲造さんや、後日軍神とあがめられた学習院長の乃木希典さんなど、高名な教育家が新聞紙上で非難したのです。これに対して読売新聞や東京新聞が野球擁護論で反撃したそうですが。
 朝日新聞は四年後の大正5年、手のひらを返して中等学校野球大会を開催する事になり、今度はいかに野球が教育的であるかを主張するため、試合開始前と終了後に整列させて挨拶させるというルールを定めたり、審判に対する抗議を廃したり、開会式では軍隊式の分列行進を行わせるなど、「中学野球は教育」と言うイメージを定着させていったのです。』     (「スポーツとは何か」玉木正之著より)           

 大新聞社といえども相当なこのブレ、やっぱりどこにもあるんだ。  


 
 型にとらわれず自由な個性を活かして
 太郎の高校では野球はあくまでも野球とみて、他校で継承されている「野球道」の追求も勢い違った形で現れてくるようです。
 あるとき白熱した試合の真最中、相手チームからひときわ大きな声でヤジが飛びました。
   「てめぇら、野球を遊びと思ってんのか!」  
 聞いた選手のひとりが負けない大声で返しました
   「バカヤロー、野球はアソビに決まってるじゃねーか!」

 
 これは名せりふとして今も語り継がれているそうです。 

おそ秋の光の中で(2)

2009年12月03日 | 写真と文
 
  吊り橋の上で





 小春日和に恵まれたおそ秋の一日を、Nちゃんの車に便乗して奥飛騨へ一泊ドライブで出かけました。


 四季折々の飛騨路をこれまでに幾度通ったことでしょう。
 行く先々に秋の光が惜しみなく降り注ぎ、葉を落とした大好きな雑木林は遮るものなく空間にその枝先を広げています。
 自然の包容力は優しさ厳しさに満ち溢れて、ゆくたび新たな活力をいただいては感激して帰路をたどるのでが、
 今回はふたり合わせてなんと百x0歳!の記念旅行です。
 ただし私の方が 半分+7、=(*○*)! なのでありました。

 ひときわ燃え立った紅葉も色あせて野路に散り積み、華やかな舞台のあとの少し侘しい雰囲気が、なんだか象徴的

 雑木林、枯葉の道、山路、連峰、青空、吊り橋、川の音、風の音
 ホテルの部屋、温泉、食事、すべて好感度満点。



 今度の旅行で抱いた様々な思い、当分の間は胸の中へ、そっと封印しておきたい…





 笠岳
 

 西穂高


新穂高のロープウェイの展望台より笠岳方面と西穂高
360度北アルプスの山々が眼前にそそり立って、きらめく秋の光の中にめまいがするようです。
風もなく一方で焼岳の噴煙がまっすぐ上に上り、はるか白雲の彼方には白山も望めました。