会場風景
出品作品(その3)
山田千恵子 「花」
笹山美恵子 「露草」
須藤和子 「古時計」
山田千恵子 「思い出」
中村伊都子 「茶の湯」
薄波靖子 「涼」
笹山美恵子
荒川美知子 「花残月」
出品作品(その2)
須藤和子 「菜」
笹山美恵子 「いろいろ」
高島清二 「かづら橋」
高島清二 「紅葉」
牧野敦子 「待ち合わせ」
牧野敦子 「オリエンタルリリー」
中村伊都子 「干かれい」
薄波靖子 「花」
須藤和子 「菜」
笹山美恵子 「いろいろ」
高島清二 「かづら橋」
高島清二 「紅葉」
牧野敦子 「待ち合わせ」
牧野敦子 「オリエンタルリリー」
中村伊都子 「干かれい」
薄波靖子 「花」
県民会館日本画教室が三十数年前に開設されて以来、大島秀信、故斎藤清策両先生に師事して日本画を描き続けた教室のOBとOGの「昴の会」も15回になりました。
15回展の出品作(その1)
薄波靖子 「開演前」
笹山美恵子 「くじゃくさぼてん」
山田千恵子 「赤富士」
高島清二 「渦潮」
夜。玄関先にぼーっと人影らしいものが映れている。
何げなく目をやると、黒いシルエットにピンク色の光がさして、今度ははっきりと人の姿が浮かび上がった。
なんだ、おとうさんか。
あ、居た、居た、
何度も訪ねてやっと会えたようなホッとした声もきこえて
外出から帰って部屋を覘くときのいたずらっぽい顔で、ニコッとする。
急いで玄関の戸をあけた。「お帰り!」
こちらも長い出張から帰ってきた人を迎えるようで妙に心が弾む。
肩がすりあって、確かに彼は一歩中へ入ってきたのだが。
夢と気付くまで数秒かかった。
夢にしても20年近くの間ほんの3~4回しかお目にかからない。
その上いつも物惜しみするみたいにチラ、とかウッスラ、とかしか現れないのに、忘れかけていたあのころの表情もそのままに鮮やかだった。
そして「終の棲家」の我が家に戻ってきたのも初めてのこと。
気分的にも落ち込んでいたのかなぁ、と自分を振り返る。
予期せぬ猛暑と小さなストレスの積み重ねに、思わぬところへひょっこり顔を出す老化現象は、当然のことながらどれもこれも初体験。
体力と情熱は両天秤、それが傾きかけて、あの世から冷やかし半分、力づけてみるかと彼は現れた?
そんな風にひねくれたのは後のこと。
その日、なすべきことをし終えて初めて小さな幸福感を味わっている。
人間関係の複雑に絡み合う糸は、解きほぐすのが年数を重ねた者の特権と考えれば
現金に次の制作意欲がひたひたとにじみ出てくるのも嬉しくて、
夜中の2時、私は純粋にすなおに懐かしい回想に身をまかせた。
ほんとにあの頃は、こんな幸せを与えてくれる人とは気付かなかったよ、おとうさん…