初夢ください！

もともとあまり夢を見ない

というより

覚えてない人だったんだけど

ここ数カ月は

時々夢を

覚えてるようになった

そうなるとがぜん

期待するのは初夢

いつ見るのが初夢か、っていうのは

諸説あるようだけど

自分的には

除夜の鐘の後でも

元日の夜でも

いつでもかまわない

とりあえず見て

なんなら

夢占いとかも楽しめるかも、って

ちょっとならず相当楽しみ

で

大晦日の後・・・

元日の朝は

遅起きだったのに

夢覚えてない

やっぱり

夜中にトイレ行ったりして

よく眠れなかったせいかなぁ

まあまあ今夜もあるし

って期待十分でまた夜寝て

朝起きる

あれ？

夢、見た？

暮れまで順調に夢見てたのに

肝心な時には見られない


そんなこんなでもう三日の夜

さすがに三が日過ぎたら

初夢じゃないでしょうね・・・

つまらないことだけど

けっこう期待してたから

ショックも大きい

おばさんの小さな願い

初夢、ください！

ひよどり

若いころは

ひよどりがきらいだった

寒くて食べる物の少ないこの季節

実家の庭の木に

みかんを切って刺しておくと

いろんな鳥が来て

お腹を満たしていくのだが

ひよどりは

体格が少し大きいのをいいことに

他の鳥を蹴散らして

みかんを一人占めしてたからだ


そのずいぶん後に

テレビの番組で

ひよどりの群れが津軽海峡を渡るのを見た

はやぶさなどの大きな鳥に捕まらないよう

波間をかわすように

低く低く

飛んでいた

船や飛行機ならあっという間だけど

あのからだで

効率の悪い波間を渡るのは

相当命がけだ

悪さばっかりが目についてたけど

この子たちは

今日を

いまを生きるために

必死なんだなぁと

改めて思った

他の鳥を押しのけて

みかんを食べるのも

生きるため

遺伝子が叫んでるんだろう

そう思うと

けっこうかわいい

その後は

ひよどりが威張ってても

もう怒ったりしない

ひよどりが去った後に

他の鳥たちのために

新しいミカンを刺してやればいいことだ

・・・まあ、この辺りのひよどりは

海を渡るなんてことはしないだろうけどね


人の命を思いやったり

自分の物を分け与えたりできるのは

豊かに育った一部の人間だけだ

それなら

必死で生きてる人や動物や植物に

出来るだけのことをするのは

もはや務めだと思う

だって

施す立場の者も

みんなから助けられて生きてるんだから

わたしたちは

目に見えるもの、見えないものにかかわりなく

多くのものをやりとりして

それを日々の糧として

生きてる


ひよどりが

おしえてくれたこと

おもいかえした

おしょうがつのあさ