いいおか料理 骨休みー2
ヤリイカの旬は春先の産卵で終わりになる。今年の最後になるので60K仕入した。入札が二籠単位で60Kになるためである。
ヤリイカは午後船の水揚げなので鮮度は抜群。店の工房に着いた頃でも生きているのもあれば死後硬直中である。早速捌いてみたところ卵は大半が放出され、白子も小さくなっていた(写真)。肝は残っていたので丁寧に取り外し保存した。
銚子港では秋口から冬場にかけて大量のヤリイカが水揚げされる。ほとんどは市場出荷に回り地元の店頭には並ばないといってよい。主に寿し種や刺身に用いられるので値段が高いこともある。今回は中型で入札価格はK800円であった。
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ヤリイカの旬は春先の産卵で終わりになる。今年の最後になるので60K仕入した。入札が二籠単位で60Kになるためである。
ヤリイカは午後船の水揚げなので鮮度は抜群。店の工房に着いた頃でも生きているのもあれば死後硬直中である。早速捌いてみたところ卵は大半が放出され、白子も小さくなっていた(写真)。肝は残っていたので丁寧に取り外し保存した。
銚子港では秋口から冬場にかけて大量のヤリイカが水揚げされる。ほとんどは市場出荷に回り地元の店頭には並ばないといってよい。主に寿し種や刺身に用いられるので値段が高いこともある。今回は中型で入札価格はK800円であった。
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銚子港でイカを仕入れ献立に乗せたのはここ数年に過ぎない。それまではこの近辺で「いか料理」と名をうっている店は聞いたことがなく、いわゆる「郷土料理」として扱われて来なかったことに何故という疑問が無かった。
刺身とか天ぷらが献立に並んだ程度であった。しかし、昨年から「復興どんぶり」のひとつに「やりいかの天丼」を出し始めたころ、多めに仕入れをするに従い大量に水揚げされるヤリイカを眺めながら、兼ねての疑問を思い出して来た。
銚子ー九十九里沖のイカは底引きで漁獲され、銚子港で水揚げされる。大量に水揚げされるので産地市場としての機能を発揮し各地の市場に出荷されて来た。
底引きとは言え鮮度保持に注意を払えば刺身を始めとした「いか料理」を産み出す事はごく自然の営みで無かったのか!
しかし、<ねこが跨ぐ>という例えがごく当たり前の産地市場の在り様を風土のように了解してきた料理人にイカなど眼中に無かったのも無理はない。
ここ、数年であるが、死後硬直中のヤリイカが市場に並び、その取引を横目で眺め、産地発「いか料理」の可能性を考えて来た。