護憲的改憲⑤

2006年08月19日 | つぶやく
今週末は、夏のイベントなども多いことかと思いますが
何よりも安全運行を心がけましょう!

では、では、・・・。

<編集部>
国会の終盤で、防衛「庁」を防衛「省」に昇格する法案が提出されましたね。でも根本にある9条との整合性など、憲法の問題をスッと通り抜けられても困ると思うのですが。

<小林>
防衛「省」にするなら、まず憲法を改正してからやれよというのが、一つありますね。 


9条は日本が侵略者だったという反省の上にあるはずですが、同じく侵略者であったドイツは、戦後、軍隊の民主教育ということを徹底してやってきました。しかし、僕には軍隊の民主教育といった話が、今はピンと来ないんですよ。

攻めて来る国を、仮に北朝鮮だとしましょう。北朝鮮は日本の法令なんて無視して攻めて来ますよ。だからそれに対抗する軍隊というのは、指揮官が進めとか撃てとか言ったとき、「私には別の意見がある」なんて言う部下の意見を聞いていてはやってられない。

つまり、軍隊というのは民主国家を守る軍隊であっても、軍隊である以上、きわめて非民主的な組織であって、非民主的な行動をしないと勝てないんですね。そういうことを前提に訓練するわけですから、自然に軍隊はだんだん市民社会とズレた連中になっていってしまう。

最初の質問にもどるけれど、防衛「庁」を防衛「省」にしたら、自衛隊員たちは“プライド”を持つでしょうね。

今の自衛隊だったら、普段は交通ルールを過剰なぐらい守る。高速道路でなぜこんなに渋滞しているのかと思ったら、自衛隊の車両がただ制限速度を守っているだけなんてこともある。だけど自衛隊のこういったふるまいも、変わってくると思うんだな。

<編集部>
「民主的な軍隊」というのは、形容矛盾のようにも思えますね。

<小林>
本来的に矛盾するんだよ。だから軍隊は、国民の人権尊重を旨として日頃は行動しなければならない。ただし攻めてきたら、敵の人権は尊重する必要がない。だけど敵が武器を捨てて来るのだったら、これまた人権を尊重して扱わなければならない。

実は古今東西、これを完璧にできた軍隊というのはないんですよ。米軍はイラクのアブグレイブ刑務所でひどいことをやったけど、実はあれが軍隊の本質なんだよね。

<編集部>
小林さんは、もともと憲法で自衛隊の保持を完全に認めて、侵略者に対してしっかり自衛戦争を戦えるような軍隊を持つべきであり、国際貢献として国際紛争にも介入すべきだという立場ですよね。

<小林>
僕はそういう立場だったけど、今はちょっと考え直しているんです。つまりイラク派兵のいきさつを見ると、日本の政治には法の支配、法治主義がない。

軍隊をシビリアンコントロール、人と法で縛るというけれど、日本の政治と国民にはその能力がないんじゃないかと思い始めています。だから自衛隊をまだ日陰者にしておいたほうが危なくないかも知れない。

<編集部>
そういう政治的能力が日本にないことがハッキリわかったという意味では、小林さんにとって今回のイラク戦争はとても大きかったわけですね

<小林>
すごくショックだった。「うわっ、あいつら、なんの運用能力もないんだ」ということがハッキリわかった。と同時に、そういった政権を支持し続ける国民大衆も信用できなくなった。

彼らの言う根拠は、「今アメリカに付き合っておかないと、北朝鮮が暴発したとき助けてくれませんから」。自民党の誰に会ってもそう言うから、本気でそう思っているようです。

でも北朝鮮が暴発したら、韓国や台湾、日本にある米軍基地からアメリカが北朝鮮を蹴散らしますよ。中国やロシアに対する牽制もあるから、北朝鮮を押さえ込めばアメリカが有利になるもの。

アメリカが北朝鮮を押さえたら、日本海までアメリカのものになるんだから、手を出さないわけがない。イラクを手伝わなくても、絶対アメリカは「自分たちのために」結果的に日本の基地を守ってくれますよ。

それにそもそも今回の「イラク侵攻」は、本当は「イラク侵略」だった。アメリカはイラクが国際法違反の大量殺戮兵器を備蓄していると言っていたにもかかわらず、その情報はCIAの捏造だったじゃないですか。それでイラク全土を支配したのは国際法違反、典型的な侵略戦争です。

それに抵抗もできずに、ただついていくだけの日本の政治は何なのか。友好国というのなら、アメリカに説教して退くぐらいの勇気が必要ですよ。

『KURENAI プロジェクト』の3安

『KURENAIプロジェクト』ブログは、「百里シンポジウム」での過程、「整備街・牧場・公園」の構想、有志の動きを随時掲載し、『IBARAKI』といえば「安全な空・安心な食・安らかな体」という3つの安を日本全国、アジア、世界に発信します。  この動きがまちを考える人達に勇気を与え、それぞれが動く事で発展していくことを希望します。