「16ブロック」 2006年 アメリカ
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監督 リチャード・ドナー
出演 ブルース・ウイリス モス・デフ デビッド・モース
ジェナ・スターン フランク・ニュージェント
ダイアン・モーズリー エディ・バンカー
ストーリー
NY市警のジャック・モーズリー刑事(ブルース・ウイリス)は、かつて捜査中の事故で足を負傷、今では酒浸りの冴えない日々を送っていた。
夜勤明けのある日、彼は上司から証人エディ・バンカー(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所まで護送してほしいと頼まれる。
15分もあれば終わる仕事と説得され渋々引き受けたジャック。
ところが、車で移送する途中、エディが何者かに襲われる。
間一髪でエディを助け出したジャックは、バーに身を潜め応援を要請する。
しかし、そこに現れた同僚刑事フランク(デビッド・モース)の口からは、意外な事実が告げられるのだった…。
寸評
大阪の梅田から淀屋橋くらいの距離を移送する間に起こる追跡劇で、設定そのものが意表をついていて面白い。
もう少し距離の短さが全面に出ていればもっと緊迫感が出て良かったとは思うが・・・。
ニューヨークに行ったことのない私には、アベニューとかストリートを言われてもイメージできなかった。
設定といえば、モス・デフが演じるエディと、ブルース・ウィルスが演じるジャックの対比が面白さを倍化させている。
エディが最初から最後まで喋り続けているのに対し、ジャックはどちらかといえば寡黙を押し通している。
最後で大ドンデン返しがあるのでなく、小さなどんでん返しを繰り返すことによって、ストーリーの展開に小気味よさを出す演出は的を射ていたと思う。
酒浸り、寡黙な態度などがジャックの人物像を浮かび上がらせて、同じ警察官でも「ダイハード」のウィルスとは違った別人を演じていた。僕はこちらのウィルスの方が好きだ。
ショーン・コネリーもそうだったけれど、渋くなって上手く歳をとっているなあという感じがする。
えっ、なんでそうしないのと言いたくなるシーンは少しばかり有るけれど、一級の娯楽作品になっていた。