「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 2002年 アメリカ
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監督 クリス・コロンバス
出演 ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン
リチャード・ハリス マギー・スミス アラン・リックマン
ロビー・コルトレーン フィオナ・ショウ ジョン・クリーズ
トム・フェルトン マシュー・ルイス ケネス・ブラナー
ストーリー
ホグワーツ魔法魔術学校の1年生を修了したハリー・ポッターが、夏休みを意地悪な叔母一家と過ごしていたある夜、ハリーの元に突然妖精ドビーが現われ、ハリーにホグワーツには戻ってはならないと警告してきた。
ホグワーツこそが自分の本当の居場所と信じて疑わないハリーは当然猛反発、ドビーは魔法を使って叔母一家の客人に悪戯を仕掛けて去ってしまった。
ハリーの仕業だと思い込んだ叔母一家は窓に鉄格子を打ち付けてハリーを監禁状態に置いてしまうが、そこに親友のロンやその妹ジニーたちが空飛ぶ車に乗って駆け付け、ハリーを救い出して飛び去っていった。
新学年の準備のためダイアゴン横丁を訪れたハリーはハグリッドやハーマイオニーと再会を果たし、ホグワーツに新任教師として赴任することになったベストセラー作家のロックハートにも対面した。
2年生になったハリーは新入生たちの憧れの的となっていたが、やがてホグワーツには不気味な怪奇現象が次々と起こるようになった。
ハリーはロンやハーマイオニーと共に怪奇現象の正体を突き止めようとしたが、ハーマイオニーや女子学生らが襲われて石に変えられてしまい、ハグリッドは容疑者として捕えられて魔法監獄アズカバンに送られ、ダンブルドア校長は一連の事件の責任を負わされて停職処分となってしまった。
ハリーはロンと共に“秘密の部屋”の入り口を突き止めたが、そこではジニーが何者かに操られていた。
ハリーはジニーを操っているのはかつてホグワーツの生徒だったトム・リドルであることを知った。
そしてトムこそが後に闇の帝王ヴォルデモート卿の若き日の姿だったのだ。
トムはハリーに襲い掛かり、巨大な毒蛇を放ってハリーを殺そうとする。
ハリーは剣で毒蛇を倒すと、その牙でトムの亡霊を消滅させ、ロンやジニーと共に秘密の部屋から無事脱出することに成功し、秘密の部屋の陰謀が明らかにされた。
寸評
一作目の「賢者の石」を見ているか、あらかじめ解説を読むかして事前知識がないと少し入り込めないところがあるのは連作物の宿命かも。
僕は原作を読んでいないし、元来この手の作品にあまり興味を示さない傾向がある。
それだけが理由ではないにしても、第二作目の「秘密の部屋」は前作の「賢者の石」に迫る仕上がりになっていないような気がする。
一応2時間半以上を退屈させないようにしているのだが、何だか物足りなくて残るものがなかった次第。
なぜなのだろうと振り返ったら、結局思わせぶりな割には中途半端だったのではないかとの結論に至った。
例えば、妖精のドビーのご主人が一体誰なのかという疑問を持たせないままに終わってしまった。
否、疑問は持つのだけれども、ミステリーとして興味を抱かせるまで昇華していなかったと思う。
ロンの妹の存在を途中で挿入しておきたかったのだろうが、そもそも外人の顔の見分けが苦手な僕にとって、時々挿入される彼女のアップがよく分からなかった。
伏線としては少し弱いのではないか。
なんだかロンの妹の描き方は消化不良だ。
それに比べれば、ドビーへのプレゼントのオチに対する伏線のほうがうまく処理されていた。
個人的にはしっかり者のハーマイオニーが好きなので彼女の存在感をもっと高めてほしかったなぁ。
全体的には登場人物すべてが希薄で内容を軽くしてしまっているのではないかと思う。
もともと空想物語なのだから、その辺の人物描写をしっかり描かないと、次回作以降は子供だまし映画に成り下がるのではないかと危惧させた。
第2作の今回は新たなキャラクターが次々登場する。
最初のキャラクターはドビーで、ちょっとグロテスクなキャラクターで可愛くはないが愉快なキャラクターである。
秘密の部屋では巨大な毒蛇が出てきて追っかけっことバトルが繰り広げられる。
僕は劇場で「賢者の石」とこの「秘密の部屋」を見たのだが、ハリーポッターはもういいかなという気になった。
僕には、この話で2時間半はきつかった。
ファンタジー映画としては、同じような時期に封切られた「 ロード・オブ・ザ・リング」の方が作品的にも見応えがあり、そちらのシリーズの方が僕の感性にあっていたので、映画館通いは「 ロード・オブ・ザ・リング」のシリーズになってしまった。
ところで不死鳥が飛んでくるのは解かるのだが、クモの大群に襲われた時に空飛ぶ自動車がなぜ現れたのかがわからない。
あれは誰かの意思?それとも車自身の行動なの?
映画が終わって長いクレジットタイトルの後に、もうワンシーンあるのは最後まで付き合ってくれた人へのサービスだったのかな?