定年になってしばらくして新聞紙上で「傾聴」ボランティア活動のことを知った。ボランティア活動は定年になってからの身の処し方の一つにあげていた。 「傾聴」とは、いかなるものか? 新聞だけではよくわからなかったので、加入したいと思い直ぐに電話をした。やはり、新聞の記事になると反響は大 きく、数百人規模の申し込みがあることを知らされた。 「傾聴」とは、どんな活動か?の説明を受けるだけで半年ほど待ってやっと説明会に参加できた。 結果とし挫折?退会した。 理由は、まず、大学の先生の講義を受けなければいけないこと。その先生の、傾聴関係の本を購入しなければならないこと そうして、ボランティアをした後には必ず「レポート」を提出しなければいけないこと。が大きな理由で講義を受ける前の三か月ほどでやめてしまった。 ちょうどそのころ、再就職するために国の援助でいろいろな講義を受けることが出来た。自分は、パソコン教室を選んだ。講義は無料であった。 その時の受講生のなかに「傾聴」以外のボランティア活動を知っている人がいた。いま、入っているボランティア団体がその時に聞いた団体である。 残念ながら、長くは続いているが活発な活動はできていないのが現状である。 ボランティア活動への参加は、定年後になって無趣味で家の中でゴロゴロし、テレビ、本、散歩、今ならインターネットで、外の人達とのふれあいが ない人になってしまうことが嫌であったからである。もう一つの大きな理由は、生まれてこの年まで、色々な人達にお世話になって今があるということ 。の恩返しがしたいと思ったことである。 ボランティア活動の中にもいろいろな活動がある。私の参加した活動の大部分は、特養老人ホームの「喫茶」の人の出前である。 自分たちの依頼されたのは、ケーキは人数分に切り分けお皿に乗せる。飲み物(コーヒー、ジュース)とお好み焼きは作ることが主であった。 その日、その時を入居者の方たちは楽しみに待っていてくれる。 最初の頃は、受ける人たちも割と元気であったが、10年以上も同じところに通っていると加齢のためいろいろ変化が目につく。 一番目につくのは、車いすで喫茶室へ来た人は最初のころは50人のうち確か2人でしたが、今は、40人を超えてしまっているということである。 いずれにしても、自分達もそのうちには仲間になる。他人事ではないのである。 ボランティア活動をしていて、する側の人たちで話すことはボランティア活動を受ける側が元気をもらうのではなくてする方の人たちの方が元気になる いうことである。今は、眼や耳が悪くやめる時期を探っている状態であるが、少しでもボランティア活動をする方の側に立っていたいものである。