あなたから一番遠いブログ

自分が生きている世界に違和感を感じている。誰にも言えない本音を、世界の片隅になすりつけるように書きつけよう。

小沢遼子氏の感性

2014年10月05日 22時00分42秒 | Weblog
 数日前に書いた「御嶽山事故と自衛隊の「色」」という記事に対して、コメントを付けてくれた方があったのだが、ぼくはそのレスポンスに「戦争に対する感度が違う」と書いた。もちろん感度というのは感性であって、そのこと自体を批判しても仕方がないし、人によって違うのが当然である。
 ただたとえば公人や公共メディアの場合、それだけでは済まされない場合がある。

 テレビでは社会的事件があると放送の中止などがよくおこる。父親が自殺するという事態にまで発展した佐世保の高校一年生同級生殺害事件では、フジテレビ系のアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 新編集版」の第4話が放送中止になり、今回の御嶽山の事故を受けて日本テレビ系では映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」の放送が差し変えられた。ぼく個人としてはテレビドラマ「セクシーボイスアンドロボ」が直前の立てこもり事件で放送中止になって残念だった想い出がある。
 これは被害者や社会的な影響への配慮というものがあって理解できないこともないが、場合によってはやり過ぎなのではないかと思うこともある。本当の意図は社会的な配慮と言うより、批判されないための過剰な自己規制ではないかと疑ってしまうケースもあるからだ。

 そう思うのは、本当に社会的問題があるのに別になんと言うこともなく放送される番組も多いからだ。たとえば今日放送されたBS12-Twellvの「高田純次のアジアぷらぷら」は香港編の第一回で、現在、民主化デモで非常に緊迫しているセントラルなどを平和に「ぷらぷら」するところが放送されていた。もちろん別に放送局が悪いわけではないのだが、やはり何か違和感を感じざるを得ない。

 また昨日のテレビ東京系「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」では、お笑いコンビ「やるせなす」の石井康太氏がスワジランドの「リードダンス」を取材し、そこで国王と写メを撮るというバラエティ的「突撃」を放送していた。しかしもちろんスワジランドの王族による独裁政治は国際的に非難されているところであり、また同国の「リードダンス」はその象徴である。

参照:処女ダンスにエイズ蔓延…知られざるスワジランドの実態

 こういう番組を平然と放送してしまえる感性はちょっとどうかと思ってしまう。

 ただこれはら単に無知だからなのかもしれない。本当に重要な問題をマスコミが伝えていないせいなのかもしれない。だから良いと言うわけではないが、しかしある意味で確信犯的な感性の無さをひけらかす人もいる。たとえば次のような発言は、意味が分からないというか、唖然としてしまうところがある。

社会評論家・小沢遼子氏が御嶽山の救助中止を非難「自衛隊は軍隊じゃない」

 小沢遼子氏と言えば、かつては市民運動派の政治家としてシンボル的存在であった。ぼくも集会などでよく見たものだ。しかし当時から党派などの組織が論理的に戦略・戦術を位置づけることに対して否定的で、独善的な自分の意見を押し通すところがあった。
 今回の御岳における自衛隊の活動についての発言は、まったく噴飯ものと言うしかない。いったいどういう感性があったらこんなことが言えるのかと思ってしまう。

 自衛隊員の命をなんだと思っているのか。自衛隊の法的位置づけについて批判するのは根拠ある批判だが、だからと言って自衛官が命を落とす危険を冒すべきだという主張はとうてい受け入れがたい。まさに下級の現場の兵士の命を軽視する「エライ人」の論理である。これでは極右の主張と全く同じだ。
 こういう人が世の中から「左翼」と思われるのは本当に心外である。
コメント
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