3.
ある時、ギルガメシュが太陽神シャマシュの嫌う<全悪>を滅ぼすと宣言します。
フンババ。
香柏の森を守るために、エンリルはフンババを人々の恐れの的と定めました。
フンババ、その声は洪水、その口は火、その息は死、彼はどんな遠くからでも森に入る物音を聞きつける。誰が森に入って行けようか、その森に入ることの出来るものは、アダト〔アダト:嵐・雷鳴・降雨をつかさどる天候神〕がその一人、フンババがもう一人、それだけだ。イギギ〔アヌンナキ:天界の神々〕の神々のなかでさえ、誰がフンババに対抗できるだろう。香柏の森を保全するために、エンリルがフンババを人々の恐れと定めたのだ。
荒野を知るエンキドゥが、ウルクの長老たちに求めました。
「ウルクの男たちの知者たちよ、ギルガメシュに言え。彼は香柏の森に行ってはならない。かの道を行くことは出来ない。人間はフンババを見ることが出来ないと」
しかし、ギルガメシュは長老たちを説得しました。そしてエンキドゥの反対の甲斐もなく、二人は「香柏の森」に遠征することになりました。
香柏の森。レバノンの「香り高き杉の山」と呼ばれたもの。
その昔、かのソロモン王がモリヤ山に神殿を建てたとき、使われた木材はレバノンの「香り高き杉の山」から切り出されたものだった。ソロモン治世第4年の2月に神殿の建設が始まった。「宮の大きさは、長さ60キュピト、幅20キュピト、高さ30キュピト」その宮の内装は「宮の床から天井の垂木まで香柏の板で張った。また、糸杉の板をもって宮の床を張った」(列王記より)。ソロモンは13年かけて自分の家を建て、香柏で「レバノンの森の家」や「審判をするための玉座の広間」を作った。
あなたはその大いなること、だれに似ているか。
見よわたしはあなたを
レバノンの香柏のようにする。
麗しき枝と森の陰があり、たけが高く
その頂きは雲の中にある。
水はこれを育て
大水がこれを高くする
その枝葉に空のすべての鳥が巣をつくり
その枝の下に野のすべての獣は子を生み
その陰にもろもろの国民は住む。
神の国の香柏もこれと競うことは出来ない
もみの木もその枝葉に及ばない・・
(エゼキエル書)
香柏の森、それは銀色に輝いていたが、いまやレバノン山脈にはあとかたもない。神聖な森は神聖であるがゆえに、宮殿や神殿や権力のある人間の棺やミイラ作りの油をとるために伐採され、長い時間の中でレバノンの香柏の森は消えていった。
ギルガメシュが、香柏の森の番人「フンババ」の首を切り落としてからのことだが、そこで一体どんなことが起こったのだろう。
ある時、ギルガメシュが太陽神シャマシュの嫌う<全悪>を滅ぼすと宣言します。
フンババ。
香柏の森を守るために、エンリルはフンババを人々の恐れの的と定めました。
フンババ、その声は洪水、その口は火、その息は死、彼はどんな遠くからでも森に入る物音を聞きつける。誰が森に入って行けようか、その森に入ることの出来るものは、アダト〔アダト:嵐・雷鳴・降雨をつかさどる天候神〕がその一人、フンババがもう一人、それだけだ。イギギ〔アヌンナキ:天界の神々〕の神々のなかでさえ、誰がフンババに対抗できるだろう。香柏の森を保全するために、エンリルがフンババを人々の恐れと定めたのだ。
荒野を知るエンキドゥが、ウルクの長老たちに求めました。
「ウルクの男たちの知者たちよ、ギルガメシュに言え。彼は香柏の森に行ってはならない。かの道を行くことは出来ない。人間はフンババを見ることが出来ないと」
しかし、ギルガメシュは長老たちを説得しました。そしてエンキドゥの反対の甲斐もなく、二人は「香柏の森」に遠征することになりました。
香柏の森。レバノンの「香り高き杉の山」と呼ばれたもの。
その昔、かのソロモン王がモリヤ山に神殿を建てたとき、使われた木材はレバノンの「香り高き杉の山」から切り出されたものだった。ソロモン治世第4年の2月に神殿の建設が始まった。「宮の大きさは、長さ60キュピト、幅20キュピト、高さ30キュピト」その宮の内装は「宮の床から天井の垂木まで香柏の板で張った。また、糸杉の板をもって宮の床を張った」(列王記より)。ソロモンは13年かけて自分の家を建て、香柏で「レバノンの森の家」や「審判をするための玉座の広間」を作った。
あなたはその大いなること、だれに似ているか。
見よわたしはあなたを
レバノンの香柏のようにする。
麗しき枝と森の陰があり、たけが高く
その頂きは雲の中にある。
水はこれを育て
大水がこれを高くする
その枝葉に空のすべての鳥が巣をつくり
その枝の下に野のすべての獣は子を生み
その陰にもろもろの国民は住む。
神の国の香柏もこれと競うことは出来ない
もみの木もその枝葉に及ばない・・
(エゼキエル書)
香柏の森、それは銀色に輝いていたが、いまやレバノン山脈にはあとかたもない。神聖な森は神聖であるがゆえに、宮殿や神殿や権力のある人間の棺やミイラ作りの油をとるために伐採され、長い時間の中でレバノンの香柏の森は消えていった。
ギルガメシュが、香柏の森の番人「フンババ」の首を切り落としてからのことだが、そこで一体どんなことが起こったのだろう。