ジーン・ウールの不思議な旅

ジーン・ウールは不思議な女性です。姿を変えて過去にも未来にも現れます。
もしかしたら貴方の友人や奥様かも知れません。

ギルガメシュとエンキドゥ 2

2006-07-08 09:24:09 | ギルガメシュとエンキドゥ
2.
 シャムハトはためらわず、彼の息を捕らえました。六日と七晩たち、男がその顔を彼の獣たちに向けると、カモシカたちは逃げまどい、荒野の動物たちは彼から遠ざかりました。
彼はシャムハトの顔をまじまじと眺めました。シャムハトは彼、エンキドゥに語ります。
「エンキドゥよ、いまやあなたは賢く神のようになった。なぜ、動物たちと一緒になって荒野をさまようのです。さあ、囲いの町ウルクにあなたをお連れしましょう。清い神殿、アヌとイシュタルの住まいへと。そこには勢い全きギルガメシュがおり、野牛のように人々に権力をふるっています」

エンキドゥは言う。
「さあ、シャムハト、私を招待しておくれ。清く聖なる神殿、アヌとイシュタルの住まいに。勢い全きギルガメシュがおり、野牛のように人々に権力をふるっている場所に。ウルクで私は誇ろう。私こそ最強の者と。私は町に入って行き、その運命を変えてしまおう。荒野で生まれた者には、力と勢いがある」

「エンキドゥよ。人生を未だ知らない方よ。あなたに喜びと嘆きの人、ギルガメシュを紹介いたしましょう。彼を見、その顔を眺めなさい。彼は男らしく、活力があります。その全身は豊かな魅力に装われ、あなた以上の力と勢いがあり、彼は夜も昼も眠ることがないのです。エンキドゥよあなたの不作法をお棄てなさい。ギルガメシュは太陽神シャマシュに愛され、アヌ、エンリル、そしてエマ〔エアあるいはエンキ〕が大いに彼を賢くされました。あなたが山からやってくる前に、ギルガメシュはウルクであなたの夢を見るでしょう」

ギルガメシュは、夢を見ました。その夢を解くために彼の母に語りました。
「母よ。わが夜に一つの夢を見ました。天の星が現れてきました。するとアヌの結び目のようなものが、わが上に落ちてきたのです。それを持ち上げようとしても、わたしには強すぎました。それを移そうとしても、持ち上げられませんでした。ウルクの国人がその前に立っていました。ウルクの国人がその前に集まってきました。人々は彼と会いまみえ、乳飲み子に接するように彼の足に接吻していました。女のようにわたしはそれを抱き、それに愛を注ぎました。わたしはそれをあなたの足下に置きました。あなたはそれをわたしの対抗者とされたのです」

「友を助ける勇敢な仲間があなたのところにやって来るのです。彼は山で最強の力と勢いを持つ存在です。アヌの結び目のように、彼の力は強いのです。女に対するように、あなたはそれを抱き、それに愛を注ぎましょう。彼はつねにあなたを援けるでしょう」ギルガメシュの母は語りました。

「ならば、偉大な助言者エンリルの命により、彼が落ちてくるように。助言をしてくれる一人の友人を、わたしは得たいもの。」こうして彼の夢は解かれました。

シャムハトは、ギルガメシュの夢を聞いて、エンキドゥにそれを告げました。

さて、ウルクの町で、国人がエンキドゥの回りに集まりました。そして乳飲み子にするように彼の足に接吻をしました。美しい男ギルガメシュが、今宵の婚礼のしとねに到着する前に、エンキドゥは花嫁の舅の家の前で待った。エンキドゥは彼に足止めを食らわし、ギルガメシュを花嫁の舅の家に入らせなかった。彼らは家の門で掴みあいました。彼らは通りで、国の広場で格闘しました。敷居が震え、壁が揺れました。勇者と勇者は闘い疲れ、やがて互いに手を取り合いました。そして彼らは抱き合いました。まるで恋人同士のように。
勇者は勇者を認めた。ギルガメシュとエンキドゥは、誇れる友を得た。二人はどんなに嬉しかったことだろう。

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