オレの中で何かが起こってる
夜のニューヨークで、ゲイの男ばかりが狙われる連続殺人事件が発生。密命を受けた市警のバーンズは、同性愛者を装い、ゲイの男たちが集うSMクラブへの潜入捜査を開始する。
そこで毎夜、男たちによる性の深淵をさまようバーンズは、身も心もすり減らしていくなかで、ついに犯人の手がかりをつかむが。(「作品資料」より)
1980年製作、日本でも1981年に公開されたクライム・サスペンス。
未見であったが、今回リバイバル公開され、鑑賞。
「エクソシスト」や「恐怖の報酬」などのウィリアム・フリードキン監督が実際にニューヨークで起こったゲイ連続殺人事件を基に製作。
監督は取材をしたようだが、容疑者として逮捕された男は、「エクソシスト」に出演していた人物らしい。
ゲイ男性ばかり狙われる連続殺人事件が発生し、バーンズは潜入捜査官としてゲイ・コミュニティに潜入する。
バーンズを演じるのがアル・パチーノであるが、下っ端警官であり、イメージが少し違う役柄だったな。
ゲイ社会に焦点を当てた話ではあるが、ほとんどそれ以外の社会は映し出されていない。
バーンズの彼女であるナンシー以外、主要人物に女性はいなかったな。
バーンズは犯人に近づくため、夜毎ゲイが集まるバーやSMクラブへと立ち寄るが、そこで目にする光景に徐々に精神が犯されていく感じ。
犯人逮捕の話も興味深かったが、バーンズがどのように変わってしまうのかも興味深いところ。
性的アイデンティティもさることながら、暴力性も発露していくような感じ。
ミイラ捕りがミイラになる、あるいは怪物を捕まえんとする者が怪物になるなというところかな。
事件は最後、決着を見るが、その際のバーンズの行動、更に思わしげなラスト・シーンが印象深い。
興味深い1本であった。
/5
監督:ウィリアム・フリードキン
出演:アル・パチーノ、ポール・ソルヴィーノ、カレン・アレン、リチャード・コックス、ドン・スカーディノ、ジョー・スピネル、ジェイ・アコボーン、ジーン・デイビス
於:シネマート新宿
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