18-155「インフィニティ」（カナダ）

我々は来た、事態は好転するだろう
　17歳のショーンは、弟と体の不自由な祖母の世話をしながら貧しい暮らしを送っていた。
　ある夜、パーティーで、かつて恋人だった同い年のアレックスと再会。だが二人の会話は盛り上がることもなく、ショーンは帰宅する。
　一方アレックスは、ハイになり深夜の湖に飛び込んで溺れてしまう。薄れゆく意識の中、上空にさまよう眩い光の集合体に包まれた感覚を覚えたアレックスは、なんとか一命を取り留めるが、その後、彼女には不思議な力が備わるようになる。アレックスが近づくとショーンの祖母は歩けるようになり、彼女が怒りを覚えると周囲の車は宙に浮き破壊される。
　ショーンは、そんな状況に戸惑うアレックスを匿うが、当局の追手が二人に迫ってくるのだった。（「KINENOTE」より）


　不思議な力を身につけてしまった少女と彼女に恋をする少年の姿を描いたＳＦスリラー。

　パーティのあった夜に、湖で溺れかけ、一命を取り留めたアレックス。
　その際不思議な光に包まれた感覚を覚える。

　その後、ショーンに連絡を取った彼女は、やがて不思議な力を見せ始める。

　しかし、昔の記憶を失ってしまったようなアレックスは、やがて謎の男や政府からも追われる身となり、ショーンは彼女を護るため一緒に逃亡する。


　アレックスが身に付けてしまった能力がいったい何で、何故そんな力が身に付いたのか、仄めかすような言葉はあるが、ハッキリしたことはなかなか判らない。

　ほとんど寝たきりになっていたショーンの祖母が、ステファニーが近づいただけで元気になったり、感情の変化で金属や車を動かせるようになる。

　果たして、アレックスが手に入れた力は何を意味するのか、興味深い展開である。

　そして彼女を護るように一緒に逃亡するショーン。

　少年少女の逃亡劇ということで、青春ストーリーっぽい雰囲気もある作品。

　しかし、アレックスはその力を得たことによって放射能も放出しており、長い間近くにいると致死量を超える放射能を浴びることになる。

　果たして、二人の逃亡の行き着く先はどこなのか。
　そして不思議な力を手に入れ、追われることとなったステファニーの運命はどうなるのか。
　彼女を追う者たちの狙いとは。

　ＳＦ的なスリラーとちょっと瑞々しい青春ストーリーを織り交ぜたような話で、興味深い作品であった。

　最終的にはハッキリとしないこともあったが、面白い話であった。

/５

監督：ジェイソン・ストーン
出演：ステファニー・スコット、セオドア・ペレリン、サイード・タグマウイ、ケイト・バートン
於：新宿シネマカリテ