CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

24-184「関心領域」(アメリカ・イギリス・ポーランド)

2024年06月22日 15時50分27秒 | アメリカ映画
あれが私たちの家よ

 第二次世界大戦中、アウシュビッツ収容所の所長ルドルフ・ヘスとその妻ヘドウィグたち家族は、収容所と壁一枚隔てた屋敷で幸せに暮らしている。

 広い庭には緑が生い茂り、そこにはどこにでもある穏やかな日常があった。空は青く、誰もが笑顔で、子供たちの楽しげな声が聴こえてくる。

 そして、窓から見える壁の向こうでは、大きな建物から黒い煙があがっていた。(「作品資料」より)


 カンヌ映画祭グランプリ作品であり、アカデミー賞では国際長編映画賞を受賞した作品。

 タイトルの「関心領域」は映画用に作られた言葉かと思ったら、当時ナチス親衛隊がその場所をそう呼んでいたらしい。

 第二次世界大戦中、アウシュビッツ捕虜収容所と壁一枚隔てた隣に住んでいる家族の姿を描いた作品。

 そこに住むのは収容所を管理するルドルフ・ヘス中佐とその家族。

 子供たちもいて、使用人もいる。

 ごく普通の幸せな家族の様子が描かれる。

 妻のヘスが、毛皮のコートを試したり、使用人たちに好きな服を選んでいいと渡すのだか、それらはどこから手に入れたのか。

 収容所の様子は全く映し出されない。

 しかし、時折聞こえる叫び声などが想像させる。

 焼却炉の話をしており、そこでは荷を焼くという言葉を使っているが、その荷とは。

 家の窓から、煙突から黒煙が上がる様子も見える。

 やがてルドルフは本部から昇進、異動の命を受けるが、ヘスは家から離れることを拒む。

 住みやすいように改修したその家に愛着があるようだが、壁一枚隔てた場所のことは、全く意に介していないようである。

 逆に家を訪れたヘスの母親が耐えられなかったようである。

 正直ストーリーとしては大きな起伏があるわけでもなく、少々退屈かなと感じるところもあったが、その特異な状況での家族の様子が何とも言えぬ話だったな。

 終盤、現在のアウシュビッツの様子が映し出されるシーンがあるが、これは何を表していたんだろうな。

/5

監督:ジョナサン・グレイザー

出演:クリスティアン・フリーデル、サンドラ・ヒュラー

於:新宿ピカデリー

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