
この部屋も恐怖に支配されてる
1953年、冷戦下のアメリカ。マッカーシー上院議員率いる委員会は、国内の共産主義者を排斥する「赤狩り」を推し進めていた。
政府から軍部、ハリウッドにいたるまで、共産主義者とみなされた者は根拠の有無にかかわらず次々と告発され、自分を守るために友人や家族を密告する者もいた。
マスコミが報復を恐れて静観するなか、大手テレビ局CBSの人気キャスターであるエド・マローとプロデューサーのフレッド・フレンドリーは、議員の虚偽と策謀の事実を報じることに踏み切るが。(「作品資料」より)
2005年製作、日本では2006年に公開されたジョージ・クルーニーの監督2作目。
〝12ヶ月のシネマリレー〟にてリバイバル公開され再鑑賞。
1950年代、マッカーシーの赤狩りにより社会が恐怖を覚えていた時、彼の政策に真っ向から対決した人気キャスター、エド・マローとクルーたちの姿を描いた社会派サスペンス。
共産主義者だと疑われたら、それで全てが終わってしまう世の中。
国民もマスコミさえ戦々恐々としていた時代。
エド・マローはマッカーシーの政策を非難する報道をする。
そんなマローに対し、共産主義者の疑いがあるなどの情報が流布されたりする。
そんな状況にも決然と対処するマロー。
常に冷静に言動しており、格好良い人物である。
全編モノクロで映され、音楽もジャズっぽい曲が流れ、雰囲気も良し。
タイトルの「グッドナイト&グッドラック」は、マローが報道の最後に締める台詞である。
時代を反映してか、マローは常にタバコを手にしており、TVでもタバコを吸っている。
CMもしっかりタバコの宣伝をしている。
マローがタバコを手にしていなかったのは、パーティでのスピーチの時ぐらいか。
因みにマローは1965年に亡くなったいるようだが、死因は肺癌らしい。
マッカーシーとの対決は最後尻すぼみに終わったような感じもするが、エンタメに特化していくTVに憂いを覚える発言など、興味深い作品であった。
/5
監督:ジョージ・クルーニー
出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、ロバート・ダウニー・Jr.、パトリシア・クラークソン、ジェフ・ダニエルズ、フランク・ランジェラ、レイ・ワイズ
於:新宿武蔵野館
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます