CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-303「軽蔑」(フランス)

2023年11月15日 00時28分30秒 | フランス映画
もうあなたを愛していないの
 脚本家のポールは映画プロデューサーのプロコシュから、フリッツ・ラングが監督する大作映画「オデュッセイア」の脚本の手直しを依頼される。
 ポールと妻で女優のカミーユはプロコシュの自宅へ招かれるが、ポールが遅れて到着するとカミーユの態度はなぜか豹変しており、彼に対して軽蔑のまなざしを向ける。
 やがてポールとカミーユは映画のロケのため、カプリ島にあるプロコシュの別荘を訪れるが。(「作品資料」より)


 1963年製作、日本では1964年に公開された作品。

 製作から60周年、4Kレストア版でリバイバル公開され、鑑賞。

 若干衰退気味のヨーロッパの映画産業を絡め、一組の夫婦の姿を描いた作品。

 監督がゴダールということで、あまり得意ではないのだが、ゴダールだから観てしまったというところがあるな。

 冒頭で驚いたのが、基本テロップで紹介されるキャストやスタッフをナレーションで紹介していくところ。

 斬新だったな。

 ちなみにエンドロールは無しである。

 仲睦まじかったポールとカミーユの夫婦が、映画プロデューサーのプロコシュの屋敷を訪れた後から、おかしくなっていく。

 カミーユのポールへの言動が冷たくなっていく。

 それを感じるポールは、カミーユに対して詰問していくが、カミーユははぐらかすようなことしか言わない。

 一時の感情かなと思っていたが、ついにはカミーユは軽蔑するとまで言い出す。

 そんな二人のやり取りが続いていき、やっぱり観ているのは、多少しんどいかったかな。

 映画に対するプロコシュの発言などは、若干難解なところはあるが,ポールとカミーユのやり取りは難解でもない。

 ようやくカミーユが軽蔑する理由を話した時、ちょっと納得するものがあったな。

 そんな二人の仲がどうなっていくのか気になったが、結末は意外ではあったが、ヌーヴェルバーグらしい結末でもあったな。

 ポールの何気ない行動が生んだ、カミーユのポールに対する軽蔑。

 興味深い作品ではあった。

/5

監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピッコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、フリッツ・ラング
於:ヒューマントラストシネマ渋谷

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