CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

17-290「散歩する侵略者」(日本)

2017年10月09日 01時38分56秒 | 日本映画
これで全面戦争か
 日本海に面した小さな港町。ここに暮らす加瀬鳴海のもとに、数日間行方不明となっていた夫・真治が帰ってくる。鳴海は夫の浮気を疑うが、性格が一変してしまった夫の様子に困惑する。やがて夫は会社を辞め、毎日散歩するようになる。
 その頃、町では謎めいた一家惨殺事件が発生し、不可思議な現象が頻発していた。ジャーナリストの桜井は、偶然出会った奇妙な青年・天野に興味を抱き、彼とともに事件のカギを握る女子高生・立花あきらの行方を追う。
 そんな中、真治から“自分は地球を侵略に来た宇宙人だ”と告白される鳴海だったが。(「allcinema」より)


 加瀬鳴海の元に、数日間行方不明となっていた夫、真治が発見され戻ってくるが、その様子はすっかり変わり、別人のように穏やかで優しい感じになっている。

 そんな真治に戸惑いながらも、不仲になっていた真治とやり直せるのでは思い始める鳴海だったが、真治の口から思わぬことを聞かされる。

 同じ頃、一家惨殺事件を取材することになったジャーナリストの桜井は、天野という青年と出会い、その奇妙な言動に興味を持ち、共に事件の鍵を握ると思われる女子高生の立花あきらの行方を追うことにする。


 奇妙な味わいのSFサスペンスである。
 「回路」「LOFT ロフト」の黒沢清監督の作品ということで、らしい雰囲気は充分に出ていたな。


 自分たちは宇宙人で、地球を侵略するため、人間の体を借りて情報を集めていると言う真治や天野。

 最初は疑わしい感じであったが、人から〝概念〟を奪うという行動に出る。
 概念を奪われた人間は大切なものを失ったかのように人が変わってしまったり、呆然としてしまう。

 政府の人間が彼らを追い始め、真治たちは本当に宇宙人かもしれないなと感じると、果たしてこの物語はどのように展開していくのか気になってくる。

 最初は天野の話を信じなかった桜井であるが、彼らと行動を共にするうち、本当かもしれないと思い始め、彼らの侵略を止める手だてはないかと考えるが、最後の方は天野たちに共感していく感じになる。

 そして鳴海は、別人のようになった真治とやり直すことを期待するが、天野たちが接触してきたことにより、その日常が変わってしまう。


 いよいよ侵略が始まるという時に、真治が無理やり鳴海から奪わされたものが、地球の運命に大きな影響を与えるという結末。

 終盤はそれらしき映像、展開となるが、いかにもSFというシーンはなかなか出てこない作品。

 真治や天野たちの言動が興味深く、惹き込まれる作品だった。

 こういう奇妙な味わいの作品は嫌いではないな。

/5

監督:黒沢清
出演:長澤まさみ、松田龍平、高杉真宙、恒松祐里、前田敦子、満島真之介
    児嶋一哉、光石研、東出昌大、小泉今日子、笹野高史、長谷川博己
於:新宿ピカデリー

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