ザリガニが死んだから
廃れつつあるピンク映画業界で生きる監督の栩谷は、もう5年も映画を撮れずにいた。
梅雨のある日、栩谷は大家からアパート住人に対する立ち退き交渉を頼まれる。その男・伊関はかつて脚本家を目指していた。栩谷と伊関は会話を重ねるうちに、自分たちが過去に本気で愛した女が同じ女優・祥子であることに気づく。
3人がしがみついてきた映画への夢が崩れはじめる中、それぞれの人生が交錯していく。(「作品資料」より)
5年も撮れずにいるピンク映画の監督、栩谷。
ひょんなことからアパートの立ち退き交渉を頼まれた栩谷は、かつて脚本家を目指していた伊関と出会う。
監督と脚本家だったからか、伊関は栩谷にかつて付き合っていた女性の話をする。
実は、伊関が語る女性は、栩谷が同棲していた、女優を目指す祥子であった。
冒頭、その祥子が別の監督と心中して亡くなるシーンから始まる。
栩谷は何故祥子が別の男と心中したのか判らず、悶々とした日々を送っていた。
物語は、伊関が祥子との過去を振り返る回想シーン、その話を聞きながら、栩谷が祥子との日々を振り返る回想シーン、そして栩谷と伊関が語り合うシーンで綴られる。
同じ女性の話をしているとは知らずに話す栩谷と伊関。
時が経ているからか、それぞれ違いがあったりする。
祥子も時を経て、変わっていったということなんだろうな。
ほぼ全編モノクロ映像で綴られ、また衰退しつつあるピンク映画業界を舞台としており、ノスタルジックな雰囲気が漂う作品だった。
結末はその表れなのかな。
スッキリするような結末ではなかったが、惹き込まれる話であった。
エンディングに祥子演じるさとうほなみと一緒に栩谷演じる綾野剛がカラオケで歌う。
2024年公開の「カラオケ行こ!」に綾野剛が主演を務める。
歌のイメージなかったが、意外と期待できるかも。
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監督:荒井晴彦
出演:綾野剛、柄本佑、さとうほなみ、吉岡睦雄、川瀬陽太、MINAMO、Nia、マキタスポーツ、山崎ハコ、赤座美代子、奥田瑛二
於:テアトル新宿
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