CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

22-091「ナイトメア・アリー」(アメリカ)

2022年04月26日 23時48分15秒 | アメリカ映画
あなたに人は騙せない、相手が勝手に騙されるだけ
 ショービジネスでの成功を夢みる野心にあふれた青年スタンは、人間か獣か正体不明な生き物を出し物にする怪しげなカーニバルの一座とめぐり合う。そこで読心術の技を学んだスタンは、人をひきつける天性の才能とカリスマ性を武器に、トップの興行師となる。
 しかし、その先には思いがけない闇が待ち受けていた。(「作品資料」より)


 1947年にも映画化されたことがあるらしいストーリーを「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー作品賞、監督賞を獲得したギレルモ・デル・トロが再び映画化したサスペンス・スリラー。

 時代設定は、ちょうどその頃くらいかな。

 一人の男が、殺したのかどうか定かではないが、遺体と共に家を燃やした後、あるカーニバルに辿り着く。

 サーカスという感じの移動興行で働くことになったスタンは、最初は裏方の仕事をしていたが、出し物に興味を持ち、更に読心術というショーに惹き込まれていく。

 元々才能があったのか、徐々に、その技を体得していくスタンは、モリーという女性と共にカーニバルを出ていき、興行師として成功していく。

 人の考えていることを巧みに導き出し、と言うか、ちょっとした手助けもありながら当てていくという、いかにもインチキ臭いものであるが、それでもスターになっていくスタン。

 しかし、リリスという心理学士と出逢い、更に禁断とされる域に踏み込んでしまったことから、思いもかけぬ闇に飲み込まれていくこととなる。

 カーニバルで出し物とされているものなど、いかにも退廃的な雰囲気を全体的に醸し出している。

 そして、徐々に闇に飲み込まれ、二進も三進もいかなくなるスタンの姿が痛々しい。

 やっぱり、やるなと言われたことをやってしまうと、こういうことになってしまうんだな。

 そしてスタンが辿り着くところが、カーニバルの出し物に関わるもので、何とも皮肉なものとなっている。

 一人の男の隆盛と没落を描き、オーソドックスな話であるが、退廃的な雰囲気と緊迫感を感じさせる展開で、面白いサスペンス・スリラーであった。

/5

監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ウィレム・デフォー、リチャード・ジェンキンス
   ルーニー・マーラ、ロン・パールマン、デヴィッド・ストラザーン、メアリー・スティーンバージェン
於:新宿ピカデリー

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