19-168「パピヨン」（アメリカ）

生かす利益も殺す損失も無い
　1931年、パリ。胸に彫られた蝶の刺青から“パピヨン”と呼ばれた男は、身に覚えのない殺人の罪で終身刑を言い渡され、フランス領ギアナにある史上最悪の流刑地“悪魔（デビルズ）島”に送られる。
　周囲を海に囲まれた脱出不可能なこの場所で、囚人たちは過酷な労働を強いられていた。尊厳を踏みにじられ、誰もが絶望とともに生きていく中、パピヨンだけは諦めることなく自由を求め続け、必ず脱獄すると誓う。
　やがて偽札づくりの天才ルイ・ドガが仲間に加わると、いつしか２人の間に奇妙な友情が芽生えていくのだったが。（「allcinema」より）


　１９７３年に製作された、スティーヴ・マックイーン、ダスティン・ホフマン主演の「パピヨン」を３７年ぶりにリメイクした作品。

　無実の罪を着せられ、投獄された男、パピヨンが流刑地から脱獄しようと奮闘する様を描いた実録ドラマ。

　オリジナルはＴＶで放映されていたのを何となく観たのは憶えているが、内容までは憶えていなかったな。


　胸に蝶の刺青を入れて、〝パピヨン〟と呼ばれている男は殺人の罪を着せられ、フランス領ギアナにある流刑地、徒刑場へ送られる。

　過酷な環境の中、偽造の天才、ドガと手を組んで脱獄を目論むパピヨン。

　勢いで脱獄を試みたりするが、失敗し、独房に２年間も入れられたりする。

　独房での様子が、本当にきつくて、気が狂ってもおかしくないような状況。

　独房での様子は、当然描かれる時間は短いのだが、これで２年も耐えられるのかと思うような描き方だったな。

　そして、パピヨンとドガとの友情。

　最初はドガが持っている金が目当てであったパピヨンであるが、流刑地でドガと共に過ごすうちに友情が芽生える。

　そして、自分だけで脱獄しようと思っていたパピヨンは、ドガも連れて脱獄を試みようとする。

　いざ、脱獄実行のシーンは、流刑地を出た後に色々困難が生じる展開。

　果たして、パピヨンとドガは脱獄に成功し、自由を手にすることが出来るのか。

　最後は、自分をはめた相手に復讐を果たそうとするのかと思ったが、自由を求めて挑戦し続けた男の姿を描いた展開となっていたな。

　最後に送られるのは〝悪魔島〟という場所であったが、そこからの脱獄が一番簡単そうに見えたのは、気の迷いかな。

　実話を基にした話であったらしく、ラストには実際の写真も映し出されたりする。

　挑戦し続けた男の物語で、面白い作品だった。

/５

監督：マイケル・ノアー
出演：チャーリー・ハナム、ラミ・マレック、トミー・フラナガン
　　　イヴ・ヒューソン、ローランド・ムーラー、ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
於：シネマート新宿