14日目の月には明日がある
小さな映像制作会社の社長・立花は、かつて一世を風靡した昭和の大女優・藤原千代子のドキュメンタリーを作るため、人里離れた千代子の邸宅を訪れる。
30年前に突如として銀幕から姿を消し、隠遁生活を送っていた千代子は、立花が持参した1本の鍵を見て、思い出を語りはじめる。
千代子の語りは、いつしか現実と映画のエピソードが渾然一体となり、波乱万丈の物語へと発展していく。(「作品資料」より)
「PERFECT BLUE パーフェクトブルー」の今敏監督の第2作目。
2001年製作、2002年公開。
初公開時も鑑賞したが、非常に印象に残っていた作品。
今回リバイバル上映があり、鑑賞。
かつての銀幕のスター、藤原千代子にインタビューし、ドキュメンタリーを撮ることになった映像会社の立花。
彼は千代子に1本の鍵を渡すと、その思い出を千代子は語り出す。
それはまだ女学生の頃に出会った男性に恋をし、いつか彼に会うことを夢見て生きていく千代子の人生。
彼が持っていた鍵を偶然手にした千代子は、それをお守りとして、彼の行方を捜す。
回想のように進むが、いつの間にやら彼女が出演した映画の話と混在し、戦国時代から果ては宇宙までを舞台にして、千代子の〝鍵の君〟捜しが綴られる。
現実なのかフィクションなのか判然としない物語であるが、実は立花もかつて千代子の側で働いており、物語の一翼を担っている。
映画の話とはいえ、正に時代を越えて繰り広げられる1人の男性捜し。
設定も面白く、果たして千代子の鍵の君捜しがどうなるのか気になったが、一番印象に残ったのは、千代子の最後の台詞。
この台詞によって、強く印象に残る作品になった。
これまでの人生に悔いなく、そして映画だったとはいえ、時代を越え、楽しんでこられたんだな。
〝だって私、あの人を追いかけている自分が好きなんですもの〟
/5
監督:今敏
声の出演:荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、山寺宏一、津嘉山正種
於:池袋HUMAX CINEMAS
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