CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

24-034「千年女優」(日本)

2024年02月06日 00時11分27秒 | 日本映画

14日目の月には明日がある

 小さな映像制作会社の社長・立花は、かつて一世を風靡した昭和の大女優・藤原千代子のドキュメンタリーを作るため、人里離れた千代子の邸宅を訪れる。

 30年前に突如として銀幕から姿を消し、隠遁生活を送っていた千代子は、立花が持参した1本の鍵を見て、思い出を語りはじめる。

 千代子の語りは、いつしか現実と映画のエピソードが渾然一体となり、波乱万丈の物語へと発展していく。(「作品資料」より)

 

 「PERFECT BLUE パーフェクトブルー」の今敏監督の第2作目。

 2001年製作、2002年公開。

 初公開時も鑑賞したが、非常に印象に残っていた作品。

 今回リバイバル上映があり、鑑賞。

 かつての銀幕のスター、藤原千代子にインタビューし、ドキュメンタリーを撮ることになった映像会社の立花。

 彼は千代子に1本の鍵を渡すと、その思い出を千代子は語り出す。

 それはまだ女学生の頃に出会った男性に恋をし、いつか彼に会うことを夢見て生きていく千代子の人生。

 彼が持っていた鍵を偶然手にした千代子は、それをお守りとして、彼の行方を捜す。

 回想のように進むが、いつの間にやら彼女が出演した映画の話と混在し、戦国時代から果ては宇宙までを舞台にして、千代子の〝鍵の君〟捜しが綴られる。

 現実なのかフィクションなのか判然としない物語であるが、実は立花もかつて千代子の側で働いており、物語の一翼を担っている。

 映画の話とはいえ、正に時代を越えて繰り広げられる1人の男性捜し。

 設定も面白く、果たして千代子の鍵の君捜しがどうなるのか気になったが、一番印象に残ったのは、千代子の最後の台詞。 

 この台詞によって、強く印象に残る作品になった。

 これまでの人生に悔いなく、そして映画だったとはいえ、時代を越え、楽しんでこられたんだな。

 〝だって私、あの人を追いかけている自分が好きなんですもの〟

/5

監督:今敏

声の出演:荘司美代子、小山茉美、折笠富美子、飯塚昭三、津田匠子、鈴置洋孝、京田尚子、山寺宏一、津嘉山正種

於:池袋HUMAX CINEMAS


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