CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-156「カード・カウンター」(アメリカ・イギリス・中国・スウェーデン)

2023年06月28日 00時55分00秒 | アメリカ映画
あんたにも来てほしかった
 元上等兵ウィリアム・テルはアブグレイブ捕虜収容所における特殊作戦で罪を犯して投獄され、出所後はギャンブラーとして生計を立てている。
 罪の意識にさいなまれ続けてきた彼は、ついに自らの過去と向きあうことを決意するが。(「作品資料」より)


 10年間軍刑務所で服役し、その間にカードゲームを覚えたウィリアム・テルことウィリアム・ティリッチ。

 しかも、カード・カウンティングと呼ばれる裏技を学ぶのだが、常に目立たず、小さく賭けて、小さく勝つをモットーとしている。

 そんなティリッチに目を付けたのが、ギャンブル・ブローカーのラ・リンダという女性。

 彼女はティリッチにスポンサーをつけて、大会に出るよう勧めてくる。

 そして、かつての上官で、ティリッチが服役することになる要因を作ったゴードを見かけると、彼に復讐を目論むカークという青年に声をかけられ、復讐の手伝いを依頼される。

 物語は、ティリッチがカーク、ラ・リンダと共に大会に出場しながら、カークの復讐を諦めさせようとする展開。

 ティリッチはゴードによって癒えぬ傷を心に抱えるが、それを表さず、ミステリアスな雰囲気を湛える。

 ポーカーの大会に望むのだが、駆け引きなどを映し出すわけではなく、どちらかと言うと、カークやラ・リンダとの会話、そして自省録のように書き記す過去の所業が語られる展開。

 ティリッチはカークに復讐を諦めさせ、離れ離れになっている母親に会わせ、大学に戻るように仕向けようとしており、カークを救済しようとしているようである。

 ファイナルに望むこととなったティリッチは一時幸せな気分に浸るものの、思わぬ出来事が発生する。

 カードゲームに焦点を当てた作品だと思うと肩透かしだと思うが、心に傷を抱えた男が、一人の青年を救おうとし、その結果が描かれる作品で、全体的に重いトーンで進んでいく雰囲気とティリッチというミステリアスな雰囲気を湛える男が興味深い作品であった。

/5

監督:ポール・シュレイダー
出演:オスカー・アイザック、ティファニー・ハディッシュ、タイ・シェリダン、ウィレム・デフォー
於:ヒューマントラストシネマ渋谷

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