と、いうことで、メロディを購入してみました。
メロディ8・10号の感想です。
鈴木さん事件の一ヵ月後くらいで、岡部さんが第九に配属されて・・・というお話でした。
岡部さんはホントやさしい人ですねー
感動でした。
薪さんがしょっちゅう驚いた表情をしてたのが印象的でした~
薪さんの昔を知る話としても面白かったのです。
しかーし、事件的にも刺さる話でした。。。
郁子さん・・・
か、かわいそうに。
まあ、亡くなった被害者の方々はもっとかわいそうですけど。
しかし、秘密シリーズは「実際の出来事だったらどうか」という読み方をする作品とは違う気がします。
リアリティや善悪を追求して読むのではなくって。
あくまで「事件」というエピソードを通して「人間」を描いてるのかなあっと。
とはいうものの、「秘密」という作品があまりにも面白いために、つい自分の身近な現実と照らし合わせて考えてしまいます。
個人的には山崎さんがすごく気になります。。。
☆ ☆ ☆
彼は本当にいい人で、郁子さんのことを真剣に心配してたんだろうなあっと思います。
でも彼を見てて思い出したのは、・・・以前職場研修で聞いた医療・福祉系大学の先生の言葉でした。
「妄想は本人にとって必要なときもある。それを無くす事で死んでしまう人もいるかもしれませんよ」
私自身はその話を聞いたとき、なんかピンときませんでした。
幻覚・妄想状態にあるのは辛いことだと思ってたからです。
(理路整然とした思考が難しくなり、考え方が迂遠になったりして、本当に苦しそうに見える。まさに「生活のしずらさ」があるという感じ。脳の神経伝達物質機構が関係するため、やっぱり一番はそれを医師の指示による薬物治療などでとってあげ穏やかにしてあげるのが大切じゃないかと考えてしまいます・・・)
でも、その言葉は不思議とずっと心に残っていました。
そして事あるごとに思い出していました。
郁子さんの場合、厳密な意味で「妄想」ではなくって、多分「空想」だったのだろうと思います。
自分でも深い部分では「現実ではない」ことが、わかってたんじゃないかなあ。
「誰にも迷惑はかけてなかったのに・・・」というセリフが印象的です。
(切ないです。妄想にしろ空想にしろそれと仲良くできてて社会に適合してればいいじゃんっと思ってしまう・・・)
山崎さんはその「夢」を親切心から壊してしまいました。
山崎さんがどういった方かは詳しくは描かれてないからわかりませんけど。
(個人的には心理学系の方かなあっと思ったり・・・)
「助けてあげたい」と考えるあまりに、のめり込んで、相手の意思を尊重できなくなるっていうのは現実の場でもあるんじゃないかなあ・・・と思ってしまいました。
ちょっと、昔のお医者さまで例えれば、パターナリズムとか。
自分と相手の境界線が消えちゃう感じ?
決して相手は自分じゃないし、相手の人生は相手の方に決定権があるので。
そこを忘れないようにしたいなあっと、思ってしまいました~(遠い目)
山崎さんはとてもいい人ですが、若いのであまり人の心の奥に潜む「闇」に触れたことがなかったのかなあ。
というか、「超えてはいけない境界線」をかるーくこえてる山崎さんの心の中にも・・・やっぱり「闇」があると思う。
相容れないものを認めない、自分の価値観を押し付ける「エゴ」・・・みたいなもの。
意図してではないかもしれませんけど。
そういう人間の本質に触れる描き方が、清水先生はすごいなあっと思うのです。
☆ ☆ ☆
個人的に、ちょっと山崎君に厳しくなりますが。
「やーまーさーきぃ(← 銀魂風)!きみがすべきだったことは、変な無許可の薬物療法まがいのことじゃなく。郁子さんが一人で頑張らなくっていいように社会資源の活用をすすめることだったんじゃ。。。」
と言いたくなる。
でも近未来だから、老人ホームはパンク状態だったのかも~~~。。。
なんか、めちゃくちゃな感想ですけど
☆ ☆ ☆
最後のお父さんからみた郁子さんがきれいでした。
あのシーンで涙・・・
郁子さんよかったね。
一人でも郁子さんの内面の輝きを理解してくれた人がいて。
でも、ここでもすごいなあっと思うのは。
同じ「美しい郁子さん」でも、郁子さんとお父さんが感じるイメージが大きく違うトコです。
郁子さんのこうありたいイメージ→スーパーモデル
お父さんからみた郁子さんのイメージ→天使
そんなトコに人間の業みたいなものを感じてしまいました(合掌)
「秘密」という作品は、少しずつ積み重ねていくように・・・。
丁寧に丁寧に人間が描かれています。
そこが胸をうちます。
こんなマンガにめぐり合えてよかった!!!