映画が観たかったけど、観れず。
そしてコドモが急に入院したため付き添いで病院から動けず。
気を紛らわすためにこの本を購入しました
あくまで物語としてですけど・・・お、おもしろかった~
映画が余計に観たくなりました
☆ ☆ ☆
この本はネタバレを絶対先に読んではいけないたぐいの本です。
私は普段前置きなしに、つらつらと核心を書いちゃったりしてしまいますけど(感想って書いてるからいいかなあっと思って)
今回は一応お断りしておきます。
ふいにラストをばらしてしまうかもしれません
・・・
・先生の驚愕の復讐
先生の独白からはじまりますけど。
話の持っていき方がすごかったです。
計算尽くされてると言うか・・・
牛乳の話からはじまって、あちこち話が飛んでるようにみえて実は繋がっていき・・・
最後は「牛乳」にたどり着くという・・・
怖かった。
そう言う復讐もあるんだーっと。
あくまで「推理小説的に」ですが、唸らされました。
そして、第6章。
「これが本当の復讐」
先生のそこに到達する気持ちは「わかる・・・」気がします。
テレビなどでコドモに関する犯罪を見聞きしたりした時に、どうしても被害者に感情移入しますので・・・憤り、仮定として自分だったらと考えることはないでしょうか。
「この犯人は人の痛みが分からない」「一番大切なものを失う痛みはそれを経験しないと絶対わからないんじゃないだろうか」と考え、・・・大切な存在が今犯人にないなら・・・「ずっと見張っていつか、そういう存在が出来たときにそれを奪ったらどうだろう」とブラック考えたりしませんか?
でも私の場合「関係ない人は巻き込めないよね」と思ってその案はボツになってしまいます。「さらうフリをして脅したらどうだろう・・・」とも思うけど、手間がかかるだけで犯人がシンから反省するきっかけにはならない気がするし。
でも、このお話のように、条件がそろいすぎたら・・・。
やってしまうのかなあ・・・。
・・・
でも、まだ疑問も残るのですよね~
・・・
・本当なのか嘘なのか
巻末の解説でもありましたけど。
ほとんどが事件の関係者のモノローグ形式で話が進むのですけど・・・
謎が深くなるんですよね。
読んでるうちに、語られてることが全部本当なのかわからなくなるっていうか?
人間は自分自身にも嘘をついたりしますし。
読んでるうちにだんだんわからなくなります。
作者のトリックがアチコチ散りばめられていそうで・・・
そう思える話運びが秀逸で、売れてる要因なのかなとも思います。
例えば、私の1番の疑問は、先生はラスト本当に爆弾の位置をAの母の研究室に移動させてたのかなあっとか。
美月のモノローグにあったように、私も先生には倫理観があるような気がするのです。
本気で他人を巻き込めるのかなあ・・・。
先生が一番わかりません。
・・・
・私からすると先生とA氏は似てる気がします
AとBどちらを憎むかというと、私は直接手を下したBなんですけど。
先生はAなんだそうです。
私からするとAと先生は似てます。
頭がよくて洞察力があるところ?
Aが先生に拘ったのも、先生が気になったからではないのかなあっと。
聡明で知識のある先生を母親とちょっとだけ重ねたという気もしますが。
でも二人は似てるけど、違うっていうか。
元は違っていた。
先生の方が能力でも人を見抜く力でも数段上手です。
でもその力を悪いことには使いませんよね。
先生だって若い頃にはそれなりに悩みもあっただろうし、憤りも感じたことがあったと思います。
でも、「犯罪を犯したAと、犯さないで生きてきた先生」という対極だったような。
似てるけど基本的な考え方は全然違う。
違っていた・・・ような。
しかし今回の事件で先生の倫理観は押さえられたというか。
心の奥で先生が何を考えてるのかわからないのですけど。
Bに対する復讐や牛乳まではわかりますけど。
爆弾あたりは本当なのかなあっと思ったりします。
爆弾だと全く関係ない人も巻き込んでしまいますよね・・・
そこまで壊れるかなあ???
100歩譲って、実際、爆弾の位置を変えてたとして。
それが本当にそうすることがAの再生に繋がると感じたのでしょうか。
それともただの復讐なのか???
わからないキャラです。
☆ ☆ ☆
謎がたくさんなのでよけいにいろいろ考えて面白いです。
不安一杯の陰鬱な時期だったのですけど、この本のおかげで別のことを考えており、なんとか乗り切れました~
しかし、意外だったのが美月さん
面白い人だったんですね。
でも、美月さんにA氏に氏と中2病なのか人格障害なのかわからない人が3人もいるクラスって怖いんですけど・・・
その辺は先生の不運だった気がします。
いろいろ考えさせられる本でしたー