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DAZN観戦 2024年J2リーグ第2節 鹿児島ユナイテッドFCvs徳島ヴォルティス

2024-03-05 16:01:40 | サッカー視聴記(J2)

<鹿児島スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 外山は徳島からのレンタル選手なので出場不可。
  • 前節(群馬戦、1-1)ハーフタイムで交代した井林はベンチ外に。詳細は不明。

<徳島スタメン>

  • yahooスポーツナビ、並びにDAZNでは予想フォーメーションは4-1-2-3。しかし攻撃時も守備時も、永木と玄が横並びになっている時間帯が圧倒的に多く、前節(甲府戦、1-5)と同じ4-2-3-1と踏まえて記述。
  • 前節負傷交代した内田はベンチ外に。

ともに開幕節、センターバックの交代を余儀なくされたチーム同士の対決。

5年ぶりにJ2の戦場へと足を踏み入れた鹿児島、当然この日の相手である徳島とはその時以来の対戦という運び。
そしてその際は開幕節で対峙し、栄あるJ2初勝利を挙げた相手(4-3)と縁起が良く。
既にサッカーの基盤は前年までで作り上げている以上、勝ち点を重ねたい序盤戦。

そして相手の徳島は、そのサッカーの基盤を全てかなぐり捨てたかのような戦いに終始した前節。
前年の残留争いを何とか勝ち抜いた吉田達磨監督ですが、「攻撃機会の増大」「スピーディーなサッカー」という課題を落とし込まんとした結果、それまでとのギャップにより混乱を招いてしまった感があり。
何かを変えなければならない状況で、今節はスタメン5人入れ替え、ベンチ外→リザーブも(内田の故障もあり)3人とその通りに大胆に動いてきました。

しかし立ち上がり、その徳島のサッカーの印象は前節と大差なく。
最終ラインでミスが続発、パスがズレてタッチラインを割るなど目も当てられない絵図を増幅させます。
一言で言えばボール保持の能力はすっかり雲散霧消してしまったという感じであり、基本的な事自体が定まっていない状態で繋ぐのは厳しく。

その一因なのが新戦力のCB・カイケで、前年は降格寸前の大宮で働いていた選手。
当時から、ビルドアップの一要因である持ち運びの面は長けているという印象だったものの、いざパスサッカーに加わるとその欠点が露呈してしまい。
甲府の前線のプレッシャーを受けると、後方からひたすら無理目の縦パスを送っては、悉くカットされてカウンターに持ち込まれるといった前節の姿。
この日は甲府程のプレッシャーは無いという状況にも拘わらず、これだけ(相方の森も含め)乱れが生じては機能不全も必然な感じでした。

それを救ったのが一重に、この日右サイドバックで起用されたエウシーニョの存在。
ボールキープで溜めを作り安心感を齎すその姿は、落日寸前の城を支える将そのものであり。
しかし特異な存在故に、しっかり弱点も存在するのがサッカー。
超攻撃的SBの特性はこの状況でも発揮され、一旦上がると戻って来るのに時間を要するエウシーニョ。
それを突かんと左サイドにロングボールを送り続ける鹿児島の攻撃に、カイケがワイドまで出張っての守備を強いられる体勢は、「欠陥には目をつぶり、とにかく(マンパワーで)機能性を保つ」という表現が相応しいでしょうか。

そうした個の特性で何とかするしか無いという徳島。(その一翼である西谷の仕掛けは、鹿児島ディフェンスに読まれている感があった)
前半11分、鹿児島のパスミスから自陣で反撃開始、右サイド手前からのエウシーニョのクロスに合わせにいったのは渡。
このボールに対しバイシクルでシュートを放つという派手な技を披露し、GK泉森のセーブに遭うも、「個の力」が判り易いような絵図のプレーで場内を沸かせ。
これで色気が出たのか、31分に再び玄のクロスをバイシクルで合わせシュートした渡でしたが今度は枠を捉えられずに終わり。

エウシーニョ効果により、ドイスボランチでも、鹿児島のプレッシャーの間をパスで通す等何とか前進の基盤を作り上げ。
しかし時間が経過し、慣れを示し始めるかのように鹿児島のペースへと移り変わる試合展開。

最終ラインからの組み立て、戸根が直接右ワイドへ持ち運んでレーンチェンジするというやり口が多かった鹿児島のビルドアップ。
ここから同一レーンを縦に運び、渡邉と五領のどちらに繋げるかという択を迫る攻め。
どうしても右サイドの守備に難を抱えている徳島故に、迂闊に前に出れない左サイドに圧を掛けようとしていた感がありました。

優位性を作ったうえで、本来の弱点を突きに掛かる鹿児島。
34分ボランチの藤村から左に展開、(ワイドに開いた岡本を経由し)米澤のスルーパスで綺麗にエウシーニョの裏を取ると、奥で持った野嶽と対峙する事を強いられるカイケ。
そしてコーナーキックに持ち込み、キッカー藤村のクロスをンドカが合わせヘディングシュート。(枠外)
続く35分には中盤でのボール奪取から縦パス→ンドカポストプレイと素早く繋ぎ、持ち運んだ田中渉がペナルティアークからシュート。
これもゴール左へ外れたものの、膨らむフィニッシュに期待感が高まる鹿児島。
(それ以前の場面では、徳島のクリアミスからンドカのシュートがバー直撃という局面もあり)

反対に殆ど好機を作れなくなる徳島、やはり個人能力に頼る状況では脆いものであり。
37分には渡が中盤での反則により警告、39分にはエウシーニョが自陣右サイドで反則、その際の異議で警告を受け。
中心選手が次々とカードを貰うその様は、着実にダメージを蓄積しているかのようでした。

そうして前半もアディショナルタイム、やはり執拗に徳島の弱点を突く鹿児島という展開は変わらず。
左スローインを素早く始めて奥へとボールを投げ入れ、走り込むンドカに対してカイケが何とか防ぎCKに逃げるという攻防。
この左CKが跳ね返された所で、前半終了の笛が鳴り響きました。
スコアレスの結果を受け、攻め込んでいるうちに1点が欲しかったであろう鹿児島。
徳島の方も、エウシーニョが何時までもつか判らない故に序盤で先制点を挙げたかった所であり、つまりは痛み分けという感じだったでしょうか。

ともにHTでの交代は無く後半開始。
それ故に試合展開も変わる事は無く、鹿児島の攻勢が続く事となり。
勢い余って(森に対し)反則を犯したンドカが異議で警告を受ける一幕があったものの、大勢に影響無く進んでいきます。

後半4分、敵陣左サイドで山口がカットして矢印を反転させると、野嶽がエウシーニョに倒されながらも繋ぐというアドバンテージを経て攻撃継続。
そしてパスワークの末に、その野嶽がワイドからカットインでエリア内中央を突き、シュートを放つもブロックに阻まれ。
しかしその後も繋ぎ、セカンドボールを拾い続ける大攻勢を展開した鹿児島。(最後は野嶽のミドルシュートが枠外に)
続く5分にも敵陣左サイドでのボール奪取から今度はショートカウンター、左奥からの米澤のマイナスのクロスに、ンドカが合わせるもミートしきれず終わり。
徳島は頼みのエウシーニョが居る右サイドで悉く遮断されるという状況で、いよいよ退潮が色濃くなり。

しかしそこで、流れの通りの結果が出るとは限らないのがスポーツの性。
8分の徳島、エウシーニョの溜めで鹿児島ディフェンスを引き付けたのち、玄がワンタッチで裏へとロングパス。
これが綺麗に前線に繋がると、そのまま右ポケットを突いた棚橋に対し、前に出て果敢に脚からクリアにいったGK泉森。
しかし棚橋を引っ掛けて倒してしまう格好となり、たまらず反則の笛が鳴り響き警告を受けるとともに、徳島のPKとなってしまいます。
これをキッカー棚橋が冷静にゴール中央へループ気味に決め、劣勢のなか後半最初の攻撃機会をモノにした徳島。
やはり吉田監督の掲げる「攻撃機会の増大」(正確には「アタッキングサード進入回数・シュート数・クロス数の改善」という放送席の談)という課題自体が間違っている(あくまでチーム体質的に)と思わなくも無く。

流れに乗るかのような前掛かり状態を、一発でひっくり返されるという痛恨の極みとなった鹿児島。
その後徳島が、ようやく肩の荷が下りたかのように西谷がカットインからシュートする場面を連発。
僅か一手で全てを逆転された、という試合評論も過る中でどう挽回するか。

しかし徳島の頼みの綱はやはりエウシーニョ。
17分に右サイドからのフリーキック、クロスのこぼれ球を拾ったエウシーニョが、浮き球でのコントロールの末にアクロバットなボレーシュート。
これがゴールネット上部に突き刺さる(枠外)際どいフィニッシュとなり、鹿児島サイドを脅かすその姿は頼もしさとともに、彼抜きでは……という懸念も感じさせ。
それは加齢+故障続き故に起こるスタミナ面での不安とどう向き合うかという、ある意味当然のものでした。

実際にこの徳島の好機以降、再び攻撃権を支配する鹿児島。
今度はエウシーニョも無闇に上がらず、4-4-2ブロックで対応しにかかる徳島ですが、反面守勢一辺倒に。

鹿児島は前半とやり口はあまり変わらず、強いて言えば徳島が退く事による左奥を突くロングボールの消失と、「偽SB」の位置取りの割合が増えてきたぐらいでしょうか。
それでも交代カードを切り始め(22分に五領→武へ交代)、今度こそその押し込みをモノにせんとします。

この状態を、変化で対処する訳でも無く、何とか耐え凌ぐ事を選択した徳島。
それが裏目に……という訳ではありませんが、せめて一本柱のような存在であるエウシーニョを今後長持ちさせるべく、この段階で彼を代える決断をして欲しかったと思います。
24分に鹿児島最終ラインのミスで、エリア内へパスがズレた所を杉森が突く決定機が訪れた(GK泉森が一対一を抑えて事無きを得る)事により、「追加点で止めを刺す」という思考を振り払えなかった感があり。
それでも26分に最初の交代、棚橋→ブラウンノアに代えたのは、得点というよりは前線の基点とするべくの采配だったでしょうか。

しかし一向に鹿児島の攻撃機会は減らず。
25分に敵陣でポゼッションを続ける鹿児島、またも野嶽が左ワイドから、今度はパスでエリア内を突く攻め。
これを田中渉がスルーした末に、山口がシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
ゴールを匂わせるもののモノに出来ない状況で、30分さらに動く鹿児島。
山口・ンドカ→鈴木・藤本へと2枚替えし、得点能力に長けたベテラン2枚の投入で勝負を賭けにいきます。(田中渉がボランチに回る)

そしてその直後の31分でした。
中盤でのパスカットを経て渡邉が素早く右から対角線のロングパスと、久々にエウシーニョの裏をロングパスで突く前進が決まり、入れ替わって左奥で持った米澤が切り返しでカイケを剥がしてクロス。
そして投入したての鈴木がヘディングで仕留め、ゴールネットを揺らします。
前節同様に、追い掛けるミッションを果たし。

これで精神的には元より、肉体的にも優位に立った鹿児島。
というのもその後徳島は全体足が止まりがちとなり、スタミナ面の不安はエウシーニョのみならず、といった状態に陥ります。
失点直後に2枚替え、渡・杉森→田向・高田颯に代え、3-4-2-1へと布陣を変えたものの補うに至らず。
守備面でエウシーニョの弱点をカバーするべく奔走した結果、全体ガス欠を起こしてしまったでしょうか。

37分最終ラインから繋がんとした徳島ですが、森→田向(左CBに入る)へのパスがズレた結果、武とのデュエルに負けて鹿児島のボール奪取。(反則にも見えたが受け方が悪いためか笛も鳴らず)
そのまま狭い局面での繋ぎに持ち込んだ末に、田中渉がミドルシュートを放つも枠を捉えられず。
40分には戸根のラフなロングパスに武が何とか追い付いてのポストプレイ、反応出来ない徳島サイドを尻目にこぼれ球を繋ぐ鹿児島。
そして左サイドから福田(米澤と交代で出場・40分)がポケットを突いてシュート、GKスアレスが何とかセーブと、劣勢も極まれりといった状態に。

そして43分に恐れていた事態が起き、エウシーニョが足を抑えて倒れ込み続行不可能に。
攣らせたか痛めたのか不明という絵図で、次節以降も不安要素を残す最悪の結末となってしまいます。
ともかくこれを機に最後の交代を敢行する徳島、エウシーニョ→柿谷とともに、永木→島川へと交代。
右ウイングバック=西野・左WB=高田颯と、激しくポジションチェンジし補填を図ります。

しかしその最悪ぶりは終わらず。
迎えたAT、田中渉のスルーパスで左サイド裏を突くという具合に鹿児島の攻めは何ら変わらず、突き進む福田に対しカイケが何とか止めるも左CKに。
そしてそのCKでの二次攻撃、藤村の二度目のクロスがファーサイドに上がると、岡本が折り返したボールが混戦に。
森のクリアがゴール方向へ向かい、オウンゴールの危機をGKスアレスが弾いて防ぐも、クリアが小さく右ポケットへこぼれたボールに走り込んだのは武。
そして豪快に放たれたシュート、コース上に居た岡本が避けたのもあり、スアレスも反応できずに左上へと突き刺さります。
劇的な逆転弾という展開に沸き上がる鹿児島サイドと、スタンドのサポーター。

とうとう決壊した徳島、という絵図ですが、傍らから見れば必然の現象でもあり。
残り時間試みられた反撃も形になる事は無く、逆に鹿児島が右スローインの連続で時間を使う体勢に。

そして試合終了の時が訪れ。
逆転による2-1で、5年ぶりのJ2勝利に至った鹿児島。
その攻撃サッカーが、一段上のカテゴリでも(ひとまずは)通用する事を示したのは大きいでしょう。

一方逃げ切りも出来ず、前節の大敗以上に堪える結果となった徳島。
内容からしても降格の最有力候補となるのは避けられないですが、巻き返す術は残されているでしょうか。

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