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DAZN観戦 2022年J1リーグ第27節 柏レイソルvsFC東京

2022-08-31 16:01:22 | サッカー視聴記(2022年J1)

<柏スタメン> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK 佐々木
RCB 古賀 CCB 高橋 LCB 田中
RWB 大南 DH 椎橋 LWB 戸嶋
IH ドッジ IH マテウス・サヴィオ
FW 細谷 FW 小屋松
<FC東京スタメン> 4-1-2-3
GK ヤクブ・スウォヴィク
RSB 長友 CB 木本 CB 森重 LSB バングーナガンデ佳史扶
DH 東慶悟
IH 塚川 IH 松木
RWG 紺野 CF ディエゴ・オリヴェイラ LWG 渡邊

開幕前の下馬評を覆し、5位という好位置に着けている柏。
そこに長期離脱していたドウグラスが復帰・ベンチ入りとなった状況に、「エースストライカーを欠いていて上位キープしているのか……」と驚きの声を上げざるを得なく。
前々節(広島戦・2-3)のように、撃ち合いになると得点力の面で苦しさが露呈するだけに、それを補うべくの頼もしい駒となり得るかどうか。

一方のFC東京は、試合中止とACL参加クラブとの対戦による順延が絡み、3週間ぶりの試合となったこの日。
改革という割には低調な試合内容が目立っているだけに、久々の試合で結果を出して「男子別れて三日、刮目して待つべし」といくかどうか。

そのFC東京が、相手のシステムの裏をかくような攻撃を展開する立ち上がり。
前半3分、最終ラインから右サイドで組み立て、ウイングの紺野が降りて受けたのちのパスワークで柏の左ウイングバック・戸島を引き付け。
そしてスペースに東慶がダイレクトのミドルパスを送り、改めて紺野が前に走り込むというギャップを突く姿勢で好機を作ります。(パスを受けた紺野がさらにエリア内へスルーパスを送るも繋がらず)

その後も紺野と長友の立ち位置にナイーブになる柏サイド。
4-3-3と3-1-4-2のマッチアップ、そのままの状態では単純にサイドで2対1の状況となってしまうので、致し方無しといった所でしょうか。
そうして意識を振りつつ、逆の左サイドでバングーナガンデの推進力を活かすという、幅広い攻撃で翻弄していくFC東京。

17分に木本の裏へのロングパス一本で、受けた塚川がGKと一対一となり、シュートをネットに突き刺したもののオフサイドで惜しくも無効に。
ヒヤリとした柏サイドは、ここで布陣を弄り3-4-2-1に。
ドッジをボランチに、小屋松を左シャドーに降ろしての応対を見せました。
応急処置的なものですが、徐々に効果を表したのち23分に反撃する柏。
大南のミドルパスを右サイド奥で受けたサヴィオ、切り返したのちエリア内へ送り、走り込んだ南がグラウンダーでさらに中へ送り。
これをファーサイドに走り込んだ椎橋がシュートするも枠を捉えられず。

この直後に飲水タイムが挟まれ、好循環を持って第2クォーターに臨んだ柏。
しかし27分、右サイドで得たフリーキックでの攻撃で、クロスを合わせにいった高橋がFC東京・塚川と頭部同士で激突してしまい。
高橋の反則となったものの、高橋の方がダメージが大きく立ち上がれず。(塚川は1分程で起き上がる)
その間にベンチも交代の準備を進め、4分程経過してようやく立ち上がった高橋、ゆっくりとピッチを後にして一時的に10人となる柏。
そしてプレーが途切れた事で、上島が同ポジションで投入となりました。(脳震盪による交代の扱い)

アクシデントに苛まれた事で折角の手当ても効果が無くなったか、その後再びFC東京が右サイドで跳梁する展開に。
36分には紺野のドリブルを2人で止めにいくも、こぼれ球を長友に繋がれ結局紺野に抜け出される等、危ない対応が目立ちます。(その後ディエゴへのスルーパスがカットされる)

そして40分、ゴールキックの跳ね返りを塚川が落とし、再び右サイドから前進するFC東京。
紺野のミドルパスを受けたディエゴがエリア内右を突き、ボールキープから奥へ切り込んでグラウンダーでクロス。
これをファーサイドで松木が跳び込み、足で合わせてゴールへとねじ入れて先制点をゲット。
試合開始から貫いていた攻撃が実を結んだ格好となりました。

先制された事でプレッシングを強める柏でしたが、それが裏目に出る事に。
45分のFC東京、ビルドアップの最中に柏のプレスを受けるも、松木が最終ラインに降りつつ逃げ回りGKまで戻したのちスウォヴィクの右へのフィード→長友のフリックで脱出。
拾った塚川がスルーパスを送り、紺野経由で中央へと渡り、渡邊のラストパスに走り込んだのはバングーナガンデ。
ダイレクトでの力強いシュートがゴールに突き刺さり、GKから両サイドの選手をくまなく使った末に辿り着いた得点となりました。

一気に2点差を付けられてしまった柏、さらにアディショナルタイムに裏抜けを図ったFC東京・渡邊を上島が倒してしまい反則・警告を受け。
余計なミソも付けてしまい、窮地のまま前半を終える事となりました。

当然流れを変える必要性が出て来た事で、ハーフタイムでネルシーニョ監督は大胆にも3枚替えを敢行。
細谷・小屋松・戸嶋→ドウグラス・武藤・川口へと交代。
2トップにパワーを齎す+FC東京に踏襲され続けた左サイドの手当てを行いました。
ただし前節(清水戦・1-1)も同じくHTに3枚替えをしたものの、同時に4バックへのシフトも行っており。
この日は3バックはそのまま(尚、この交代で再びスタート時の3-3-2-2へと戻す)にして、駒を入れ替える事での対処という選択でした。

交代効果で入りから攻め上がる柏。
後半2分にコーナーキックを得ると、サヴィオのクロスをニアサイドで、投入されたドウグラスがフリック気味のヘディングシュートを放ち。(GKスウォヴィクキャッチ)
このドウグラスのヘディングという、忘れられていた感のある武器を再装着した柏。(ちなみにドウグラスの前回の出場は4節と遠い昔)
これに武藤の裏抜けを交え、2トップのプレッシャーでFC東京サイドに脅威を与えていき。

試合展開としては、FC東京も攻撃の手を緩める事の無い、アルベル・プッチ・オルトネダ監督らしいサッカーを繰り広げた事で乱戦模様に。
ともにカウンターに持ち込むシーンも目立つなど、攻撃権は激しく移り変わり。

それでも、ドウグラスという絶対的なターゲットを得た事で、多少強引なクロスも可能になった柏。
9分、大南の右サイド手前からのクロスを中央でドウグラスが合わせにいき、流れた所FC東京・長友に当たってのこぼれ球をドッジがシュートしてゴールネットを揺らし。
単純ながらも強力な攻撃で、ドッジのJリーグ初ゴールという嬉しい副産物も生まれ、柏が1点を返します。

しかしその直後に最初の交代カードを使うFC東京。
紺野・塚川→アダイウトン・安部へと2枚替え、こちらも強力な手駒であるアダイウトンを投入しました。(アダイウトンが左WGに入り、渡邊は右WGに回る)

撃ち合いに徹底抗戦、といった交代策となり、試合もその通りの展開を描きます。
12分のFC東京、自陣右サイドからのスローインで、投げ込まれたボールをポストプレイで繋いだディエゴが倒され痛む中でも攻撃は継続。
右サイドを前進していき、松木のスルーパスに走り込んだ長友のクロスを、ファーサイドで合わせたのはアダイウトン。
このヘディングシュートはゴールバーを叩くも、跳ね返りをさらにヘディングシュートしてネットを揺らしたのは安部。
交代選手2人が早速矢継早に放ったシュートで、再び2点差とします。
尚、倒れたディエゴは続行不可能となり、直後にルイス・フェリッピへと交代。

しかし柏も執拗に追いすがり。
17分椎橋のボールカットから繋ぎ、サヴィオが中央突破を経てペナルティアークからシュート。
ブロックされるも尚も繋ぐ柏、左サイドへ展開ののち川口とのパス交換を経て武藤からクロスが上がると、ファーサイドで頭から跳び込んだのはドウグラス。
低い姿勢で放たれたヘディングシュートでゴールゲット、再び1点差に詰め寄ります。

一気呵成に追い付かんとする柏、21分にもドウグラスはサヴィオの左からのクロス(グラウンダー)でシュートを放ち。(ブロック)
観衆との距離も近いホーム(三協フロンテア柏スタジアム)の中、同点そして逆転への機運も最高潮といった雰囲気でしたが、そこに落とし穴が待ち受けていました。
22分再び敵陣で展開(川口のパスカットから)し、武藤がエリア手前中央でボールを持つも、囲まれて奪われてしまいFC東京のカウンターに。
奪った松木がドリブルで運び、フェリッピのポストワークを経由してアダイウトンへ渡ると、左ハーフレーンから一気に前進してエリア内中央を突いてシュート。
ゴール右隅へと突き刺し、これがジョーカーのパワーと言わんばかりの得点を挙げたアダイウトン。
再び2点差とした所で、飲水タイムが挟まれます。

その明ける際に、サヴィオ→アンジェロッティへと交代した柏。
その後は柏サイドも、最終ラインからGKを使っての組み立てを見せる場面もあり、FC東京はそれにプレッシングを掛けるも今一つ嵌らず。
そして迎えた29分、敵陣左サイドでのパスワークから、川口のスルーパスに走り込んでクロスを上げたのはドウグラス。
このターゲットマンがクロッサーに変化した隙をFC東京は突かれたか、ニアサイドに走る武藤を通り過ぎたボールを、大外から大南が合わせ。
放たれたシュートがFC東京・バングーナガンデのブロックを掻い潜り、ゴールに突き刺さり。
これで三度1点差に迫った柏。

細かいビルドアップの姿勢が実った格好でしたが、33分の柏はゴールキックでロングフィード→ドウグラスフリックからの好機。
やはりこれが最も効率が良いようであり、その後エリア内へ武藤が迫るも跳ね返され、左サイド手前から川口のクロスがファーサイドに上がるもドウグラスには惜しくも合わず。
押し込まれる絵面が目立ってきたFC東京、直後に選手交代(バングーナガンデ・渡邊→中村帆高・木村)と共に布陣変更。
<後半33分以降のFC東京> 3-3-2-2(3-1-4-2)
GK スウォヴィク
RCB 木本 CCB 森重 LCB 木村
RWB 長友 DH 東慶 LWB 中村帆
IH 安部 IH 松木
FW フェリッピ FW アダイウトン
柏と同様のフォーメーションを採り、守りを固めます。
同一フォーメーションといっても、ミラーにはなり辛い3-3-2-2同士の戦いに。

これでプレッシングの強さが増したのか、迎えた36分。
柏が左サイドでのパスワークの最中プレスを受け、逃げのパスが中央でアダイウトンにカットされる事態となり。
そしてカウンターになりかけた所、上島がオブストラクションで止めてしまい反則となると、当然の如く主審(西村雄一氏)から黄色いカードが突き出される事に。
2枚目で退場となり、アクシデントにより途中出場の上島でしたが、この日は散々な目に遭い終わってしまいました。

一気に苦しくなった柏、上島が抜けた分そのまま4バックへ移行。
<後半36分以降の柏> 4-2-2-1
GK 佐々木
RSB 大南 CB 古賀 CB 田中 LSB 川口
DH ドッジ DH 椎橋
IH ドウグラス IH アンジェロッティ
FW 武藤
機動力の高い武藤を最前線とし、数的不利ながらもプレッシングの望みは潰さないスタイルを採ります。

それが実りかけたのが39分で、FC東京エリア内でGKスウォヴィクのパスを武藤がカットするという大チャンスが到来します。
しかし齎されたのは得点では無く、カウンターを招いての失点でした。
直ぐにシュートは撃てず、左へ流れてのクロスを選択した武藤でしたが、クリアされたボールがアダイウトンに渡ってしまいこれが完全に裏目に。
裏へのミドルパスが送られると、受けたフェリッピがドリブルに持ち込み、エリア内に進入してのシュートがゴールネットを揺らし。
ここに来て再び2点差とし、柏の僅かな望みを絶つ格好となりました。

何とか再び1点差に迫らんと、ドウグラスをターゲットとしての攻撃に託す柏。
しかし厳しさは拭えず跳ね返され続け、迎えた44分。
左サイドで松木のパスを受けたアダイウトンが細かいタッチでのドリブル、そこから中央の安部とのワンツーも交えて中央方面へと切り込んでいき、ついにエリア内へ。
そして放たれたシュートは綺麗に右サイドネットへと突き刺さり、止めとなる6点目を挙げます。

これで勝敗は完全に決まったようなもので、尚もフェリッピのエリア内でのシュートがゴールを脅かす(GK佐々木セーブ)など、数的優位を活かしてのサッカーを繰り広げるFC東京。
そのまま3-6で試合終了の時を迎え。
ブレイク明けの試合は、怒涛のゴールラッシュに拠る爽快な勝利となりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第33節 いわてグルージャ盛岡vsアルビレックス新潟

2022-08-30 18:28:39 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の岩手の記事はこちら(26節・長崎戦、2-2)
※前回の新潟の記事はこちら(27節・金沢戦、0-3)

<前節からの変更>

岩手=4人変更となり、最終ラインの3バックは甲斐→田平で、牟田が中央を務めて右が深川・左が田平と配置変更。ボランチの片割れが弓削→小松・シャドーは増田・オタボー→奥山・チャンヒョンスと2人とも代える。尚、サスペンド明けのはずのブレンネルはこの日もベンチ外。

新潟=5人変更と半数近くを占める。センターバックの一角が千葉→田上、ドイスボランチが星・高→島田・秋山とセンターラインを大幅変更。後の2人はサイドハーフで、右がシマブク・カズヨシ→松田、左が小見→伊藤。岩手と異なり外れたメンバーはいずれもベンチに留まるという、2人でワンセットというターンオーバー方針はしっかりしている風である。

スタメン

残留争いの渦中にあっても、その戦い方を変える事はままならないという状況の岩手。
自分達の戦い、それも決して奥深いとは言えない戦法を貫き、何とか勝ち点を得れば……。
そんな思惑もシーズンも佳境に入り、再び順位は降格圏に入った事もありいよいよ手詰まりとなってきた感でしょうか。

強豪・新潟を相手に迎え、最後の勝利となっている横浜FC戦(29節・3-0)と同様に上位クラブを潰せるかどうか。
しかしこの日はサッカーのクオリティで上回る相手に「どうやって渡り合うか」という問いを常時押し付けられているようであり、とてもそんな余裕は感じられませんでした。

新潟の最終ラインから繋ぐビルドアップに対し、果敢に相手GKまでプレッシングにいくという、何としても結果が欲しい下位クラブらしい振る舞いを立ち上がりから見せる岩手。
前半4分にはGK小島に対して詰めにいったモレラトが、勢い余って小島の足を刈ってしまうシーンも作られます。(当然反則)
そのテンションの高さを受け、流石の新潟もロングボールの割合を多めにするという、らしくない対処法を取らざるを得なくなり。

しかし7分に新潟は右サイドバックの藤原がドリブルで持ち上がると、岩手は彼をケアする事が出来ず悠々アタッキングサード付近まで接近を許し。(その後松田へのパスがオフサイドで切れる)
ドリブルへの対処が曖昧といった弱点が見られ、その後新潟はCBのドリブルを絡めて相手を押し込むシーンが目立つ事となります。
また8分には、GK小島が降りてきた高木への縦パスでプレスを脱すると、高木についていったのは中央CBの牟田。(その後受けた高木が裏へロングパスを送るも繋がらず)
人に喰いつく癖の強い岩手ディフェンスですが、リベロの選手がここまで付いてくるのはいくら何でも……と、これも弱点を曝け出すようなシーンであり。

守備重視の戦いながらも、上記の性質故に何処か危なっかしいといった岩手。
当然新潟は決定機も多く作り、10分に再び藤原がドリブルで持ち上がり、岩手・田平を剥がしエリア内右へ進入してクロス。
逆サイドへ流れるも拾った堀米が左から再度クロスを低い弾道で入れ、GK野澤大志ブランドンがパンチングで掻き出したボールを島田がダイレクトでシュート、しかし牟田がエリア内で頭部でブロックして何とか防ぎます。
12分にはロングパスの処理を岩手がクリアミス、拾った高木のエリア内へのラストパスに走り込んだ伊藤がシュートし、これもGK野澤がセーブと際どい防ぎ方。

そんな中16分にはロングパスに抜け出そうとした新潟・谷口が、岩手・田平の後追いのチャージを受けて反則、田平に警告が突き出され。
その後も相手の裏抜けを反則で止めるシーンが見られた田平、秋田豊監督も危ういと判断したでしょうか。
26分という早い時間で断を下し、田平→甲斐へと交代します。(甲斐が右CBに入り、深川が左CBへシフト)
非情とも取れる采配ですが、このままだと退場も覚悟しなければならない状態だったため止むを得なかったでしょう。
しかしその直後の27分、エアバトルで宮市が新潟・伊藤に対し強く頭部にぶつかった事で反則、宮市も警告を貰う事態に。

立ち上がりはハイテンションだった岩手のプレッシングも、時間が進んだ事で省エネを余儀なくされて鳴りを潜め。
新潟を脅かしていたとはいえ、その内容はモレラトや奥山の2度追いに依存したものであり、個々の頑張りに頼っていてはスタミナの浪費も馬鹿にならないといった感じでしょうか。
24分の新潟のビルドアップ、ボランチの秋山が降りて3枚の最終ラインで作る中、一列前に運んだ所で秋山が上がり。
この2枚へ切り替わる瞬間にすかさずボールホルダーを囲むようにプレスを掛けた岩手、たまらず新潟はGK小島まで戻して逃れるというシーンがありましたが、こうした相手の隙を見逃さない追い方がもう少し欲しかった所。

その後も新潟は多彩な攻撃から、伊藤が何度もシュートを放つなどゴールを脅かされる岩手。
中々攻撃機会を得れない状況を強いられましたが、37分に縦パスを受けたチャンヒョンスがすかさずスルーパス、走り込んだ奥山が新潟・藤原の反則を受けて直接フリーキックに。
映像では逆に藤原がチャンヒョンスに倒されていたようでしたが、運も味方につけて好機を得た岩手、キッカーは深川。
左ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置から直接シュートを放った深川、ボールは左ゴールポスト外側を掠める惜しいシーンを描きます。

こうした数少ないチャンスで、しっかりとフィニッシュに繋げたい岩手。
41分にはカウンターの好機が到来するも、ドリブルで敵陣チャンスエリアまで運んだモレラトはパスの出し所に困りスピードダウン、結局フィニッシュに繋げられず。
逆に43分の新潟の攻撃、エリア内右へのミドルパスで裏抜けを狙い、GK野澤はそれをキャッチにいくも弾いてしまい危機に。
こぼれ球を松田がシュートするもジャストミート出来ず、しかし野澤がセーブしたボールを尚も繋ぎ、長いパスワークを経て伊藤のエリア手前中央からのシュートで締めるも枠外に。
攻守ともに判断の誤りが怖い、といった展開を終盤に描いた岩手でしたが、前半はスコアレスで終えました。

順位通り、実力差が激しいといったサッカーがピッチ上に描かれましたが、岩手にとっては0-0のままで終えた事でワンチャンスを得た感じであり。
そして後半の早い時間に、勝利への一糸が訪れる事となります。

後半3分、新潟は最終ラインからのパスワークで敵陣アタッキングサード付近まで運ぶも、伊藤がスリップ(この日は雨天の天候)した事で谷口へのパスが繋がらず。
拙いボールロストを生んだその刹那岩手がカウンターを仕掛け、拾った小松のスルーパスが右サイドで奥山に渡り、そのまま一気にエリア内へ切り込む奥山。
新潟は田上が必死に並走したものの、仕掛けたアタックが奥山を倒してしまうと、反則を告げる笛が鳴り響き。
PKという絶好のチャンスを得る事となりました。(田上に警告)

これで先制し、勝利への道筋が出来上がればまさに窮鼠猫を噛むといった試合展開。
しかしキッカーを務めたモレラトはゴール右へのシュートを選択したものの、コースが甘くGK小島にキャッチされるという結果に終わり。
そうは問屋が卸さずといったPKストップとなってしまいました。

すると直後の5分再び敵陣で展開する新潟、右サイドから藤原中央へ縦パス→谷口ポストプレイ→島田左へパスという速いサイドの揺さぶりから、左ハーフレーン・エリア手前で受けた伊藤がカットインの姿勢からシュート。
ワイドの堀米への更なるパスも選択肢に入る中で放たれたシュートが、巻いてゴール右上へと突き刺さる鮮やかなゴールを生み出し。
岩手にとって悪い流れとなるのは必然と言えましたが、予想以上に早いといった新潟の先制点でした。

とうとう決壊してしまった岩手、直後のキックオフからの攻撃で、モレラトのミドルシュートに繋げ。(枠外)
何とか気を取り直し……という流れを作らんとしましたが、その後肝となるべき前線でのプレスの甘さがどうしても顔を出してしまい。
新潟のボールホルダーに対して2人がいってしまい空きを作り逃げられるなど、前掛かりな姿勢がかえって仇となったようであり。
この辺の組織力がまだ未整理なのか、それとも新潟のサッカーの質の高さで跳ね返されたという事象なのか。

11分に中盤の選手4人(島田・秋山・高木・伊藤)が敵陣でパスを回し続けるなど、これでもかというパスワークで相手を翻弄する新潟。(この後一旦戻したのち再び前進、谷口のシュートまで繋げる)
苦境に立たされる岩手、12分に2枚替えを敢行(モレラト・チャンヒョンス→オタボー・中村充孝)して反撃体制を作ります。

しかしその矢先の16分でした。
何とか左コーナーキックを得た岩手でしたが、クロスの跳ね返りを加々美がダイレクトでの縦パスで再度エリア内へ入れようとしたボールが眼前でカットされ、新潟のカウンターが炸裂。
カットしたのは伊藤でそのまま長距離をドリブルで疾走、そしてエリア手前という位置で絶妙な右への横パスを送ると、走り込んだ高木のシュートがゴール左へ突き刺さり。(ちなみに逆の左に松田が走り込んでいたので、どちらに出されても手詰まりといった状態)
CKからの直接カウンターという、相手にとってショックは甚大であろう追加点を挙げた新潟。

その後の岩手は見るも無残といった展開で、更なる失点こそ無かったものの、反撃ムードを高めるべくのシーンも作れず。
前への姿勢を強めるものの、18分には再び相手GK小島に対する反則を(奥山が)犯してしまい。
24分には岩手のプレッシングを、最終ラインでのパスワークののちGK小島のフィードでいなす新潟。
岩手は新潟・島田に対して牟田が前に出て潰すも、こぼれ球を拾われて継続され、そのまま松田のエリア内のシュートまで繋がれてしまい。(枠外)
プレスを掛ければかわされ、さもなければ延々パスを繋がれるだけ、といった状況に追い込まれます。

29分にも新潟はパスワークで中央突破、秋山のラストパスを受けた谷口がエリア内からシュートし、GK野澤が足でセーブと必死の凌ぎを強いられる岩手。
この時点で新潟のシュート数は20を数える(DAZNのスタッツ、ちなみに岩手は3本)という劣勢ぶりで、最早どうしようもないという流れ。
直後に最後の交代枠を使い(30分)、小松・奥山→和田・韓勇太(ハンヨンテ)へと2枚替え。
新潟もそれに遅れて3枚替え、秋山・高木・谷口→高・小見・矢村に交代しました。

盛んに高木とポジションチェンジを繰り返し、フィニッシュを量産していた新潟・伊藤、これ以降はトップ下で固定という配置となり。
35分に小見のドリブルがエリアからすぐ手前という位置で岩手・牟田の反則を生み、絶好の位置(中央やや左寄り)で直接FKを得て蹴りにいったのはその伊藤。
放たれたシュートはゴールバーを直撃と、3点目(個人では2点目)は決められずも、最後まで岩手サイドに脅威を与える存在となり得ました。

終盤を迎えた事で、岩手が乱戦気味に好機を掴む流れに。
38分にFKからの流れで、クロスのこぼれ球をエリア内に残っていた牟田がシュートするもゴール左へと外れ。
42分には後方から甲斐が縦パスを入れるとそのままオーバーラップ、繋ぎを経て加々美の左サイドからのクロスをファーサイドでヘディングシュート。(GK小島キャッチ)
岩手らしい、DFの選手の得点力を発揮せんとしましたが惜しくも実らず。

結局2点差のまま迎えたアディショナルタイム。
交代で入ったシマブク(松田と交代)に決定機が訪れ、後方からの素早い攻めを経てシュートを放つ(GK野澤セーブ)という具合に、新潟のクオリティが目立った展開は最後まで変わらず。
岩手にさしたる好機が生まれないまま時間が過ぎ去り、試合終了の時を迎えました。

残り10試合をきり(といっても試合中止が相次いでいるので最大11試合)、残留争いを強いられるクラブはそろそろその覚悟が必要な時を迎え。
このままのスタイルを貫く選択を採った(と思われる)岩手ですが、この日の圧倒された試合内容然り、レベルアップを図らなければ今後J2の舞台を戦うのは厳しいといった感じであり。
それを磨く場がJ2かJ3かはまだ不透明ですが、転換期を迎える時は来るでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第33節 ヴァンフォーレ甲府vsツエーゲン金沢

2022-08-29 16:02:14 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の甲府の記事はこちら(30節・琉球戦、5-2)
※前回の金沢の記事はこちら(29節・秋田戦、0-3)
※前回の両クラブの対戦はこちら(10節、金沢 2-3 甲府)

<前節からの変更>

甲府=2人を変更。FWが三平→ウィリアン・リラ、ボランチの一角が松本凪生→石川と、途中出場→スタメンを交互に繰り返す妥当な選択か。

金沢=前節(長崎戦)が中止・順延となり2週間ぶりの試合。3名のサスペンド(豊田・藤村・嶋田)が絡むため前々節からは5人変更と多い。センターバックの片割れが黒木→庄司・右サイドバックが毛利→松田。藤村のボランチには松本大弥が左サイドハーフから回り、その穴には平松。嶋田の右SHには大石、豊田のFWには丹羽とそれぞれ穴埋め。ベンチの穴には杉浦恭平・力安が3試合ぶり、須藤が4試合ぶりにメンバー入り。

スタメン

勝負の後半戦に向け、夏の補強で獲得した助っ人選手がメンバーに集結(ジェトゥリオ除く)した甲府。
その中には、Jリーグ黎明期に活躍したアルシンド氏の実子として騒がれた?イゴールの名前もあり。
3バックの一角として早々にレギュラーに定着したエドゥアルド・マンシャの存在もあり、チーム浮上に力を貸す。
そのはずでしたが、彼らの登録後3戦は引き分け続きと足踏みを強いられており、理想と現実の乖離は非情という事を思い知らされました。

しかし、そんな現実の厳しさを一層突き付けられている状況なのがこの日の相手の金沢。
目下5連敗中、しかもいずれも3失点以上を記録しての敗戦で、この5戦で17失点を数える有様であり。
守備組織だけでなく、クラブが貫いているサッカー自体の遅れぶりを憂慮しなければならない状態。
そんな中での前節の中止は、自身を見定めるべくの良い水入りとなったでしょうか。

試合開始の賽が振られ、早速左サイドでのスローインを得た金沢は、甲府選手が倒れている隙を突き長峰が長いボールを素早く奥へ投げ入れて好機を生み出し。(長峰がクロスを入れるも合わせた大石は撃ち切れず)
やや狂骨ともいえる好機の作り方でしたが、それがスマートな戦いをする甲府相手に脅威となったでしょうか。
その後も目の色を変えたかのように積極的な試合運びを見せる金沢、迎えた5分ここも左からのスローインが契機となり。
一旦はクリアされるも松本大弥がスライディングでこぼれ球を繋ぎ中央で継続、そこからの小野原の縦パスに対し、平松がレーンチェンジ(左ハーフレーン→中央)してのポストプレイで繋ぎ。
受けた松本大弥がエリア手前から果敢にシュートを放つと、甲府・須貝のブロックでコースが変わってゴール左へと突き刺さり。
半ばラッキーな得点でしたが、平松の相手の目線を変える動きが絶妙といった先制点となりました。

新たな金沢の引き出しが表れたかのようでしたが、その直後にキックオフからの攻撃で金沢の反則(詳細は映像に写っておらず不明)により甲府の左サイドからのフリーキックに。
そこからの二次攻撃で、再び左サイドからエリア内へ送られた浮き球を鳥海が走り込んで収め、切り返した後のシュートがゴールネットを揺らし。
あっという間に試合は振出しに戻されました。

前回対戦時は同点後一気に失点を続け逆転を許した金沢ですが、気を取り直し前線からの守備を頑張り流れを渡さず。
大ベテラン・豊田が欠場のためかその動きは格段に良くなったという印象で、相手ボランチの所で構えるスタイルを一新し、センターバックまで詰めにいく積極的な姿勢を取り。
甲府リベロ・浦上に対し林がプレスを掛け、そこから右に振られると須貝には平松・左だとマンシャに丹羽が詰めにいくという基本の形。

これを終始貫き甲府のビルドアップに制限を掛けていきましたが、11分にはトランジションで陣形が乱れたのもあり、林のみのプレッシングとなった事でマンシャのロングパスで一気に運ばれ。
このパスはクリアするも山田に繋がれ、左から長谷川がカットインでエリア内左を突いてスルーパス、走り込んだ荒木がグラウンダーでクロスを入れるピンチに。
ニアでリラが合わせにいった所をクリアするも、尚もエリア内で拾った石川がそのままボレーシュートにいき、GK白井が距離を詰めてセーブという際どいシーンを招きます。
試合前のインタビューで柳下正明監督が何度も強調していた「マンツーマンによる一対一」ですが、噛み合わない時が一気に危うくなるというスタイルなのは変わらず。
しかしこの日はそんな危機に気後れする事は無かった前線。

優位に立った金沢は、先制点のシーンに続き左からのスローインを数多得て押し込み。
その攻撃でも、今までは簡単にクロスを放り込む所を、ワイドからハーフレーンへの戻しを経てミドルシュートを放っていくなど変節を見せ。(13分には松本大弥のミドルシュートがGK岡西にセーブされる)
大連敗を受け、変わらなければいけないという強い思いをピッチ上で披露するに至りました。

そんな金沢の圧力を受けた甲府、22分には金沢が右サイド後方でボールを持った所、人数を集中させるもプレスを躊躇ってしまい。
そこから庄司にスルーパスを通されたものの、マンシャの(反則気味の)カバーで大石には何とか受けさせず。
この日は飲水タイムは無かったものの、時間が経つにつれて徐々に対策していき優位性を確保します。
ビルドアップの際は、金沢のプレッシングのボランチのパスコースに対しての甘さを突き始め、石川が巧に動いて脱出を見せるシーンを連発。
守備では前述のようなマンシャのディフェンスが冴え、読みが強いのか要所でのパスカットで金沢の攻撃を切る事が目立ちました。

そして28分にスルーパスをエリア内右で受けた鳥海がシュートする(GK白井セーブ)など、気が付けば甲府が攻勢を強めている展開に。
39分から立て続けにセットプレーでマンシャがヘディングシュートでゴールを脅かし、右サイドからのFKで荒木のクロスをドンピシャで合わせたものの、この強烈なシュートをGK白井がセーブ。
続く左コーナーキックからも、ショートコーナーを経ての長谷川のクロスを合わせたマンシャでしたが、これもGK白井がキャッチで防ぎ。
劣勢を強いられる金沢ですが、集中力を切らさずに右サイド(甲府から見て左サイド)で出されたスルーパスに対し、大石が必死に戻ってスライディングで防ぐなど粘り強さが戻り。
結局前半ではこれ以上スコアは動かず、1-1で折り返しとなりました。

共に交代は無く後半開始を迎えても、金沢の集中力はそのまま貫かれ。
甲府はリラのポストワークを絡めて攻撃を仕掛けるも、中央の堅さ故に結局サイドで展開するしかなく。
そのためリラもサイドに開かざるを得ないという状況を強いられます。

守備陣の奮起に応えたい前線も、後半7分に丹羽がプレスバックで敵陣でボール奪取、こぼれ球を小野原を繋いで平松がミドルシュート(枠外)と好機を作り始め。
そして迎えた10分クリアボールを丹羽が拾い、山田に反則チャージで倒されるも平松が拾ってアドバンテージ(後に山田に警告)、ドリブルで持ち運んだのち出されたパスを長峰がダイレクトでグラウンダーでのクロス。
アーリー気味に出された事でファーサイドを巧く突き、走り込んだ大石が合わせたものの惜しくも右ゴールポスト外側に終わります。

良い攻めを見せるも得点出来なかった金沢。
その後もリラへのチェックは緩めずも、甲府のビルドアップを許してしまい徐々に劣勢となっていき。
そんな中で甲府ベンチが先に動き、そのリラに代わって三平が投入されます。(17分)

以降は、GK岡西のキャッチミスで得たCKなどのセットプレーを絡めつつ押し込む金沢でしたが、決め手に欠きフィニッシュまで持ち込めず。
そして22分守備面がついに決壊し、甲府が最終ラインから左で繋がんとする中、ハーフレーンに降りてきた長谷川に対し松田のマークが曖昧に。(ワイドをチェックにいった松田だがそこに甲府の選手は居なかった)
その空いた隙を突き長谷川にパスを出し、リターンを受けて松田の裏を取った荒木のクロスを、ファーサイドで三平がジャンピングボレー。
華麗なゴールを齎した三平、その後のパフォーマンスとも相成って見事なジョーカーぶりとなりましたが、金沢にとって一瞬の対応ミスが悔やまれるシーンなのも事実であり。

そしてキックオフ前に、金沢ベンチは大胆に動き。
既に2枚替えの準備をしていたのに加え、失点の一因となった松田を含めて計4人の交代に踏み切ります。
その内訳は松田・平松・大石・丹羽→高安・須藤・毛利・杉浦恭で、フレッシュなメンバーを揃えて巻き返すべく試合再開。

早速CKに持ち込んだ金沢(26分)でしたが、そこから甲府がカウンターを仕掛けて須貝がドリブルで疾走する所を、金沢・孫大河がスライディングで止めてしまい反則。
しかしこれに警告が出なかった事で、甲府サイドは吉田達磨監督を含めて紛糾する事態となります。
不穏ながらも、金沢に運気はまだ残っていたというような一幕。

その通りに徐々に金沢の流れとなり、33分に林がエリア内右を突いてシュート(ブロック)、34分に左からのクロスをニアで収めた杉浦恭がシュート(枠外)とフィニッシュを放ち始め。
そして36分GK白井からショートパスでのビルドアップ、右サイドで縦パス攻勢で前進していき、奥で高安が受けるも戻して手前からのクロスを選択。
小野原のクロスがファーサイド・エリア内の浅い所を突くと、杉浦恭がマイナスに動いて折り返し、中央で裏を取った林が合わせボレーシュート。
目線をズラされて足が止まった甲府ディフェンスを尻目に放った、フリーのシュートが綺麗にゴールネットを揺らして同点に追い付きます。

今度は甲府が巻き直す事を強いられ、キックオフ直後に2枚替え、鳥海・山田→フォゲッチ・松本凪へと交代します。
そのフォゲッチがクリアボールに猛烈に走り込んで拾う(39分)姿に触発されたか、4試合ぶりの勝利目指して攻め上がる甲府。
40分には松本凪の縦パスを収めたフォゲッチ、エリア手前から反転シュートを狙いましたが大きくゴール右へと外し。

そして42分にカウンターから決定機、フォゲッチが右ハーフレーンをドリブルしエリア内中央へスルーパスを送ると、走り込んだ三平が合わせシュート。
GK白井がセーブしたこぼれ球をさらに自ら詰めましたが、これが左ゴールポストを直撃してしまいモノに出来ず。
時間も押し迫った事で疲労も隠せず、その直後に金沢のビルドアップに対し前線がプレスを掛けるも、それにより間延びしたスペースを突かれて危機を招き。(杉浦恭のスルーパスに毛利が走り込んでシュート、GK岡西がキャッチ)

そしてアディショナルタイム間際の45分、両ベンチとも最後の交代。
金沢が庄司→黒木、甲府は長谷川・荒木→イゴール・飯島。(フォゲッチが左ウイングバックに回る)

甲府はCKから混戦を作り、須貝の落としに反応した三平がシュートにいくも、GK白井のブロックに防がれます。
この日当っている白井の再三のセーブを見ては、思わず「2点取れれば上出来」とも言いたくなり。
初出場のイゴールもボールに絡んでチャンスメイクするも、その後押し込みながらもシュートは放てなかった甲府。
そして最後の最後に金沢のカウンターが炸裂し、杉浦恭が右サイドからドリブルで駆け上がり、エリア内右を突く絶好機。
しかしクロスを選択した結果、ファーサイドに大きく流れてしまい万事休す。
お互いに惜しい試合という印象を残す引き分けとなりました。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第27節(順延) 東京ヴェルディvs徳島ヴォルティス

2022-08-26 16:05:36 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回のヴェルディの記事はこちら(28節・横浜FC戦、0-1)
※前回の徳島の記事はこちら(31節・大分戦、2-2)

<前試合からの変更>

ヴェルディ=中2日という事で大幅変更。最終ラインは、センターバックの一角が谷口→山越・右サイドバックが深澤→宮本と2人。中盤はボランチが馬場・森田→加藤弘堅・稲見と揃って代え、サイドハーフは右が河村→梶川・左が梶川(右に変更)→杉本竜士と4人変更(3人入れ替え)、FWの一角が染野→西谷亮。合計6人入れ替え・1人が配置転換となる。

徳島=3バック(3-3-2-2)と4バック(4-1-2-3)を交互に使う流れで、この日は4バック。変更は、ウイングバックだった浜下・エウシーニョに代え、田向を右SB・西谷和希を右ウイングで入れ計2人。サスペンド以降ベンチ外だったカカがようやく控えに戻ってきた。

スタメン

順延となりミッドウィークに組み込まれたカードは、ともに3トップ(4-1-2-3)をオリジナルフォーメーションとしていたクラブ同士の戦い。

そこからヴェルディは、ウイングとして脅威となっていた新井瑞希の海外移籍がトリガーとなったのか、29節・長崎戦(1-0)を境に4-4-2へと変更。
後半戦から指揮を執っている城福浩監督は、稲盛・宮本・西谷亮といった前半戦殆ど起用されていなかった若手選手を重用する一方で、既存の4-1-2-3のシステムと意識のミスマッチを起こしていたのでしょうか。
守備のバランスを整えたのか、変更後は無失点試合を続けている現状。

徳島は併用という形で3-3-2-2(3-1-4-2)を取り入れ、相手に合わせて変更する戦いへとシフト。
結果的に1戦毎にスタートの形を変える流れとなっており、負けない戦いは継続しているものの、如何せん勝利のみが遠く。
土壇場で追い付かれる試合・逆に追い付く試合も作るなど、魅入られたように引き分けを繰り返しているのを打破したい所であり。

試合が始まり、どちらが相手のビルドアップを前線から遮断するかという流れが描かれ。
ヴェルディが前線でのボール奪取で攻撃権を支配する入りとなるも、先にフィニッシュに辿り着いたのは徳島で前半5分。
安部のロングパスの跳ね返りを拾い、左サイドで杉森が児玉とのワンツーで奥を突いてカットイン、エリア内左からシュート。
GKマテウスがセーブし右へこぼれた所、西谷和が走り込んでシュートするも右サイドネットへ外れ。

その後6分にヴェルディが縦パスを中央で加藤弘がカットし、佐藤凌我→西谷亮と経由して前進、西谷亮がシュートを放つもGKホセ・アウレリオ・スアレスのセーブに阻まれ。
プレッシングが冴え渡るウェルディ、徳島のアンカー・櫻井をチェックしつつ、片方がパスコースを切りもう片方がCBにプレスを掛けるという体制で相手のポゼッションを乱していき。
そして加藤弘が広範囲で、ときには反則気味のチャージで奪うという具合に動きの良さが目立ちました。

しかし徳島もプレッシングは負けておらず、普段通りに守備時は4-4-2の布陣を取り、2トップ(一美・児玉)+ウイングの片割れでヴェルディの最終ラインを脅かし。
次第に相手のミス絡みでしか好機を作れなくなるヴェルディ。(16分には徳島・石尾のクリアミスで佐藤凌がドリブルで持ち込むもシュートは撃てず)
その一方でこの日も左ウイングが脅威となり、杉森がワイドからカットインの姿勢を見せつつ、ハーフレーンへのパスを対とする択を迫る攻撃を見せ。
20分には杉森自身が戻りながらのカットインを経て逆サイドへ展開し、右で西谷和が同様の形を作ったのち、中央へのパスを受けた櫻井がミドルシュート。
ブロックされたこぼれ球をさらに児玉が追撃し、このシュートもヴェルディ・山越がブロックしますが、クリアボールを安部が拾いさらに継続。
安部のエリア内左へのパスを、杉森がダイレクトでシュートするも今度はGKマテウスがセーブと、矢継早に3本放ったものの打ち破れずに終わり。
最大のチャンスを逃したという格好で、0-0のまま23分に飲水タイムが挟まれます。

順延になったにも拘らず、この日は大雨とツキが無いといった感じの味の素スタジアム。(順延の理由はウィルスに拠るものですが)
被決定機で冷や汗を掻いたヴェルディは、ブレイクを挟んだ事で修正を施しポジションを入れ替え。
右SB=稲見・ボランチ=宮本という布陣になり、稲見をサイドに置く事で再三自陣を脅かしていた徳島・杉森を抑えに掛かります。
一方でビルドアップでは、最終ラインに加藤弘が降りたり、加藤蓮が絞ったりして3枚になる姿勢を交えて徳島のプレスをかわしに掛かり。

しかし徳島は32分、杉森が戻してから逆サイドへパスワークで送り、右で西谷和が同様の形を作るという具合にあまり苦にせず。
このシーンでは奥まで切り込んでのクロスがブロックされるも、エリア内にこぼれたボールを白井がシュートに繋げ。(ンドカ・ボニフェイスがブロック)
一方でビルドアップでは、徳島の速い寄せに対してダイレクトでの繋ぎでかわさんとするも、天候の悪さも影響したか乱れがちとなるパスワーク。

破綻はせずとも良い流れでは無いという状態のヴェルディ。
そんなジリ貧状態の相手に対し優位に立ちたい徳島も、無得点のまま推移し決定機を逃したツケは大きく……といった流れで迎えた終盤。
既に時間もアディショナルタイムで、相手のロングパスの跳ね返りを児玉が拾って徳島が押し込み、ラストパスをエリア内左で受けた一美が切り返しからシュート。
これはブロックされるも、引き続き左サイドで攻め続けた末にスローインから決定機を迎え、児玉のヒールパス(ヴェルディ・稲見の股を抜く)を受けた杉森がカットインでエリア内へ。
そしてマイナス方向への切り返しからシュートを放つと、GKマテウスのセーブも及ばずゴールに突き刺さり。
待ちに待ったというような先制点を奪った徳島。

そのまま前半が終了し、手当てを打ったはずの右サイドから、最後の最後にリードを許してしまったヴェルディ。
中2日という要素も考慮してか、ハーフタイムに一挙3枚替えという手段を採り。
宮本・杉本竜・佐藤凌→馬場・河村・染野へと交代し、流れを変えんとします。(梶川が右SH→左SHへシフト)

しかしそのベンチの想いとは裏腹に、後半は立て続けに徳島が敵陣でプレスを嵌めて押し込む流れで始まります。
後半3分杉森のボール奪取から児玉を経由し中央へ渡り、白井がミドルシュートを放つもGKマテウスがセーブ、こぼれ球を西谷和が詰めにいくも撃てず。
直後のCKからも杉森がヘディングシュートを放つ(枠外)など、追加点の危機が迫る立ち上がりを強いられ。

ヴェルディはボール運びで苦戦していた前半を受け、FWに投入された染野のポストプレイを積極的に絡めてペースを掴まんとします。
10分には右サイドから人数を掛けて前進、一旦は奥からのクロスがクリアされるも拾って尚も繋ぎ、今度は馬場が右ハーフレーンからのクロス。
これをファーサイドで加藤蓮がヘディングシュート、徳島・西谷和との競り合いを制して放ったものの、ゴールバーに当たりピッチ外へ外れ。
惜しい逃し方をしてしまいました。

ヴェルディベンチは早めに動き、12分に梶川→石浦へと交代。
中2日vs中3日という関係もあり、スタミナ面での不利をカバーすべくリザーブを投入していく城福監督。
一方の徳島も13分に櫻井→長谷川雄志に交代、白井がアンカーにシフトするという、櫻井不在時の布陣へ移行します。
その後の15分にまたも左サイドから好機を作る徳島、今度は杉森では無く安部が最奥からカットインし、クロスがブロックされコーナーキックへ。
この左CKをショートコーナーで始め、後退しながら長いパスワークを敢行した末に、杉森のカットインからのミドルシュートがゴールを襲い。
GKマテウスがセーブしたこぼれ球を右から西谷和がシュート、左へ逸れた所を一美がコースを変えるも惜しくもゴール左へと外れ。
変化を付けての攻撃でしたがモノに出来ず。

ここまでは一進一退という流れでしたが、早めに運動量を担保した効果かヴェルディが以降ペースを確保します。
先程惜しいシュートを放った加藤蓮の上がりを中心に、左サイドで組み立てて前進。
ボランチも積極的にそれに関わる流れが出来上がり、そのためか途中(22分のCKの後ぐらい)で馬場と稲見がポジションを入れ替え、馬場が右SBに。
稲見にその仕事をさせた方が良いという判断が下されたでしょうか。

飲水タイム(25分)後、今度は逆の右サイド中心の攻撃へと切り替わり。
新井瑞離脱により突破力が期待出来ない状態でのサイド攻撃(バスケス・バイロンも前試合からベンチ外)、どうしても人数を掛けてのパスワークしか活路を見出せない状況であり。
それでも徳島に攻撃権を渡さず押し込み続けるヴェルディ。
31分に最後の交代を敢行し、加藤弘→阪野へと交代。
FWの西谷亮がボランチに下がりましたが、以降攻撃時ドイスボランチは縦関係となり、ダイヤモンド型の中盤とも錯覚する布陣で圧を掛けます。
それを受けて徳島も33分、西谷和・安部→カカ・エウシーニョへと2枚替えしたのを機に、3-3-2-2へとフォーメーションをシフト。
右から内田・カカ・石尾という3バックとなり、エウシーニョが右WBとなった事で田向が左WBへと回ります。

スペースを与えない選択をした徳島に対し、尚も右サイドでの崩しを徹底するヴェルディ。
その効果が表れ始め、36分には西谷亮・河村の2人での崩しを経て河村が奥からマイナスのクロス。
GKスアレスが跳び付いて弾くも、こぼれ球を阪野がポストプレイで繋いだ末に染野がシュート、しかしジャストミート出来ず左へと外れてしまい。
続く37分には再び奥を取って稲見のグラウンダーでのクロス、またもGKスアレスが今度は足で弾いたボールを加藤蓮が拾い。
シュートにいくもブロックに遭い撃てず、こぼれ球を稲見が繋げるものの戻りオフサイドで終了。
GKにとって嫌らしいコースのクロスで脅かし続けるも、同点弾は生まれず。

尚も攻め続けるヴェルディですが、ゴールは奪えないままとうとうATへと突入。
その直前に徳島が残った交代枠を使いきり(杉森・一美→浜下・坪井)、激動の最終局面へ。

守り切りたい徳島に対し、後は崩しよりも気合で上回るしかないという状況のヴェルディ。
右サイドでのパス回しを経て河村が手前からクロスを上げ、その間に前線に上がっていたンドカがファーサイドでヘディングシュートを放ちましたが、左サイドネットへと外れ。
悔しがるンドカを尻目に、その後左サイドで浜下がボールキープで時間を稼ぎ一息つく徳島。
しかしこのシーンに安堵してしまったのか、ンドカの放り込みを(ブロックに当たったのもあり)目測を誤ってしまいクリアできず危機を招き、中央でバウンドしたボールを阪野の落としを経て河村が反転しながらボレーシュート。
同点か、と思われたこのシュートをGKスアレスがセーブと、徳島サイドにとっては心臓が止まりそうなシーンとなりました。

引き続きのCKでGKマテウスも前線に上がるヴェルディ、二次攻撃でエリア内でそのマテウスにシュートチャンスというまさかの光景が訪れ。
石浦の左からのグラウンダーのクロスを山越がポストプレイ、そしてマテウスが左足を振り抜きましたが(田向?の)ブロックに阻まれ、劇的なGKのゴールとはいかず。
尚もスローインで攻撃が続いたためマテウスが前線に残るも、徳島の大きなクリアでボールは無人のヴェルディゴール前に転がって万事休す。
必死に戻って回収し、再びドリブルで持ち上がるというマテウスの珍妙な姿が映し出された末に、タイムアップを告げる笛が鳴り響き。
8試合ぶりの勝利となった徳島にとって、短いようで最も長かったATという表現が相応しいでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第21節 Y.S.C.C.横浜vsアスルクラロ沼津

2022-08-25 16:01:37 | サッカー視聴記(2022年その他)

<YS横浜スタメン> 3-4-2-1
GK 石井
RCB 花房 CCB 宗近 LCB 藤原
RWB 柳 DH 土館 DH 山本 LWB 吉田
IH 神田 IH 古賀
FW 河辺
<沼津スタメン> 4-1-2-3
GK 武者
RSB 安在 CB 藤嵜 CB 附木 LSB 大迫
DH 濱
IH 鬼島 IH 菅井
RWG 北 CF ブラウンノア賢信 LWG 瓜生

課題となっていたスタジアムの改修問題は、6月までに資金面で何とか折り合いを付け、解決の見通しがたったとされる沼津。
しかしフロントは依然「資金面での戦い」の意識が続いているのか、夏の移籍期間ではエース的存在の渡邉を、よりによってライバル・藤枝へと完全移籍させてしまい。(まあ本人が昇格に向けてJ2ライセンスのあるクラブに行きたいといえばそれまでだったでしょうが)
それによりFW不足が祟ったのか、渡邉移籍後は無得点での3連敗というチーム成績を描いてしまったうえ、ブレイクと台風に拠る試合中止が重なり。
そんな長いインターバルの間に建て直しを図り、3週間ぶりの試合を迎える事となりました。

この日の相手は、開幕から最下位街道をひた走ってしまっているYS横浜。
やはり監督(シュタルフ悠紀リヒャルト氏・現長野監督)を失い、それに伴い主力選手が数多離れた影響は甚大だったという他無く。
J1で神戸が初勝利まで時間が掛かった(12試合)今季のJリーグですが、その裏でJ3でもYS横浜が未勝利を続けていた(9試合、しかしJ3は開幕が遅いため初勝利は神戸より後)という事態になりました。
前節(北九州戦・1-0)の勝利がようやく3勝目であり、連勝が掛かったホームでの試合。
しかし昇格とは無縁のクラブ同士の戦いとあってか、ニッパツ三ツ沢球技場に集まった観衆は3ケタ(792人)に留まり。

1トップに起用されたのが背の低い河辺という事で、彼の裏抜け狙いのロングパスを多用する立ち上がりのYS横浜。
沼津はプレッシングの整理に時間を要したのか、そのボールの出し所を捕まえられずに押し込まれ。

YS横浜優勢で進んでいきましたが、それを覆すような先制点が生まれたのが10分でした。
菅井の自陣でのディフェンスから、こぼれ球を拾った北がドリブルで持ち上がり、そのまま目の覚めるようなシュートを右ハーフレーン・エリア手前から放ち。
豪快にゴールネットを揺らし、4試合ぶりの得点を挙げた沼津。

これを期に一気に勝利への機運を高めたい所でしたが、依然としてYS横浜の攻撃権は奪えず。
強気なプレスを掛けられず、またマイボールになっても、YS横浜の前がかりな姿勢の前にポゼッションを高められません。
守備時に神田・河辺の2トップへと変形してプレッシングを掛け、沼津の最終ラインに脅威を与えていくYS横浜。
その姿勢が見事に奏功したのが14分で、GK武者から繋がんとした沼津のビルドアップに対し、武者のパスコースを消したうえで右サイド(沼津から見て左サイド)に追い込み古賀がボール奪取に成功。
古賀はすかさず中央へ縦パスを送り、受けた河辺が細かいタッチのドリブルから左足でシュート。
ゴール右に突き刺さり、あっという間の同点劇を演じました。

攻守に苦戦する沼津でしたが、16分にYS横浜のプレスをビルドアップで剥がしての好機。
自陣左サイドで大迫がボールキープから縦パスを通して脱出、ブラウンノア経由で逆の右サイドへ展開し、安在からのクロス。
大外で菅井がボレーシュートを放ったものの、GK石井がセーブ。
すると好循環を得るのも速く、18分には敵陣で北がボール奪取するとともにYS横浜・山本に倒され、良い位置での直接フリーキックに。
中央・エリアからやや手前という位置でしたが、北が放った直接シュートは、あろう事か壁の前の味方に当たってしまい上へ逸れ。
自滅に近い逃し方をしてしまった沼津。
以降、23分にブラウンノアがエリア手前からシュートを放つ(GK石井セーブ)など押し込みましたが、GKの好守も絡んでゴールは奪えず。

25分に飲水タイムが挟まれ、沼津のサッカーも良い流れとなってきた故に、どちらが2点目を得るかという展開に。
先に矢を放ったのは沼津で、ブラウンノアが1点目の北のシーンのようにドリブルシュートを放つも、枠を捉えられず。(28分)
するとYS横浜が逆襲し、右サイドでスルーパスに走り込んだ河辺が奥でキープしたのちマイナスのクロス、エリア手前で山本が合わせ。
これはミート出来ずも、沼津のクリアミスを藤原が繋ぎ、エリア内で受けた神田が切り返しからシュート。
豪快にゴールネットを揺らし、欲しい得点に辿り着いたのはYS横浜となりました。

ビハインドとなり、前からいきたい状況となった沼津。
何とかマーカーを合わせてYS横浜のビルドアップに制限を掛けんとしますが、その動きは緩く。
一方YS横浜のプレスは迷いが無いという印象で、そのスピード差がそのままスコアに表れたような前半の展開でした。

終盤を迎え、お互いにプレスをかわすように、再びロングボールの割合が増えていき。
しかしここでも、フィードの出し所を得るための下地でYS横浜が上回り、それをスコアに繋げます。
42分最終ラインでショートパスを繋ぎ、左サイドでの前進を伺わせたのち、土館が裏へロングパスを送り。
すると中央で抜け出して受けたのは柳で、そのままGKと一対一の状況を作ってシュート。
GK武者が足でセーブするも、跳ね返りを再度シュートした柳、今度はしっかり決めて3点目をゲット。
裏抜けのお手本というような攻撃で、完全にディフェンスの意識を振られてしまった沼津。
2点差を付けられ、そのまま前半を終える事となりました。

連敗中の課題であった得点は挙げたものの、それ以上に失点してしまっては本末転倒の感があり。
反撃体制を整えたい沼津、ハーフタイムでの交代は無かったものの、ネジを巻き直して後半立ち上がりから攻め上がり。
大迫のロングスローも交え、コーナーキックも2本得るなど押し込みましたが、得点には繋がらず。
2点差という事でYS横浜のプレスも大人しめとなり、ボールポゼッションによる攻撃が肝となる状況でしたが、そこでミスが目立ってしまい流れを得れない沼津。

14分に安在がエリア内右へミドルパス、後方から上がった濱に渡ってそのまま右サイド奥でパスワーク。
そしてスルーパスに走り込んだ北からグラウンダーでクロスが入り、ニアサイドで瓜生が跳び込んだものの僅かに合わず。
乾坤一擲といった好機もモノに出来なかった沼津、その後15分に最初の交代カードを使います。
鬼島・大迫に代え、遠山とハディ・ファイヤッドを投入。
ファイヤッドがセンターフォワードに入った事で、ブラウンノア=左ウイング・瓜生=左インサイドハーフ・菅井=アンカー・濱=左サイドバックと、玉突き的にシフトしました。
その直後の16分に、YS横浜も神田→林へと交代。(河辺がシャドーへシフト)

マレーシア出身の助っ人というファイヤッド(J2岡山からレンタルという立場)、これが通算2試合目の出場。
その他ベトナム・サイゴンFCとの業務提携関係から、ベトナム選手3人が在籍している沼津。
彼ら以外の外国籍選手は不在であり、何とか藁をもつかんで力に変えたいといった所でしょうか。
21分そのファイヤッドの下に好機が訪れ、濱の縦パスを受けてそのままエリア手前からシュートを放ちますが、GK石井がキャッチ。

スコアが動かぬまま、25分に後半の飲水タイムを迎え。
YS横浜は明ける際に土館→田場ディエゴへと交代し、古賀がボランチに回ります。

何とか得点したい沼津、エリア内へのミドルパスで裏抜けを狙う攻撃を中心とするも、フィニッシュには辿り着けず。
一方受けに回るYS横浜は、32分に柳が足を攣らせてしまい交代の準備に入り。
柳がピッチ外に出た事で、一時的に10人での戦いを強いられましたが、そこであろう事かスコアを動かします。
ドロップボールで再開、GK石井のロングフィードが柳不在の右サイドに送られると、田場→林と繋がって前進。
林がエリア内右を突いてカットインを仕掛け、ディフェンスに遭いこぼれるも、沼津・安在が繋ごうとしたボールに山本が走り込んでシュート。
豪快にゴールネットが揺れ、止めとなる4点目を数的不利の中挙げたYS横浜。
その直後に柳に代わって西山峻太が投入されました。

反撃の狼煙を上げられぬまま、とうとう得点差を広げられてしまった沼津。
何とか意地で反撃を仕掛けんとしますが、36分には遠山のシュートがエリア内のファイヤッドに当たって跳ね返り逃してしまい。
第4クォーターでは目立った働きは見せられなかったファイヤッド、3トップのCFとしては厳しそうといった印象でした。
38分にブラウンノア→森へと交代した沼津でしたが、結局2度・3人のみの交代に留まるなど、ベンチもこれ以上の良案を出せず。

そんななか41分にアクシデントが発生し、左サイドで裏へのロングパスに走り込んだYS横浜・林が、跳び出してクリアしたGK武者と交錯。
激しく倒れ込んでしまい、武者が無事に起き上がる一方で、林は中々起き上がる事が出来ず。
1分以上してやっと立ち上がったものの、ピッチ外へと退き治療を受ける事態となります。
これで再度数的不利となったYS横浜、FWを確保するために花房が最前線に回る事に。(古賀が右センターバックに降りる5-3-1)

試合が再開され、44分の沼津は菅井の放ったミドルシュートが、あろう事かまたもエリア内のファイヤッドに当たって跳ね返り。
ジョーカーどころか、味方への防壁と揶揄されかねないシーンを描いてしまったファイヤッド。

しかし数的優位もあり攻め立てる沼津、45分にようやく左サイドでの前進でファイヤッドのポストプレイも絡め、エリア内左を突いて濱がクロス。
ブロックに当たるも中央方向へとこぼれ、ニアサイドに森が走り込んでシュートしゴールゲット。
ようやく2点目を挙げた沼津。

2点差でアディショナルタイムに突入。
その最中にYS横浜はようやく林が復帰したものの、足を引きずりながらの登場であり既に最前線の働きは望めず。
引き続き花房がFWを務め、必死に最終ラインにチェイスしたり、後方からのロングパスに走り込んだりと奮闘します。
全力疾走できずに痛々しい姿を見せる林を余所に、右サイドで田場がボールキープで貢献したりと、着実に時計を進めるYS横浜。
結局6分あったATでは何も起こす事が出来なかった沼津。
4-2でYS横浜が勝利に辿り着き、今季初の連勝を飾りました。

一方、ブレイクを挟んで4連敗という結果となってしまった沼津。
最下位クラブに大量失点で敗れたという事実も圧し掛かったためか、火曜日付けで今井監督を解任する選択を採ったクラブ。
グラウンド外での問題は解決したものの、今度はグラウンドレベルで……とぼやきたくなりますが、果たして沼津の未来はどうなるか。

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