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DAZN観戦 2023年J1リーグ第34節 アルビレックス新潟vsセレッソ大阪

2023-12-07 16:00:35 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

とうとうJ1も最終節。
しかし前節で(神戸の)優勝が決定し、1クラブのみの降格クラブもほぼ決まり。
激闘の昇格プレーオフで締められたJ2、最終節まで昇格がもつれたJ3とは緊張感は比べ物にならず。
ACL圏や順位による分配金の差異はあれど、ラスト1試合を綺麗に終わるか否かに焦点が当てられました。

個人的に、J1で今季最注目していたクラブが新潟。
J2で培ったポゼッションスタイルが、上のカテゴリでも通用するか否かというテーマを下に1年間戦い通し。
しかしそのスタイルを常時貫き通したかは、J1の座を守らなければならないという意思の下ズレる事もあり。
守勢一辺倒ながら何とか勝利したり(21節・札幌戦、1-0)、縦に速い運びを意識し過ぎて失点を重ねたり(23節・湘南戦、2-2)と、盤石では無いながらもこうして残留を決めて最終節を迎える事が出来ました。
それでも綺麗に締めくくるべく、最後の試合はスタイル通りの戦いを見せたうえで勝利したい所。

この日の相手はセレッソと、開幕節⇔最終節というカードの一環に。
その開幕節は点の取り合いという展開で引き分け(2-2)でしたが、この日はともに得点力を欠く中での対決と化し。
新潟は2試合連続スコアレスドロー、セレッソに至っては7試合で得点1という低調ぶりで、お互いぶつかる事となりました。

新潟は言うに及ばず、セレッソもボールを繋ごうと思えばその精度は高いチーム。
立ち上がりはセレッソがボールを握りパスワークで前進、という展開に。
前半2分にGKキムジンヒョンのフィードを起点として右から攻撃、香川を経由して逆サイドへ展開の末にエリア内を突き。
阪田のポストプレイを経て奥埜がミドルシュート(ブロック)と先制攻撃を果たしましたが、その道中にカピシャーバが藤原のチャージを受けて倒れ込む事態も発生。
よって試合が止まり、カピシャーバは1分ほどかけて何とか起き上がりピッチ外に。
するとボールポゼッションに入った新潟は、復帰を待つカピシャーバのすぐ側でパスを繋ぐ事により、主審は中々「入れ」の合図を出せずにカピシャーバが苛立つという珍妙な絵図が生まれます。
そして新潟がアタッキングサードを突こうとする所で復帰を果たすも、当然新潟の好機となり。(松田が右ワイドからカットインも奥埜に防がれる)

それでもセレッソ優勢は変わらず、6分の新潟はGKからのビルドアップを図るも、渡邊泰の苦し紛れの縦パス(周囲のパスコースの殆どを切られていた)を香川が前に出てカット。
そして拾ったセアラがエリア内を突いてシュート(GK小島セーブ)と、ショートカウンターで決定機。
その後もGKキムジンヒョンからの組み立てで前進、要所で香川が送る急所へのパスで好機を作るという流れで、ゲームを支配しに掛かった立ち上がり。

しかしその流れも、新潟がボールを持った香川に対し強めにプレッシャーにいく事で終焉。
13分に谷口がプレスバックして香川から奪い反転攻撃、松田が右ハーフレーンをドリブルで疾走してスルーパス、走り込んだ藤原がポケット奥からマイナスのクロス(合わず)という好機を機に新潟ペースに移り変わり。
直後の14分には敵陣で攻撃が途切れるも、ゲーゲンプレスを掛けて蹴り出させたボールを星が回収、そのまま放ったミドルシュートが右ポスト直撃と決定機も作り出します。

その後のセレッソは立ち上がりの好循環は何処へやら、ビルドアップに難儀しリズムを生み出せず。
新潟のプレッシングをいなす方策が、ダイレクトパスの連続に頼り気味なので、その分パスミスも生まれ易く中々敵陣まで運べず。
21分にはあろう事かGKキムジンヒョンの縦パスがズレてしまい、高が直接縦パスを送り返すというショートカウンターに。(受けた谷口は撃てずに命拾い)

一方新潟のビルドアップも、セレッソのプレッシングを受けて危ないシーンはそこそこあるものの、「相手の際を通すパス」で剥がしにいっていた感があり。
安全に回すのでは無く、「取れそうで取れない」位置にパスを送ってプレッシャーを誘発する事で、剥がした時のリターンを大きくする狙いが見て取れました。

そんな流れで、時間が経つとともに新潟の洗練ぶりが明白となる展開に。
セレッソが好機を生むには冒険が必要、という流れとなります。
28分、右サイドで柴山が反則気味のアタックで奪ってからの攻撃、毎熊の縦パスをセアラがダイレクトで前方へポストプレイというプレーで新潟の裏を突き。
そして阪田のグラウンダーのクロスを、ニアサイドに走り込んだセアラが合わせたものの、ジャストミート出来ず力無くゴール左へと外れ。
結局これが前半最後のフィニッシュとなり、その後はオフサイドディレイもあり好機は膨らまなかったセレッソ。

それを尻目に攻撃権を支配する新潟は、普段通りに数多パスを繋ぎながら、戻して作り直しという流れを交え隙を窺う体勢に。
それでも自身のビルドアップからよりは、(セレッソ側のミスも絡んでの)縦に速い攻めが好機に繋がり。
39分にパスミスを拾った三戸が左ハーフレーンをドリブルし、エリア手前でカットインからミドルシュート(ゴール右へ外れる)と彼らしいフィニッシュ。
41分にも自陣でパスカットした星から素早く前進、裏へのミドルパスがディフェンスに当たるも谷口に渡り、左ポケットへ短いスルーパス。
これを受けてシュートしたのはまたも三戸でしたが、GKキムジンヒョンの足でのセーブに阻まれ先制ならず。

三戸の立て続けのフィニッシュを経て、その後も43分に高のミドルシュート(枠外)、44分に再度三戸がミドルシュート(枠外)と攻め続ける新潟。
しかしゴールは奪えず、この辺りは未だにチームのトップスコアラーが夏に移籍した伊藤(7得点)という苦しさも露わにするものであり。
結局スコアレスのまま折り返す事となりました。

ハーフタイムという長いブレイクを挟んだものの、後半も新潟の勢いは止まらず。
後半1分デンから組み立てる攻撃、パスワークを経て再度デンに渡ると、彼の本来の得意手であるフィードが右→左へのサイドチェンジという形で披露され。
これを三戸がダイレクトでスルーパス、受けた新井が奥を取るもクロスは上げられず。
その後も松田の突破力を前面に押し出すなど、各個の特技を生かす方針へとシフトしたでしょうか。

その松田に決定機が訪れたのが2分で左CKから、高木の2度目のクロスがファーに流れた所をフリーで拾った松田、そのまま鋭角の位置からシュート。
しかしこれもGKキムジンヒョンのセーブに阻まれ決められず。

どちらもグラウンダーのパスで勝負するチームですが、後半になるとセレッソはより短いパスで、狭い局面での勝負に傾倒した感があり。
その結果新潟のプレッシャーにより狭まる選択肢、ダイレクトパスもより増える事となり繋げられず。
次々にパスを遮断されていった結果、セレッソの後半最初の好機は13分と大幅に遅れる事となってしまいました。
一方の新潟も細かい繋ぎが目立つも、要所で松田のドリブルが交わる事で密集を打開できて好循環に繋げられ。

かくして新潟が攻撃権独占の状態となりますが、2分の松田のシュート以降はフィニッシュを放てずというポゼッションスタイルの悲しき性に。
決定的なシーンが生まれる前に流れを変えたいセレッソは、17分にベンチが動き清武を投入します。(柴山と交代・同時に阪田→為田へと交代)
これによりカピシャーバが右ウイングに回り、中盤は奥埜アンカーでその前に清武・香川の2人が並び。

しかしその直後、再びセレッソはビルドアップの段階でダイレクトパスの連続を強いられた結果、三戸に奪われて新潟がショートカウンター。
高木がペナルティアークからシュートするも鳥海がブロックと、その危機の招き方は決壊寸前の様相にも映り。

それでも清武というもう一人のパサーが生まれた事で、新潟ディフェンスは香川を潰すのみでは対処できない状態に。
清武の急所を突くパスを軸に、再び好機を量産する流れを得ます。
乱れていた後方も、27分に自陣からのビルドアップで、新潟の前線も同数(6対6)でプレッシング。
これを受けたセレッソサイドは進藤が左サイドに開いて持ち上がり、為田とのパス交換も交えて強引に剥がすのに成功(その後為田が奪われる)した事で、閉塞感は幾ばくか振り払えたでしょうか。

新潟ベンチが動いたのは23分で、松田・谷口→太田・長倉へと2枚替え。
その後もセレッソのパスワークに翻弄されかかりますが、30分に香川の対角線のロングパスを、藤原が良い出足でカットした事で優位に立ち。
直後の31分にはGK小島からの繋ぎで縦パス中心に運び、高木から右への展開を受けた太田がカットインからミドルシュート。(枠外)
チーム2位の5得点という実質トップスコアラーの太田が加わった事で、再びゴールを目指す姿勢を取り戻しに掛かり。

32分に双方選手交代。
新潟が高木→小見に交代したのに対し、セレッソは舩木・セアラ→山中・上門へと2枚替え。
セレッソのフレッシュ効果か、33分には自陣で追いつめられた新潟のビルドアップ、渡邊のGKへのバックパスがズレてしまいCKに。
この左CKから、キッカー清武の中央へのクロスに進藤が合わせヘディングシュート、しかしゴール上へと外れ。

大胆なセレッソの采配の前に沈む流れが漂い始めた新潟ですが、それを堰き止めたのはディフェンス。
35分にセレッソのビルドアップで、為田がパスを入れ替わりで受けようとした所を太田が寄せて追い詰め、右サイドで星が奪い。(その後パスを繋ぐも攻めきれず)
38分には再び対角線のロングパスを藤原がカットと、3試合連続無失点という歩みを記録してきたチームの本領が発揮されます。
一方のセレッソは40分の新潟のビルドアップに対し、高のドリブルを防いだもののこぼれ球を進藤が繋ぎをミス。
そして長倉→太田と右サイドを運ばれてクロス、クリアボールを三戸がミドルシュート(GKキムジンヒョンキャッチ)と、再び後方の乱れが露わになり始め。

良い攻撃は良い守備からという格言の下、ゴールを挙げたのは新潟で42分。
最終ラインでサイドを振りながら繋ぐ新潟、左ワイドで受けた渡邊はここでボールキープを選択し、切り返しの連続で上門のプレッシャーをいなし。
そして倒れながらも送ったミドルパスを三戸が足下でフリック、小見がダイレクトで繋いで見事に脱出成功すると、数的優位のなか長倉がドリブルで持ち込む絶好機が生まれます。
そしてエリア手前でパスを選択した長倉、受けた太田が右ポケットへ切り込んでシュート。
山中にブロックされるも、こぼれ球に素早く反応して横パスを送ると、長倉がダイレクトで合わせてゴールへとパス。
自陣エリア内からの攻めを綺麗にまとめ上げ、辿り着いた先制点にスタンドも沸き上がります。

これですっかり流れを手にした新潟。
セレッソの反撃機運が高まらずにいる所を、何でもありという具合に攻め上がり。
43分に再びパスワークから長倉がボックス付近まで迫り、今度はヒールパスで小見に託し。
そして小見が右ポケットから浮き球を中央へ送るも、走り込んだ高には惜しくも合わず。
44分には左ワイドから新井がドリブルで中央へと向かいそのままミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、肩の荷が下りたようにゴールに迫ります。

迎えたATも、セレッソのCKからの流れを切ってカウンターに持ち込んだりとその流れは続き。
最後はGK小島のロングフィードを収めた長倉が中央へと流れミドルシュート(ブロック)と、それまでの攻めを逆手に取るようなロングボール一本からのフィニッシュで締められました。

結局1-0のまま試合終了、無事に最終戦を勝利で飾った新潟。
順位はボトムハーフでトップの10位と、やや物足りないながらもJ1の並み居る強豪のなかで、堂々たる位置と言っても良いでしょう。
それでも難しいのは昇格2年目に位置する翌シーズンで、既に移籍話もあり。
前のJ1時代(2004~2017年)に散々苦難した、主力選手の引き抜きは今後も不可避となるでしょうが、そこで身に付けたサッカースタイルの真価が発揮される時であり。
それがクラブ全体の意思統一でのものか、あるいはアルベル・プッチ・オルトネダ氏による一過性のものだったかは、選手入れ替えを経ても維持出来るかどうかがその審判となる。
そんな事を思い浮かべながら、次なる新潟のシーズンも今から楽しみになって来ました。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第33節 横浜FCvs湘南ベルマーレ

2023-11-30 16:01:07 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

J1リーグも残り2試合で、1枠のみの残留争いは縺れを見せ。
その1つの降格クラブになるのは誰だって嫌なもので、終盤に来てせっせと勝ち点を稼いでいる横浜FCと湘南。
しかし運命は非情なもので、このタイミングで双方激突する事となりました。

両クラブに共通するのはエースが夏の移籍期間に、海外へと旅立った事。
横浜FCは、未だにその小川航基がトップスコアラー(6得点)という具合に、得点力不足は深刻を極め。
この最終盤でようやく上向きを見せており、過去8戦で12得点(全体で30得点)を挙げるなど、ロングカウンター戦術も板に付いてきたのが幸いでしょうか。
一方の湘南も、9得点を挙げた町野が居なくなり厳しい状況に。
しかしこちらは、開幕節でハットトリックを達成した大橋が救いの神となり、町野移籍後に9得点を挙げて瞬く間に追い抜き。
「誰かが移籍しても代役が台頭する」好循環はチーム成績にも表れ、6戦4勝(1分1敗)という昇り調子で、この直接対決を迎えました。

試合開始直後から、負けたら終わり感を激しく醸し出すデュエルの連続。
横浜FCは負ければ降格決定の可能性が大、湘南は負ければ最下位転落の可能性が大と、切羽詰まった状況では必然ともいえました。
その気持ちの高まりぶりは明らかですが、それを萎えさせる事を言えば、双方の勝ち点差は2。
無理に勝ちを狙いにいって全てを失うよりは、それを保ってラスト1試合に賭けるという選択肢も持った方が良い、なんて事を考えてしまうのがひねくれた自分であり。(特に下位である横浜FCは)

こうした状態で思い出させるのが2019年のJ2残留争いで、終盤に迎えた鹿児島vs岐阜の直接対決。(当時の記事
最下位・岐阜は20位・鹿児島との勝ち点差が3で、是が非でも勝利したいカードとなったものの、その対決を終えても残り4試合が残されており。
その内容は非常に際どい一戦となり、互いに何度か決定機逸を喫しながら、スコアレスのまま最終盤に。
しかし試合終了直前、最後の攻撃に出ようとした岐阜が自陣でボールを奪われると、そのまま返す刀でゴールを決められてしまい。
それと同時に試合終了のホイッスルと、何とも非情な幕切れとなった一戦。
結局岐阜は糸が切れたかのようにこれ以降全敗(しかも4戦で17失点)しJ3降格が確定してしまうのですが、それを観ていたが故にあまり直接対決に比重を置くのも考えものと思ったり。
しかし既にこうして対決の幕が開かれた以上、とやかく言っても始まらず。

試合の方は、そんな肉弾戦ともいえる様相をさらに彩るのが判定面。
特にスローインを巡って(主に湘南サイドが)ヒートアップする場面が多く、前半14分には異議で湘南・八津川義廣コーチが警告を受ける事態もあり。
当然ながらボールも落ち着かず、蹴り合い・跳ね返しの連続で右往左往となった立ち上がり。

それを落ち着けに掛かったのが湘南で、最終ラインからショートパスを繋ぐ姿勢を強めて果たさんとします。
対する横浜FCは、最初こそ前線で規制を掛ける姿勢が見られたものの、マルセロのアンカー田中へのチェックが非常にお粗末に映り。
彼の側で構えるも、ほぼ彼へのパスコースが切れていないという状態で、これではショートカウンターに多くは望めない。
そんな訳で、直ぐに得意手であるリトリート・ロングカウンター一辺倒へと意識を改めました。

18分、キムミンテの縦パスをマルセロがカットし、そのままドリブルに持ち込み待望のカウンターチャンス。
右へのスルーパスを経てカプリーニがクロスに持ち込んだ事で右コーナーキックを得ると、(キッカー・カプリーニの)クロスの跳ね返りを林幸がダイレクトでミドルシュート。
エリア内でブロックされるも、しっかり守ったのちに可能性ある攻撃を仕掛けるという、カウンターサッカーの神髄を発揮します。
なお攻撃が途切れたのちに、GKソンボムグンのフィードをマルセロが妨害、それに対しヒートアップを見せる湘南サイド。
前述の湘南の苛立ち具合を見て、それをさらに増幅させる立ち回りに徹して隙を作らんとしていた節がある前半の横浜FC。

一方中々相手の守備を崩せない湘南。
27分にはゴールキックでのロングフィード、左ワイドの杉岡を前にやってそこに放り込み、彼の落としから繋ぐ攻撃。(シュートには繋がらず)
続く28分には右サイドで作らんとする所に、センターバックの大岩が果敢に最前線までオーバーラップする等、変化を加えるものの際立った効果は生まれず。

停滞感が露わになると、続く30分台には横浜FCの一方的な流れに。
ケチの付きはじめは33分、横浜FCの右サイドアタックの最中に、ボールから離れた位置でカプリーニと田中が交錯した事が湘南の反則となり。
これで中盤右サイドからのフリーキック、キッカー山根の放り込みから押し込む横浜FC、せめぎ合いを経て岩武の浮き球パスが左ポケットのカプリーニに渡り。
そして入れられるクロス、中央で跳んだユーリを越えたその奥でマルセロが合わせにいきますが、惜しくも撃てずにこぼれ。
しかしさらに左CKから攻め、カプリーニのグラウンダーのクロスをニアサイドで合わせにいく小川。
しかしミート出来ず、フリックのように流れてしまい奥でも合わずと際どい局面を創出し続けます。

38分に横浜FCの攻撃の最中、井上を倒した田中が(アドバンテージを経て)警告を貰い。
40分には横浜FCのCKで、ポジションの取り合いの最中に池田を押し倒した吉野が警告と、カードトラブルも多くなり。

善戦する横浜FCですが、それでも欲しいのはシュート、そしてゴールなのは言うに及ばず。
前述のCKが防がれたのちの右スローインで、奥で受けたカプリーニがカットインからマイナスのクロス、ニアサイドのユーリに収まる絶好機に。
しかしシュートは素早く寄せた大野がブロックしてこぼれ。
45分には再び絶好のカウンターで、ドリブルするマルセロが今度は溜めを作ってからのスルーパスを選択し、受けたカプリーニが右ポケットへ。
そして山なりのクロスがファーサイドを突き、フリーの小川の足下に。
またも決定機が訪れた小川ですが、そのボレーシュートはまたもジャストミート出来ずと不発に終わってしまいます。

押され気味の湘南ですが、こうしたカウンターをなるべく避けるために、無理矢理な縦パスは(18分以降)見せずに立ち回っている風にも見え。
それはアディショナルタイムという最後の段階で、一転して平岡縦パス→大橋受けてスルーパス→杉岡クロスという早い攻撃を仕掛けた事で確信に変わりました。
これで左CKを得るも、ニアにクロス→大岩フリックが実らずとなった所で前半が終了します。

優勢の内容だった前半の横浜FC。
ハーフタイムを挟んでもその勢いは盛んという感じで、早速の後半2分にクリアボールを小川フリック→マルセロ前進からスルーパス→カプリーニと、前線3人が繋いで決定機。
右ポケットから放たれたカプリーニのシュートはGKソンボムグンがセーブと、このまま行けば勝利も夢では無いという絵図に。

しかし直後に落とし穴が待っており、その名はセットプレー。
直後にキムミンテのエリア内へのロングパスというアバウトな攻撃を仕掛ける湘南、クリアされるも左CKを得てここから工夫を仕掛け。(変化自体は前半のCKから仕掛けてはいた)
キッカー阿部はエリア手前へライナーでのクロスを送り、フリーの池田がボレーシュートというサインプレー。
これをエリア内でブロックし何とか防ぐ横浜FCでしたが、続く揺さぶりには耐えられませんでした。
連続の左CKとなると今度はショートコーナーから、クロスは上げずにパスワークを経て、池田が中央からミドルシュート。
GK永井が何とかセーブも、跳ね返りを反応良く大岩が詰めてゴールネットを揺らします。
敗北の危機を綺麗に打ち消す値千金のゴールで、その後長らくオフサイドのVARチェックが挟まれたものの結局認められ、リードを奪った湘南。

勝利の予感を膨らませていただけに、ショックも倍増といった横浜FC。
その後のキックオフからの攻めも、プレッシャーを受けて最後方からのフィードがブロックされ奪われかかるという具合に、心ここにあらずのような絵図に。

ビハインドとなった以上、自発的にボールを保持して攻めなければいけない状態。
前半はそれ自体が少ないながらも、四方田修平監督の理想よろしく「ミシャ式」の立ち位置を取って繋がんとしたシーンが見られ。
しかしそれに対し湘南が、アンカーの立ち位置となるユーリを囲むような守備陣形を取ったため運べずとなり、それが尾を引いていたかのような後半。
つまりはビルドアップの硬直化であり。

これまでのような勢いある攻撃は何処へやら、一向に好機を掴めない横浜FC。(15分に林幸・小川→近藤・伊藤へと2枚替え、山根が左ウイングバックに回る)
交代を挟んで良くなるどころか、直後の16分にはあろう事か、最終ラインでのパスがカットされてしまう事態に。
中央アタッキングサードという位置で奪った大橋、そのままミドルシュートを放ち、ゴール上へ外れたものの一転して主導権は湘南となった事を示すようなシーンとなり。
その後もGK永井のフィードが伸びずにカットされてから攻撃を受けたり(18分)と、失点で一気に崩落したかのような流れを描き。
21分には再びGK永井のフィードを跳ね返してからの攻め、阿部のスルーパスを左サイド奥で受けた平岡からクロス。
これを大橋が合わせヘディングシュート、完璧な流れと思われましたがゴール右へ際どく外れて追加点はならず。

前半から一転した内容の湘南でしたが、24分に自陣での左スローインの際、投げるのを躊躇っていた杉岡が(投げにいった瞬間に)遅延行為を取られて警告を受け。
以降はセットプレーに時間を掛けるなど、前半の横浜FCのような相手を苛立たせる立ち回りへと意識を振った事でその勢いは消沈します。

それを受けて攻勢に転じる横浜FCでしたが、こちらも勢いは既に無く。
守備意識を高めた湘南ディフェンスにより、サイドからの縦突破も期待出来ない状況(山根は今季元からあまり勝負しにいかないのですが)で、何とかデュエル勝負で上回っていくしかないという雰囲気に。
32分に岩武が敵陣でボール奪取、運んで行かんとした所を大橋に倒され反則。
この右サイドでのFKから、クロスの跳ね返りをカプリーニがミドルシュート、ブロックされてさらに左CKとセットプレーで押し込み。
ここからもクリアボールを拾ったのち長らく攻め続け、エリア内に残るンドカが落としたり、フリックしたりと奮闘。
そのンドカのフリックから吉野がヘディングシュートと矢を放つも、枠を捉えられず。

35分に湘南ベンチも動き、平岡・池田→茨田・奥埜へと2枚替え。
37分に横浜FCが2度目の交代、井上・山根→三田・坂本へと2枚替え。

駒が入れ替わりながらも、攻勢を続けて何とか追い付かんとする横浜FCという展開は変わらず。
しかし近藤のロングスローを多用する等、最早組織立った攻撃でどうにかする段階は過ぎ去り、何が何でも1点を入れなければ後が無いという状態。
他方、同じく勝ち点2差の柏は鳥栖と一進一退の点の取り合いで、この段階では2-2。
負けてしまえば極限まで厳しくなるのは明らかであり。

それ故に無理矢理にでも攻める横浜FCですが、40分の右CKでは、クロスに合わせにいったユーリが大橋に激しく当たってしまい反則・警告。
ターゲットはマルセロの他、ユーリ・ンドカと数多備わった状況で、ハイボールの競り合いで優位に立たんとするもパワープレイ気味なのは否めません。
そして42分にお互い交代。
湘南が安部→鈴木章斗、横浜FCが吉野→橋本健人へと交代して最終局面へ。
一度はンドカが前線に残ったままの体勢となった横浜FCですが、改められ3バックを保ち。

そして突入したAT。
逃げ切りを図る側の湘南も、大橋や大野が立て続けに足を攣らせるなど必死な凌ぎを見せ。
ロングボールを跳ね返し続け、時間を経過させていきます。
目安の時間(6分)が押し迫った段階で最後のカードを使い、大橋→福田。

横浜FCは、岩武ロングパス→マルセロフリック→伊藤受けてシュートと好機を作るも、これも堅い守備に跳ね返されて実らず。
刻一刻と時間は進み、そしてとうとう試合終了の時が。
無情なホイッスルが鳴り響き、残留決定を果たした湘南サイドを尻目に、崩れ落ちる選手達。

柏が引き分けで勝ち点1を得たため3差となり、仮に最終節で追い付いたとしても立ちはだかる得失点差12の壁。
つまりは今節で九分九厘降格が決定してしまう事となった横浜FC。
この試合の何が駄目だったか、シーズン中何処でどう間違えたかという議論は持ち上がるものの、既に開幕前から選手の大幅入れ替えが……という話にまで遡らなければならないのが何ともであり。(開幕前に書いた記事
前回の降格時(2021年)も同様の編成だったので、同じ事を繰り返すのはフロントレベルで腰が据わっていないという一言に集約され。
果たしてこの永久機関ともいえる状態から、抜け出せる日が来るかどうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第31節 FC東京vsサンフレッチェ広島

2023-11-01 16:01:17 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

監督交代後も、一進一退の成績で波に乗れずという状態を続けているFC東京。
その心境は、欧州スタイルを身に付けようとして果たせないでいるもどかしさか。
あるいは下位カテゴリのJ2で、同じ東京都のクラブである町田(神奈川県だろと言ってはいけない)が昇格を決めた事によるライバル出現故の焦りか。

新たに就任したピーター・クラモフスキー監督も、ボール保持というよりは、ハイプレスに舵を切ってリーグ戦を乗り切る戦いが続いており。
それは現在首位の神戸をはじめハイプレス全盛のJリーグにおいて、ポゼッションスタイルを落とし込むのは少なくともJ1に置いては困難に近く、ある意味当然といった状況でしょうか。
それでもそのノウハウを身に付け、プレッシングを上回るクラブが出て来ないかという期待は淡いものですが、何割かは持っておきたい。
そんな事を考えながら視聴しましたがさて。

この日も、ハイプレスが持ち味の広島相手に苦戦するFC東京。
何とかスローインからディエゴのポストプレイ・アダイウトンのスピードを利用してコーナーキック攻勢に辿り着いた入り。
しかし2本目の右CKから広島のカウンターを誘発してしまい、一旦奪取するもすかさずゲーゲンプレスで奪い返される(シュートには辿り着けず)など、難儀なものとなり。

気を取り直し、直後の前半4分にはゴールキックから短く繋いでポゼッションを試み。
広島のプレッシャーの前にGK野澤はロングフィードを選択せざるを得なくなるも、その跳ね返りを空中で繋いでいき、アダイウトンの落としで裏に抜けた仲川から好機。
彼のダイレクトパスを受けた渡邊がシュートしましたが、(仲川の)オフサイドディレイの笛が吹かれて無効となります。

しかし9分、広島の攻撃を凌いで反撃に掛かるFC東京でしたが、その間に森重が接触で倒れ込んでしまい。
すると広島が自陣で奪い返し、プレーを止めずに反撃に入られた事でピンチとなり、東俊の縦パスを入れ替わって受けた加藤がエリア内からシュート。
GK野澤がセーブし、こぼれ球をヴィエイラに詰められるも野澤が何とか抑え。
主審の判断の曖昧さもあっての危機でしたが、何とか凌ぎ。
12分にも広島のパスワークのなか、満田のスルーパスに対し、オフサイドポジションにいたヴィエイラがスルーして後方から川村が走り込むという好機に。
彼の横パスこそ遮断するも、こぼれ球をヴィエイラに繋がれ、再び加藤がエリア内からシュート(ブロックされCKに)とフィニッシュに繋がれます。
オフサイドをアテにしていたが故の危機で、判定が絡む場面で悉く不利に働いた事で更に後手に回ってしまったでしょうか。

広島もハイプレスの旺盛さ以外は、効率の良い攻めを重視するスタイル。
21分にゴールキックでのロングフィードが直接エゼキエウの足下に収まり、彼のパスを受けた東俊がドリブルで一気に左ポケットに進入。
そして切り返しからシュートを放つもGK野澤がキャッチ。
26分には川村の右から中央を横切るような斜めのドリブルから、パスを受けた東俊が今度はアーリークロス。
中央でバウンドした奥で加藤がダイビングヘッドで合わせる(GK野澤セーブ)という具合に、ペースを握れないFC東京を尻目にフィニッシュを重ねていきます。

こうした相手の攻撃を受ける事で、FC東京サイドも効率の良さに意識を振るに至ったでしょうか。
ディエゴ・アダイウトンのマンパワーを活かしてのサッカーで対抗姿勢を取り始め。
それに対し合わせる事で、周囲も徐々に力を発揮されてきたでしょうか。
37分には最終ラインからの運びで、アダイウトンが中央でボールを受け、ディフェンスに遭うもディエゴが拾い継続。
右サイドへ展開ののち、ポケットへのスルーパスに走り込んだディエゴがマイナスのクロスを入れると、ファーに流れた所を走り込んでシュートしたのはバングーナガンデ。
しかしゴールバーを直撃と、やっと作り上げた決定機はモノに出来ず終わります。

攻撃機会が増えてきたFC東京ですが、それにより再度広島のカウンターに脅かされる割合も増えてしまい。
上記の決定機の直後、スルーパスに走り込んだ加藤を倒してしまったトレヴィザンが反則・警告を受け。
43分にも、バングーナガンデのドリブルが止められて矢印が反転し、エゼキエウがドリブルから右ポケットへスルーパス。
走り込んだ塩谷が低いクロスを入れるもGK野澤が抑え、何とか凌ぎます。

方針も変えつつ(ブレながら?)も、何とかペースを握らんとするFC東京。
それに対し常時一定のペースを保ち、攻防の末に優位に立っていた感があった広島。
前節で優勝の可能性が潰えたとはいえ、流石は上位に居るチームという感がありました。
アディショナルタイムには広島の攻撃が続くも、オフサイドを立て続けに取られるなどでフィニッシュシーンは作れず。
全体的に押し込んでいたものの、スコアレスのまま前半を終えました。

後半の入りも、スローインからディエゴのキープを利用して何とか好機を作らんとするFC東京。
アダイウトンに受け渡したのち、スルーパスを受けたバングーナガンデが左奥へ切り込むも、クロスはブロックで防がれ。

強引に好機を作らんとしたものの、その姿勢は実らず反撃に移る広島。
そして後半3分、満田のラフなミドルパスをヴィエイラがフリックで繋ぎ、その後も浮き球を制して前に運び。
中野の浮き球パスを加藤が反転しながらのトラップで前を向くと、その勢いのままにシュートをネットに突き刺します。
前半幾度もフィニッシュを放ってきた加藤、ようやくその姿勢が結実し先制点を齎しました。

展開そのままといってはそれまでですが、ついにビハインドとなってしまったFC東京。
直後の4分に広島の自陣でのパスミスから好機を作らんとしましたが、ディエゴのエリア内へのスルーパスに走り込んだ渡邊がオフサイドとなりモノに出来ず。

その後も広島の圧力の前に、反撃の道筋を作る作業に難儀する事となり。
9分に広島のゲーゲンプレスをロングパスで打開せんとするも、ヴィエイラにブロックされて果たせず広島の攻撃に。
右サイド奥でのパスワークから、中央で受けた川村がバイタルに切り込み、ミドルシュートを放つと見せかけてさらに前進しエリア内へ。
ここは森重がクリアして何とか凌ぐも、追加点への恐怖との戦いも強いられます。
10分にはゴールキックから再び短く繋ぐも、GK野澤がエリア内で加藤の激しいプレッシャーに遭い。
何とか森重が繋ぎ、左サイドで持ったバングーナガンデが中野に倒され、反則の形で脱出という見るからに苦しい絵図となり。

盤石に近い展開といえた広島ですが、アクシデントのような事象が発生したのが13分。
FC東京陣内でこぼれ球になると、スライディングで抑えにいった森重とヴィエイラが激しく交錯してしまい、森重が先にボールに触れていたためヴィエイラの反則に。
これにより激しく痛むヴィエイラの方に警告が付き出される、若干アンラッキーな判定を受ける事となります。
治療を受けたヴィエイラがピッチ外に出ている隙に好機に持ち込むFC東京、松木の左ポケットへのスルーパスに走り込んだアダイウトンがクロス気味にシュート(ゴール右へ逸れる)と脅かし。

一転して慌ただしくなった広島ディフェンス。
その影響が17分に露呈する事となり、ここも原川がスルーパスをアダイウトンに通し、そのまま左ポケットへ進入してクロスを送るアダイウトン。
中央に走り込む仲川の手前で荒木が遮断に入りましたが、ブロックされたボールがあろう事かゴールに吸い込まれ。
綺麗な流れのオウンゴールにより、同点に追い付いたFC東京。

タイスコアとなったものの、広島が優位を築く状況は変わらず。
オウンゴールという結果の通り、事故のような失点と割り切れていたでしょうか。
20分パスワークで右サイド奥を窺う姿勢から、戻しを経てハーフレーンでボールを持った塩谷。
ここから逆サイドへ展開すると見せかけ、トレヴィザンが中央へ寄った一瞬のスキを突いてポケットへ縦パスを通す技を見せます。
そして受けた加藤がまたもフィニッシュ体勢に入り、前に出るGK野澤の上を抜くループシュートを狙いましたが、ゴール左へ逸れてしまい惜しくも勝ち越しならず。
先程の川村の持ち運びといい、相手の裏をかく意識の高い攻めを見せる広島。

何とかそれらを凌いできたFC東京、勝ち筋はアダイウトンを活かしてのカウンターとなったでしょうか。
26分に広島の執拗なクロス攻勢を防ぐと、その通りの展開に持ち込み、渡邊とのワンツーから敵陣でドリブルに入るアダイウトン。
しかし佐々木に止められてしまい、アタッキングサードへの進入すらままならず。
直後の27分にまたも広島の好機、左ポケットへ切り込んだエゼキエウからクロスが上がり、中央で跳んだ加藤がこの日6本目のシュートをヘディングで放ち。
これを同じく跳んだバングーナガンデがヘッドでブロックと、FC東京の際どい凌ぎは続きます。
直後にベンチが動き、橋頭堡であったアダイウトンが退き、俵積田が同ポジションで投入され。

そして30分についに決壊が訪れます。
広島の攻撃が途切れるも、原川の安易なダイレクトパスが中野にカットされた事でショートカウンターに持ち込まれ。
満田がヴィエイラとのワンツーでエリア内へ切り込み、リターンをダイレクトでシュートしてゴールネットを揺らします。
相手のミスを確実にモノにし、再びリードを奪った広島。

アダイウトンが退いた事で、頼みはディエゴのみといった感じのFC東京。
33分に左サイドをディエゴのポストプレイを絡めて前進していくと、締めもディエゴでカットインからミドルシュートを放ち。(GK大迫キャッチ)
しかし直後の34分にはそのディエゴにも交代措置が採られ、熊田へ交代となります。(同時に原川→東慶悟へと交代)

かくして橋頭堡が無くなったFC東京を尻目に、攻勢を掛ける広島。
36分には川村がミドルシュート(GK野澤セーブ)、37分には加藤が右からのカットインを経てエリア内でシュート(GK野澤セーブ)と、GKが大忙しの展開に。
38分にはカウンターに持ち込み、俵積田が左からカットインでポケットを突く好機が生まれましたが、入れられたクロスは精度を欠いてしまい大きく流れ。
最近活躍中の俵積田ですが、こうした劣勢を一人で打開できる能力は未だ持ち合わせていないという印象でした。

ほぼ順風故か、広島ベンチは終盤まで交代カードを使わずに試合を進め。
ヴィエイラが足を痛めたというタイミングでようやく動き、43分にナッシム・ベン・カリファを投入します。(同時にエゼキエウ→志知に交代、東俊がシャドーに回る)
一方FC東京も最後の交代を敢行し、バングーナガンデ→徳元。

そして最終盤というAT。
最早乱戦に持ち込むしか残された道は無いFC東京、俵積田の居る左から攻め込んで左CKを獲得。
キッカー松木のクロスから、中央でトレヴィザンが叩き付けるヘディングシュートを放ったものの、大きくバウンドした結果ゴール上に外れ。
その後もカリファの反則で左サイドからのフリーキックを得ると、クロスをGK大迫が弾いた所に森重が脚で押し込まんとしましたが撃てず。

結局際立った好機はその2つぐらいで、右サイド奥で広島が時間稼ぎを敢行する等時計を進められ。
おまけに中盤でパスミスを犯してしまうと、拾わんとしたカリファに対し仲川がスライディングで削ってしまい反則。
足裏がモロに入った事で、主審が赤色のカードを突き出す事態となり一発退場という事態も起こしてしまいました。
思わぬミソも付いた末に、試合終了の笛が鳴り響き1-2で広島勝利という結果に終わりました。

力負けといった格好のFC東京でしたが、試合終了後には新クラブエンブレムの発表が更なる物議を醸す事態となり。
賛否あるものの、個人的にはクラブ革新を唱える過程で見境を無くしてしまったという印象は拭えず。
シンプルなデザインへの選択は納得できますが、欧州サッカーのクラブにありがちなもので逆に特徴を無くしてしまった感が強く。
迷走感が伺える中、果たして生き残る事が出来るでしょうか。これで町田に加えてヴェルディまで昇格という事になったら来季はどうなるやら

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第30節 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ

2023-10-24 16:01:08 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

3週間ぶりのリーグ戦とあり、首位を走る神戸は入りに特に留意すべき試合といえたでしょうか。
国立競技場での開催で大観衆(53,444人)を集めた代わりに、アウェイ・鹿島の方が地理的に近いというホーム感の薄い環境もあり、出だしで躓きたくない所。

やはり慎重な立ち回りをする神戸に対し、前半2分に鹿島が空中戦を制しボールを確保して好機を作りかけ。
しかし藤井のボールキープが佐々木に倒されて途切れるなど、神戸の球際の強さが中断明けでも示されるのみとなり。
その後神戸がコーナーキックを連続で獲得(5~6分)するなど流れを掴み始めると、8分には酒井が前に出てのパスカットからのショートカウンターで、武藤が中央からミドルシュート。(ブロック)
その後もセカンドボールを拾って敵陣でポゼッションを続けるという具合に、試合前の懸念は杞憂に終わる事となりました。

「ロングボールを大迫が収める」事がストロングポイントといわれる現在の神戸。
しかしその立ち回りを続ければ当然、徹底マークに遭う大迫が次第に消耗してしまい立ち行かなくなるのが目に見えており。
そんな理由からか、取って代わるように佐々木がターゲット役を務めて浮き球を合わせにいくシーンが目立った前半。
一方の鹿島もFW鈴木へのロングボールは一つの武器ですが、その役どころを務められる選手が不在なのが大きく響き。
パスワークでの組み立ての比重が高まった結果、神戸のプレッシングに難儀するというドツボに終始嵌ったままとなりました。

大迫がサイドに開きながらボールに拘りつつ、彼とは逆サイドで好機を作る神戸。
15分に最終ラインでのパスワークによる前進から、右サイドで大迫のボールキープが潰されるも、拾った山口がすかさずサイドチェンジして左サイドを武藤が前進。
ポケットからグラウンダーでクロスを入れ、ニアサイドで井出が走り込む(クリアされて撃てず)という攻撃の組み立て。
直後の16分も右サイドで大迫が受けたのち、戻しから中央→左へ展開して前進と、徹底した狙いを感じさせたその刹那でした。
井出が左奥へ切り込み、切り返しの連続を経てクロスを送ると、中央の武藤・大外の大迫の間に居た佐々木が合わせヘディングシュート。
ゴールネットに突き刺さり、要警戒といった大迫・武藤の二枚看板を逆手に取ってのフィニッシュで先制を果たします。

首位チームの出鼻を挫く筈が、逆に追う立場を強いられた鹿島。
その後はビハインド宜しく、一言で言えば「ボールを持たされる展開」のサッカーを常時強いられる事となり。
大迫・井出の2トップ(守備時)は、ボランチへのパスコースを切りながらのプレッシングを仕掛けてくるので、最終ラインからの組み立ては非常に厳しく。
サイドに逃げては詰まるの繰り返しで、上手く誤魔化して敵陣にボールを運んでも、素早く中央を固める神戸ディフェンスの前に結局戻して何も出来ずという攻めを繰り返します。

安西が負傷(佐々木にチャージされ顔から出血、23分)で治療を余儀なくされる等、その流れは一向に良化を見せない鹿島。
その間に2点目を奪われれば致命傷、といった展開となるのは自明の理となり。
GK早川もビルドアップに加わるなど、何とか数的優位を確保して繋がんとしますが、前述の通り規制の掛け方が巧い神戸の前には全く優位さを感じず。
29分にはエリア内の早川に対し大迫がスライディングで詰めにいき、辛うじて出された縦パスをカットした井出、そのままループシュートを狙いましたが立て直した早川が何とかキャッチ。

一向に光明を見出せない鹿島、30分過ぎ辺りから、ピトゥカが最終ラインに・樋口がボランチの位置に降りるという具合に可変を見せ始め。
これにより奪われてショートカウンターという危機は減ったものの、前に運ぶ難度は変える事が出来ず。
35分に関川の自陣でパスカットからトランジションを突く形で前進、ミドルパスを収めた鈴木から左へ展開し、フリーの安西へ。
ここから左ポケットを突く状況に持ち込むも防がれ、中央から今度は逆の右ポケットへピトゥカがスルーパス。
これを受けた鈴木が切り返しからシュート(ブロック)と、ようやく初のフィニッシュに辿り着きましたが好結果は生まれず終わります。

それでもこのフィニッシュで上向きになれれば……という所でしたが、終盤再び神戸のプレッシャーが牙を向き。
42分に降りる樋口に対し前に出て規制を掛ける本多、それにより前を向けずに大迫がボール奪取。
そのまま左サイドで細かく繋いだ末に、大迫のスルーパスを受けた井出がポケット奥を取ってマイナスのクロス。
受けた武藤の前方へのパスから扇原がシュートするも枠を捉えられず。
しかし流れを切られる格好となった鹿島、文字通り色を失ってしまったようで、45分には山口の右→左への対角線のロングパスから作られる神戸の好機。
左ポケット最奥という位置で武藤が残すと、右足アウトサイドで入れられたクロスに、井出がヘディングシュートで合わせ。
GK早川のセーブも及ばず、際どく左サイドネットに突き刺さり追加点を得た神戸。
山口のパスに対しオフサイド確認のVARチェックが挟まれるも無事ゴールと、まさに紙一重の攻めでしたが、それでも結果に繋がるのが神戸が得ていた好循環故の事だったでしょうか。

結局2-0で前半を折り返し。
何とかしたい鹿島は、ハーフタイムで一挙3枚替えを敢行。
関川・広瀬・藤井→昌子・松村・仲間へと交代し、佐野が右サイドバック・樋口がボランチへシフトとなりました。

2点差となったため、早期に点を取って「危険なスコア」を意識させたい鹿島。
しかし神戸も、前半のようなハイプレスは掛けず、2トップがボランチの近くで構える体制に移行します。
上がり過ぎずというリスク管理を重視した、当然過ぎる振る舞い。

鹿島は右サイドハーフに入った松村を中心にサイドから仕掛けるも、敵陣では中央を崩されないようにする神戸にとっては屁でも無く。
クロス攻勢も、山を越えず手前でクリアされるという繰り返しで実りません。
後半9分に佐野が右サイドをドリブルで持ち上がると、クロスでは無く直接ポケットへのパスを荒木に送り。
受けた荒木が奥へ切り込みシュートするも山川ブロック→GK前川キャッチで阻まれるという具合に、チャンスエリアでも万全なシュートコースを作らせない神戸ディフェンスに苦しみます。

神戸が攻撃機会を得れない程、入りから攻勢を掛ける鹿島でしたが、上記の理由で得点に辿り着くにはまだ足りないという印象であり。
13分にはこの日初の右CKから、二次攻撃で樋口の2度目のクロスを植田が合わせヘディングシュート。(GK前川キャッチ)
一方の神戸は直後に、この日の立役者というべき結果(1ゴール1アシスト)を出していた井出が足を痛めてしまい。
担架には乗らず何とか自力でピッチ外へ出た末に、パトリッキと交代となります。(パトリッキが左ウイングに入り、武藤が右WG・佐々木がインサイドハーフにシフト)

怪我の功名のように再び前線にパワーが齎された神戸、15分に佐々木が敵陣深めでボール奪取してボックス内を突いた(シュートは撃てず)のを皮切りに追加点を狙います。
直後にクリアボールを回収したのち、山口の右手前からのクロスを大迫が合わせヘディングシュート。
GK早川がセーブし、鹿島ディフェンスが回収するもゲーゲンプレスを掛けて左CKに持ち込み。
キッカー扇原のクロスの跳ね返りを、中央から酒井がダイレクトで撃つと、コース上に居た大迫がヘッドでコースを変えてネットに突き刺します。
しかしこれはオフサイドとなりノーゴール。

鹿島はその後の攻撃も、サイドでのクロス自体がブロックされるなどで、可能性はさらに狭まり。
再び前半のような「何をやっても駄目」という時間帯に陥ります。

万策尽きたという状態で、24分に再度ベンチが動いて垣田を投入。
トップ下の荒木と交代し、これでオーソドックスな4-4-2へシフト。
ダブルポストの陣容となり、鈴木への負担が減った事でようやく光明が見えたでしょうか。

30分左サイドでの前進から、中盤中央に垣田が降りてのポストプレイを経て右へ展開。
松村のクロスが手前から入ると、上がって来た垣田が中央でスルーしてファーサイドの鈴木に収まる好機に。
そしてコントロール重視のシュートを放った鈴木でしたが、ゴール上へ僅かに外れて実りません。
33分にも松村が右からクロスを入れる状況に持ち込むと、既にボックス内に居た垣田・仲間2人の後方に上がったボールを鈴木がボレーシュートで合わせ。
しかしこれもGK前川がキャッチと、選択肢の広がりにより鈴木が撃てる展開へ持ち込んだものの、肝心の結果が得られない鹿島。(31分に鹿島は樋口→柴崎へと交代)

すると直後の神戸の攻撃(34分)、前川のロングフィードからの攻撃で、さらに本多のラフなロビングを大迫が落としたボールがパトリッキに繋がり。
そして左ポケットからシュートを放つパトリッキ、これが左ポストを直撃してGK早川の背面に当たる(ラインアウトでCKに)という際どいものとなります。
アバウトな攻撃から決定機を作られた事で、再び追加点の危機に晒される流れに持ち込まれ。(35分に本多→飯野へと交代、酒井が左SBへとシフト)

そして37分、中盤左サイドでパトリッキのパスカットから素早く攻める神戸。
大迫のスルーパスがフリーの武藤に渡り、そのままエリア内に進入してシュート。
殆ど一対一という状況ながら、前に出たGK早川がセーブして何とか凌いだ鹿島でしたが、その粘りも直後の右CKで崩されます。
キッカー扇原のニア寄りへのクロスをパトリッキがフリック気味に合わせると、またも左ポストを直撃して跳ね返るボール。
しかし今度は佐々木がダイレクトでボレーシュートを放ち、GK早川の上を抜いて右サイドネットに突き刺さります。
この際に武藤の位置が(GKを遮っての)オフサイドとしてVARチェックに掛けられ、OFRにまで持ち込まれましたが、ゴールの判定が下され。
試合を決定付ける3点目が齎されました。

長いVARチェックにより、時間は既に40分台。
意気消沈は避けられない鹿島を尻目に、44分にもカウンター気味に敵陣に運び、そこから蜂の巣のように仕掛ける神戸。
佐々木の左からのクロスが流れた所、拾った武藤シュート(ブロック)→酒井シュート(ブロック)と立て続けに撃った末に、最後はクロスの跳ね返りを扇原がボレーシュートで締めましたが枠外に。
続く45分にも右からの武藤のクロスに佐々木が合わせヘディングシュート(GK早川セーブ)と、緊迫感からの解放を感じさせるようにフィニッシュを放ち続けます。

しかしそれが若干の緩みを招いてしまったか、突入したアディショナルタイム。
鹿島は敵陣でサイドを振りながらのパスワークに持ち込むと、右ハーフレーンで受けた松村に対し数的不利となる神戸左サイド。
大外での佐野の追い越しにより意識が振られると、カットインを選択した松村がそのまま空いたバイタルからミドルシュート。
豪快にゴール左へと突き刺し、1点を返す事に成功します。

それでもあくまで神戸サイドの緩みが招いたゴールであり、以降も鹿島は攻め込むものの、締め直した神戸ディフェンスを崩しきれず。
クロスを入れ続けるも、放ったフィニッシュはCKから、キッカー柴崎の意表を突く素早いクロスでのこぼれ球を垣田が放ったボレーシュート(枠外)のみ。
右ポケットからの松村のクロスもブロックされるなど、最後までクロスに対する神戸サイドの激しい寄せは健在でした。

結局3-1のまま試合終了となり、まずは「ファイナル5」の初戦を危なげ無い内容で勝利した神戸。
ここまで来れば、後は雑音など気にせず最後まで走り抜くのみであり。
現場はそんな事は言わずとも解っていると思われますが、一体感を背に栄冠を掴めるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第29節 サガン鳥栖vs京都サンガFC

2023-10-03 16:01:19 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

前半戦の両クラブの対戦 - 9節・京都 2-3 鳥栖

ここにきて8戦未勝利と、退潮の流れを止められないでいる鳥栖。
クラブ規模的には何時そうなってもおかしくないという状態であり、仕方無いといえるものの、それに抗う姿勢も見せなければ周囲の心を打つ事は出来ず。
ましてやJ1も残り5戦という最終盤で、上位争いも降格も可能性が低い現状ならば尚更の事。
このまま勝利を挙げられずにシーズン終了、というのは避けたい所でしょう。

ホーム(駅前不動産スタジアム)に京都を迎えての一戦。
立ち上がりから小野が敵陣で掻き回すシーンを目立たせる鳥栖に対し、京都は意外にも最終ラインから繋ぐ姿勢を一定割合で見せ。
前半4分、GKクソンユン縦パス→松田ポストプレイ→金子ダイレクトで縦パス→豊川という流れでプレッシングを脱するというビルドアップで敵陣に運び。(その後左へ展開し三竿がクロス→山崎凌折り返し→原トラップも撃てず)
(レンタルで)移籍してきた説明不要のクソンユンですが、懸念されていた足下の技術は札幌時代から一段階巧くなっている風であり。
やはり足下云々では無くミシャ式への対応が足枷だったのか

しかし相手がどうであれ、ホームで勝利が欲しい鳥栖。
8分に右サイドでスローインの4連続という漸進戦法の末にコーナーキックに辿り着くなど、泥臭さも交えて攻め込み。
そして9分、左サイドをダイレクトパスの連続で繋いでいくと、エリア手前で持った小野が果敢にシュート。
ゴール右隅へコントロールされたそのシュートにGKクソンユンも反応できず、ポスト内側を叩いてネットを揺らします。
華麗な先制点を挙げた小野の煽りもあり、久々の勝利への機運を高めるスタンド。

京都はリードされた事により、一層ボール保持の姿勢が強まり。
しかしその成果は芳しくなく、奪われてショートカウンターといったシーンこそ無かったものの、鳥栖の球際の強さに難儀する流れに突入します。
逆に鳥栖は、高まる相手のプレッシャーを逆手に取り、22分にはGK朴のロングフィードが右の原田に渡って疑似カウンター的に好機。
スイッチを経て小野がまたもミドルシュートに持っていき。(枠外)

一見リードしている者の強みを感じさせる鳥栖の流れですが、次第にその激しいデュエルがマイナスに作用。
20分に松田のボールキープに対し、岩崎が腕で止める形となって反則を取られたのがその発端だったでしょうか。
それを突くように、京都はポゼッションから一転してロングボール中心の攻撃へと切り替え、ターゲットの多さが活きる状況へと展開を変えに掛かり。
28分にはクリアボールを小野が拾うも、トラップが大きくなって原に拾われ、奪い返さんとして縺れ合う形となり。
これで反則を取られた小野、納得出来ずに主審(山下良美氏)に対し長らく抗議するという、よろしくない絵図を描く事に。

これによりエリアからすぐ手前での直接フリーキックを得た京都、キッカー豊川の直接シュートは枠外となったものの、鳥栖の不穏ぶりを突く流れを得ます。
そして32分、ゴールキックでのロングフィード→原フリックという単純明快な運びから、セカンドボールを拾って好機に繋げ。
松田の横パスを受けた原が左ポケットを突き、その勢いのままに放たれたシュートがニアサイド上を破ってゴールに突き刺さり。
キッチリとその流れをモノにし、同点に追い付きました。

鳥栖の流れが悪くなったのは明白な中、35分さらに問題のシーンを起こしてしまい。
左サイド(京都から見て右サイド)で長沼と福田心がもつれ、それによりタッチを割ったため長沼が素早くスローインに入らんとするも、判定は京都ボールに。
すると長沼は福田心にボールをぶつけるという蛮行に出てしまい、それを鳩尾で受けた福田心が悶絶するのを余所にピッチ内は騒然となり。
当然ながらカードを貰う破目となった長沼、その色は黄色だったため首の皮一枚という思いを余所に、今度は京都サイドが不満を溜める事となりました。

その後も京都はロングボール多めで立ち回り、スローインからも山崎凌の落としを頻発という具合にFWのポストワークが生命線となるスタイルを維持。
一方の鳥栖も、最後方で京都のプレッシングをいなしつつ、GK朴のロングフィードを活かす姿勢は変わらず。
42分にはその朴のフィードが跳ね返されるも、山﨑浩がすかさず裏へもう一度ロングボールを送り、受けた小野が左からのカットインを経て三度のミドルシュート。
麻田のブロックに阻まれゴール左へ外れるも、何時でもゴールを脅かせるという疑似カウンターの脅威を植え付けます。

結局同点のまま前半を終え、共に交代無く後半戦に突入。
しかし鳥栖の方は、サイドハーフの位置を入れ替えるという微調整を敢行。
岩崎が左・長沼が右となって後半に臨みました。

その立ち上がり、立て続けに敵陣右サイドでボール奪取を果たす鳥栖。
特に後半2分には山﨑浩が右に開いて京都の前進を阻んでのショートカウンターで、堀米のミドルシュートに繋げます。(GKクソンユンキャッチ)

ハーフタイムを挟んだ事で、ギアを上げにいった感の入りを描く鳥栖。
その象徴が6分で、最終ラインの繋ぎから菊地が左サイド裏へロングパスを送ると、受けにいった岩崎は福田心に蓋をされたという所で急速にスピードを上げて追い越し。
ギアアップを形で示す格好で受けた岩崎から、バックパスを経て堀米のクロスが上がり、小野の折り返しを経て福田晃がボレーシュート(GKクソンユンセーブ)と流れるような繋ぎでゴールを脅かし。

対する京都は前半と同様に、ロングボールをFWに当てるという立ち回り。
それを良く防ぎながら、再度勝ち越しを狙うという鳥栖。
12分には右CKからの二次攻撃で、右ワイドから河原がシュートともクロスとも取れるボールをグラウンダーで入れると、ブロックに当たった末に左ポストを叩くという際どい軌道を描きます。

勝利への道筋は十分といった流れでしたが、迎えた14分。
京都のプレッシングを受けながらの最終ラインからのビルドアップで、山﨑浩が福田晃とのワンツーで剥がす事に成功。
しかしすかさず送られたロングパスが意図の薄いボールとなってしまい、跳ね返されて一転京都の攻撃となり、薄くなった守りを突かれる事に。
そして拾った山崎凌の右→左へのサイドチェンジから、受けた原のクロスが上がると、豊川のヘディングシュートがゴール左へと突き刺さります。
ターゲットマンの真骨頂というフィニッシュで、リードを奪った京都。

良い流れだっただけに、悔やまれる山﨑浩のミスとなってしまった鳥栖。
それを引きずるように直後の16分、再びGKクソンユンのロングフィードからのセカンドボールを拾っての攻撃で、右サイドを福田心が駆け上がってクロス。
これがエリア手前中央の絶妙な位置へ落ちるボールとなり、走り込んでトラップした松田がボックス内を突き、最後はスライディングで詰める形でのシュート。
山﨑浩のディフェンスに遭いながらもしぶとくゴールへとねじ入れ、電光石火で挙げた追加点。
……かと思いきや、VARチェックが挟まれたのちOFRにまで発展します。
何の反則かと考えさせられた刹那、映像が映し出されると松田のトラップの際左腕に当たったとしてのハンドだと理解。
結局判定が覆りノーゴールとなり、鳥栖にとっては命拾いの一言となりました。

長くなったブレイクにより、冷めた熱を取り戻すべく交代敢行する鳥栖ベンチ。(20分)
福田晃・岩崎→藤田・富樫へと2枚替えし、小野がトップ下・堀米が左SHへシフトします。(富樫の1トップ)

すかさず攻勢を掛ける鳥栖ですが、21~22分に菊地のカットインが奪われると京都のカウンターに繋がってしまい。
エリア内へ走り込む豊川へのミドルパスはクリアされるも、右で拾った福田心のクロスから原がヘディングシュート(枠外)とフィニッシュで完結します。

追加点の危機が続くのは変わらずという鳥栖。
25分に両ベンチが動き、京都が豊川→山田。
対する鳥栖は小野→横山へと代えて堀米がトップ下へ戻り。
以降、左SHに入った横山の推進力を中心とした姿勢を強めます。
28分にファンソッコのロングパスを受けた富樫が左ポケットを突き、バックパスから左ワイドを交えながらのパスワークを経て、横山がドリブルで再度左ポケットへ。
そしてゴール方向へと流れたのちシュートを放ち、GKクソンユンがセーブしたこぼれを長沼が追撃するも、三竿がブロックしてCKと京都サイドも必死の守備で防ぎ。

これで危機感を覚えたか、32分に山崎凌→三沢へと交代した京都ベンチ。
金子がリベロの位置に入る事で5バックシステム(3-4-2-1)を採ります。(ボランチは武田と三沢)
簡単に崩せなくなった事で、以降鳥栖も藤田のロングスローを交えるなど形振り構わない攻めの体勢に。

35分にはセンターバックのアピアタウィアが、空中戦ののちに足を攣らせるなど被害も出始め。
何とか落ち着かせて逃げ切り体制を築きたい京都。
その間にも鳥栖はセットプレーでゴールを狙い、34分にはCKでの二次攻撃から藤田がシュート。(GKクソンユンキャッチ)
39分にはロングスローのこぼれ球を河原が右足アウトでシュート(GKクソンユンキャッチ)と、終盤らしい乱戦からのフィニッシュを放ち。

そして40分、浮き球を収めた原が藤田に反則を受けた(藤田に警告)事で、一時の落ち着きを得る京都。(鳥栖はこのタイミングで堀米・菊地→樺山・島川へと交代)
得たFKでは放り込みは行わずに横パスからの攻め、サイドを揺さぶった末に山田が右ハーフレーンからクロス気味にシュートを狙います。(ブロックを掠めてゴール左へ外れる)
そして最後の交代を42分に行い(松田・原→荒木・パトリック、金子が再度ボランチに回り三竿が左CB・麻田がリベロに)、後は逃げきるのみとなり。

鳥栖は決して諦めず、左の横山のみならず右の樺山からも推進を掛ける体勢から攻め上がり。
44分にはその樺山がグラウンダーでアーリークロスを送り、ファーに長沼が走り込む絶好機となるも、その手前でアピアタウィアがスライディングでクリア。
疲労は隠せずともナイスディフェンスを見せるアピアタウィアのその姿に、この後降りかかる悲劇を予想できた者はどれだけ居たでしょうか。

そして突入したアディショナルタイム。
最後の交代の後ファンソッコが左SBに回った事で、ワイドに横山・ハーフレーンにファンソッコという2段構えでの攻めを繰り広げる鳥栖。
横山の左ポケットからのマイナスのクロスを、ニアでファンソッコが受けるも収まらずという、その体勢から際どい好機を生むもモノに出来ず。

こうした左サイドからの脅かしが、物議を醸すシーンに繋がります。
左スローインを受けにいった長沼が、後ろからアピアタウィアのチャージを受けて反則となり。
センターラインからのFKとなり、鳥栖がGK朴からの放り込みの体勢を取る一方で、審判団は再び要因不明のVARチェック→OFRへと入ります。
そして映し出された映像は、鳥栖ベンチに向かって右手中指を突き立てるアピアタウィアの姿。
これが動かぬ証拠となり、挑発行為で一発レッドを受けてしまう事となったアピアタウィア。
その後もベンチサイドが騒然となっていた辺り、反則の際に何やら汚い言葉を浴びせられたと推測しますが、それとは無関係にピッチはここから数的不利での凌ぎを余儀なくされます。

福田心がアピアタウィアの穴に入り、山田が右ウイングバックへと下がる事で守備を埋めようとする以降の京都。
カウンターにより鳥栖陣内深めまでボールを運ぶシーンはありましたが、押し込まれてパスを繋がれるという基本の展開は変えられず。

そして最終ラインでの繋ぎを経て、やはり左サイドからポケットを突く攻撃が決め手となり。
横山のスルーパスに走り込んだ河原、ポケット奥から上げられたそのクロスを、ファーサイドで原田がヘディングシュート。
足下にバウンドするそのボールをGKクソンユンは止めきれず、ゴールへと転がる執念の同点弾が生まれます。

時間にして+9分と、予定時間を大幅に過ぎていたもののVARチェックも絡んでいた事で試合は続き。
ゴールした原田をはじめ、まだまだ攻めるという姿勢を取り直す鳥栖。
京都サイドも反撃体制を取りますが、パトリックの裏抜けに向けての荒木のロングパスはオフサイドとなり惜しくも実らず。

そして歓喜の瞬間に辿り着いたのは、やはり数的優位の鳥栖でした。
再び左サイドからの攻め上がりで、横山がワイドからカットインの体勢に入るもクロスを選択。
ニアサイドでファンソッコがフリーでフリック気味に合わせると、右ゴールポスト内側を叩いてゴールに吸い込まれ。
劇的な逆転弾に、普段はクールさを貫く川井健太監督もピッチ脇でスタッフ一同と喜びを露わにします。

尚も時間は続くも、京都の反撃の手立ては無理矢理なロングボールを送り込むしか無く。
鳥栖ディフェンスがそれを跳ね返し続けた末に、試合終了の時を迎えます。
9試合ぶりに挙げた勝利は壮絶の一言という展開で、味わい深さ満点のものとなったでしょうか。

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