ぶらりドリブルの旅

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第41節 ブラウブリッツ秋田vs東京ヴェルディ

2021-11-30 18:54:08 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(32節・愛媛戦、0-2)
※前回のヴェルディの記事はこちら(33節・岡山戦、1-2)
※前回の両チームの対戦はこちら(16節・ヴェルディ 3-1 秋田)

既に今季のJ2残留を決めている秋田。
初のJ2リーグを戦い抜いたその結果は快挙といってもいいものですが、県の上層部の方にとってはそんな捉え方はされていないようであり。参考動画

将来への叱咤激励と捉えても良いかもしれませんが、そうした上昇志向により身の丈思考が抜け落ち転落への道を辿ってしまったJクラブも歴史上にあるので、それがプラスになるとは素直に思えません。
J3という「沼」ともいえるリーグを戦い、ひたむきさを前面に出したパワーサッカーに活路を見出し、念願の昇格を果たしたクラブ。
そこに信念と誇りを持っている関係者・ファンが数多いる以上、支持を得られるような発言にはどうしても思えず。
この乖離が将来に暗雲を落としやしないかと感じてしまいますが、まずは目の前の残りの試合を戦うのが第一。

秋田にとってはこれがホーム最終戦で、一年の総決算ともいうべき試合。
前半戦には無かった連敗も、折り返し後には3度作ってしまい現在2連敗中とあり、地元で良い所を見せて終わりたいという状況です。

試合開始となり、普段通りにロングパス中心で陣地を押し込み、数多獲得したスローインから攻勢を掛ける秋田。
前半5分の江口の左からのロングスローから、獲得したコーナーキックでさらにセットプレー攻勢に。
しかしモノに出来ず終わると、ヴェルディの攻撃へとターンチェンジ……したかは定かでは無いですが、自分がヴェルディの立ち回りをじっくり観察する時間に。

福村が左サイドバックという事で、「左肩上がりの最終ラインによるビルドアップかな……」と思っていましたが、この日の福村は上がりが自重気味。
前回のこのカードの時には、右サイドバックがあまりにも上がらずといった前半のヴェルディでしたが、この日はそれが左右逆となっており。
以前とは違い新井瑞希という突破力豊かな選手が左ウイングに居るため、その後方で構える体勢を取っていたようでした。

序盤はその新井瑞のドリブル突破に活路を見出していましたが、13分には逆の右サイドで組み立て。
梶川パス→小池ポストプレイ→深澤ダイレクトで裏へミドルパスというヴェルディ定番のような流れで、受けた佐藤凌我がエリア内へ進入、切り返しからシュート。
GK新井栄聡が足でのセーブで防ぐもCK攻勢へ突入、迎えた2本目の左CK、サインプレーを選択したヴェルディ。
梶川から上げられたライナーのクロスで、エリア手前やや右から森田がボレーシュートを放ち、秋田・藤山がブロックするもエリア内にこぼれ。
そこから馬場シュート(GK新井栄セーブ)→佐藤凌シュートという連撃でゴールネットを揺らし、先制に成功します。
秋田にとっては愛媛戦での間接フリーキックを彷彿とさせるような失点シーンでありました。

すぐさま反撃に入る秋田、16分に右CKを得て、クロスがクリアされてからの二次攻撃。
右サイドのかなり手前から江口が放り込み、ファーで増田の折り返しを受けた千田がエリア内左奥を突いてシュート。
GKマテウスがセーブしたものの、顔面でのものであったため痛み試合が中断。
今季から脳震盪の疑いに対して非常にナイーブになっており、ここでも無理はさせられないという判断に陥り、交代の措置が採られます。
そして思いがけぬ初出場の舞台となった長沢。

アクシデントによりクールダウンが心配された秋田ですが、25分には左サイドでパスを繋ぎ前進、三上がマイナスのカットインでエリア内に侵入してシュート。(枠外)
飲水タイムを挟んだ29分には右サイドのスローインから繋ぎ、武のクロスのクリアボールを拾った稲葉がシュート(GK長沢キャッチ)と攻め立て。
前線からのプレッシングも旺盛に行いましたが、それに対してヴェルディはロングボールを使ってかわす立ち回りを敢行。
試合が進むにつれて右SB・深澤の上がりも目立たなくなり、最終ライン4枚で幅を取り、ボールの出どころを増やす体制を作っていました。
これにより前掛かりな姿勢をひっくり返される、という危惧が過る秋田。

実際にそうなってしまうのですが、契機は36分の秋田のフリーキックから。
クリアボールを拾った梶川から受けた新井瑞が右サイドをドリブル、一旦は奪われるもプレスを掛けて秋田・江口の蹴り出しをブロックして奪い返し、そのままエリア内でGKと一対一に。
そして横パスを出してかわすと、中央で小池が合わせてシュート。
ミスキックした小池でしたが、前に飛んだため事無きを得てボールはゴールに吸い込まれ。
しまらないながらも、自己最多のシーズン17得点目を挙げた小池。

同点どころか点差を広げられてしまった秋田、その後は左サイドでの茂の突破力を押し出す攻撃を繰り広げます。
それが奏功し39分に茂のドリブルがヴェルディ・深澤の反則を生み、左サイド奥からのFKに。
キッカー江口がゴールに向かうクロスを入れると、ニアサイドで武が跳ぶも合わず、しかしこれがナチュラルなスルーの形になってそのままゴールイン。
GK長沢にとっては厳しい二択を突きつけられた格好となり、1点を返した秋田。

マテウスの治療→交代もあり、前半から長いアディショナルタイム(7分)となった最終盤。
秋田は自陣からのFKでGK新井栄がエリア内へ放り込み、武が合わせにいった所をGK長沢が跳び出して抑えにいくもこぼれ、クリアされたボールを江口がダイレクトでミドルシュート。(枠外)
秋田らしい攻撃を見せたものの、その後ヴェルディがCKで好機。
キッカー梶川のニアへのクロスを佐藤凌がスルー、こぼれ球になった所を馬場がシュート。(ブロック)
1失点目然り、こうしてセットプレーでクリアしきれず混戦を作られがちなのが今後の守備の課題のように思えました。
試合は1-2のまま前半終了、後半へ突入します。

ともに交代は無く迎えた後半。
ヴェルディは一言で言えば「かたい」という立ち回り。
前半から徐々にシフトした、DF4人がそのまま最終ラインに残る基本線は変わらず。
それはヴェルディらしくない、ビルドアップの硬さを呼び起こしていましたが、逆に守備では秋田のやり方にキッチリ対処する堅さを生んでおり。
敵陣に進入してもあまり上がらずというリスク管理を主体とし、ロングボールによるカウンターを一切許さず展開します。
こうなると主体的に相手を崩す事をしなければならない秋田、サイドから縦パス・ポストプレイを交えて前進を図るものの、好機は作り出せません。

糸口を掴みたい秋田は後半12分、最初のカードを切り齋藤→半田へと交代。
その直後にGK長沢のパスミスを武が拾い、エリア内に進入するという絶好機が訪れます。
中央で切り返してシュートした武ですが、ブロックに阻まれてモノに出来ず、以降ヴェルディのターンとなってしまいます。
可変が少ないこの日のヴェルディでしたが、それでも根底の繋ぐ能力は健在で、ボールを細かく繋いで敵陣で秋田ディフェンスを揺さぶっていき時間を進めていきます。

行き詰まり感が漂い始めた秋田、18分に再度交代し、今度は3枚替えと思い切った策に出ます。
武・三上・茂→中村・沖野・久富へと交代。(いずれも同ポジション)
20分、増田のラフなロングパスから左サイドで組み立て、交代で入った久富が奥からクロスを上げるシーンを作るもシュートは撃てず。
既に契約満了で退団が決まっている久富、その意地をチーム力に還元させんと奮起します。
それでもヴェルディ優勢の流れを変える事が出来ないまま、26分に飲水タイムへ。

ブレイク明け、ヴェルディも最初のカードを切り、新井瑞→山下へと交代。
小池が左WGに回り、右WGに入った山下。
その山下を中心とした右サイドでの攻撃に脅かされるも、反撃の流れを掴む時を待ち耐える秋田。

そして32分、左サイドの久富のドリブルから好機を作り、攻撃権を確保する事に成功。
33分、左サイドのスローインから素早くクロスを上げると、中央で半田がフリック。
ファーサイドに流れた所を中村が合わせにいきましたが、届かずと惜しいシーンが生まれます。
何とか良い流れを作った秋田、35分に最後の交代を使い、江口→高瀬。(藤山が右SB→ボランチへシフト、飯尾が左SB→右SBへシフト)
その後センターバック(千田・増田)が敵陣まで出てボールカットするなど、全員ベクトルを前へ向けてゴールを目指します。

しかしその流れも、39分のCKで逆にヴェルディのカウンターを呼んでしまった事で終焉します。
40分には福村のボール奪取から縦に速く送るヴェルディ、エリア内で山下がシュートするもGK新井栄がセーブ。

再び前掛かりの意識を突かれる恐怖が過る展開となり、それを防がんと必死で防戦に入る秋田。
しかしそれも実らず43分のヴェルディの攻撃、左サイドで小池がスルーパスを受けて中央へ流れ、パスを送ったのちエリア内での攻防に。
森田のシュート(縦パス?)がブロックされた跳ね返りを佐藤凌が落とすと、秋田・増田がクリアしにいくもボールは無情にも逆方向、つまりゴール内へ。
最後はオウンゴールとなりましたが、押し込まれた末の追加点を許してしまいました。

何とかホームで意地を見せたい秋田でしたが、ストロングポイントがヴェルディにしっかり抑え込まれているので厳しく。
AT目前で、ヴェルディは残った交代枠を使い切る3枚替え。(ンドカ・ボニフェイス、森田・小池→平・加藤・杉本)
その後もヴェルディが攻める展開を中心に進んでいき。
そして敵陣での加藤のボール奪取から、拾った山下が中央突破でエリア内へ進入、切り返しからのシュートをゴールネットに突き刺し。
ダメ押しの4点目を加えます。

結局1-4で試合終了となり、前回対戦時のスコアを上回られてしまった秋田。
内容でもセットプレーの守備、主体的な攻撃といった課題が露呈しましたが、あくまで基本線はひたむきさ。
冒頭のような意見の食い違いに惑わされず、どれだけ来季に向けて肉付けをしていくかが問われる事となるでしょう。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 ザスパクサツ群馬vsアルビレックス新潟

2021-11-26 18:33:04 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(38節・相模原戦、1-1)
※前回の新潟の記事はこちら(34節・長崎戦、1-1)

様々な障害にもめげず、J1昇格という目標に向かい戦い続けるJ2の上位クラブ。
その障害というのは色々あるものの、シーズン途中での他クラブによる選手の引き抜きが要因の一つとなるのが、下位カテゴリ故の物悲しさでしょうか。
しかし近年は、選手という枠組みだけに留まらないのが通例となりつつあるのか。

昇格の可能性が潰えた新潟、(この日の試合終了の翌日に)シーズンを待たずしてアルベルト・プッチ・オルトネダ監督の退任が発表される運びとなりました。
しかしその原因として、来季の監督人事に頭を悩ませるJ1クラブ・FC東京からのオファーが語られており、それを受諾したという事でしょうか。
昇格に向け、監督の下で一体となって戦い、サッカーの質的にも(細かい部分はさておき)文句無し。
そんなクラブが一つ下のJ2にあれば、格好の標的になるのは当然で、それがピラミッド型モデルのリーグ構成故の性。
それでも文句の一つも言いたくなるのが人情というものですが、そんな暇があるのならば未来に向けて歩みを止めないべきでもあり。
まあピラミッドの最頂点というべきA代表が「J3のクラブが行っているサッカーよりも質が低い」と揶揄されている現状もありますが

さて、新潟が来季に向けた体制作りを余儀なくされている一方で、未だ残留争いを勝ち抜く戦いを強いられている群馬。
この試合に勝利すれば残留確定の可能性が生まれる状況ですが、相手は上位クラブの新潟。
無理に勝利を狙って相手の支配力の高さに圧倒されるよりは、勝ち点1でもOKというサッカーに舵を切る事も求められるでしょう。
そんな舵取りに相応しく、百戦錬磨のベテラン・細貝がこの日ボランチで初のスタメンに入りました。

試合が始まると、早くも相手に対して肉弾戦も厭わずという圧を掛ける群馬。
特に岩上は、開始1分でボールを持つ新潟選手に対して激しいプレッシングを敢行、そのままチャージしてしまい反則。
尚もその姿勢は止まず前半3分には新潟・高木との空中戦、上から乗っかるように激しいチャージをしてしまうと、早くも黄色い紙が突き出される事となりました。
しかしその岩上も、8分にはボール奪取した所を新潟・田上に倒され反則を受け、足を抑えて蹲るシーンが見られ。(田上に警告)
10分には大前がアフターで倒されて反則・右サイドからのFKを得た群馬。(シュートには持っていけず)
不穏な試合展開の中、セットプレーが一つのカギとなりそうな予感を生み出しましたが、そんな流れも気にせずに主体的に攻撃を仕掛けるのが新潟。

この日は右からの攻撃が顕著で、右サイドバック・長谷川を使っての前進で好機を作っていき。
長期離脱から復帰し、36節(岡山戦・1-1)という終盤でようやく今季初出場となった長谷川。
今季未だ勝利を体験出来ていない(前節はベンチで未出場)状態で、それを果たすべくの奮闘、といった所でしょうか。

新潟のビルドアップからの攻撃に対し、しっかりとブロックを作り構える体勢を取る群馬。
安い失点は何としても避けようというスタイルで、ドローで上等とサッカーで語っているようでもあり。
それでも21分には前からプレスを掛けにいきましたが、高が縦パスであっさりと剥がしてチャンスを作る新潟、水戸のパスを受けたロメロ・フランクがエリア内右へと進入してシュート。(群馬・小島雅也がブロック)
下手なプレッシングは新潟の思うツボ、という事を如実に表しつつ、前半の飲水タイムへ。(23分)

中々好機を作れない群馬は29分、自陣からのスローインを受けた大前が左→右へとサイドチェンジ、受けた平尾のドリブルから敵陣で攻撃を展開。
田中稔也のクロスはクリアされるも、新潟のパスミスでこぼれた所を岩上が走り込んでシュート。(新潟・舞行龍ジェームズがブロック)
流れが変わるような雰囲気を生んだその刹那、新潟の決定機が。
田上のサイドチェンジを受けた長谷川の前進から、中央へのパスをロメロがスルー、こぼれて浮いた所をロメロがエリア内へ落とし。
そこに走り込んだ高木がシュート、GK清水がセーブした所を鈴木が詰めてシュート、しかし清水が再度セーブ。
この決定的ともいえる連撃を防いだ清水ですが、同時に防戦一方のイメージを植え付ける事にもなりました。

前半終了も近付いた44分、再度新潟が群馬ゴールに矢の雨を浴びせるシーンが生まれます。
ゴール中央やや左からの距離のあるFK、キッカー高木のエリア内へのロビングがこぼれた所を長谷川がヘディング。
群馬・渡辺がかき出した跳ね返りを、ロメロがジャンピングボレーで追撃しますがGK清水がセーブ、しかしさらに千葉がヘッドで繋ぎ鈴木がヘディングシュート。
清水の左を突いたこのシュートも、ライン寸前で群馬・岩上のブロックに阻まれてしまいます。
今度は3連撃となりましたが、これでも先制出来なかった新潟。
一方何とか凌ぎ切った群馬、アディショナルタイムは攻撃権を独占するもののフィニッシュには持ち込めず、スコアレスで前半を折り返します。

交代選手は無く後半開始を迎え、早速キックオフからの攻撃で好機を作った新潟、その直後に水戸が群馬・平尾のスライディングで倒され反則。
これで左サイドからのFKを得ると、キッカー高木のクロスをニアサイドでロメロがフリックしたボールがゴールに向かい。
中央で跳んだ田上がシュートかそのまま流すか、という二択が作られますが、GK清水は惑わされずセーブ。(田上が合わせたかどうかは微妙なシーン)
前半から当たっているこの日の清水、この場面でも動じず好守備を貫きます。

ピンチの後にチャンスあり、というかの如く、後半5分の群馬の攻撃。
内田からの展開で左サイドで前進、加藤の低いクロスが上がると、大前が身体を倒して合わせるヘディングシュート。
しかしゴール右へと外れ、劣勢をひっくり返すゴールは生まれず。
これを逃した群馬、以降10分以上に渡り攻撃権を支配されてしまいます。

守備一辺倒の相手に天誅を与えんと、先制点目指して攻め上がる新潟。
しかしボール支配すればするほど、得点の匂い自体が生まれにくくなりがちなのがアルベルト監督率いる新潟でもあり。
そんな負の要素を振り払いたい状況の8分、中央~左サイドでのパス回しに、ロメロのボールキープ力を加えつつ前進。
そして三戸からのクロスをファーサイドで鈴木が折り返し、拾った長谷川が中央へと切り返してシュート。
しかしゴールバーを掠めて枠を逸れてしまいます。

その後もゴールを脅かされるも、凌いだ群馬は17分。
自陣右サイドで青木が拾ってカウンターチャンスになると、青木はそのままドリブルで敵陣を疾走。
そして右奥からカットインでエリア内に進入、角度が無いながらも自らシュートで締めます。(GK阿部足でセーブ)
これでコーナーを得ると、2本目の左CKをキッカー大前は直接狙うようなボールを入れ、ニアサイドで青木が合わせにいくも流れてそのままポストを直撃。
少ない好機を活かすべくの攻撃を見せた群馬。
一方の新潟は21分に交代カードを切り、ロメロ・長谷川→谷口・堀米へと2枚替え。
SBとサイドハーフ、それも右サイドを揃って交代したものの、谷口が左SH・堀米が左SBに入り。
そして元来左であった三戸・田上を揃って右へとシフトするという面白い交代でありました。

しかしスコアレスのまま飲水タイムが挟まれ、尚も押しまくるも得点出来ない新潟。
26分にさらに三戸→小見へと交代するも、得点の機運は高まらず、逆にらしくないパスミスで攻撃が途切れるのも目立つようになります。

攻め疲れかとも思われましたが、疲労度という点では、前半からずっと集中して守っていた群馬も相当なもの。
その影響かこの辺りからアフターチャージが目立ち始め、再び反則シーンが膨れ上がる群馬。
34分には細貝が新潟・高をスライディングで倒してしまい反則を取られると、異議を唱えたようでその後笛と共に黄色い紙が突き出されます。
以降も主審の判定に盛んに不満を露にしていた細貝、そんな様子にチームメイトが2枚目を貰わないようになだめるというシーンも見られました。
そんな劣勢の状況でも、中々交代カードを切らない群馬・久藤清一監督。
必死に守備ブロックをスライドさせて凌ぐその姿から、下手に弄るべきではないという判断でしょうか。

それでも群馬は37分、岩上のロングパスに走り込む青木、新潟・舞行龍に先回りされるも相手に触らせてCKを獲得と巧いプレー。
着実に時間を使う立ち回りで、相手にフラストレーションを貯めさせていきます。

結局攻めまくった新潟ですが、前半のようにエリア内でフィニッシュ地獄をお見舞いするシーンは無く。
41分に、クロスの跳ね返しを中央で拾った田上がミドルシュート(GK清水セーブ)を放ったのが最も惜しかったでしょうか。
38分に高→高澤へと交代し、2トップへとシフトするのかと思われましたが、それまでFWだった鈴木がこれを機に降り始め。
鈴木がボランチにシフトしたようであり、はたまた福田が1アンカーの4-1-4-1のようでもあり。
超攻撃型、といったような布陣になりましたが、スコアレスのままATを迎え。

しかしそのATではロクに好機を掴めず。
そしてようやく群馬はカードを切り、青木→北川へと交代したものの、この1度のみとなり。
全員の意思を統一させ、確実な勝ち点ゲットへと向かっていきます。

最後までゴールは生まれる事無く、0-0で引き分けという結果に終わった試合。
勝ち点40に乗せた群馬、残留まであと一息という中、無理をしない立ち回りが光ったドロー。
勝ち点3を焦って登頂した結果、息切れしてしまう事だけは避けるという振る舞いで、納得感溢れたホームでの試合となりました。

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DAZN観戦 2021年J3リーグ第28節 ヴァンラーレ八戸vsFC岐阜

2021-11-25 16:06:47 | サッカー視聴記(2021年その他)

<八戸スタメン> 3-4-2-1
GK 蔦
RCB 相田 CCB 赤松 LCB 近石
RWB 小牧 DH 前田 DH 佐藤 LWB 丹羽
IH 前澤 IH 島田
FW 岡
<岐阜スタメン> 3-4-2-1
GK 松本拓也
RCB 藤谷 CCB 甲斐 LCB 三ツ田
RWB 村田 DH 吉濱 DH 本田 LWB 橋本
IH 川西 IH 中島
FW 深堀

昇格するには残り3試合全勝しか道が無いという状況の岐阜。
有名選手を搔き集めて昇格を……というプランがまさに頓挫しようとしている所に、その思惑のアンチテーゼとなるかの如くお相手をするのは八戸。
前回観た際は、YS横浜との「組織vs組織」の勝負に屈してしまった感がありましたが、この日は「組織vs個人の力」というような図式だったでしょうか。
守備はハイプレス・攻撃は最終ラインが十分に幅を取って繋ぐスタイルという八戸。
Jリーグ参入してまだ3年目ながら、今季は非常にクオリティ高いサッカーを展開しているとの事で、後の無い岐阜相手にどんな内容となるのか。

入りは岐阜ペースとなり、八戸は自陣で繋ぎをミスして奪われたり、プレスが嵌らずに前進を許したりで好機を作られる展開に。
その岐阜の攻撃、中央の本田・吉濱・中島・川西の関係性から、ダイレクトパスを絡めて裏へボールを送る攻撃で八戸陣内を脅かしにかかったもののフィニッシュには結び付かず。
どちらも堅さが見られるような立ち上がりを経て、迎えた前半9分。
今度は岐阜最終ラインがミスを犯し、右サイドで小牧が拾って八戸の攻撃、そのままカットインしてエリア内右からシュート。(GK松本拓キャッチ)
ファーストシュートを放つと、以降はその堅さが取れ、自身のサッカーを見せ始めます。

大きく幅を取ってビルドアップを敢行する3バックと、その後ろで足下でボールを裁くGK蔦。
どっしりと構えて岐阜のプレッシングを誘い、それを巧にいなして好機に結び付けていく八戸。
シャドーとウイングバックのレーンチェンジも頻繁に行い、的を絞らせずに前へボールを運んでいきます。
12分には左サイドへ展開ののち一旦戻し、GKを経由して右へ渡って赤松がロングパス、受けた岡がエリア内右を突く攻撃。(シュートまではいけず)
14分にはボランチの佐藤からミドルパス中心に右サイドで運んだのち、敵陣で中央→左へとサイドを移し、丹羽中央へパス→前田ポストプレイ→佐藤ミドルシュート(枠外)とフィニッシュに繋ぎ。

流れが八戸へと傾きつつあるのは明白な状況で、反則を受けた事で中盤からのフリーキックを得た八戸。
キッカー佐藤のロビングが跳ね返され、右サイドで拾った前澤からの二次攻撃、前澤はパスを遮断されるもそのこぼれ球をヘッドでエリア内へ。
岡のダイレクトパスを受けた前澤からグラウンダーのクロスが入ると、ファーサイドで島田が合わせシュート。
速いパスの繋ぎで岐阜ディフェンスを破り、先制に成功します。

一方、リードを奪われた岐阜。
八戸の連動したプレッシングに苦労するシーンが目立ち、GK松本拓のロングフィードに、左センターバックの長身・三ツ田を前に上げてターゲットとする策も採られ。
正直苦し紛れのように映った手法ですが、何とか反撃体制を作ります。

19分にはカウンターで岐阜が好機、ここも吉濱縦パス→川西ポストプレイ→中島スルーパスとダイレクトで繋ぎ、左サイドで受けた橋本が中央へミドルパス。
エリア手前で深堀が受けにいく所に、GK蔦が判断良く跳び出し足でクリアして防ぎます。
橋本に直接シュートを打たれていたら……という恐れもあった中で、地味なファインプレーだったでしょう。
尚も岐阜の好機は続き、22分には右サイドからのFK、キッカー中島が中央へクロス。
こぼれた所を三ツ田が拾ってエリア内左へ進入、スルーパスのようなクロスを入れると、抜け出した川西が合わせシュート。
ゴールネットを揺らしたものの、オフサイドを取られてしまいノーゴール。(映像ではオンサイドに見えた)
組織力で後れを取った挙句、判定も味方せずと踏んだり蹴ったりの岐阜。

飲水タイムが挟まれた(24分)のち、八戸の攻勢に移り変わり。
26分には敵陣でパスカットした丹羽がそのまま前進、エリア手前やや左からシュートを放つもゴール左へと外れ。
いきなりビルドアップをカットされる、岐阜サイドは先程の落胆を隠せないという負の要素が顕れる中、尚もその隙を突くように攻撃する八戸。
迎えた31分敵陣で前田が反則を受けると、素早く起き上がりリスタートして右サイドへ叩き、受けた前澤からグラウンダーでクロス。
中央で岡が収め、ポストプレイでエリア外へ出した所を前田がシュート。
グラウンダーで華麗にゴール右へと突き刺し、追加点を得た八戸。

一気に窮地に立たされた岐阜、その後は反則を受けるシーンが頻発すると、例え中盤からでも放り込みを選択します。
その流れから、37分にはキッカー吉濱のロビングに三ツ田が合わせにいき、GK蔦の跳び出しでこぼれる乱戦に。
そして三ツ田がシュートするも、GK蔦が触ったボールを前田がゴール前でクリアして得点ならず。
得点チャンスは生まれたものの、八戸の前にボールを運べず困り果てているという思考も滲み出ているようでした。

その後39分に再度隙を突かれ、八戸の右サイド自陣からのスローインで、相田が投げた長距離のボールが裏で前澤に渡り。
スローインはオフサイドにならないという事を失念していたかのようなシーンでチャンスを作られると、ボールを回された末に最後は丹羽の左からのクロスがクリアされた所を前澤がシュート。(ブロック→GK松本拓キャッチ)
以降も、八戸に3本シュートを打たれる等防戦を強いられた岐阜。
挙げなければいけない勝利への機運が一向に高まらず、前半終了となります。

ハーフタイムに岐阜ベンチが動き、橋本・本田→窪田・山内寛史へと2枚替え。
巻き返し策を採ったものの、ベテラン選手のスタミナ面を考慮した交代とも取れるものであり。

山内寛が最前線ないしはシャドーに入り、中島が空いたボランチにシフト。
窪田は右WBに入り、村田が左に回るという配置転換も絡め、何とか反撃したい岐阜。
その思惑通りに立ち上がりは八戸を押し込むものの、基本的には変わらずに推移します。
多少クロスを上げる場面が増えたもののフィニッシュは生まれず、またセットプレーも中盤から放り込むというスタイルも相変わらず。

八戸はその立ち上がりの岐阜の時間帯を凌ぐと、再度流れを引き戻し。
後半8分には丹羽の左→右のサイドチェンジを経て、右サイドを小牧が抜け出し奥に切り込む形を作ると、岐阜はたまらず村田が後方から倒してしまい反則・警告を受け。
そのFK、クロスのクリアボールに対し前田がミドルシュートを放つも、枠を捉えられず。
前半に得点を挙げた前田、既に契約満了での退団が発表されている立場であり、リーグ最終盤で雄姿を見せられた事で尚も溌溂としていた感がありました。

そんな八戸に対して岐阜は13分、今度は自陣エリア内で八戸・小牧にボールを奪われるという失態を演じてしまい。(シュートには結び付かず)
一向にムードを上げられず時間が経過していきます。

15分に八戸のパスを遮断しカウンターに繋げる岐阜、左サイドで川西のスルーパスを受けた深堀がエリア内を突き、ディフェンスにこぼされるも尚も攻撃継続。
そして村田がカットインを経てエリア内左からグラウンダーでクロスを入れると、深堀が合わせてシュート。(八戸・近石がブロック)
防がれたものの、これでようやく狼煙を上げる事に成功します。

17分にはコーナーキックから、クロスの跳ね返りを村田がボレーシュート。(枠外)
19分には右サイドで受けた窪田がドリブルで前進、そのままエリア内右を急襲してシュート。(GK蔦セーブ)
直後のCKでも、クロスの跳ね返りを中島がミドルシュート(八戸・前澤がブロック)とフィニッシュ攻勢に突入。
この時間帯に1点返す事が出来れば……という流れでしたが、それは果たせず。
逆に23分に、再度自陣でのパスミスから八戸に好機を作られ(シュートには繋がらず)、またもミスが台無しにしかねないシーンを作った所で飲水タイムが挟まれます。

岐阜の圧力、ないしは選手の質の高さに八戸もプレッシャーを感じていたのか、リスタートの際は全体的に時間を使う立ち回りを展開。
26分には敵陣でハンドの反則を犯した島田が、ボールサイドから離れずに遅延行為を採られ警告を受ける場面も見られ。
そんな八戸の弱気が見られたタイミングで、岐阜は再度選手交代、村田・三ツ田→富樫・パウロンへと2枚替え。
そしてフォーメーションも変更となります。
<後半27分からの岐阜> 4-3-1-2
GK 松本拓
RSB 窪田 CB パウロン CB 甲斐 LSB 藤谷
DH 吉濱 DH 中島 DH 富樫
IH 川西
FW 山内寛 FW 深堀

中盤の構成が今一つ不透明でしたが、恐らくは↑だったかと。
時間も押し迫り後が無い岐阜、両SBは殆ど上がりっぱなしで、CBもサイドに開いてボールを裁くのを厭わずという超前掛かりな状態に。(31分には深堀→粟飯原に交代)

そんな苦境を跳ね返すには、やはり得点ランキングトップに付けている川西(現在13得点)のゴールが欲しい。
34分には下位のロングパスを粟飯原が胸で落としたのち中央で細かく繋ぎ、エリア内で川西がシュートチャンスを迎え。
しかし放たれたシュートはGK蔦のセーブで防がれてしまいます。

八戸は35分、またも岐阜の意表を突くように、右サイド奥から小牧がクロス気味のシュートを放って(ゴール上へ外れる)脅かし。
岐阜の猛攻を受けつつも、やる事は不変といった立ち回り。
終盤を迎え、38分に島田・前田→野瀬・新井山へと2枚替え、43分には小牧→上形へと交代としっかりとカードを切っていきます。(後者の交代で前澤が右WBへシフト)

そしてスコアが動かないまま、岐阜サイドの阿鼻叫喚が聴こえて来そうな(?)アディショナルタイムへ。
最終盤を迎え、岐阜の右サイドからのFK。(蹴る前に八戸は岡→高見へ交代)
キッカー粟飯原のクロスは跳ね返されるも、拾った富樫が縦パスを通し、受けた川西がエリア内右からシュート。
GK蔦が足でセーブして右CKとなり、もう殆ど時間も無い状況故に急いで川西がショートコーナー。
そして吉濱のクロスが上がると、中央で放たれた富樫のヘディングシュートがゴールネットを揺らします。
1点を返したものの、直後に試合終了の笛が鳴り、結局は悲しきゴールと化してしまいました。

敗れた岐阜、昇格の可能性が完全消滅となってしまいました。(後に熊本が勝利したのでどちらにせよ消滅していましたが)
これでJ3生活も3年目を迎える来季、後日には地元でこんな記事も書かれる事となり。
今季のような拡張路線が厳しくなる事は想像に難くなく、沼から抜け出せる日は来るでしょうか。

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DAZN観戦 2021年J2リーグ第40節 愛媛FCvsSC相模原

2021-11-24 16:08:13 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の愛媛の記事はこちら(35節・磐田戦、2-2)
※前回の相模原の記事はこちら(38節・群馬戦、1-1)

残り3試合、という所で発生した降格圏同士の直接対決。
ともに勝ち点34で、18位のクラブ(金沢)が勝ち点37という状況なので、解り易い「残留への蜘蛛の糸を掴む」べくの戦いとなりました。

高木琢也監督就任以降、秩序あるチーム作りの成果が表れてきた相模原。
ロースコアの接戦を演じる事で勝ち点を稼いでいるという印象ながら、時々カオスな試合結果が齎される事もあり。
32節・水戸戦がその発端で、取られたら追い付くの繰り返しをアディショナルタイムまで演じ、4-4というスコアでの引き分け。
この荒れ模様は功罪を齎し、36節・北九州戦(2-1)で逆転勝利を演じたかと思えば、前節・岡山戦(2-3)は逆に先行逃げ切りを果たせずの逆転負け。
非常にスリリングであり、傍らから観ている方は面白いですが、当事者としては計算し辛いのは困りものでもあり。
ただし既にリーグも最終盤で、どんな形でも良いから勝利が欲しい状況なので、この「総員突撃」ともいうべき前傾姿勢はある意味大事でしょう。
しかし流石にディフェンスのテコ入れが必要と判断されたか、3バックの中央には鎌田が久々のスタメンとなり、ベンチにはこちらも久々の梅井が入りました。

ともに3-4-2-1というフォーメーションで、かつ愛媛・相模原のどちらも「ある程度のボール保持はするが、ガチガチのポゼッションスタイルとは言えない」チーム。
それ故、ミラーゲームの特徴が色濃く表れる試合となりました。
立ち上がりはそのマンマーク状態を避けるように、お互いロングボール中心の組み立て。
相模原が1トップ・平松狙いのパスを中心としたのに対し、愛媛は2列目の近藤・川村を裏へ走らせるパスが中心となった入りを見せました。

いかにも狙いが解り易いですが、対処する側としてはイレギュラーに弱いという要素もあり。
それが起こったのが前半10分の相模原の攻撃で、右サイドでポストプレイの連続での前進から成岡が裏へミドルパスを送ると、受けるべき平松がオフサイドポジションに居たため走らず。
しかしそのために後方から受けに走り込んだ石田を愛媛サイドはケアできずとなり、フリーで奥で拾った石田がカットイン、エリア内からクロスを入れるという事態に。(ブロックされてコーナーキックに)
得た右CKで、クロスがクリアされた所を石田がミドルシュート(枠外)と、イレギュラーな事態からファーストシュートを生んだ相模原。

一方の愛媛、1トップ(吉田)を囮とするような攻撃を続けていましたが、16分に内田のスルーパスで吉田を走らせるシーンが生まれ。(繋がらず)
そして20分、右サイド後方から西岡が一気にエリア内へロングパスを送ると、走り込んだ吉田が中央からヘディングシュート。(GK三浦キャッチ)
距離がある浮き球のパスに点で合わせるという、こちらも相手が予測し辛い攻撃で好機を作った愛媛。

それでも基本はミラーゲームらしい睨み合いといった状況が長く続き。
飲水タイム(24分)以降は、愛媛がポゼッションに針が振れ始めます。
右センターバックの西岡が前に出る、右肩上がりの姿勢でパスを繋いでの組み立てが目立ち。
しかし相模原も無闇なプレスは掛けず、5-4-1のブロックで構える体勢を取る、一種の膠着状態に。
試合を動かすべく、35分に高木利弥(相模原・高木監督の息子)が右ハーフレーンからミドルシュート(枠外)、39分には川村が中央からミドルシュート(ブロック)と遠目から撃ちに掛かった愛媛でしたが実りません。

一方の相模原も、後方から繋ぐ姿勢を見せるも、愛媛のプレッシングの前に奪われるシーンが目立ち。
終盤の42分、ゴールキックからのロングフィードで、平松がフリックしたボールを拾った松橋が細かいタッチでの前進からシュート。(GK岡本キャッチ)
やはり効率が良いのはロングボールでの攻撃、という事が示され、以降相模原のターンとなるもシュートまでは持ち込めず。
結局スコアレスのまま前半終了と、負けたくないという意思が両チーム前面に表れる展開となりました。

共にハーフタイムでの交代は無く、迎えた後半戦もそんな状況は変わらず。
後方からショートパスを繋いでのビルドアップを展開するも、シュートは後半5分の川村のミドルシュート(枠外)と、遠目からのもののみとなった愛媛。
ロングパスを送り、そこから押し込んで攻勢を掛けるも、敵陣でのパスのズレが目立ち好機に繋げられない相模原。

愛媛のプレッシングも変わらない状況の中、相模原は9分にGK三浦の縦パスでプレスをいなしたのち、ショートパスを繋いでの攻撃を敢行。(シュートまではいけず)
しかし大まかな流れは変わらぬまま、双方最初にベンチが動いたのが12分。
相模原が清原→安藤に、愛媛が吉田→唐山へと交代します。

采配の交錯を経て、愛媛が唐山を絡めてのチャンスを演出。
13分に中央で近藤→川村→唐山とダイレクトで繋ぎ、そのまま唐山がエリア内へ進入するもGK三浦が前に出て抑え。
直後の同じく13分、ヘッドでの繋ぎを経て受けた唐山がそのままミドルシュートを放つもジャストミートせず。
途中加入以降、能力を発揮する事はするものの、肝心の得点には未だ辿り着けていない唐山。
藤本不在という逆境の中、その力が呼び起こされるのが待望されます。

その後相模原もやり返し、17分には最終ラインでの繋ぎから成岡が左サイドへロングパス、収めた平松のスルーパスに走り込んだ夛田がグラウンダーでクロス。
ニアサイドで安藤が走り込むもシュートは撃てず、GK岡本に抑えられ。
相模原もボール保持への意識が高まりつつありますが、以降愛媛の好機が続く展開に。
そうした状況で、22分に愛媛がこの日初のCKを得たというのは意外でしたが、相模原サイドもここまで2本。
共にCKの少ない展開で、ディフェンスの対応が光っていたという事でしょうか。

24分に飲水タイムが挟まれましたが、愛媛は内田・相模原は川上がともにピッチに倒れ込んでしまう状況でのブレイクとなり。
内田は自力で起き上がるも、川上は担架で運ばれる事態になり、明ける際に交代となります。(梅鉢と交代・同時に松橋→中山に交代)
しかし内田も、その後もプレーを続けたものの27分に再度足を痛めると、そのまま交代となり。
このタイミングで3枚替えを敢行(内田・山瀬・近藤→岩井・横谷・榎本)と、勝負に出た愛媛サイド。

交代でシャドーに入った榎本(川村がボランチにシフト)が、左からのカットインで抉る場面を作るなど、勝利へのゴールへと迫る愛媛。
その一方で、バックパスをGK岡本がトラップミスして相模原にCKを与えてしまう(34分)など、前掛かりの意識の功罪が表れつつありました。

終盤も目前となり、集中を続けていた守備力も低下が懸念される時間。
37分の愛媛、小原が右サイドをドリブルで仕掛けて一気にエリア内を突き、マイナスのクロスを入れるもブロックに遭い。
ゴールまで後一歩といったシーンが描かれると、直後の38分には今度は榎本が左サイドで仕掛け。
カットインの姿勢で中央へパスを送り、そこから横谷→川村→唐山シュートと、鮮やかなダイレクトプレイを経てボールは相模原ゴールに突き刺さり。
ようやく初ゴールに辿り着き、その場で雄たけびを上げる唐山。

先制されて後の無くなった相模原、40分に最後の交代。
鎌田・藤原→梅井・木村と、最終ラインを2枚替える手段を採りました。(木村が中央CB)
同時に愛媛も小原→田中へと交代。

その後FKを得たという事もあり、パワープレイかと錯覚するかの如く前線に張るのが目立った、一際長身である梅井。
何とか前線にボールを運びたい相模原、左サイドで裏にパスを送る→クリアされスローイン、の繰り返しという漸進戦法で敵陣へ。
梅井がロングスローを投げるシーンとなり、なりふり構わずという攻撃を敢行しますが、それが見事に功を奏します。
44分、梅井が投げたボールは直接ゴールへ向かう軌道となり、虚を突かれたか目測を誤ったGK岡本が弾いた末にゴール内に吸い込まれます。
スローインが直接ゴールに入ってもノーゴール扱いになるのですが、ゴール手前で触ったという事で得点が認められ、オウンゴールという形で同点とした相模原。
愛媛にとっては最終局面を迎えるという段階で、イレギュラーに対応出来なかった悔やみきれない失点になってしまいました。

そのままATに突入し、勢いに任せるかの如く攻勢を掛ける相模原。
クリアボールを拾った平松が右へ叩き、石田のクロスからファーサイドで安藤がヘディングシュートを放つもGK岡本がセーブし、左へこぼれたボールを成岡が再度クロス。
そして中央で今度は平松がヘディングシュートを放ちますが、惜しくもゴール上へ外れてしまいます。
愛媛も再度の勝ち越しを狙うべく攻め上がり、その結果戦術と我慢がウェイトを利かせる様相はすっかり消え失せ、完全オープンな展開となり。

カウンターでゴールに迫る相模原、成岡のスルーパスを受けた夛田がエリア内左を突いてグラウンダーでクロス、走り込んだ梅鉢がファーサイドで合わせシュート。
GK岡本が辛うじて足でセーブするも、中央へ転がった所に走り込んだのは1トップの平松。
しかしシュートはジャストミートせずにゴール左へ逸れ、またも逃してしまった平松。
これで勝利の運気は尽きたかと思われましたが、この日のサッカーの神様は尚も気まぐれぶりを発揮します。

愛媛の攻撃、唐山が左からのカットインでエリア内を突くも、相模原・木村に反則気味に奪われてまたも相模原のカウンター。
縦パスを受けた平松のキープを経て、成岡のスルーパスで中山が抜け出して受け、GK岡本の跳び出しを右へかわしてシュート。
空っぽのゴールに吸い込まれ、土壇場で勝ち越し点を挙げた相模原。
本当にオフサイドギリギリという中山の抜け出しに、神の意思が舞い降りたかのような錯覚を覚える幕切れとなりました。

その後愛媛はラストプレーで左から高木利(岩井の投入で右WB→左WBへシフト)のクロスに繋げたものの、結局得点は生まれる事無く、ゴールラインを割った所で試合終了の笛が。
劇的な勝利を挙げ、残留の芽を膨らませる事に成功した相模原。
カオスな試合展開もこの日は大きな追い風となり、悲願へ辿り着くまで残り2試合です。

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DAZN観戦 2021年J1リーグ第36節 柏レイソルvsアビスパ福岡

2021-11-23 16:19:37 | サッカー視聴記(2021年J1)

<柏スタメン> 4-4-2
GK キムスンギュ
RSB 大南 CB 高橋祐治 CB 古賀 LSB 三丸
RSH マテウス・サヴィオ DH 三原 DH ドッジ LSH 仲間
FW クリスティアーノ FW 武藤
<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB エミル・サロモンソン CB カルロス・グティエレス CB ドウグラス・グローリ LSB 志知
RSH 金森 DH 中村 DH 前 LSH 杉本
FW フアンマ・デルガド FW ジョン・マリ

オーソドックスな4-4-2同士の、リアクション重視のサッカーを展開するクラブ。
ぶつかり合うとなれば、睨み合い・我慢のし合いの展開が予想されますが、逆に1つの拍子で歯車が狂い流れが一気に傾く事もありがち。
そんな展開を避けるべく、徹底して崩れずに睨み合う事を止めない事が求められる対戦となりました。

個人的な話をすると、下位カテゴリの試合を中心に観ている身としては、「自分達のサッカー」がピッチ上に色濃く表れる試合は非常に趣深いものがあり。
ただし相手が居るのがサッカーというスポーツであり、サッカーを表現できる状況というのは、相手の強度が足りないが故に長所を存分に出せるという要因も少なからず存在します。
当然その強度はカテゴリが上がる程強くなる訳で、J1ともなると「自分達のサッカー」だけでは生き抜くのは不可能なレベル。
それを承知で尚も自身のスタイルの完成度を高めていくと共に、「相手に合わせたサッカー」も取り入れつつ、J1で勝ち抜ける程のチーム力を身に付けるのが理想形ですが現実は難しい。

既にリーグも終盤の中、柏・福岡ともに残留を決めたクラブ。
ともに苦しい時期もありましたが、接戦をモノにして勝利を稼ぐ姿は、無事これ名馬といった感じでしょうか。

立ち上がりの福岡は前半1分、相手のクリアボールをサロモンソンがダイレクトで縦パス、マリのポストプレイを挟んでさらにフアンマがダイレクトでエリア内左へスルーパス。
走り込んだ杉本のクロスはクリアされるも、縦に速い攻撃を見せるという「堅守からのカウンター」というリアクションサッカーの定番のスタイルを展開。
これを機に序盤の主導権を掴んだ福岡。
一方の柏も同じく1分に、左サイドから運んで武藤が一気に裏へスルーパス、走り込んだ仲間がシュート(オフサイドで取り消し)と同様の思考が窺える攻撃を見せます。

しかしペースを握る福岡が押し込み、開始10分間で3度コーナーキックを得る等攻勢を掛け。
少ないパス数で敵陣深めを突き、得たセットプレーをモノにするという、これまた判り易いリアクション系のスタイルの得点パターンを見せます。
その流れのまま14分に4本目のCKを得た福岡ですが、中々シュートには結び付かずにいると、同じスタイルの柏もやり返し。
17分には右サイドからのスローイン、大南からライナーでのクロスが上がると、ファーサイドで仲間がボレーシュートにいくもジャストミート出来ず。(GK村上キャッチ)
直後の18分には今度は福岡が、後方での繋ぎを経てグティエレスが一気にエリア内へロングパスを送ると、エリア内左でフアンマがダイレクトでボレーシュート。(ゴール上へ外れる)

立ち上がりの福岡ペースが終わりを告げるも、お互い縦に速い攻撃を理想とするため、激しく攻撃権が入れ替わる展開に。
カウンターの好機を得ても、相手の素早いトランジションを受けて結局遅行を強いられるか、そのまま強引に攻めるもシュートに繋げられないといったシーンが目立ち。
この切り替えの早さもJ1ならではといった感じですが、得点の匂いは中々生まれずに時間が進んでいきます。
24分には福岡のチャンス、相手クリアを前が左サイドで繋ぎ、杉本のスルーパスに走り込んだ志知がグラウンダーでクロス。
ニアサイドに金森が走り込んでシュートにいくも、ミート出来ずGKキムスンギュが抑え。
こうした少ない好機を決められるか否かで展開も大きく変わりますが、この日は決まる事無くスコアレスは続きます。

遅めの飲水タイム(28分)を経て第2クォーター、中央の堅い福岡に対し、柏がボールポゼッションを高めて攻撃していくも効果は薄く。
最後方からパスを繋いで前線へ運び、サヴィオからスルーパスが供給されるも、それが繋がらずに終わり後一歩といった感じでした。
一方の福岡はエリア内へのロングパスでマリを走り込ませるシーンを度々演出。
GKキムスンギュが際どい所でパンチングで掻き出す場面(37分)も見られ、シュートは生まれずとも一発のパスで相手を脅かす攻撃。
この時間帯は柏の脅威となっていたマリ、38分に柏・三原に倒され反則、良い位置(ゴール中央・エリアからやや手前)での直接フリーキックとなります。
これをサロモンソンが直接シュートしますが、落ち切らずゴール上へと外れ。
結局フィニッシュはこのシーンぐらいのものでしたが、福岡優勢といった印象で前半を終えます。
尚、アディショナルタイムに福岡・グティエレスが柏・クリスティアーノとの交錯で倒れ込み、そのまま前半終了の笛が吹かれる事態に。
危ぶまれましたが、暫くして起き上がり後半も無事にピッチに立ちました。

前半に相手の出方を伺ったのちに後半勝負、という絵図が描かれ易いのもリアクションサッカーの特徴でしょうか。
十分に相手の特徴を把握して迎えた後半1分に早くも福岡の好機。
GK村上のロングフィードをフアンマが合わせるという単純な攻撃ながら、金森のエリア内へのパスを受けたマリがシュート(GKキムスンギュキャッチ)と、手数を掛けずに繋がれば強力な手段でもあり。
一方の柏も5分、空中戦を経て拾ったサヴィオがスルーパス、今度はクリスティアーノに渡ってエリア内左へと進入。
そしてクリスティアーノのシュートが炸裂するもGK村上がセーブ、こぼれ球を武藤が繋ぎ、サヴィオがシュートしますが福岡・志知がブロックで防ぎ。
ともに得点チャンスを生み出し、後半勝負の様相が表われた立ち上がり。
しかしモノに出来ず終わった事で、再度睨み合いの展開となります。

そんな中、12分には福岡・マリが空中戦で痛み倒れ込む中、柏が長いポゼッションにより敵陣で攻撃。
最後は大南のエリア内からのシュート(ブロック)で終わり途切れると、マリが(柏・高橋祐との接触で)頭部から出血している事が判明します。
治療のためピッチ外へ退き、10人となった福岡でしたが、無事にやり過ごして16分に復帰したマリ。

その後再度福岡がCKを得ていく流れを経て、20分に柏がGKのロングフィードからの好機と、福岡のお株を奪うような攻撃。
敵陣で繋いで揺さぶったのち、中央で三原の縦パスを受けたクリスティアーノが反転してエリア手前からシュート。(GK村上キャッチ)
福岡の堅守に苦しみ攻撃機会は少ないこの日の柏でしたが、フィニッシュの場面ではクオリティの高さを発揮していました。
一方の福岡もセットプレーを得る流れは変わらず、23分に左サイドからのFK、キッカー・サロモンソンのクロスをファーサイドでグローリが合わせ。
GKキムスンギュの跳び出しを受けつつもヘディングシュートに持っていきましたが、惜しくも右サイドネット外側。
その後柏も押し込み始め、26分にCKをゲット、これがようやくこの日最初のCKと福岡と対称的な状況になっていました。
このCKの直後の27分、流れの中でサヴィオと仲間が左右を入れ替えての攻撃を経て、サヴィオのミドルシュートが枠外となった所で後半の飲水タイムに。

ブレイク明けに福岡が金森→田邊へ交代と、両チーム通じて初の交代カードを切ります。
睨み合いの状況で、流れを(良くも悪くも)変える切欠となる交代には中々踏み切れずという試合展開が窺えました。

しかしこれを境に攻め上がる福岡、30分には田邊が加わった右サイドでのパスワークを経て、前のパスをエリア内で受けたフアンマ。
前を向いてシュートへの体制を作るも、柏・三丸のチャージで足を刈られ倒れ撃てず。(反則無し)
直後の31分にはその不完全燃焼をぶつけるように、サロモンソンの右からのクロスをファーサイドで合わせたフアンマですが、シュートはGKキムスンギュがキャッチ。

福岡が交代効果を得た事で、堰を切ったように柏も選手交代を敢行。
34分には武藤→瀬川へと交代。
福岡が37分にフアンマ・杉本→渡・吉岡へと2枚替えしたのち、再度カードを切ってサヴィオ→戸嶋。
そして41分には仲間→神谷と、短い間に3度交代を敢行した柏・ネルシーニョ監督。
それでも中々流れを変えられず、福岡の時間帯は続き。
田邊(37分の吉岡投入により右SH→左SHへシフト)が嫌らしい位置でボールを受ける事で攻撃リズムを生み出し、好機に繋げていました。
終盤の45分、吉岡の右からのクロスに渡が合わせボレーシュートを放つも、GKキムスンギュがキャッチ。

そしてスコアレスのままATに突入し、疲労が色濃くなりつつも双方粘り強さは変わらず。
柏は古賀縦パス→クリスティアーノフリックを経て、細かい繋ぎで福岡の堅守を潜り抜けてエリア内左を突きましたが、抜け出した神谷のシュートはマイナス方向に逸れてしまいモノに出来ず。
その後再度福岡が攻撃権を掴み、最後はセットプレー攻勢を掛けるも得点には結び付かず。
双方チームカラーに相応しいような、スコアレスドローで試合を終えました。

相手に合わせるような立ち回りの神髄ともいえる内容・結果が描かれた試合。
結果重視の思考が色濃いJ1ならではでしたが、現在激しい残留争いが繰り広げられているJ2(未だ降格クラブは決まらず……)は元より、今後J3にも降格制度が生まれるかというJリーグを取り巻く流れ。
結果に拘る事で、副次的にリアクションの意識が下部リーグに広がっていくかどうか、個人的に気になる所です。

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