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DAZN観戦 2023年J3リーグ第15節 FC琉球vsテゲバジャーロ宮崎

2023-06-29 16:00:45 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

監督人事が非常にややこしい事になっている琉球。
前年暫定監督を務めた倉貫一毅氏、(ナチョ・フェルナンデス氏の就任→シーズン後退任を経て)今季は冒頭から指揮を執っていたものの、成績不振を理由に10節(鹿児島戦、0-2)終了後に解任。
そして新たな監督には、前年途中に解任された喜名哲裕氏が(暫定を経て)就任する事となり。
前年は喜名氏→倉貫氏へ、今年は倉貫氏→喜名氏へ受け渡しと、傍らからでは監督役の回し合いをしているだけに見える流れを築いてしまいました。

降格クラブだけに、「一年での(J2)復帰を」と意気込んで挑んだものの、結局空回りに終わる言わば「良くあるパターン」でしょうか。
選手編成においても、チームの精神的支柱というべき上里が引退した過渡期であり、そのような状況で内輪のみでの人事で昇格を目指すには厳しかったか。(まだシーズンは終わっていませんが)
新たな選手獲得も大ベテラン金崎に、不祥事で前クラブ(札幌・レンタル先福岡)を解雇された柳と、寄せ集めの色が濃くなっているのがその昇格への「力み」を感じさせてしまい。
成績的にも、全試合出場者が武沢のみ(しかし途中交代も絡み時間は多くない)と、一本心を感じない記録が残っており。
上里不在ななか、クラブのDNAを何処に据えるのかが問われているでしょうか。

この日の相手は宮崎で、クラブ事情はともかく、サッカースタイル的には強固な守備陣というストロングポイントが定着しつつあるチーム。
そんな相手に早々に、永田の左サイドの突破からコーナーキックに持ち込まれる(前半2分)と、キッカー下澤のニアサイドへのクロスを石津がフリック気味に合わせるヘディングシュート。
中央で井原が足から跳び込んだのもあり、GKカルバハルもセーブが遅れて右ポスト内側を叩きゴールに吸い込まれます。
電撃的な宮崎のゴールで、早くも追い掛ける苦しい立場となってしまいました。

こうなると、松田浩氏お馴染みの4-4-2ブロックによる守備組織が冴え渡る展開に。
以前の記事では、石津の加入によるその構築の遅れを不安視した自分ですが、彼を最前線に起用する事で懸念は払拭されたようであり。(それでも攻撃では、盛んに降りてパスを受けに来る石津ですが)
ポゼッションスタイルを貫く琉球が、それをどのように崩すかという一点となる注目ポイント。

立ち上がりは深さを取る攻撃で、盛んにサイド奥へとロングボールを送る琉球。
そして相手もロングボールへと傾倒していき、こうなるとボールが落ち着かず宮崎の陣形の乱れも必至な状況に。
7分にはそんな絵図から、牟田の跳ね返しを拾った中野がドリブルで右ポケットを突き、戻しを経て平松エリア内中央へパス→野田ポストプレイという流れでシュートチャンス。
放たれた武沢のミドルシュートはエリア内での青山のブロックに防がれるも、期待感を膨らませる流れとなり。

しかし13分、攻撃の最中に永田の反則気味のプレスバックで奪われると、反則と思い込み足を止めてしまった事で宮崎のカウンターに。
こぼれ球を大熊の縦パスで一気に運ばれる(左から永田のクロスに繋がるも撃てず)という具合に、相手の守備強度に怯む場面も作ってしまいます。
その後も琉球はボールを握り、(GK以外)全員が敵陣に進入する場面も目立ちますが、宮崎の強固なブロックの前に「アタッキングサードからが勝負」といった状況に。

そんな相手の攻めを防ぎ続ける宮崎、カウンター一本といった攻撃に入るのが普通ですが、首尾よくその状況に持ち込んでも急いで攻め込まず。
リードを最大限生かすべく、戻して作り直しを選択する事も多く、この辺りが松田氏の「ポゼッションを守備力(相手に攻撃機会を与えない)に使う」真骨頂と言うべきか。
自分達のターンを作ると、GK青木も前に出てビルドアップに絡むという、松田氏以前の宮崎のスタイルを否定する事無く取り入れる姿勢も披露します。
中々活路を見出せない琉球は、21分GKカルバハルがプレスを掛けられてのフィードを強いられ、それを南野のブロックに遭い拾われ宮崎のビッグチャンスを招いてしまい。
右ポケットに進入した北村知が中央へ横パス、受けた南野がシュートしますがGKカルバハルがセーブして何とか防ぎ。
こうした立ち回りを続ければ、それだけ相手にミスが生まれ易くなり労せずして決定機が作れる。
そんな宮崎のスタイルが、腰が安定しない近況の琉球を苦しめます。

何とか流れを変えたい琉球は、ボール保持が膨らむ宮崎に対してのプレッシングに活路を見出し。
30分にケルヴィンがボール奪取してそのままドリブルに入り、戻ってきた南野に倒されて反則。
これで中央からのフリーキックを得、遠目なためロビングを選択したキッカー平松ですが、クリアされてさらにCKに。
クロスがクリアされたのちも右サイドで細かく繋ぎ、武沢のミドルシュートに持っていきましたが、石津のスライディングでのブロックに阻まれ同点ならず。

しかし潮目が変わり、以降サイドハーフ同士を入れ替えた(中野が左・白井が右)事もあり、琉球の流れとなる試合展開。
あくまで能動的な崩しを貫くなか、39分に中盤で持った平松が左へのパスを窺わせると、すかさず青山が前に出てカットを狙う動きを取る宮崎。
これを見てキャンセルしたのち、パスワークを経て再び平松が左へパスし、福村→武沢→中野というパスワークでの前進。
その最中に再度パスカットにいった青山は武沢のパスをカットしきれず、フリーで中野が前進してワイドの位置からシュート(GK青木セーブ)と、高度な攻防を経てのフィニッシュに繋げ。

しかし宮崎の守備ブロックを掻い潜ってのチャンスクリエイトはやはり難度が高く、以降攻撃機会は膨らませるもフィニッシュが遠く。
40分過ぎから再度SH同士を入れ替えて元の位置に戻すも、好循環を齎す事は無く。
結局以降は、アディショナルタイムのCKからの牟田のヘディングシュート(枠外)のみに終わり、0-1のまま前半を終えます。

後半の琉球は攻め方を変え、ビルドアップの際は中野が中央に絞り、トップ下のような動きに。
その上で彼に繋げるべく、ボランチの1人は宮崎2トップの間に立ってパスを受ける形を多く作ります。
前線の守備の無効化(宮崎は守備ブロックが持ち味といえど、ボールの位置が低いと流石にプレッシングはする)を果たしつつ、流動的な動きで的を絞らせず、アタッキングサードへ押し込む流れを作るのが狙いだったでしょうか。

後半2分に得たCKからまたも牟田がヘディングシュート、今度は叩き付けるシュートもバウンドして枠外に。
この(後半の)ファーストシュートを切欠に、狙い通りの攻めで好機を多く作り。
宮崎ディフェンスを押し下げたうえでのミドルシュートが幾度も炸裂します。
7分には左→右へのサイドチェンジから、柳の戻しを受けた平松が前進からのミドルシュート、遠距離から威力あるボールが襲うもGK青木がセーブ。
尚も右奥で野田が拾って継続し、中野が幾度の切り返しで揺さぶったのちに柳のクロスが上がると、中央でケルヴィンがヘディングシュートを放ちますがこれも青木のセーブに阻まれ。
ここから3本CKを続けるなどひたすら押し込みましたが、この日の宮崎は最後の砦も堅かった。

結局ゴールを奪えないまま攻勢が途切れた琉球、再びその流れを作らんと15分に2枚替え。
ケルヴィン・白井→阿部・岩本へと交代します。

しかしその直後に、阿部が戻りオフサイドを採られる不完全燃焼な攻撃をしてしまうと、そのFKでのGK青木のロングフィードからの攻めを止められない琉球。
左サイドで永田がフリックで落とし、拾った南野がカットインで左ポケットを突く好機となる宮崎。
そしてシュートを窺わせながら十分に溜めての横パスが出されると、中央で合わせたのは石津で、GKカルバハルの右を際どく破りゴールイン。
これでこの日2ゴール目と、FW起用はやはり白眉といった石津。
同時にクリスティアーノのSH起用という、長崎時代の松田氏の苦い思い出(と思われる)も醸し出される事となりました。

点差を広げられてしまった琉球、勝ち点のためにはとにかく攻め上がるしかないのは変わらず。
阿部が積極的に降りる事で縦パスの選択肢も広がり、そこから活路を見出しに掛かります。
そこからサイドへ展開してクロス攻勢、18分に野田が、19分に阿部がヘディングシュート(いずれも枠外)とフィニッシュに繋げ。

そして21分、攻撃が途切れるもゲーゲンプレスを掛けて阿部が反則気味にボールを奪い継続し、パスワークを経て右へと展開し柳が奥を突き。
戻しを経ての(武沢の)手前からのクロスを選択すると、ファーサイドでまたも野田のヘディングシュートが炸裂しますが、これもGK青木のセーブに阻まれ。
尚も詰めにいった野田でしたが青山を削ってしまい反則と、どうしてもゴールを奪えない琉球。

複数点のリードはあるも、押し込まれ続ける宮崎。
23分に松田監督もカードを切り、石津→東出へと交代して永田がFWに回り。
長らく欠場が続いていた東出、(プレッシングにいかないシーンを目にした)ベンチから大声で罵声に近い指示が飛ぶなど、その松田氏のサッカーへの適応力が試されていたでしょうか。

その後も攻め込む琉球、26分にまたも野田を目掛けたクロスが左から上がり、こぼれ球を拾った中野からの戻しで武沢にシュートチャンス。
しかし素早い寄せに阻まれ、一層守備的な意識になった宮崎を前に状況は厳しく。

打開を図らんと、27分に再度動く喜名監督、武沢・野田→富所・金崎へと2枚替え。
しかしまたも、投入直後の隙を狙われてしまいます。
直後の宮崎の攻撃はゴールキックで、2点目同様にGK青山のロングフィードからで、南野が合わせるも高く上がったボールを拾いにいった富所がよりによってコントロールミス。
拾った永田のスルーパスがエリア内へ送られ、走り込んだ南野のシュートがゴールネットを揺らします。
止めというべき3点目で、しかも投入した富所の逆起点と、流れを変えるはずが相手へのブーストとなってしまったベンチワーク。

メンタルに来る失点で勢いを失う琉球を尻目に、宮崎は30分に二度目の交代。(北村知・田中→山崎・北村椋太)
安全圏となった宮崎はのびのびと、というサッカーになり、30分には自陣でのボール奪取から南野が果敢にロングシュートを狙い。(枠外)
33分には不安視された東出が敵陣でボール奪取し、そこから山崎が右奥を突いてグラウンダーでクロス、クリアされた後も尚も奥で細かくパスを繋ぐ攻め。
交代選手も跳梁を見せる事で、4点目のプレッシャーを与えるとともに時間を使っていきます。
琉球サイドも、投入された金崎が深さを取らんとするも、その際に反則を犯してしまうなどで流れを齎す事が出来ず。

そして37分に決定機を迎える宮崎。
永田のパスカットから、切り込んだ南野が再びエリア内でシュートチャンスを迎えますが、放たれたシュートはGKカルバハルがナイスセーブ。
これだけでは終わらず、39分にはカウンターでまたも決定機、クリアを収めた南野のパスを受けた永田が抜け出し。
今度は両者逆の流れで、GKと一対一を迎えた永田でしたが、右ポケットからのシュートはこれもGKカルバハルの前に出てのセーブに阻まれます。
前半からファインセーブを目立たせていたカルバハルでしたが、孤軍奮闘も実らずという形になりました。

琉球の最後のカードは40分で、中野→高安へと交代して岩本が右SHに回り。
一方宮崎は43分に永田・南野→高橋・江口へと交代し、山崎1トップ・下澤トップ下の4-2-3-1(4-4-1-1?)といった布陣に。

最終盤を迎えても、攻撃に一向に勢いが出ない琉球。
柳の推進力を押し出さんとするも、既にスタミナもきつくその能力は十分に発揮されず。
結局フィニッシュを(35分の富所のシュート以降)放てないまま終着となりました。

そして逆に宮崎が押し込む流れとなったAT。
CKを獲得し、時間を掛けながらという立ち回りを窺わせつつ、左ポケットから山崎のマイナスのクロスを受けた大熊がシュート。
牟田のブロックで防がれるも尚もCKとなり、今度はクロスを選択してクリアされるも、跳ね返りを直接山崎がボレーシュート。
GKカルバハルのセーブでゴールはなりませんでしたが、ここで試合終了の笛が鳴り。
どちらが得点が欲しい状況なのかという疑問を抱かせながら、宮崎の快勝で試合の幕は閉じられました。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第18節 湘南ベルマーレvsサガン鳥栖

2023-06-28 16:11:11 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

いつの間にか、10戦未勝利で定位置(辛うじて残留)近辺となっているのが湘南。
芯の定まっていないクラブが下位に沈む傾向が強い中、こうして目指すべきスタイルがハッキリしているにも拘らず、結果が全くついて来ない状況をどう解決するべきか。

町野というストライカーが控えてはいるものの、全体得点力自体は良くて中位ぐらい。
そのような状況で、今季は未だクリーンシートが皆無の守備陣を抱えていては、勝ち点3に辿り着くのは困難といった所でしょうか。
データを見ると、得点期待値はリーグ3位・被得点期待値はリーグワースト3位。(この試合も含めたもの)
こちらの数多作る好機はモノに出来ず、逆に危機を多く作った末に耐えられず失点してしまうという傾向が強く。
この日はGKを富居に代え、3バックも特別指定選手の高橋・大ベテランの山本(この日が今季3試合目)を起用と、大幅に弄りテコ入れを図りに来ました。

代表ウィークなためリーグ戦は2週間の空きを経ての開催。
丁度2巡目の始まりという試合で、相手も開幕節と同じ鳥栖。
その際は鳥栖の完成度の低さもあり、5-1の圧勝を演じたものの、今や成績的にチーム力の逆転を懸念せざるを得ない状況。
むしろその試合が重圧となる危惧も高く、再現を果たすと言わんばかりに、その試合でハットトリックを決めた大橋をスタメン起用してきました。

しかし鳥栖のキックオフで始められた試合、鳥栖はいきなりセンターサークルから前進という意表を突く選択肢。
小野が持ち運び左へ展開、菊地のクロスにまで繋げる攻撃で、湘南サイドは色を失った感がありました。
そして立ち直る暇も無い前半2分、鳥栖の攻撃を断ち切るもゲーゲンプレスを受ける湘南、自陣左深めでのミドルパスを原田にカットされるという苦し紛れな絵図。
ここからエリア内へ縦パスが撃ち込まれ、受けた小野が右斜め45度といった場所から狙いすましたシュートを放つと、左サイドネットを揺らします。

早々の先制点で勢いに乗る鳥栖。
ボール奪取からの好機や、中盤でのルーズボールを素早く繋ぐ事で湘南のベクトルの逆を突くように好機を量産。
5分にはこぼれ球を繋いで中央で確保ののち、左サイドを岩崎が突破した末に、カットインからミドルシュートを放つもGK富居がセーブ。

何とか鳥栖の攻勢を防ぎ、反撃体制を築く湘南。
最終ラインからショートパスを繋ぐスタイルは変わらずも、ビハインドならびに最近の不調を跳ね返すには何か劇的な事象が欲しい所。
12分、鳥栖がエリア内へスルーパスを送るも高橋がカットして防ぎ、すかさず掛けられたゲーゲンプレスも左へ流れつつのミドルパスでいなす事に成功。
ここから縦に運び、右へのスルーパスに走り込んだ石原のクロスにまで辿り着く攻撃。(クロスは誰に合わず)
鳥栖の圧力に屈しない組織力を発揮します。
鳥栖のポゼッションに対しても、前線5人の組織立ったプレッシングで、ショートパスでの繋ぎを許さず。

しかし一体感は示せても、それをチーム力で強引に剥がされるようになると弱い。
鳥栖は最終ラインで繋ぐ事でポゼッションを高めても、GK朴のロングフィードを良い形で送るという「疑似カウンター」的なスタイルでそれを果たさんとします。
これに岩崎の突破力も加える事で、手数の掛けない攻めでプレッシャーを与え、湘南の意識をひっくり返しに掛かり。

27分には、原田の飛距離の長いスローインを武器に加え。
ここで原田は低い弾道のボールで右サイド奥を突くという変化を付け。(堀米の手前でクリアされ実らず)
キックオフのシーンといい、突然の変節で相手を揺さぶりに掛かります。

湘南は敵陣でボールポゼッションを高めるも、そうした鳥栖の姿勢を受ける事で腰が引けてしまったでしょうか。
30分、右サイドでのパスワークで隙を窺わんとするも、戻しを選択した結果小野にカットされてカウンターを浴びてしまい。
そしてスルーパスを受けた岩崎が左奥を突いてポケットへパス、受けた堀米のクロスこそ杉岡がブロックするも、こぼれ球が小野の下へ。
今度は先制点の状況とは逆の左ポケットからのシュートで、右ポスト内側を叩いてゴールネットを揺らします。
ボール保持に意識を割いた結果、攻撃権の確保どころか追加点を献上してしまった湘南。

意気消沈の相手を尻目に、鳥栖は尚も得点を重ねるべくの攻勢に入るというある意味至福の時間に。
33分には再び右スローインから、今度はサイドチェンジを経て左で攻め、岩崎が左ポケット奥を突いてマイナスのクロス。
そして中央で手塚が合わせるも、このシュートはGK富居が足でセーブと瀬戸際で防ぎ。
その後もゲーゲンプレスと疑似カウンターという二大武器を如何なく発揮し、反撃の機会を与えずに攻勢のまま時間を進めます。

湘南は糸口を掴めないまま、アディショナルタイムに突入。
そこでGK富居のロングフィードからの攻撃や、右スローインから奥を突いてクロスという具合に、鳥栖がやったような攻めで好機を作り。
コーナーキックを得たもののそこでの得点は無く、結局0-2のまま前半が終わります。

にわかに尻上がりとなった終盤を受け、温存していた?町野を後半頭から投入した山口智監督。(タリクと交代)
その入りの後半1分にも、GK富居ロングフィード→平岡収めてスルーパス→大橋(繋がらず)と、終盤の姿勢を維持する事で反撃体制を作りにかかったでしょうか。

しかしその構築がままならないまま、3分に鳥栖が敵陣でのボールカットからショートカウンター。
長沼がドリブルで右ポケットに進入し、奥に切り込まんとする所を杉岡にスライディングで倒されると、反則の笛が鳴ってPKが与えられます。
流石にボールに届かずモロに長沼の足に入れてしまった絵図とあっては言い訳は利かず、カードの類が出なかっただけ良かったと言うべきシーンか。
キッカーは小野が務め、ゴール左へ強く蹴り込み、GK富居は触れるものの勢いは殺せず。
ゴールネットを揺らして3点目、小野がハットトリック達成と、完全に開幕節のお返しという格好となった鳥栖。

これで攻めるしか無くなった湘南、再びボールポゼッションを高めての攻撃にウェイトを置き。
しかし3点リードの鳥栖もプレッシング意欲は依然として旺盛で、それをかわした際は絶好機が生まれ。
6分に左から畑が斜めの縦パス→町野ポストプレイで中央を経由したのち右へ展開、石原がスルーパスに走り込んで低いクロス。
ニアサイドで走り込む小野瀬には僅かに合わずも、何かが後一つ巧くかみ合えば得点は決して不可能ではない、という流れを得ます。

それを実現するべく10分にベンチが動き、平岡→山田へと交代。
高橋がボランチに回る事で4-4-2へシフトと、フォーメーションも併せて変える事で勝負を賭けにいきます。

そして11分、ポジションが移った高橋のパスカットから素早く前へ運ぶ攻撃で好機。
小野瀬がドリブルで右奥を突いて低いクロスを入れると、今度は中央で大橋がしっかり合わせてシュート。
しかしGK朴にセーブされ、跳ね返りを自ら詰めて追撃しますがこれも朴のキャッチに阻まれてゴールはなりません。
鳥栖ディフェンスの寄せもあり、ダイレクトシュートではどうしてもコースを突く余裕が無くなるのが災いした格好で、それは今後も付き纏う事となり。

逆に直後の12分、鳥栖はクリアボールを巧く繋いで再び小野の下に絶好機。
左ポケットからのカットインで、中央からシュートしますが石原がブロックで何とか防ぎ。
尚この流れの中で原田が頭部へのダメージで蹲ってしまい(原因は不明)、脳震盪による交代措置が採られます。(樺山を投入、長沼が右サイドバックに回る)

良い流れを切られた格好となった湘南、その後自陣でのパスミスを連発してしまい再び迷走気味となり。
そうなると隙を突かれるのは当然で、18分の鳥栖は最終ラインから繋ぐ攻撃で、右→左へのサイドチェンジが決まったのちに岩崎が左ポケットを突くというお馴染みの流れ。
そして追い越した菊地へのスルーパスを選択し、その菊地からのマイナスのクロスを綺麗に堀米が合わせて仕上げます。
止めというべき4点目が入りましたが、これだけでは終わらなかったのがこの日。(キックオフ前に菊地→楢原へと交代、長沼が左SBへ回る)

このまま惨敗となるのは避けたい湘南。
21分に再び交代敢行するベンチ、奥野・山本→阿部・舘へと2枚替え。
これで高橋の1ボランチとなり、阿部がトップ下に回る事で4-1-3-2というレアなスタイルに。

そして22分、町野の右からの斜めの縦パスをポケットで受けた大橋、ポストプレイを経て後方から石原がシュート。
しかしこれもGK朴のセーブに阻まれ、すっかり朴の厚い壁に呑まれるという展開が出来上がった感があり。
最終ライン裏を突くスルーパスも、前に出る朴によってクリアされるなど無効化される事が増えていきます。
(25分に鳥栖は小野→富樫へと交代)

26分に再びシュートチャンスが訪れ、またも町野のラストパスが(中央から)右ポケットに入り、今度は大橋が走り込んでシュート。
GK朴がセーブとこれも防がれると、苛立ちを隠せない状況にピッチ外ではたまらず山田が大橋に対して小突くシーンが描かれる事態に。
議論をかもす一幕が生まれた事で、運気は地に落ちたようでありました。
その山田も、続く27分に石原クロス→町野ヘディングシュートが例によってGK朴のセーブに阻まれたのち、こぼれ球を追撃しましたが枠を捉えられず。
乱れる組織力という絵図で、こうなると頼みの綱は個の力と言わんばかりに、30分に縦パスを受けた町野がドリブルで左ポケットを突いてシュート。
しかしこれもGK朴に防がれ、どうしても得点に辿り着けません。

鳥栖サイドも、度々作られる決定機に意識は徐々に尻込みしていたでしょうか。
27分にスローインの際に楢原が、29分にはフリーキックの際に堀米が遅延行為を取られ、いずれも警告を貰ってしまう等良くない流れが生まれかけ。

湘南がシュートを撃ちまくるも決められない、そんな流れが続いた末に38分に鳥栖ベンチが動き。
3枚替えを敢行し、長沼・手塚・堀米→田代・藤田・藤原へと交代。
これで田代が中央に入る3バックへとシフトし、3-4-2-1つまり5バックシステムに。

これ以降プレッシングの意欲は薄まったものの、ボール保持の色は濃くなる鳥栖サイド。
敵陣でのパスワークを続けて相手の攻撃意欲を削ぎながら、生まれる隙を確実に突くスタイルを採ります。
そして41分、左サイドからのスローインで、投げ込まれたボールを樺山が入れ替わりで右ポケット奥を取ってそのまま浮き球でマイナスのクロス。
これを中央で藤原が合わせシュートと、4点目同様に「マイナスのクロスを合わせてのゴールは綺麗な流れ」という事を改めて実感する得点が生まれました。

守備のテコ入れどころか、今季最多失点を更新する事になってしまった湘南。
それでもホームの舞台で諦めは許されず、少ない残り時間のなか攻勢を続けます。
43分にはCKからの二次攻撃で、右から小野瀬がカットインシュートを放つも河原のブロックに阻まれ。
続く44分は左から阿部がクロス、山田の胸での落としを経て町野がシュートするもGK朴がキャッチ。
様々な手で放たれるシュートも、徹底的に防がれてしまいます。

ATへ突入し、最早鳥栖はGK朴からの繋ぎで、時間を経過させる立ち回りへと入り
それを阻みにハイプレスを掛ける湘南ですが、それを待ってましたとばかりにファンソッコの裏へのロングパスで一気にひっくり返し。
受けた富樫が舘を置き去りにする切り返しで右ポケットへ進入、そしてクロスを送った先に走り込んでいたのは樺山。
しっかりとゴールネットを揺らし、文字通り終焉を告げる6点目を交代選手の働きで生み出しました。

こうなると湘南は体力も気力も無いといった格好で、一度も攻撃機会を作り出せず。
鳥栖のボールキープが続く中、試合終了を告げる笛が吹かれます。
0-6の大惨敗に、順位的にも暫定ではありますが最下位に転落してしまった湘南。
一生逃れられない残留争いの呪縛といった格好ですが、断ち切る術はあるのか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第22節 ザスパクサツ群馬vs清水エスパルス

2023-06-27 16:02:04 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の群馬の記事はこちら(17節・岡山戦、1-2)
※前回の清水の記事はこちら(20節・熊本戦、1-0)
※前回対戦時の記事はこちら(6節、清水 1-3 群馬)

<群馬スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • 川本は清水からのレンタル選手なため出場不可。
  • 新たな故障者のリリースは無し。長らくベンチ外が続いているベテラン細貝も、天皇杯2回戦(ヴェルディ戦、1-2)で出場しているため可能性は低め。
  • 18節(藤枝戦、0-0)で負傷交代した高木彰も、1試合欠場を経て復帰。(この日はベンチ外)

<清水スタメン>

  • 新たな故障者のリリースは無しも、吉田がベンチ外。
  • ルヴァン杯6節(浦和戦、1-1)からのスタメン継続者は北爪・井林・鈴木・宮本・中山・乾・北川航の7名。カルリーニョス・白崎が途中出場。

折り返して最初の試合、と言いたい所ですが、ルヴァン杯を挟んだ清水と磐田は例外であり。
21節が次の水曜にシフトし、5連戦が組まれる過密日程となった両クラブ。(とその対戦相手の甲府・秋田)

そんな訳で厳密には後半戦とは言い難い清水ですが、相手は前半戦転落の切欠となった群馬。
節目の試合で、「あの時の俺達とは違うぜ」とアピールするには格好の相手となりました。

その清水はキックオフからの攻撃で、西澤のロングパスからの落としを繋げて早速好機に持ち込み。
右から北爪のクロスが上がり、GK櫛引が掻き出した所を、先程ロングパスを送った西澤がミドルシュート(ゴール上へ外れる)と、いきなりフィニッシュに繋げます。
ここからペースを握り、コーナーキックを連続で獲得する(キッカーは全て西澤)など良い感じの入りとなり。

しかしその西澤をサイドバック(左)に置くという具合に、アンバランスぶりが拭えない布陣の清水。
群馬はそれを読んでか、サイドハーフは予想に反して山中が右・佐藤が左という並びを取り。
こうなると、岡本が前に行く従来の布陣とは異なり、山中がワイドで最前線に張ったうえで岡本がハーフレーンでプレーするという変則形となる今季の群馬。
攻撃的な西澤の背後を突く狙いが傍らからでも見て取れました。
前半7分の清水の攻撃、敵陣でポゼッションするものの西澤へのパスがミスとなり、拾った山中がすかさずドリブルを始め。
一気に右奥まで攻め入り、戻った西澤がスライディングで何とかコーナーに逃げるという具合に、その通りの攻撃を続ける群馬。

そして迎えた10分、山中の細かいタッチでのドリブルからのサイドチェンジ。
これがクリアされて左スローインとなると、佐藤はスロワーを務めるフリをして中塩が奥へ投げ入れる事で、裏を取った佐藤が2人に付かれながらもキープを経てクロス。
グラウンダーでニアを突いた所に、北川柊が走り込んでフリック気味に合わせ、ループの軌道で綺麗にGK権田を抜いてゴール。
弱点を突く事で、巧く相手からペースを剥がした末の先制点となりました。

リードを奪われた清水、その後もボールを支配して攻め上がりますが、こうなると嫌でも前回対戦時の再現が頭を過る状況に。
あの時も先制を許し、一旦追い付くもすかさず勝ち越され、ほぼ全時間ビハインドの状況のなかポゼッションを高めるのみといった攻撃に終始。
それを振り払うべく右サイドからのクロス攻勢に入り、12分に北川航のヘディングシュート(枠外)、13分にカルリーニョスのジャンピングボレーシュート(GK櫛引キャッチ)とフィニッシュを重ねます。
一方受ける体勢となった群馬も、14分に佐藤が左サイド遠目からクロスと見せかけて果敢にシュートを狙いGK権田がセーブと、追加点のプレッシャーを与えるのに余念が無く。

北爪を主としたクロス一辺倒から、サイドチェンジを多用する事で徐々に硬直性を解いていく清水の攻撃。
乾は様々な場所に降りて繋ぎ役に徹する、4-4-1-1におけるトップ下のイメージとそう変わらないものの、群馬サイドがその乾を捕まえきれないのもあり効果的となり。
22分、左サイドで受けた乾がハーフレーンへ斜めの縦パスを送り、受けたカルリーニョスが中央へ向かいドリブル。
そしてエリア内を窺い、中山のポストプレイを挟んでシュートを放ちますが、GK櫛引のセーブに阻まれ。

良好な流れのうちに追い付きたい清水。
26分、ここでもパスワークで前進していくうちに、右へと場所を移した乾が奥を突き。
戻しを経てのカルリーニョスのラストパスはカットされるも、ゲーゲンプレスで天笠をコーナーへ追い込んでパスミスを誘いチャンス継続。
中央で拾った北川航、フェイントで岡本を剥がした末の強烈なシュートが、GK櫛引をも反応させずにゴール左へと突き刺さります。

これで同点に追い付いた清水。
ここまでは前回と同様の流れですが、ここからしっかりとチーム力を発揮。
群馬はプレッシングを強めにいくも、鈴木が武を引き寄せたうえで剥がすプレーを見せる(33分)など、それをいなして文字通り流れを維持。
逆に自分達のプレッシングでは、受けた群馬最終ラインが止む無くタッチへ逃がすしか無くなる(34分)など、あの時とは違い個で上回る状態をようやくチームに還元させられるようになったでしょうか。

こうなると群馬は前回のような再勝ち越しどころでは無く、尚も押し込み続ける清水。
37分に右スローインから、北川航のクロスをカルリーニョスが合わせヘディングシュート。(ゴール左へ外れる)
40分には中央右寄り遠目からのフリーキックで、西澤のロビングを鈴木が合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、ヘッドでその守備を崩さんとします。

しかしその勢いが裏目に出たか、42分に西澤が山中に反則を犯すと、尚もプレーを続けた結果西澤の蹴ったボールが山中の腹部に当り。
これで群馬選手・ベンチが一斉にヒートアップし、畑尾が激しく西澤に詰め寄るなど一触即発の事態を迎えます。
幸いカードは出ないまま何とか収拾。
サッカー的にも、以降押され続けていた群馬がポゼッションの時間を増やし、試合を落ち着けに掛かる格好となりました。

結局1-1のまま前半が終わり、ハーフタイムでの交代も無く折り返し。
始まった後半戦、早速の後半1分に群馬はロングボールが右サイドで合わせにいった山中を越え、武が裏を取るという偶発的な好機。
しかしクロスはブロックされ、武に当たった末にラインを割ってCKすら得れずとなった群馬。
流れを得る事が出来ず、結局ロングボールの蹴り合いに終始した入り。

こうなると清水が再び攻勢に入るのは自明の理、といった所。
何度も右サイド奥を抉ってクロスを入れる等、ストロングポイントを活かして押し込みますが、フィニッシュには繋がらず。

流れを変えたい群馬ですが、それを齎したのはまたも反則というファクター。
10分にビルドアップを成功させ敵陣へ運び、中塩が上がってパス出した所をアフターで北川航に倒され。
反則の笛が鳴るやいなや、群馬ベンチが一斉に飛び出してヒートアップするなど、前半の伏線が色濃く残ったかのように振る舞います。
それを受けて主審(大坪博和氏)も素早く北川航に警告を突き出し、組長のガラに合わず冷静に努めていた大槻毅監督が宥める事で何とか収束。
ここからのフリーキックで、クロスの跳ね返りを天笠がミドルシュート、ブロックされてさらに右CKへ移行。
キッカー風間のクロスを中塩がヘディングシュート(GK権田キャッチ)と、ひとしきり矢を放ってファイティングポーズを保ち。

後半になり、乾が降りて受ける際には天笠がマンマーク気味に付く対策を施したようであった群馬。
それでも後方からのパスを通されたりで、乾に自由にさせないという目的は果たせず。
17分には乾の右へのミドルパスを受けた北爪からグラウンダーのクロスが入り、ニアで北川航が合わせるも畑尾がブロック。
ここからCKを連続させ、北爪の左ポケットからのシュート(GK櫛引セーブ)などゴールを脅かす清水。

21~22分にベンチが動き。
清水は温存していたサンタナを投入し、中山と代えた事で北川航がSHに回り。(左に入り、カルリーニョスが右SHへ回る)
それを見るや群馬ベンチも動き、天笠・佐藤→高橋勇・エドオジョンへと2枚替え。

交代要員をふんだんに利用しての攻撃を試みる群馬。
26分山中のミドルパスを北川柊が倒されながらも繋ぎ、高橋勇が中央を前進して左へパスを出すと、今度はエドオジョンが前進。
そしてリターンを受けた高橋勇、左ポケットへ切り込んでシュート(ブロック)と脅かし、CKを獲得。
今季これが2試合目と、データ不足故の得体の知れない恐怖と化す高橋勇でしたが、そのCKではその攻めっ気が裏目となり。
エリア内での中塩?のシュートをキャッチしたGK権田に対し、詰めにいってチャージした結果、反則・警告を受けてしまう高橋勇。

なお、CKの前に北川航・カルリーニョス→ディサロ・高橋祐へと2枚替えを敢行した清水。
センターバックを1枚増やし、3バックへと変更(3-4-1-2)して残り時間を戦います。

ディサロのポストワークで、群馬のプレッシングに対する出口を増やす清水。
30分にGK権田が右サイドへフィードし、それをディサロが前へ落とす事で脱出して敵陣へ進入。
パスワークを経て右から乾のクロスが上がり、跳ね返りを拾った西澤が左ポケットへ切り込んで再度クロス、ニアサイドで白崎が頭で合わせましたがGK櫛引に阻まれ。

一方の群馬も31分に交代(北川柊・風間→白石・内田)とともに3バックへとシフト。(3-4-2-1)
ここまで4-4-2ブロックのまま清水の攻撃に対し粘って来ましたが、明白な5バックシステムの体勢へと移行します。

その群馬の姿勢の通り、清水サイドが(GK以外)全員敵陣に入り込む局面も膨らみ。
33分には縦パスを受けたディサロが内田に倒されて反則、中央で良い位置での直接FK。
これを西澤が直接シュートするも壁を直撃、すかさずエリア内へとディサロがボールを送るも、混戦の中シュートは放てず終わります。

終盤に入る直前で、両チームとも最後の交代を使い。
清水は35分に宮本・乾→ホナウド・オセフン。
群馬は37分に山中→平松へと交代しました。

交代により攻め手が限られる群馬、白石が軸となって左サイドを突く攻撃。
そこからCKを得たのが39分でしたが、これが清水のカウンターを招いてしまい北爪が左サイドを猛然とドリブル。
上げられたクロスを、ファーに走り込むディサロの手前で高橋勇が何とかクリアして逆に清水のCKと、チャンスとピンチは紙一重といった状況に。
結局43分のCKを最後に、群馬の攻撃機会は終焉を迎えます。

自然と押し込む状況になった事で、ボランチもガンガン最前線に顔を出すようになるなど、後は清水が勝ち越せるかどうかという展開の終盤戦。
しかしそれはGK櫛引の牙城を崩せるか、とほぼ同意義でもあり。
45分にクリアボールをオセフンのポストプレイで繋ぎ、西澤の左からの低いクロスをニアで白崎が合わせ。
これがフリックのようになってゴール方面にこぼれた所を、詰めたサンタナがシュートを放ちましたが、これも至近距離でGK櫛引が防ぎます。

アディショナルタイムに突入し、再び(酒井の)反則により中央良い位置での直接FKを得る清水。
今度はディサロが直接シュートするも、ゴール上を越えてしまいモノに出来ません。
しかし攻めるのを止めない清水。
時間が押し迫った所で、右からのクロスをサンタナが合わせにいった際、競り合った岡本が痛んでそのままエリア内へ倒れ込み。
尚も西澤が拾ってチャンス継続、といった所で主審の笛が鳴って試合が止まり、賛否が分かれる場面となったもののあのままボックス内で倒れていては更なる事故になりかねなかったため(頭部のチャージでは無いものの)妥当な判断でしょう。

そしてドロップボールで再開するやすかさず西澤がクロスを入れ、クリアボールを繋いでまたも西澤がクロスと、千本ノックのような絵図の攻め。
これをファーサイドで高橋祐がヘディングシュート、GK櫛引がセーブしたこぼれ球をさらにオセフンがシュート。
しかしこれも櫛引が身体で止め、どうしても破る事が出来ず。
その後放たれたホナウドのミドルシュートが枠外で終わった所でタイムアップとなり、1-1で試合終了。
オセフンの強烈なシュートをまともに受ける形となった櫛引が激しく痛む中、スコア的にも痛み分けに終わる事となりました。

前回対戦とは違う姿は見せ付けたものの、勝利という結果は得られなかった清水。
しかし休む間も無く連戦がスタート、中2日で21節を消化する厳しい日程なのは変わらずであり。
昇格戦線に加わるための、最初の山場となるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第22節 ブラウブリッツ秋田vs藤枝MYFC

2023-06-26 16:04:56 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の秋田の記事はこちら(19節・磐田戦、0-2)
※前回の藤枝の記事はこちら(19節・栃木戦、1-1)

<秋田スタメン> ※()内は前試合のスタメン

  • ルヴァン杯の影響で21節・清水戦がズレ込んだため、2週間空きとなる。
  • 負傷離脱していた齋藤と中村が復帰してメンバー入り、中村はベンチだが齊藤はいきなりスタメンに。
  • 沖野が復帰後初のスタメン。

<藤枝スタメン>

  • 特別指定の永田が初のメンバー入り。
  • 金浦の負傷が発表され、天皇杯2回戦(仙台戦、0-1)で発生して全治2か月との事。
  • 山田将之の負傷が発表され、同じく天皇杯2回戦で発生して全治2~3週間との事。

丁度一巡して折り返しとなる今節。(秋田は21節がズレ込んだため例外)
藤枝にとっては、「ポゼッションvs堅守速攻」の試金石になりそうな秋田との一戦になりました。

しかし秋田のホーム(ソユースタジアム)でかつ、夏の入り口にも拘らず14時キックオフというデーゲーム。
さらに風も強めと、「自分達のサッカー」を貫くにはアゲンストの状況が多くあり。
闇雲にポゼッションスタイルを維持するのは愚の骨頂、といった判断があったでしょうか。

秋田サイドは平常運転のロングボールを蹴り込むスタイルで攻め上がり。
そこから得たコーナーキック攻勢、2本目でキッカー沖野のクロスを中央で青木が合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、はやフィニッシュに持ち込み。(前半3分)
ここまでは順風かと思われた秋田でしたが、上記の藤枝の思惑を想像するには至っていなかったようで、そこに落とし穴が待ち受けていました。

前半は風上に立った藤枝も直後にロングボール攻勢を仕掛け、左スローインで山原が遠距離を投げ込み。
これが阿部のクリアミスも挟まって渡邉に渡り、奥からカットインで一気にエリア内中央を窺う渡邉、そのままシュートを放ち。
戻った阿部がブロックするも、跳ね返りを詰めた水野のシュートがブロックの合間を縫ってゴールに突き刺さります。
環境に順応するかのように、割り切った攻めを仕掛けた藤枝に早速幸運が齎されたといった先制点になりました。

出鼻を挫かれた秋田は、前回観た際にサッカーとは無関係な所で悪目立ちしていた高田が、この日も苛立ちを隠せない切欠となり。
6分に左サイド奥でボールキープする横山(ここもスローインを直接受けてのキープ)に対応した高田ですが、ボールはラインを割り無事ゴールキックとなったものの、激しいデュエルの末にヒートアップを起こしてしまい横山と小競り合い。
しこりを残したまま攻める秋田、反則により右サイド遠目からのフリーキックを得たものの、ここでキッカーを務めた高田が一度フェイクを入れた事で中央で揉み合いが生まれ。
渡邉が倒れた事で笛が吹かれてやり直しと、折角の好機もリズムの悪さの方が目立つ事に。(結局入れられたクロスはGK上田がキャッチ)

このままズルズルいくかと思われた秋田ですが、11分に浮き球を巧く運び、ポストプレイ→ダイレクトパスの定番の連携で齋藤が裏を取って好機が生まれ。
奥でキープする沖野の戻しを経て高田がクロスを上げると、先程の冷静さを欠くような光景が嘘のような、素晴らしい精度で高い弧を描いた末に青木がヘディングシュート。
川島のブロックも及ばずゴールに突き刺さり、目の覚めるような同点弾となりました。

これを切欠に、沖野が右サイドで深さを取る攻めに活路を見出す秋田。
向かい風も巧く利用し、早めの段階で裏を突くロングボールを送り、戻りを利用して受けさせるという場面を増やします。
追い風だろうと向かい風だろうと、ホームである以上環境を巧く利用出来るのは自分達である、という証明を果たしにいったかのようであり。

しかし藤枝も19分にクリアボールを渡邉が落とし、拾った岩渕が左ハーフレーンをドリブルで突き進み。
そしてボールを巧く置いた末にミドルシュートを放つもGK圍がセーブと、手数の少ない素早い運びはこの日徹底されている風でありました。

奇しくもお互い似通ったサッカーのぶつかり合いとなり。
20分台は秋田が押しまくり、例によってセットプレーから攻め立て。
自陣からの放り込みやロングスロー、CKと三種の神器を織り交ぜて好機を作っていきます。
しかし29分の右CKでは、キッカー沖野のクロスがファーにポッカリ空いたスペースを突き、ボレーで合わせにいった飯尾でしたがミートせずに終わり。

これがアジャストして決まっていれば……と、ifの世界を想像しても仕方なく。
一方藤枝はこれを境に、最後方から繋ぐという普段通りのサッカーを開始します。
30分には中央を縦パスで繋いだ末に左へ展開、榎本がカットインからクロス。
クリアされるも水野が拾って継続、前進からエリア内へパスを送るとともに自身も切れ込み、新井からのリターンを経てシュート。
ブロックされ、尚もエリア内で拾って継続するも秋田の守備対応もあって追撃は出来ず。

一つ藤枝らしい攻めを見せたかと思えば、続く31分に水野がロングパスで一気に最前線に送るという具合に、あくまでロングボールを送る姿勢は崩さないという双方混ぜ合わせる攻撃。
ここから前線で渡邉が飯尾に倒されて反則(飯尾に警告)となった事で、右サイド奥からのFKという好機が生まれ。
これをキッカー横山はグラウンダーでのクロスと意表を突き、クリアされるも跳ね返りを久保がミドルシュート。(エリア内でブロック)

速攻と遅攻のハイブリッドといった藤枝のスタイルに、秋田の対応も一層難しいものとなり。
そして34分秋田の空中での運びを跳ね返し、横山フリック→渡邉ポストプレイを経て横山が確保すると、陣形の乱れを突いて中央へとスルーパス。
受けた渡邉が綺麗に抜け出し、GKと一対一を完成された末にエリア内からループシュートで仕上げます。
ボールは右ポスト内側を叩いたものの無事にゴールに吸い込まれ、勝ち越しを果たした藤枝。
秋田はベクトルの切り替えを突かれた格好で、「自分達のサッカー」を相手が行った際への対応の拙さが浮き彫りとなってしまったでしょうか。

再び追い掛ける立場となり、圧力を掛けにいく秋田。
しかし36分にカウンターでまたもその前掛かりな姿勢を突く藤枝、久保がドリブルで右サイドを持ち運ぶも、グラウンダーでのクロスは合わずにクリアされ。
堅守速攻スタイルとなっていたのは藤枝の方に。

気を取り直して攻める秋田、その後は例によってセットプレーを交えて好機を膨らませたものの、ゴールに至るには難しく。
終盤の藤枝は、ボールキープで相手に攻撃機会を与えない意識を強めていたのも影響したでしょうか。
その中で44分に右サイドでショートパス攻勢で前進した末に、中央へのパスを新井がダイレクトでミドルシュート(枠外)と、隙を見て追加点を狙う意識も植え付け。
結局1-2のまま終了を迎えた前半戦。

そして始まった後半戦。
秋田は攻勢の流れを作りたい所でしたが、その欲望が焦りを生んでしまったでしょうか。
後半2分の藤枝、ゴールキックで渡邉狙いのロングフィードから、こぼれ球を拾って右サイドでボール保持のパスワーク。
秋田ディフェンスの寄せを際どくかわした末にサイドチェンジが決まり、受けた久保がカットインシュートをチラつかせながらグラウンダーのクロスを入れた事で、ノーマークが出来上がった末に横山が合わせシュート。(ニアに居た渡邉もノーマーク)
ゴール右へと突き刺さり、後半開始早々の追加点を奪いました。

いきなり点差を広げられてしまった秋田、その後も攻勢どころか更なる失点の危機が膨らむ光景しか作れず。
8分には渡邉の中央突破から久保へと渡り、右ポケット角でのボールキープからシュート。(GK圍キャッチ)
続く9分には最終ラインからのビルドアップでプレッシングを引き寄せるという本来の姿勢から、縦パスを2つ挟んで左の榎本に渡す実に藤枝らしい前進。
そして岩渕のスルーパスで崩し、左ポケットに走り込んだ榎本がシュートを放ち、GK圍が足でセーブしても尚渡邉が拾って再度シュート(GK圍セーブ)という連撃。

藤枝の怒涛の攻撃を受け、流れを変えるべくという形で秋田は最初に交代カードに手を付け。(13分)
飯尾・沖野・齋藤→水谷・中村・丹羽と一挙に3枚替えを敢行し、才藤が左サイドバックへシフトします。

大きく動いてきた秋田を警戒したか、その後スローインでの再開の際に遅延行為を取られる藤枝(再開を促された後にスロワーを変える)、榎本が警告を受け。
前半から双方ともに随分と判定にナイーブになっていた(特に秋田サイド、普段通りのようなデュエルでも結構反則を取られていた)感がありましたが、この判定を境にその傾向が強まった感がありました。
16分の藤枝、自陣で横山がボールキープする所を田中に倒され、奪われるも岩渕がスライディングで水谷からボール奪取して継続。
反則とも思えた岩渕のプレーでしたが主審(野堀桂佑氏)は流し、そのまま久保のアーリークロスでゴールを狙いにいった藤枝。(GK圍がキャッチ)
双方倒された事で、笛を吹くのが難しくなったというような光景であり。

試合が荒れ始める中で、流れを掴みたい秋田は17分に右サイドから高田のロングスロー。
ニアで河野がフリックにいくもこぼれ球となり、エリア内で拾った青木がシュートと決定機に。
新井がブロックしたこぼれ球をさらに中村が追撃しますが、これも久富のブロックに阻まれ。
偶発的ながらも、こうしたシュートチャンスはモノにしたい所でしたが……。
その後秋田の攻撃はスローインの漸進戦術ぐらいのもので、やはり焦りが先立ち。

藤枝は24分にベンチが動き岩渕→矢村へと交代、矢村の1トップとなり渡邉がシャドーへと回り。
直後に空中戦からボールを確保し、秋田ディフェンスを寄せたうえで渡邉が左→右へサイドチェンジと、3点目と類似した攻撃。
そして久保が右ポケットを突き、カットインで中央からシュート(ブロック)と、尚も追加点を狙う姿勢を見せ。

一方の秋田も27分に田中→小柳へと交代。
29分にはまたも遅延行為を取られてしまう藤枝、今度はゴールキックの際にGK上田が警告を受ける事に。
こうした降り積もりが、試合終了時の爆発を生んでしまったでしょうか。

戻ってきた中村の居る右サイドで押し込みを掛ける秋田。
やはりその存在感は大きいといった所ですが、2点ビハインドからでは遅いというのも事実であり、トップコンディションに戻ってスタメン復帰が待たれる所です。
それでも、フィニッシュは31分再び高田のスローインからで、ロングスローフェイントを交えて水谷のクロス。
ファーサイドで阿部の折り返しを経て河野がヘディングシュート(GK上田キャッチ)と、スローインの流れでしか生まれない好機。(35分に藤山→畑へと交代、水谷がボランチへ回る)

果敢に4点目を狙いにいくという、「超攻撃エンターテイメントサッカー」の本領を発揮せんとする藤枝。
しかし36分、相手のクリアボールを新井が跳ね返し、さらに渡邉が落とした所チャージを受けて倒れ込み。
そしてボールの先に目を移しても、走り込んだ矢村が才藤に倒されますが、矢村がオフサイドを取られたため反則すら無しとなり。
このシーンと相成って、その後青木が反則を取られた際に、須藤大輔監督の大声での異議が響く事態となります。

いよいよもって不満を隠せない状態となり。(42分に藤枝は横山・榎本→小関・永田へと交代)
45分に秋田のFKの際に、才藤に原因不明の警告が出される(恐らくは異議か?)など、審判側もナイーブな状態に陥っていたでしょうか。

何とか得点を返したい秋田はCKを獲得すると、GK圍が前線に加わる総動員体制に。
その結果齎されたのは藤枝のカウンターで、クリアボールに渡邉が走り込み、その後ろで圍が必死に戻るという失点必須のレアな絵図が生まれます。
前には並走する秋田ディフェンスが1人という場面で、スルーパスを選択した渡邉の後方から久保が走り込み、そして放たれたシュートが無人のゴールへ向かい。
しかし突き刺さる前に主審の笛が鳴り、何故かオフサイドの判定でノーゴールとなります。
ボールの前に相手が1人しかいない状況故に「オフサイドラインはボールを持った選手(つまりパスを出した渡邉の位置)」で、つまり確実にオンサイドのような気がしましたが、試合終了間際という事であっさり片づけられ。(先日のJ3・讃岐vs奈良の終盤っぽい)

その後目安の時間(4分)が経過という所で、さらに藤枝がカウンターに持ち込み。
しかし敵陣に切り込み、4対2が出来たという所で試合終了を告げる笛が鳴り。
余りのタイミングの悪さに、矢村ならびに須藤監督が不満を爆発させる事態となりました。

結局両者に警告が突き出され、勝ったにも拘らず後味の悪さを残す事となった藤枝。
しかし内容自体は秋田対策ともいうべく割り切ったスタイルでリードを奪い、追加点も得たその後も好機を作り続けるという完勝に近い形であり。
終盤は山を越えたかのように4点目に肉薄するも、不運な形で阻まれる格好となり、エンターテイメントを魅せるのも大変といった所でしょうか。

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DAZN観戦 2023年J3リーグ第14節 AC長野パルセイロvs鹿児島ユナイテッドFC

2023-06-22 16:00:46 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

激闘の信州ダービー(10節・2-1)を制して首位に立ったはずの長野でしたが、そこから3連敗と急転直下。
その際の記事で危惧した通り、激情家のシュタルフ悠紀監督は周囲にも火矢を放ちまくり。
最もたるものは天皇杯2回戦・神戸戦に則しての事で、アンドレス・イニエスタの古巣であるスペイン・バルセロナとの親善試合が行われる事となった神戸サイド。
その日程調整のために、天皇杯の開催が1週間ズレ込む事になってしまい、当然ながら良い様に使われる結果となった対戦相手サイドは面白くなく。
1回戦(AS.Laranja Kyoto戦、2-0)を勝ち上がり神戸とぶつかる事となった長野は、早速シュタルフ氏が不満をぶつける事態となりました。

その内容自体は正論に近いものの、折りしもリーグ戦は丁度2週間のインターバルが出来ていたJ3。
一つの事象を切欠として流れが変わる事は珍しくも無く、まして大混戦の今季では尚更であり。
前向きな姿勢をシュタルフ氏の発言で消費してしまったかの如く、リーグ再開後3連敗となり、満を持しての神戸との対戦も敗戦。(天皇杯2回戦、1-3)
それでもJ1相手に善戦したという事実を下に、安東を今季初スタメンで起用するなど微調整。
上位の鹿児島を叩いて再浮上、といきたい試合となりました。

様子見の入りのなか、試合を動かしたのは杉井で前半4分に星のドリブルを止めて奪取、反転自らドリブルに入ってカウンターに持ち込み。
左奥を抉ったのち中央へマイナスのボールを送り、受けた船橋がミドルシュート(ブロックされコーナーキックに)とファーストシュートに繋げます。
直後のCKでも西村がヘディングシュートを放つ(枠外)など、ペースを確保。
すると8分鹿児島のビルドアップに対し一気に圧を掛け、アタッキングサードに6~7人も入り込む勢いでのプレッシングで数的優位を作り。
そして左サイド深めで杉井が奪取に成功し、そのまま奥へ切り込み低いクロスを入れ、クリアされてCKをゲット。(そこからはフィニッシュには繋がらず)
監督の姿勢さながらの圧力で、文字通り相手を圧倒しに掛かります。

それでもチーム力の高い鹿児島、怯む事無く最終ラインから繋ぐ姿勢は変わりません。
軸となったのが左サイドバックの星で、前述のシーンでの単騎突破は、センターバック(岡本)の縦パス→ポストプレイを受けてからのドリブル。
それが阻まれ押し込まれる切欠となると、今度は自ら縦パスを送り、そのポストプレイを受け直して推進するという形を取り。
これが嵌り、得たスペースを利用し中央へ切り込むという姿勢も見せ始めると、長野サイドはそれを捕まえるのに一苦労という状況になります。
ワイドで張る五領へのパスや、自ら中央に流れて逆サイドへの展開など、多彩な攻めの起点となり。
15分にはその形から逆サイドへ展開し、左奥を突いた福田からグラウンダーのクロス。
ニアで収めた藤本が切り返しからシュートを放ちましたが、右に大きく逸れて実らず。

一方長野のビルドアップは、布陣通りの3CB+アンカーという最終ラインから、インサイドハーフが降りて出口を請け負うのが基本パターン。
初スタメンの安東のプレイが巧妙で、20分にはクリアボールを落ち着けたのち、中央で溜めを作ってから左へ展開。(ここから左サイドを推進していくもクロスは上げられず)
前へ前へと向きがちなスタイルに、新たな選手(といっても地域リーグのクラブからの加入で既に27歳)が「パウサ」の要素を齎すという変則的な格好が嵌りを見せていたでしょうか。

こうして序盤ともに好循環を得たものの、天皇杯を挟んで連戦を強いられる長野は次第にそれも消え失せる事となり。
21分に再びプレッシングが剥がされ、星の縦パスを今度は落とさずに前進を選択する鹿児島。
端戸・藤本がパスワークに絡んだ末に、中央を上がっていた中原がエリア内を突いてGKと一対一に。
しかし放たれたシュートをGK金民浩が前に出てナイスセーブと、決定機を防ぎます。(尚も繋ぎ五領が右ポケットからシュートもブロック)

それでも鹿児島のパスワークに翻弄される流れは変えられず。
25分に左サイド奥を突き、船橋の反則で得たフリーキックから、セットプレーで攻め立てる流れに。
まずはこの最奥からのFK、キッカー木村のクロスがエリア内右大外を突くと、中原がボレーシュートを放ちましたがブロックに阻まれ。
尚も繋いで左CKに持ち込むと、木村は今度はニアへのクロスを選択し、端戸がフリックしてファーへ流れた所を藤本が跳び込み。
しかしシュートは触れただけとなり枠へは飛ばず。

押し込まれ続けた影響か、直後の28分に長野のビルドアップのミスがスコアを動かします。
最終ラインでの繋ぎから、ダイレクトでバックパスを選択した三田ですが、戻しを意識し過ぎたか置きにいくキックとなった結果中途半端に浮かせてしまい。
すかさずカットした五領、左ポケット奥へ切り込んでシュートを放ち、ゴールネットを揺らし。
フィニッシュで脅かし続けた事が、エラーを生んでの先制点となりました。

その後は池ヶ谷の縦パスを中心として好機を作らんとする、ビハインドの長野。
船橋に受けさせるのを軸としつつ、西村のスルーも交えるなど変化を付けましたが、中々フィニッシュには繋げられず。

反撃の流れの中でも依然としてプレッシングが嵌らない状況は変わらずで、何度かピンチを招き。
31分に再び星の縦パスから攻める鹿児島、遮断されるも結局は中央で繋がり、福田の(左から)カットインシュートが炸裂するも秋山がブロックで防ぎ。
その後も良い形でポケットを突かれる事となり。

何とか追加点は凌いだ長野、その後は失点の反省か、ロングボールを交えながらの前進。
そこから得た深めでのスローインで好機を作らんとします。
43分には左からのスローインで、人数を掛けての繋ぎから森川がカットインからミドルシュート。(ブロック)
遠目からのシュートに活路を見出したか、その後アディショナルタイムに、クリアボールを西村がダイレクトでシュートにいきましたがこれはジャストミート出来ず。

結局前半を0-1のまま折り返し。
ファイティングポーズを維持したい長野は、ハーフタイムで森川→進へと交代。
信州ダービーで負傷しそこから離脱という、連敗の要因の一つとなっていた進をピッチへと復帰させる手を打ったシュタルフ監督。

進が最前線に入り、山本大がトップ下に回る微調整の下、後半に臨んだ長野。
しかし早速の後半1分、ハイボールの競り合いで岡本にチャージして反則を取られた進、いきなり警告を受ける事態となります。
その直後に今度は杉井の斜めの縦パスを受けた進が反則される側となり、アフターチャージの格好となった広瀬が警告と、加害・被害の双方でカードを齎した進。
結果的に好位置で長野が直接FKを得ます。
これを安東が直接シュートを放ちましたが、壁の上部に当たってゴール上へと外れ。

入りで難しい判定を強いられた主審(西山貴生氏)、尚もその判定で難儀する展開に。
8分に最終ラインから前進していく鹿児島、ハイプレスを諦めた長野を尻目に繋いでいき、岡本縦パス→渡邉スルーで福田へと渡り。
そしてまた左ポケットを突いてシュートし、ブロックされてCKに。
ここからの二次攻撃、中原のミドルシュートもありましたが防がれて尚も繋ぎ、中央から強引に推進する鹿児島。
その過程で中原が倒されるも尚も拾ってキープする藤本が左へ展開、その藤本もアフターチャージで倒され、受けた福田がカットインを狙ったその刹那反則の笛が鳴り。
反則でも好位置からのFKなため非常に難しい判断だと思いましたが、それだけに鹿児島サイドも「何で止めるのか」とアピールする結果となりました。(藤本をチャージした三田に警告)
しかし先んじて倒れた中原が起き上がれず、アクシデントの形で交代を強いられ。(山口と交代)
この中央からの直接FK、キッカー木村が放ったシュートは壁に当たって右へと逸れ、結果的にモノに出来ず。

追う立場の長野、後半からはビルドアップの流れの中で池ヶ谷が上がって攻撃参加するシーンが増え、右サイドの推進力を増しに掛かり。
この形で攻撃機会を増やしたものの、一旦途切れると襲い掛かる鹿児島サイドの攻撃。
福田の勢いが増し、19分にまたも左ポケットを突かれてのカットインシュートを浴びます。(ブロック)

この直後の20分、一気に3枚替えを敢行するシュタルフ氏。
山本大・三田・杉井→近藤・音泉・原田へと交代し、攻めの形も変える長野。

この交代で神経過敏となったのか、直後に右サイド遠目からのFKとなった鹿児島は、放り込みの体勢をセットしたにも拘らずキッカー木村はショートパス。
そこから最終ラインで繋ぐ体勢を採ったものの、前へ運んだ所を星が奪われて長野のカウンターを招いてしまいます。
この攻撃は防がれたものの、直後の24分に最終ラインから組み立て直す長野。
するとワイドなはずの原田がボランチの位置へとシフトし、最終ラインから受けるとそのまま中央を推進して左へ展開。
ワイドの位置には音泉が張り出しており、そのまま左奥を抉ってクロスに辿り着き。
クリアされるも佐古が拾って継続、バイタル左で受けた安東がカットインを経てのミドルシュート。
これが豪快にGK松山のセーブを弾いてゴールへと突き刺さります。
前半終盤に見せていたミドルシュート狙いも伏線となり、同点に追い付いた長野。

その後も、この原田・音泉の可変を軸として勝ち越しを狙いにいき。
26分にはパスカットから素早く音泉へと渡し、ワイドからドリブルで推進していく音泉。
そしてスルーパスを挟んでのクロスが入ると、ニアサイドで進がダイビングヘッドで合わせましたが、シュートはゴールポスト外を掠めて枠外と惜しくも勝ち越しはなりません。

一方、キックオフ前に藤本・五領→鈴木・武へと2枚替えを敢行した鹿児島。
あくまで大人の振る舞いを続け、攻撃機会を確保していったのはボランチに居る大ベテラン・木村が存在は絶大だからでしょうか。
長野ディフェンスのクリアミスも絡み、一度攻撃権を掴むと中々手放さず、セットプレーも絡めてゴールを脅かしていきます。
前線の選手が燃料切れを迎えるも、34分には端戸と福田に代えてロメロ・フランクと圓道を投入と、それを補う駒も潤沢。

次第に劣勢となった長野、そうなると既に名物と化したかのように、響き渡るシュタルフ氏の大声での異議。
37分にボール奪取から抜け出さんとした船橋が渡邉に倒され反則となると、すかさず警告を猛アピールするなどそのキャラクターぶりは健在であり。
「何で向こう(鹿児島)には警告が出ないんですか」といった台詞がマイクに拾われる始末となると、42分には武の前進を引っ張って止めにいった佐古が反則・警告。
長野の反則に対してはしっかりとカードが出される等、その通りの流れとなってしまいますが、判定としては妥当な範囲ではあり。

40分に船橋が足を攣らせて交代となる(高橋耕平を投入)など、体力面での不利さを隠せない終盤戦。
すると鹿児島がセットプレーで攻撃機会を確保する流れとなり、FK→スローイン2度を経て、渡邉の左からのグラウンダーのクロスをニアでロメロがポストプレイ。
そして山口のシュートが放たれ、ブロックで跳ね返った所をすかさず木村がミドルシュート。
振り切ったそのシュートに長野サイドは反応もままならず、ゴール右へ豪快に突き刺さり。
冷徹に止めを刺すような、ベテランの一撃で勝ち越した鹿児島。

その後は鹿児島の時間稼ぎの流れ。
CKを得た際に木村がキッカーの位置にはいかずボールキープの意思をチームメイトに促すと、ピッチサイドの大嶽直人監督から「やれよ」というクロスを促す(であろう)大声が上がるなど、ベンチと選手の間にはやや意識の乖離が見られましたが致命傷にはならず。
ロメロの体格を生かしたコーナー付近でのキープに、長野サイドも掻き出すのに一苦労といった絵図が描かれます。

何とか反撃したい長野、池ヶ谷を前線に上げてパワープレイの体勢を作るものの、攻撃機会はごく僅か。
自陣でのFKから素早いリスタートで佐古がロングパスを送り、右サイドで受けた近藤のクロス、というのが最もな好機だったでしょうか。
高まらない反撃機運の中、スローペースの鹿児島に対するシュタルフ氏の(遅延行為での)警告アピールのみが空しく目立つ事となり。

そして1-2のまま試合終了の時を迎え。
長野の連敗を取り上げたものの、鹿児島サイドもこれで3試合ぶりの勝利と停滞の打破を目指す試合でした。
依然として富山の首位は変わらないものの、それに食らい付く姿勢の維持には成功したでしょうか。

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