ぶらりドリブルの旅

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個人昇格した男達~2020年開幕前・その2

2020-01-31 18:42:29 | 雑記

その1

話は脱線し、レンタルバックでJ1に戻って来た選手を取り上げます。
どう見ても「昇格とはいえない」ような選手も少なくないのはご愛敬。

<レンタル移籍から戻って来た選手達>

・柳貴博(FC東京⇔山形FC東京→山形→仙台) DF 前年の成績 28試合・2023分出場 得点2
育成年代のうちにFWからコンバート、その影響で生まれた長身サイドバックで、ポテンシャルは計り知れず……という逸材。
FC東京ではJ3(U-23)の域を出ず、前年山形に育成型レンタルでやって来た。シーズン序盤こそ出番は少なかったが、16節で初のスタメン出場を果たしてからは主力として活躍、山形は3バックであり右ウイングバックで機能した。
そして戻って来た今季、修行の成果を発揮できるか注目したいが、右SBに居る室屋の壁は厚くどうなるか。
※2/19追記-仙台へのレンタル移籍が発表されました

・秋山大地(セレッソ⇔山形) MF 4試合・67分出場
前年夏にセレッソから移ったボランチ。それまでにも愛媛にレンタルの経験を持つも、際立った成績は残せず(2017年の12試合出場が最多)。
そして今季、移籍してきて3試合目の25節でスタメン出場。大ベテラン・本田の代役ボランチとして期待されたがチームは敗戦、自身もハーフタイムで交代と結果を出せず。結局スタメンはこの1試合のみだった。
不本意な成績のままでのレンタルバック。正直J1で飛躍するイメージは浮かばないが、今夏に再度レンタルになるかも。

・浅野雄也(広島⇔水戸) MF 34試合・1172分出場 得点4
海外でA代表定着を狙う浅野拓磨の弟として注目され、今回のレンタル復帰の際は、広島の公式HPに兄・拓磨(海外に渡る前は広島)のコメントまで載る事となった。
主にスーパーサブとして働き、中盤はスタメン出場も増加。しかし夏の移籍で小川・福満の獲得があった事で、アタッカーとしての価値が薄れ尻すぼみで1年を終えたという印象だった。
その経緯も特殊で、前年水戸に入団→夏に広島へ完全移籍→レンタルで水戸移籍、という形で水戸で1年間プレーというもの。広島の縁故採用的な側面が窺えるが、兄弟揃って海外移籍という夢のような事が現実になるように、という願掛けの意味もあるだろうか。

・中坂勇哉(神戸⇔京都) MF 7試合・161分出場 得点1
神戸ユースからの生え抜きで順調に出場機会を増やしていたが、クラブの大型補強のあおりを受けて暗転。2018年途中は未出場のまま海外へレンタル移籍(スペイン3部)、戻って来た前年も起用される事は殆ど無く、今夏再びレンタル。
初出場の30節でいきなり得点を挙げ、鬱憤を晴らす移籍劇となるかと思われたが、その後鳴かず飛ばずでシーズン終了。そして再び神戸に戻ったが、今季も期待薄である。ACLなどで出番を得れれば良いが。

・西村恭史(清水⇔岡山) MF 出場無し
清水ではリーグ戦未出場。高卒2年目と若く、チームが残留争いの渦中にあった事もあり、育成型でJ2へ。
しかし岡山でも出番は無く終わり(天皇杯で1試合出場)、清水に戻る事に。再びレンタルに出されるのは時間の問題だろうが、まずはまとまった場数が欲しい所だ。

・後藤雅明(湘南⇔金沢) GK 3試合・270分出場
湘南には上の立場に秋元・冨居が控えており、前年金沢へレンタル。しかしここにも白井がドッシリ構えていた。
背番号1を背負ったものの、出場は3試合に留まった。早々の2節でスタメン機会を得るなど期待はされていたのだろうが……。
帰ってきた湘南は、秋元が町田へレンタルされて若干手薄になり、チャンスはあるか。

・新井栄聡(清水⇔金沢) GK 出場無し
清水ではリーグ戦未出場の大卒2年目。3試合でベンチ入り(いずれも白井欠場時)したものの出番は無く終わった。
育成型だったため、当然ながら清水へ復帰。GKは再編の真っ只中であり、チャンスは無きにしも非ず。

・山田寛人(セレッソ⇔琉球セレッソ→琉球→仙台) FW 10試合・772分出場 得点2
J3(U-23)では点取り屋として活躍していた前年。セレッソに鈴木を引き抜かれた琉球が、穴埋めに選んだのが同チームの山田であり、入れ替わるように育成型でレンタル。
2得点とそれなりに結果は出たが、同時期の上原の大活躍に後塵を拝した格好となってしまった。セレッソに帰還したものの、ブルーノ・メンデスが残留、都倉も復帰してくる今季も状況は苦しいだろう。
※2/7追記-仙台へのレンタル移籍が発表されました

・永石拓海(セレッソ⇔山口) GK 出場無し
大学2年時に鳥栖に特別指定で在籍(出場無し)も内定には至らず、4年時にセレッソに内定という変わり種。
レンタル元でもレンタル先でも出場は無く、セレッソに復帰。にも拘らずずっと背番号1を背負っているのは、多大な期待を受けているのか、それとも1番の価値はもはや無きに等しいのか。

・佐々木匠(仙台⇔山口) MF 22試合・1636分出場 得点3
レンタル所属が3クラブも続いた男。最初の徳島では活躍は無かったが、2018年讃岐で40試合出場・4得点と躍進。そして前年は山口でさらなる成長を期待されたが、数字的には伸び悩み。
小柄な身体が仇となったのだろうか、シーズン途中にはボランチでの出場も目立ち、讃岐で見せた攻撃の中心的役割はあまり果たす事は無く、終盤には出番すら失った。
それでも今季は(今の所は)仙台に復帰。折しも監督交代が行われたクラブであり、チャンスをモノにしたい。

・宮代大聖(川崎⇔山口) FW 19試合・1413分出場 得点2
川崎では史上初の「高校3年時でのプロ契約」となった選手だが、層の厚さで出番は皆無、前年夏の移籍期間早々に育成型レンタル。
加入直後から早速CFとして起用され、素材の良さを見せ付ける。しかしポストプレイヤーとしては機能しても得点には中々恵まれず、スタメン10試合目でようやく初ゴール(34節)。
2得点は物足りない成績ながら、初めてプロの場で足跡を付けられたのは進歩。川崎という厳しい競争の場を勝ち抜く事は可能だろうか。

・石原広教(湘南⇔福岡) DF 37試合・2963分出場
湘南ユースの生え抜き。2種登録されてからというもの激しくJ1⇔J2とカテゴリが入れ替わる中、石原自身も中々成績を伸ばせず、前年にレンタル移籍。
リーグ序盤は定まらない戦術のあおりを受け、警告を貰う事多数で出番も安定せず。しかしその期間を乗り切ると、ほぼ安定してWB(SB)のポジションを確保。初瀬が加わってからも、脅かされる事は殆ど無く1年を乗り切った。
もし湘南がJ2落ちしていたら戻る事はあっただろうか、そんな事を考えさせられる福岡でのシーズンであり、継続する事は出来るか。

・初瀬亮(神戸⇔福岡) DF 9試合・801分出場
2017年にはA代表も経験(ただし出場は無し)した逸材。代表入りへの意欲旺盛という感じで、出番を求めてガンバ→神戸と渡り歩いたが、酒井の加入で出番を失うと前年9月に育成型レンタルで福岡入り。
WBなら両サイドをこなせる利便性で、リーグ終盤での加入ながら石原と双翼を担う。またプレースキック役も務めるなどその能力を見せ付けたが、チームが下位低迷していたのもあり大きな活躍は出来ず。
そして神戸で迎える今季、初のACL出場でアピールの場も増えるはずだが、代表復帰への足掛かりを作れるか。

・前川大河(セレッソ⇔福岡) MF 40試合・2209分出場 得点2
喜田とともにセレッソから育成型でやって来た。それにしては出場数に大差が付いたものだが。セレッソに入団当初(2015年)はJ2で、その後徳島に3年間レンタルされて福岡に至るという経歴なので、J1経験は無し。
セントラルMFとして起用されたが、攻撃の方にウェイトがある選手らしく、チームが監督交代を機に守備的にシフトすると存在感は希薄に。それでも37節で魅せたスーパーミドルなど潜在能力を発揮した試合もあり、成績的にもっと伸びても良かった。
レンタル生活の最中にセレッソはJ1上位レベルのクラブに飛躍。その中でのハイレベルな争いに打ち勝つ事は難しそうだが、キッカケが欲しい。

・喜田陽(セレッソ⇔福岡) MF 10試合・420分出場
前川とともに(以下同文)。セレッソ時代はJ3(U-23)での出場のみで、J2へとカテゴリをアップ(?)させて挑んだ前年。
しかし徳島での経験を生かし主力に収まった前川と比べ、チョイ役に留まる事となった福岡での生活。中盤に4試合スタメンで出る機会を得たものの、その4試合は全敗とツキにも恵まれずという1年だった。
前川でも苦しそうなJ1での戦い、喜田が割り込む余地はあるのだろうか。

・茶島雄介(広島⇔千葉) MF 22試合・1268分出場 得点1
広島ユースの後は大学に進み、卒業後広島入り。プロ入り後も順調に上昇曲線を描いていたが、2017年のチームの落ち込みとともに出番を減らし、翌年から千葉でのプレーとなる。
レンタル1年目の2018年こそ39試合に出場したが、前年は開幕スタメンもそこで故障・途中退場したのが躓きの始まりで、復帰後も主力として扱われる事は無く、終盤は完全に出番を失った。
千葉移籍当初は右SBが主だったが、本来は攻撃的なMF。前年はチームの低迷もあり、「何処でも起用できない」ような状況であったが、戻った広島が彼を生かすポジションは何処になるか。

・増田卓也(広島⇔町田) GK 38試合・3420分出場
広島では西川(現浦和)・林の壁に阻まれ、2017年よりレンタル生活の路線に。2年間長崎でプレーした後、前年は町田へ。
能力は確かでありあっさりと正GKの座を掴んだが、チームは低迷とアンバランスさが目立ち、増田自身も夏場にサブに転落した時期を作ってしまった(その際のスタメンは福井)。
レンタルバックを組み込みつつの編成な今季の広島、川辺の活躍で味を占めたのだろうか。

・山内寛史(セレッソ⇔町田) FW 17試合・619分出場 得点1
典型的な長身FWで、セレッソから2018年9月に育成型レンタルで移籍。それでも8試合出場・無得点に留まったが、期間延長で前年も町田でプレー。
しかし長身FWが揃っている(中島・富樫)中で価値を見出すのは難しく、開幕当初こそレギュラー扱いだったが結果を出せずに終わった。正直延長せずにセレッソU-23で戦った方が良かったかな、という1年になってしまった。

・平川怜(FC東京⇔鹿児島) MF 7試合・371分出場
日本人でクラブ史上最年少でリーグ戦デビュー、という輝かしい冠言葉が付いた選手。ただし2017年・2018年と出場はともに1試合のみで、前年も1試合出場と不遇をかこい、夏場にレンタル。
しかしクラブは残留争い真っ只中の鹿児島。加入当初は起用されていたが、出場7試合いずれも未勝利に終わったうえ、7試合目の34節に負傷で前半途中交代、以降は出場無く終わった。
結局鹿児島はJ3降格し、育成型だったため平川はFC東京に舞い戻り。成長したのかどうかは非常に疑問だが、やるしかない。

・アンジュンス(セレッソ⇔鹿児島) GK 36試合・3240分出場
韓国ユース代表経験も持ち、次代のA代表を狙う立場。となるとライバルは札幌のクソンユン辺りで、彼もセレッソ選手経験を持ち、そのセレッソには現A代表のキムジンヒョンが在籍……と、韓国代表GK=セレッソという関係が浮かび上がる。
セレッソでは出場無く移籍先で活躍、というのはクソンユンと同じ。ただし彼はレンタルであり、2年間鹿児島のゴールを守り続けたのち今季帰還。
となると、前年最終盤に鹿児島の正GKが大西に挿げ代わっていたのは、レンタルバックは既定路線だったのだろうか。代表入りを目指すならば、他クラブに移籍した方が近そうだが果たして。

・市丸瑞希(ガンバ⇔岐阜) MF 14試合・740分出場
将来を期待されるボランチだが、トップチームの層の厚さを破れず、前年は育成型で岐阜へレンタル。
しかし岐阜は残留争い、しかも最下位からの脱出を図るクラブという事が災いしたか、レギュラーに定着する事は無く。スタメンの機会は少なくなかったものの、やはり敗戦が込むと選手の序列も激しく入れ替わるのが常であり、36節を最後に起用される事は無かった。
そろそろJ1でも纏まった出場数を残さないと後が無い立場になってきたが、大ベテラン・遠藤の牙城を脅かせるかどうか。

・高畑奎汰(大分⇔鳥取) DF 12試合・988分出場 得点1(J3)
ユース出身の期待の星で、序盤はJ1という舞台でも出場していたが(6試合・296分)、定着には至らずJ3へと戦いの場を移す。
左SBが本職(かつてはMFだったとの事だが)故、大分の3バックに適応するにはWBか左CBに活路を見出す事をしなければならず、新人には厳しい難易度。
そして鳥取である程度の結果を残し帰ってきた高畑、今季は大分に順応なるか。

・イユノ(仙台⇔福島仙台→福島→仙台→ガンバ) GK 出場無し(J3)
韓国から練習生として日本にやって来て、高校を中退し入団を決意。韓国人GKは能力的に信頼がおけるものだが、シュミット・ダニエル(現ベルギー)の壁は厚い仙台なので出場無く、前年福島へレンタル。
しかし福島もキムミンジュンという、湘南からレンタルで来ていた同胞選手が所属。そのキムミンジュンと2番手の座を争い、ベンチ入りの数では上回ったが結局出場無く終わった。
そしてレンタルバックとなったが、シュミットは既に居ないものの、ヤクブ・スウォヴィクがガッチリ正GKの座に就いている仙台、出番はあるのだろうか。
※3/7追記-ガンバへのレンタル移籍が発表されました

・宮本航汰(清水⇔岐阜) MF 25試合・2149分出場 得点1
清水ユースからの生え抜きで、早くからレンタル路線へ向かう事を余儀なくされた。長崎で2年間過ごした後、今度は岐阜で2年間過ごし、この度帰還。
岐阜時代は主力として定着したが、前年は故障だったのかフルには活躍出来ず。前半の8連敗はあまり被らずに済んだが、その後もチームは低空飛行を続け、宮本は出場こそ重ねるが降格へと向かうチームを救う事はならなかった。
それでもJ2で場数を踏んで戻って来た宮本、チーム再編の真っ只中な清水で飛躍を狙う。

・市川暉記(横浜FC⇔鳥取) GK 10試合・900分出場(J3)
横浜FCからレンタルで出された際はJ2だったが、鳥取で戦っている間にクラブはJ1昇格、そしてレンタルバックでJ1の舞台に立つ……かどうかはかなり厳しい。
前年の鳥取は正GKが固定できず、市川の他は北野が12試合・井上が12試合。しかもシーズン後は3人とも退団し、今季も苦労する事が予想される。
それはともかく今季の市川だが、正GKの南が最晩年とはいえ、清水から六反を補強しており立場的には相変わらず。

・安永玲央(横浜FC⇔富山) MF 2試合・15分出場(J3)
ユースを経てトップチームに昇格したが、齊藤光の台頭を成す術も無く見送った後、自身は夏場にレンタル。
しかしその悔しさをバネにする事は、この出場記録では皆無だったと言わざるを得ないだろう。育成型だったため戻って来たが、恐らく今季も途中でレンタルになるのではなかろうか。それをチャンスと捉えられるか。

その3へ続きます

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2020年J2リーグ・開幕前の編成の雑感~1

2020-01-30 15:18:17 | 雑記

移籍情報についてはこちらを参照

・モンテディオ山形

一番の痛手は、前年攻撃の中核を担っていた坂元の移籍。彼に加えて井出・助っ人3人(アルヴァロ・ロドリゲス、ジェフェルソン・バイアーノ、ホドルフォ(DFだがここに加える事にする))・柳がチームを離れ、攻撃の体制をどう組み立てるかが課題だと思われる。
幸いボランチの中村駿・本田は残留で、ディフェンス陣も加賀が抜けたぐらいで主力組は残留と、土台はしっかり残す事に成功した。これを下に、どう攻撃の駒を当てはめていくだろうか。
鹿島から加入した中村充は10番に決まるなど、その期待を一身に請け負う。他に金沢で7得点を挙げた加藤、新潟で4得点の渡邊を加え陣容を整えんとしている。J3からのレンタル復帰組で結果を出したのは北川、北九州では後半戦だけでスーパーサブで7得点と大活躍だった模様で、手薄になったFW争いに食い込めるだろうか。なお空き番の9番に助っ人を獲得するという噂があるようだが、真偽は不明。
新監督の石丸清隆氏は、2016年に京都の監督で昇格プレーオフを経験した人物。サッカーの内容は堅守ベースのオーソドックスなもので、山形にマッチしそうである。
基本フォーメーションは4-4-2、試合中もそれが変わる事は殆ど無かったらしいので、今季の山形も4バックになる……と思っていたら、キャンプでは3バックの練習をしているらしい。

・水戸ホーリーホック

レンタル選手は誰も残せず、J1に個人昇格した志知・浜崎、他のJ2クラブに移った白井・茂木に、長谷部茂利監督とともに福岡に移った前と、被害が甚大だったオフ。ここで語った通り、昨シーズンの終了はスタートラインに戻る号砲だったようだ。
そんな炎上中ともいえる陣容を整えるべく、今オフも7人もの選手をレンタルで獲得と必死さが窺える。J1からの選手が多く即効性はありそうだが、その分残す事も難しく、その場凌ぎにならない事を祈る。
10番を背負うのは、山形と同様に鹿島から移籍してきた山口。9番は磐田から完全移籍の中山と、彼らが実力を発揮できれば落ち込みは少なくて済みそうだが、現段階では何とも言えず。
また、2番手GKの穴(村上が移籍)を埋めるべくユース代表経験者の牡川を獲得。3年前の記憶(群馬)では不安感全開なプレーぶりしかなかったが、J3での経験でどう変わったか地味に気になる。彼の他、YSCC横浜から獲得した2選手(河野・奥田)しかり、J3の場も貴重な人材供給源とするのは苦肉の策か。
ちなみに表以外にも、アルビレックス新潟シンガポールからのレンタルバックである大原が居るが、シンガポールリーグの終了に伴い前年終盤に既に合流していたので載せなかった。

・栃木SC

薄氷でJ2残留を果たした栃木だが、その土台となったヘニキが移籍。これで「ヘニキFWシステム」は解体が決定的に(まあ今季も降格危機になれば他の選手でやるかもしれないが)。その穴埋めかどうかは不明だが、韓勇太(ハンヨンテ)・矢野・有馬と長身FWの補強には事欠かず。
資本力に限界があるチームらしく、他クラブからは契約満了になった選手の獲得が中心。前述の矢野の他、塩田・高杉・禹相晧(ウサンホ)・エクスデロ競飛王と終結、彼らの経験を生かして今季も残留が目標のシーズンとなりそうである。
大黒が居なくなったFW。それだけでは無くアタッカーである西谷和・浜下も移籍してしまい、前線には新たな人材が求められる状況であり、早速上記の補強選手をどう当てはめるのか試されそうだ。またキャンプ中に三宅の退団が決まったのは、それ故構想外になったからだろうか(邪推の域)。地味に右サイドバックの久富も移籍したが、すかさず溝渕をレンタルで獲り穴埋め。
それにしてもJ2下位ともなると、地域リーグからの出入りも激しいのが印象的である。

・ザスパクサツ群馬

3年ぶりに戻って来た群馬、J3仕様のチームから一変させるべく、選手の入れ替えにも精力的である。個人的に目をひくのが浦和ユースから加入した山中で、新戦力補強も新人発掘も茨の道と化している浦和の現状を示しているようで何とも。
一般的な注目ポイントは、何といっても大前の加入。今季で30歳と年齢的にはまだまだやれそうだが、運気の無さ(清水・大宮で降格を経験)を持ち込みやしないかと不安に駆られてしまう。まあ前年は戦術に合わず出番減という側面が窺えたので(真偽の程は不明)、今季は目の色を変えてのプレーに期待する。彼の他、前年J1でプレーした岩上・宮坂といった選手を補強。
痛手としては、前年正GKであった吉田の移籍か。これで否が応でも再編を迫られる事となったGK事情、何とか3年前に在籍していた清水の獲得に成功。前回ともに在籍していたチームメイトは舩津のみと、降格のダメージが伺い知れる編成である。なお松原も2年前に在籍しており当時正GKで、どちらを起用するのか奥野僚佑新監督の選択やいかに……と、奥野氏も2人と同様に出戻りだったか。(JFL時代の2002~2003年)

・大宮アルディージャ

黒川が水戸で大きく躍進、戻って来て早速10番を背負う事に。彼を含め、櫛引以外レンタルバックさせている辺り、この補強策(黒川の他は嶋田・藤沼)を軸にするつもりだろうか。まあ今季はあくまで新助っ人が補強の肝で、年齢バランスを取るという思惑もありそうだが。
助っ人を総入れ替え。新たな助っ人はいずれも海外クラブから直接移籍した選手で、チームを去ったフアンマ・デルガド、ロビン・シモヴィッチ、ダヴィド・バブンスキーはいずれも他のJクラブからの獲得であり、この正反対となった図式の補強は吉と出るか。
この3人の助っ人が活躍してくれれば万々歳だが、そうでない時の備えは十分だろうか。フィリップ・クリャイッチのGKには元々笠原が居るので不安は少ない。ネルミン・ハスキッチへの期待は1トップでのヘッダー兼ポストプレイヤーだろうが、ここには彼の他、横浜FCから戸島を獲得して備えている。
心配なのはDFか。ヴィターリス・マクシメンコはラトビア代表経験者であり信頼は出来そうだが、絶対数が7人と少ない(そのうち渡部はWBの選手)のが後にプレッシャーになりそうである。
他クラブからの完全移籍での獲得はMFに集中。その中でも長崎から加入の翁長、再び高木琢也監督の下で輝く事が出来るか。

その2その3その4へ続く……

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個人昇格した男達~2020年開幕前・その1

2020-01-29 16:17:46 | 雑記

こちら(Number)の二番煎じですが、自己満足も兼ねて取り上げたいと思います。
※取り上げるのはJ2(またはそれ以下のカテゴリ)→J1へ移籍した選手です。
※J2降格したての松本・磐田からの移籍選手は厳密に「個人残留」といえるので扱いません。

<完全移籍した選手達>

・奥井諒(大宮→清水) DF 前年の成績 26試合・2177分出場 得点1
一度は大宮と契約更新したものの、その数日後に清水への移籍が発表された。清水側の強引な引き抜きというのが大方の見解だが、大宮側も移籍金獲得という利点があるため、一方的な清水側の意思かは不明。ともかく大宮が降格となった2017年以来J1の土を踏む事に。
ウイングバックで出場を重ねていたものの、32節以降出番はパッタリと無くなってしまう。WBにはイッペイ・シノヅカの途中加入もあり、そのあおりを受けた格好となった。
清水のサイドバック事情は折りしも松原の海外移籍が発生し再編期となっており、サイドハーフもこなせる便利屋ぶりもアピールしつつレギュラー定着を狙うのだろうか。

・茨田陽生(大宮→湘南) MF 37試合・2887分出場 得点5
攻撃の舵取りが持ち味のセントラルMF。柏時代(2009~2016年)から長らくJ1で戦ってきたが、大宮に移籍した途端に降格・J2での戦いを強いられるという経緯なだけに、納得出来なくも無い移籍。
シャドーでの出場が主だった前年、もう片方のシャドーの奥抜とともに5得点。
そして「昇格」先は湘南で、シャドーの競争が激しいチームへと入ってしまった印象が強いが、本来はボランチであり両方出来る利点は大きいはず。

・梶川裕嗣(徳島→マリノス) GK 41試合・3690分出場
昇格を目指した徳島の戦いを支えた守護神も、この度個人昇格。以前は湘南でJ1経験はあるものの出場は2試合のみだった。
ポゼッションスタイルの徳島、そのビルドアップを最後尾で支えた実績が評価され、同じくGKにビルドアップ能力を強く求めるマリノスが獲得。正GKには朴一圭(パクイルギュ)が構えているだけに出番は激減するだろうが、まずは2番手の座を掴むのが目標だろう。

・内田裕斗(徳島→鳥栖) DF 37試合・3119分出場 得点2
J1クラブ(ガンバ)でスタートもJ2に都落ち、出場を重ねる事5年でJ1に戻る事に成功した内田。(といってもガンバ時代は主にJ3・U-23選抜での出場のみだったが)
左WBから左センターバックへとポジションを移し、何度もキレの良い攻撃参加を魅せて貢献。かくいう自分も内田のオーバーラップは好きなシーンの一つで、あの後方からのドリブル突破がJ1でも通用するか、着目して観たい。

・杉本竜士(徳島→マリノス) MF 33試合・2585分出場 得点4
J1は2018年に名古屋で経験するはずだったが、開幕直後というタイミングで徳島に移籍。その悔しさをバネに……という判で押したような表現が似合う活躍を前年は魅せてくれた。
内田とともに左サイドアタックを担い、徳島の攻撃に厚みを持たせる存在として活躍。単なるクロスだけに留まらないその攻撃は見応え十分だった。
梶川とともにマリノスに移籍、J1でも層の厚いクラブであり出番が回って来るかは不透明だが、類似したサッカースタイル間での移籍だけに順応性を見せたい。

・野村直輝(徳島→大分) MF 39試合・3219分出場 得点7
説明不要の存在感を魅せた野村、当然といえば当然ともいえる「昇格」を果たし、しかも移籍先の大分では早々に背番号10を背負って挑む事に。
徳島在籍は1年のみで、それまでは横浜FCでキャリアを積む。2018年は寸前で昇格を逃したシーズンとなり、それを経て徳島に移籍したがまたもや寸前で昇格する事が出来ず。そして元の横浜FCは昇格と、この運の無さが今後の懸念か。
大分はJ1とはいえ、規模はJ2に近い現状のクラブであり、集めた人材を生かしきる事が生命線。そのクラブで野村はどんな輝きを放つだろうか。

・小出悠太(甲府→大分) DF 36試合・3135分出場
大学(明治大学)から甲府に入団して3年。1年目はJ1で10試合出場し、クラブがJ2に落ちてからはレギュラーとなり、前年はキャプテンも任されていた。折しもディフェンスリーダー的な存在の山本が晩年に差し掛かり、世代交代が果たされた格好で飛躍する事に。
その前年はCBの中央をこなしていたが、チームが昇格に黄色信号が灯った残り4試合というタイミングで、右CBへとポジションを移した(空いた中央には新井が入る)。これが功を奏して残り試合全勝・プレーオフ出場を果たすも、結局昇格はならず。
そして個人昇格となった小出、利便性のある3バックの一員としてJ1でも活躍できるだろうか。

・佐藤和弘(甲府→大分) MF 33試合・2650分出場 得点6
「JFLからJ1へ」というステップアップの連続の経歴は、前年の藤本(現神戸)の活躍で注目を浴びたが、佐藤もこの度の移籍でこの経歴を完成させた。Jリーグ入りを目指す金沢に入団し、クラブとともにJ2まで昇格。ここから水戸→甲府と渡り歩き、クラブは昇格出来なかったが、小出とともに大分に移籍。念願のJ1へ歩む事となった。
ボランチ・シャドー(トップ下)両方をこなすセントラルMFの例に漏れず、パスワークと得点力両面で活躍した前年。
この佐藤とワンセット気味にボランチ・シャドーで起用されていた横谷も移籍(愛媛)し、チームの形を新たに作らなければならなくなった甲府、前途はいかに。

・坂元達裕(山形→セレッソ) MF 42試合・3163分出場 得点7
新人ながら全試合出場、この数字だけを見ても彼の放つ輝きは凄まじかった事が窺える。1トップ・2シャドーの人選に苦労していた前年の山形だけに、その価値も絶大。
ドリブル突破に優れ、スペースに走り込む能力も健在と、まさに攻撃にスイッチを入れられる存在として終始活躍。
そして早くもそれが目に留まり、僅か1年(特別指定での在籍は含まず)での移籍劇となったものの、こうして人材の流動性がアップする事は当然リーグ全体の底上げにも成り得る。坂元本人は代表入りを目標としているとの事なので、まずはレギュラー争いに打ち勝ちたい。

・志知孝明(水戸→横浜FC) DF 39試合・3510分出場 得点5
環境や役割の変化で劇的に変貌を遂げる選手も居る。前年松本から水戸に移籍してきた志知はその典型で、それまでのMFからSB(左)へとコンバートすると大ヒットとなり、開幕からスタメン出場を続ける大活躍。
プレースキックも出来、ヘッダーにもなれる攻撃面の万能性は以前のポジションで培ったであろうもので、SBながら5得点を記録した。
シーズン終盤は浜崎・外山にスタメンを奪われる事もあり、残って欲しいが絶好の売り時でもありという難しい立場になっていたと予想する。そして移籍となったのだが、クラブにとって誤算なのは浜崎も移籍した事だろう。

・浜崎拓磨(水戸→仙台) DF 6試合・526分出場 得点1
その浜崎だが、志知の大化けに押されて出場機会は僅かに終わったシーズン(故障か?)。にも拘らず仙台が食指を伸ばし移籍と相成ったのは、出場・活躍が終盤であり、かつ志知に劣らず攻撃面で目立っていたからだと推測。
志知と同じくプレースキック役を務められるSBであり、永戸が移籍した穴埋めのために仙台が獲得、という背景だろう。
また彼もスタートはJFL(FC大阪)であり、このラッキーともいえる形で得たJ1への挑戦権、手放したくない所である。

・湯澤洋介(京都→鳥栖) MF 4試合・10分出場
かつてユニバーシアード代表に選ばれた選手であり、プロ入り後はJ2クラブを渡り歩くものの近年は先細り気味。クラブの迷走真っ只中の京都に移籍したのが暗転の始まりで、安定・上昇期になった前年はさらに出番減。
何故J1の鳥栖が獲得に走ったのかは不明だが、汗をかける中盤の選手が欲しかったのか(繊細は不明なので個人の印象)、あるいは単に小屋松との抱き合わせ移籍だったのか。謎は尽きないが、シーズンが始まればいくらか明らかになるだろう。

・小屋松知哉(京都→鳥栖) MF 42試合・3722分出場 得点9
言わずと知れた、仙頭とともに京都の両翼を担った人材。その仙頭とは高校時代にチームメイトだったという。高校卒業後は名古屋に歩みを進めたが、故障もありJ1では華々しい活躍は出来ず、2017年から京都へ、そして仙頭と再会する。
前年の京都という独特の戦術の下活躍した(それ以前も活躍していたけど)アタッカーであり、ハードワーク以外はオーソドックスなスタイルの鳥栖とはマッチするのか不安はあるものの、再びのJ1で成長した姿を見せられるか。

・仙頭啓矢(京都→マリノス) MF 36試合・2657分出場 得点10
言わずと知れた、小屋松とともに(以下同文)。小屋松との違いは、高校卒業後は進学を選択し、そして直接京都に入団した事。まだ選手像が出来上がっていないのが災いしたか、プロ入り直後はボランチをやったりもしていたらしいが……。
その分「前年大化けした」感は小屋松より強く、CFの一美とのトリオで脅威の攻撃力を形成。その3人が揃って移籍するのはチームにとって痛手なのは間違い無いが、クラブ(京都)は自信を取り戻したようで、昇格に向けて大型補強を敢行し現在に至っている。

・一森純(岡山→ガンバ) GK 34試合・3040分出場
育成時代はセレッソで過ごしたが、昇格出来ず大学へ。そして当時JFLの山口に入団し、チームが1年毎にステップアップしていく中で自身も成長、という綺麗な歩み。しかし2016年オフに主力の大量移籍が起こった山口、一森もその流れに沿い岡山へ。
岡山でのプロ生活は決して楽とは言えなかっただろう。入ってすぐに櫛引(現山形)と正GK争い、それに打ち勝ったかと思えば翌2018年には札幌から加入した金山との争い。前年は開幕から金山が起用されたものの、9節以降逆転し以降フル出場と、ここでも勝利した一森。
しかし山形に移籍した櫛引と違い、今度は勝った一森の方が移籍のレールに乗る事となった。ただし移籍先はJ1のガンバで、東口が控える今度は容易に勝利は出来ないだろうが、チャンスを掴みたい。

・仲間隼斗(岡山→柏) MF 40試合・3485分出場 得点15
柏ユースでプロ入りを狙うも、柏には上がれず熊本へ入団。そして巡り巡って、この度柏に完全移籍で戻る事に。
攻撃的MFとしてのレベルの高さは、前年の得点記録で証明済み。左サイドハーフが主な働き場だったが、左での攻めに留まらない幅広い動きでゴールを量産した。逆サイドのレギュラーだった関戸が1得点のみという成績を見ても、仲間を軸にした攻撃が岡山の売りの一つなのは明らかだった。
移籍先の柏も岡山と同じ4-4-2が基本システムだが、数多の助っ人選手が所属し層の厚さは比ではない。厳しい戦いが待ち受けているが、生存競争に残れるか。

その2その3へ続きます……

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TV観戦 第99回天皇杯JFA前日本サッカー選手権大会決勝 ヴィッセル神戸vs鹿島アントラーズ

2020-01-04 18:38:34 | サッカー視聴記(2020年以前)

<神戸スタメン> フォーメーション 3-4-2-1
GK 飯倉
DF ダンクレー 大﨑 トーマス・フェルマーレン
MF 西 山口蛍 アンドレス・イニエスタ 酒井
  古橋 ルーカス・ポドルスキ
FW 藤本

<鹿島スタメン> フォーメーション 4-4-2
GK クォンスンテ
DF 永木 ブエノ 犬飼 町田
MF 名古 レオ・シルバ 三竿 白崎
FW セルジーニョ 伊藤

3ー3ー2ー2(3ー1ー4ー2?)が基本フォーメーションの神戸だが、鹿島対策としてなのか3-4-2-1に。(33節・鹿島戦で同様のフォーメーションで挑み勝利、3-1)
それとも移籍が囁かれているポドルスキを最後に出場させる意図なのか、それに伴い外国人枠の関係で弾く必要性が出てきて、白羽の矢が当たったのがセルジ・サンペールという事だけなのかもしれないが。
引退表明しているダビド・ビジャはベンチ入りに留まり、1トップには33節で得点を挙げた藤本。
ビジャの他のベンチメンバーは田中・小川が攻撃の駒、安井が中盤の駒、辺りか。

故障者の多い鹿島だが、レオ・シルバと三竿のドイスボランチの存在で中央は固いという印象。
しかし準決勝で土居が負傷のためハーフタイムで交代、この日はベンチスタートとなり、手薄な陣容が一層深刻化。
それに伴いセルジーニョも中央寄りのポジションでスタート。
ベンチメンバーも、土居の他は内田・中村がどうかというぐらいに駒不足感が否めず。

試合開始
開始1分にフリーキックを得た鹿島、エリアからかなり手前なのでどうかと思ったが、直接クロスを入れにいったキッカーの永木。
その後敵陣深くでスローインを連続で得るなど攻勢を見せたが、それは5分弱で終わり以降神戸がペースを握る展開となる。
思い返せばこの日の神戸と同じく、準決勝で鹿島と対戦した長崎は3ー4ー2ー1で挑み、やはり鹿島に負けない攻勢を見せ付けていた。(ペースを握るには大分時間が掛かっていたけど)
そんな経緯からも、攻勢を仕掛けるうちに確信を得ていたであろう神戸の鹿島対策が窺えた。
前半10分 神戸・イニエスタがミドルシュート
イニエスタ→古橋へのパスを数本見せた後の、このイニエスタ自らのシュート。
ここもイニエスタのロングパスがクリアされてからの、酒井→ポドルスキと繋がってのものだったが。
前半10分 神戸・古橋がシュート
前半13分 神戸・藤本がシュート
その後どんどんシュートを重ねていく神戸。
後者はイニエスタ抜きでも西→古橋クロス→藤本エリア内でシュートと繋がってのもの。
古橋のクロスはグラウンダーで、前半の鹿島は終始これと類似したクロスに四苦八苦する。
前半15分 鹿島・レオシルバがFKで直接シュート
流れを掴みたい鹿島、空中で繋いだ後にキープするセルジーニョが反則を受けて得た直接フリーキック。
キッカーのレオ・シルバは直接狙ったが、壁に当たってゴール上に外れた。
その後コーナーキックの連続で押し込む時間が続いたものの、所詮はセットプレーによるものなので流れは作れず、直後の神戸の反撃が失点に結び付く事に。
前半18分 神戸先制 オウンゴール 1-0
イニエスタのパスを酒井がダイレクトで前へ送り、左コーナー付近でポドルスキがキープ。
その後奪われかけるも酒井が取り返してカットイン、しかしクロスを上げたのは酒井では無く走り込んだポドルスキ。
彼の速いクロスも相成って鹿島守備陣は虚を突かれたか、GKクォンスンテは弾いたものの、そのボールが藤本についていた鹿島・犬飼の足に当たってゴールイン。
不運ともとれるシーンだが、左サイドで分厚い攻撃を仕掛けてエリアに入られた時点で勝負ありともとれ、これまで再三サイドを抉られクロスを入れられているのが結実したともいえる。
前半24分 神戸・イニエスタがロングシュート
反撃したい鹿島だが、依然として流れの中からは良いシーンは作れず。
サイドからのクロスも、手前からやや強引に上げたもので崩せていないシーンが目立った。
そんな間隙を突き、GKクォンスンテの前目の位置を見たイニエスタが放ったロングシュートだったが、ゴール左に外れた。
前半26分 鹿島・セルジーニョがボレーシュート
このシュートもセットプレー、しかも例によって位置はかなり手前からのフリーキックで、キッカー永木のクロスの跳ね返りを直接ボレー。
ボールの流れ的には完璧だったが、枠に飛ばす事は出来ず。
前半27分 神戸・ポドルスキがミドルシュート
前半28分 神戸・ポドルスキがシュート(オフサイドで取り消し)
その後ポドルスキの初シュート(鹿島・ブエノがブロック)を経て迎えた決定機。
大﨑がポドルスキとワンツーで前進し、バイタル辺りからエリア内左へ浮き球でパス。
これを酒井が折り返し、ポドルスキが合わせてゴールに入れるも、酒井がオフサイドを取られてノーゴールに。
再びエリア内での折り返しへの脆弱さが露呈した鹿島。
その後は神戸がボールを握るもシュートに結び付かない時間が続く。
鹿島側は執拗に神戸・古橋がボールを持った所にアタックし、33分にチャージされて倒れ込んだ古橋はそんな敵の姿勢に不満げな顔を見せる。
キーマンに対して激しく当たる鹿島の姿勢は前年の天皇杯でも証明済みで、相手の冷静さを失わせつつペースを握るという戦略が窺える。
実際直後からペースを掴んだ鹿島、しかしその内容はまたもセットプレーの連続で、流れからシュートまで持っていけず。
前半38分 神戸追加点 藤本がシュート 2-0
反面流れの中からガンガンシュートに結び付けられていた神戸、とうとう追加点。
右サイドで古橋がボールを持ち、西とワンツーで中央へ切り込むもこれは跳ね返される。
しかしこぼれ球を山口が繋ぎ、右サイドから西がグラウンダーでクロス。
これに鹿島・犬飼が先に触れにいくも、あろう事かクリアミスで藤本の足元に転がり、そのまま蹴り込んで(触っただけか?)ゴールに入れる。
最悪でも1-0のままハーフタイムに持ち込み、流れを変えたかった鹿島にとっては痛すぎる追加点。
前半45分 鹿島・三竿がヘディングシュート
レオ・シルバが古橋に倒されたものの、その際レオ・シルバの肘が古橋の顔に入ったという事で一悶着あった(VARで交信した)後、鹿島のフリーキック。
レオ・シルバのクロスに頭で合わせた三竿だったが、威力が足りずGK飯倉がキャッチ。
前半AT 神戸・ポドルスキがヘディングシュート
前半AT 神戸・藤本がシュート
最後は神戸のターン、前者はお返しとばかりにフリーキックからのヘッド。
後者はまたもやグラウンダーでのクロスから(上げたのは古橋)、藤本は今度は収めた後の反転シュート。(鹿島・ブエノがブロック)
スタメンで起用された33節・鹿島戦に引き続いての大活躍の藤本。
前半終了

後半前 鹿島 白崎→土居に交代
2点取るのが最低条件となった後半の鹿島、早速土居をFWへ投入し勝負を賭ける。(セルジーニョが右サイドハーフ・名古が左SHにシフト)
後半開始
後半1分 鹿島・三竿がボレーシュート
伊藤のクロスが跳ね返された所を、待ち構えていた三竿が撃ちにいくもミートせず終わる。
それでも攻勢を掛けるという点で出だしは良かったが、3分にはよりによって名古が足を痛め、交代カードを使用した直後のアクシデントに見舞われる。
一旦復帰しプレーに加わった名古だが、直ぐ後に交代。
後半5分 鹿島・伊藤がボレーシュート?
ここもフリーキックからのクロスで、白崎がヘッドにいくも撃てず。
そのこぼれ球を伊藤がボレーにいくも、その前で大﨑がクリアしコーナーに逃れ……たはずだったが、何故か審判の判定はゴールキックに。
そんな意味で、シュートとして扱わざるを得なくなったこのシーン。
後半8分 鹿島 名古→山本に交代
名古と代わったのは、今季リーグ戦で殆ど出番が無かった山本。(5試合出場・スタメン3試合)
そしてフォーメーションも弄り、神戸と同じ3-4-2-1へとシフトする。
山本は左ウイングバックに入り、3バックは中央に犬飼・右にブエノ・左に町田、右WBは永木。
後半12分 鹿島・三竿がシュート
以降はミラーゲームとなったのが功を奏したか、鹿島が一方的に攻め続ける展開に。
この場面、右からのクロスがファーサイドに上がり、GK飯倉が飛び出すもこぼれる。
そして土居の前にボールが転がるも山口蛍のディフェンスで倒れ撃てず、そのこぼれ球を三竿が撃つも山口蛍が素早くブロックし、鹿島は好機を逃す。(当然その後土居が倒れた事に対し抗議)
後半16分 鹿島・レオシルバがシュート
町田スルーパス→伊藤左サイドからクロス→クリアボールをトラップしたレオシルバ、そのまま撃つもゴール左へ外れた。
20分には準決勝でも見られた神戸のミスが発生、エリア手前でボール奪取した鹿島だったがシュートは撃てず。
一方の神戸は、途中でイニエスタが足を痛める仕草が見られ、その影響もありボールを持っても前半とは違い攻める事が出来ず。
後半27分 鹿島 伊藤→中村に交代
後半28分 鹿島・中村がシュート
押し込むものの得点を奪えない鹿島。
得意のポストプレイが冴えていない伊藤を諦め、これまで今大会で大活躍を魅せている中村(4回戦・マリノス戦ではハットトリック)に賭ける事に。
その1分後、早速レオ・シルバのドリブルから中村のシュートが生まれたが、威力に欠けてGK飯倉がキャッチ。
後半30分 鹿島・土居がシュート
左サイドで形を作り、三竿の中央へのパスを受けてワントラップからシュート、しかし神戸・大﨑がブロック。
後半33分 神戸 藤本→田中に交代
後半35分 神戸・ポドルスキがヘディングシュート
後半35分 神戸・田中がシュート
後半攻勢を掛けられていない神戸、中々ロングボールを収められないのを受けて1トップの藤本を交代。
そしてセットプレー(FK)からのポドルスキのヘディングを挟み、鹿島・中村と同様、早速シュートを放った投入された田中。(GKクォンスンテがキャッチ)
後半37分 鹿島・セルジーニョがヘディングシュート
試合も終盤になり、守備時はリトリート気味になる神戸に対し、ポゼッションでの攻撃を掛けるしかなくなる鹿島。
長いパス回しの末に左から中村のクロスが入り、セルジーニョが頭で合わせるも枠の外。
後半41分 鹿島・土居がシュート
ドリブルシュートを放った土居だが、ここでも山口蛍のブロックに阻まれゴールならず。
そしてこれが最後の鹿島のシュートとなり、以降は神戸が勝利への道を進むのみとなる。
後半43分 神戸 イニエスタ→安井に交代
小破疑惑を抱えつつも、終了直前まで奮戦し主にボールキープに貢献したイニエスタ、ここでお役御免。
そしてラストゲームであるビジャが交代準備を始める。
後半AT 神戸 ポドルスキ→ビジャに交代
アディショナルタイム、もう神戸は攻めず、敵陣でFKを得ても最終ラインに戻すだけ。
鹿島の意地の最後の攻撃も、シュートまでは繋げられず。
そして終了の笛が。
試合終了 2-0 神戸勝利

見事に初タイトルとACL出場権を手にした神戸。
Jリーグのニューモデルとして多くのファンが固唾を飲んでその動向を見守っていただけに、後はその先の栄光に向かって走るのみ……といくでしょうか。
とはいっても、神戸が目指すのは潤沢な資金力を生かしたビッグクラブ化の一点だと思われますが。
過去に栄華を極めた浦和・G大阪といったクラブも低迷・停滞期に突入している現状、その間隙を突いて新たなビッグクラブとして成り上がらんとしている、そんな図式でしょうか。

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